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クイーンズゲイト スパイラルカオス

クイーンズゲイト スパイラルカオス
公式サイト http://psp-queensgate.channel.or.jp/
発売元・開発元
発売日 2011/07/28
価格 6279円(税込)
ジャンル
レーティング
備考
その他
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このゲームの読者の評価
82
グラフ
読者レビューについて
 4Gamer読者レビューは,読者の皆さんがご自身の判断で書いたレビューを掲載するためのコーナーです。掲載前には編集部で主に公序良俗面のチェックを行っていますが,掲載されている情報について,4Gamer.netが正確さの保証を行うものではありません。掲載情報のご利用は,読者の皆様自身の判断と責任で行ってください。
 なお,ゲームの評価を表す「GamerScore」は,投稿されたレビューの平均点を表示したものではありません。投稿の傾向を分析・考慮し,補正を加えることで,有用と思われるスコアを目指した形となっております。詳しくは「こちら」をご参照ください。
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  • Pages: 1
  • これほどまでに名が体を表す作品を私は知らない 80
    • 投稿者:坂田晴海(男性/50代)
    • 投稿日:2011/09/20
    良い点
    ・キャラクターの多さ
    「クイーンズブレイド(以下QB)キャラの御色気スパロボ」とも評された前作では使えないキャラもいましたが、今作ではQBキャラがオールスター&プレイアブルに加えて新作のウリであるクイーンズゲイト(以下QG)キャラもALLプレイアブル。
    まさに豪華絢爛、戦力で選んでもよし、好みでも良し、どちらにしても贅沢な悩みを堪能できる。

    ・フリーステージが自由選択制に
    前作はステージによりフリーバトルが固定だったため、レベルが大幅に遅れたキャラや現フリーマップが苦手なキャラの育成が難しいという問題点があったが解決されている。

    ・戦闘アニメーションが途中カット可能に
    好みのコンボアニメーションを見た後、反撃やフィニッシュは飛ばすと言った使い方が可能に。ニーズを考えると素晴らしい改良点と言える。

    ・規制の限界に挑戦するがごとき暴走ぶり
    前作もかなりのものだったが更にヒートアップし、対象キャラとのキスモードやら液体ぶっかけやらと覚悟完了した人をすら一瞬怯ませるほどの良い意味での暴走を躊躇わない姿勢は流石である。
    そも美少女ゲームという時点である程度性的なものが混じるのは仕方ないがうまく誤魔化されて味付けされるケースが多い昨今、ここまで一切隠そうとせずにコンセプト剥き出しで製作し、それを躊躇わない様は敬意を表するに値する。
    ことエロス成分に限らず、暴力性や政治・社会など賛否のある問題になると「規制」という言葉がいつでも架空世界の面白さを削ぎ落しに来るため、これに対して真っ向勝負を挑むメーカーと言うのは次に出す作品に期待ができてよい。
    悪い点
    ・戦 闘 B G M の 少 な さ
    キャラが多いから仕方ないという言い訳を認めたとしても少な過ぎる。
    原作でボス格、敵の時には鬼のように強く、味方になっても自重しない強さのクローデットやアルドラが汎用BGM。
    前作の発言から作中最強クラス設定で今回プレイアブルとなったエキドナも汎用BGM。
    ノワと師弟関係のアレイン、ヴァンス家繋がりのエリナも汎用BGM。
    新顔のQG勢も汎用2〜3、専用BGM持ちはほぼいない惨状である。
    因縁があるキャラには同じBGMを当てるくらいの工夫がされていてもよかった、と言うかスパロボシリーズなら当然の配慮であろう。がそれもなし。
    エロだけでなく勢いと熱さも売りのゲームでその一端を担うBGMを軽視する理由がまったくわからない。
    BGMそのものは悪くなかったが、BGM担当とこれでOKを出したディレクターは五体投地すべきである。
    ゲームのテーマからして主人公的存在と思えるアリスさえ汎用BGMというのは誰も問題視しなかったのだろうか。

    ・新キャラの手抜き加減
    労力の点から全て新作にする必要はない、と理解してはいるものの、一部キャラクターの技アニメーションが別の技なのに途中まで全く同じである点はとても悲しい。前作キャラの一部ボイスを収録し直すなどの気遣いができているのだから、こうした手抜きが喜ばれないであろう事はわかっていたと思うのだが。

    ・一部ステージのバランスの悪さ
    「特定のポイントに全員辿り着く」という勝利条件がわりと頻繁に登場するのだが、クリアポイントが突然に指定される上に鈍足なキャラでは位置によって間に合わない場合がある。こうしたMAPでは一人でも倒されるとゲームオーバーが抱き合わせになっており、しかもシナリオの流れ等から「このMAPではあの条件がくるか」と予想できないので自然といつ来るかに備えたプレイをすることになる点にストレスを感じる。

    ・ルート選択の際にメンバーが選択できず、見ることもできない
    ストーリー進行でルート分岐が頻繁に発生し多過ぎるメンバーが別行動になって管理されるのだが、この際にメンバー確認ができない。
    お気に入りキャラがいない、主力がごっそり抜けてしまう、等の理由でいちいちセーブからやり直さなければならない仕様は擁護不能。リスペクト元であるスパロボシリーズでは分岐の際にメンバーをそれぞれ発表し、わかりやすく区分けしているのでそれをしなかったのはマイナス。

    ・宝探しの代替手段が少なすぎる
    フィールドに埋もれた宝は特定のヘクスに止まる事で回収できるのだが、有益な品が多い割にほぼノーヒントなのでゲーム進行を考えるとどうしても探索スキルを所持したキャラを出したくなる。
    キャラの多さの割に出撃枠が少ないため探索用キャラとしてノワを固定にせざるを得ず、自由な編成を取るかアイテム回収を取るかを選ばなければならない点はマイナス。代替手段は豊富にすべきだったのではないだろうか。

    ・敵のバリエーションが少なすぎる
    QB・QG両作品のキャラをプレイアブルにしたいというユーザーの希望と製作側のサービス精神が顕現したのは大変結構な事ではあるのですが、それがそのまま欠点となってしまっているのが惜しい。
    ほぼすべてのシナリオでオリジナルキャラが敵ポジションとなるものの、五人しかおらずうち二人は前作との兼ね合いで仲間になるため実質三人の敵幹部、あるいは雑魚と延々戦い続ける事になる。当然使い回すために倒しても適当な理由で逃げてしまうため「またおまえか」という徒労感とゲームクリアまで戦わなければならない。これならばマルチシナリオにして、ルートごとに敵や味方が入れ替わるようにしてもよかったのではないだろうか。
    オリジナル勢力とオリジナルキャラがボリューム満点で「ゲームの世界観で原作に殴り込みかけてやるぜ」くらいの覇気があれば伝説になれたかもしれないが、色々な意味でビーンボールとしか言えないこの作品でそこまで製作側に求めてしまうのは野暮というものであろう。

    ・世界観が混沌としすぎておりストーリーが軽い
    QB世界は前作で問題が解決されてしまっており、QGにはそもそも軸になるストーリーが存在していないため仕方ない点ではあるのだがとにかくストーリーが軽い。
    次のシナリオでどうなるか、どう盛り上がっていくかが悪い意味でまったく予想できないためにテンションが上がらず、燃える展開も期待できないというマイナスはかなり大きい。
    前半で仲の悪かったキャラが後半で助けに来る、と言った王道展開はあるのだが、いつ来るか予想し様がないのでどうも片手落ちである。
    また登場キャラが多い弊害でもあるのだが、特定のキャラ同士が親交を深めたりするシーンも殆ど無いので「文字通り多彩な女闘士を好きに使える」以上の事を求めてはいけないのが残念。

    ・訓練戦闘で部位破壊できない、ギャラリーが無い
    文字通り、訓練で部位破壊できないため破損グラフィックを自由に閲覧できないのは頂けない。前作では可能だったためこれは明確に劣化したと言える。
    一応フリーバトル等で味方キャラと戦闘が行えるがこちらは誰が出てくるか運が絡み、いつでも選択できるわけではないので比較対象にはできない。
    クリア後のバトルシミュレーターでもあればよかったがそれも無く、ギャラリーでの閲覧もできないのでこの点は明らかにBAD。
    え、男の欲望? 脱がし、キスに加えて液体だばぁまで覚悟完了なゲームでそんな一般論を説かれましても。
    総評
    まさに美女と混沌と螺旋の門でありました。
    「成年向け作品ではダメなギリギリさ」を追求し尽くした作品です。
    こと面倒に触れたがらず、ひたすら規制に対して迎合し続ける腑抜けたスタイルばかりの昨今のゲーム業界において、美少女とエロスというわかりやすく利益に直結するテーマとは言えここまで息苦しい枷に対して真っ向から反逆を試みた作品を世に出したという点で極めて貴重であり、評価に値すると称賛を惜しみません。

    惜しいと思うのはシステムなど細かい点が改良されているにも関わらず、このゲームを手にするであろう客層が喜ばないであろう改良を怠った点です。
    「素材とコンセプトで売れるのだから適当でいい」と考えているとしたら勿体ない限り。
    これだけ大規模な暴走はそうチャンスは無いのだから、コンセプトから細かい点に至るまでこれがバンナムの本気だとばかりにあらゆる面で突き抜けて欲しかったところです。

    上記の点を鑑みて80点とさせて頂きます。
    プレイ時間
    20〜40時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    4 2 3 3 3
  • 前作をよりパワーアップさせた良作 85
    • 投稿者:メイヘム(男性/40代)
    • 投稿日:2011/09/08
    良い点
    ・前作で使えなかったキャラが使える点。
     前作ではリスティやエキドナ、メローナやメナスは使えなかったが、
     今作ではほぼ全員味方に出来、好き好みに育てられる。

    ・相変わらずの鎧破壊システム
     鎧破壊か、HPかで倒す方法を選べるシステムは健在。
     その上で適度にやってた場合、ゲームバランスも良好だと感じた。

    ・派手なアニメーションも健在!
     特にゲイト組はガンガン動く。
     旧作組も、一部声の録り直しが行われてたりする。

    ・これがCERO:Dの実力か!?
     やりすぎじゃないか!?と思うほどエロイシーンやアニメが大量に。
     スタッフやりすぎ!でも良いぞ、もっとやれ!!
    悪い点
    ・戦闘BGMの種類が少ない
     例えば、モンスター系とブレイド勢の大半のBGMが同じだったりする。
     そうなると、好きなキャラ次第では延々と同じBGMがかかってる事に。
     版権物は作品のBGMを使えても良かったのでは?
     あとは、エリナとクローデッドは、エリナのBGMが使えても良かった気がする。

    ・一部新キャラの動作に手抜き感
     自分が感じたのはリスティとエキドナ。
     例を挙げれば、豪連打は連打衝の最後に少し演出を加えただけで、
     爆裂一魂とぶんまわしも同様。
     その上で攻撃が4つまでなので、パターンが少なく感じる。
     他にもそう言うキャラはいるが、アニメーションの派手さで補ってたりするので
     前作に出ているキャラはそうでも無い。
     (出来るなら、前作でもそう言うパターンのキャラにも
     新規モーション作ってあげて欲しいですが。)
     好きなキャラが出たのにこれは少し残念。

    ・キャラ格差が是正されて無い。
     一部のキャラはコスチュームチェンジや闘気必殺技がある。
     が、大半のキャラは攻撃が4つまでだったり、協力技も無かったりと
     キャラ格差がある。
     好きなキャラはプレイヤー毎に千差万別なのだから、
     こう言う格差は出来る限りなくしてほしい。
     (例えば、コスチュームがあるキャラは闘気技が無いとか…。)

    ・分岐点で誰と別れて、誰と行動を共にするのかが解らない。
     分岐時点で、付いていくキャラを表示させて欲しかった。
     または、分岐時点でのセーブが欲しい所。

    ・ジャンがウザイので、次から従者はある程度キャラメイクさせて欲しい。
     (PS・SS時代のスパロボ程度で良いので。)
    総評
    全体的には良くまとまって、コンセプト的にも一貫した姿勢が見られる良作です。

    不満点があるのも事実ですが、それを補う程の面白さが凝縮されています。

    きっちり動いて、きっちり脱がしていく様は爽快感があり、
    それ相応のご褒美グラも相まって、どっぷり嵌れる事でしょう。

    惜しむらくは前作キャラのモーション・鎧破壊絵等はそのまま使いまわされてます。
    その辺が物足りないと言えば物足りない点ではあります。

    次回作があるならば、
    モーションの使いまわし現象やキャラ格差の是正を希望したいです。
    ゲイト組や、一部のキャラの動きは物凄いのですが、
    それと比肩するとややショボイキャラがいたのも事実。

    次回は更にレベルアップして、主役が動きまくるレベルのアクションを
    全員につけてあげて欲しいですね。
    あと、攻撃方法はあと2〜3づつ(合計で6〜7つ位)に増やして欲しい!

    贅沢な希望ですかね?w
    プレイ時間
    40〜60時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    5 2 4 5 5
  • 知らなかった。キスって液晶の味がするんだ 85
    • 投稿者:のらくろ(男性/30代)
    • 投稿日:2011/08/15
    良い点
    ホビージャパンから発売されているゲームブック"クイーンズブレイド"からの
    派生作品であるゲームブック"クイーンズゲイト"。
    ブレイドでお馴染みの余りにも不自然過ぎて自然にすら感じる鎧破壊を受け継ぎ、
    関連性が殆ど無い作品群の女性キャラ達を題材に、
    普通では絶対有り得ない組み合わせのキャラ同士を戦わせる事が出来るという
    作品ファンと男性ファンの夢を叶えるという非常にユニークなゲームブックです。
    その理念を受け継ぎ、ゲーム化したのがこの作品です。

    前作である"クイーンズブレイド スパイラルカオス"の基本を受け継いだ
    内容となっており、様々な点が改良、そしてボリュームが増しています。
    まず良い点を挙げるならば、やはりその特徴的なお色気要素でしょうか。

    前作に登場したキャラクターは全て登場し、ゲイトのキャラクターや
    ゲームオリジナルキャラも多数登場し、そのキャラのほぼ全員が鎧破壊が狙えます。
    格ゲー全盛期のSNKを知っている人ならば、知らないハズが無いとすら言える
    有名なキャラに始まり、"もえたん"の主役といった「どうやって戦うんだ」と
    思ってしまうようなキャラまで登場する様はタイトル通り、まさにカオス。
    そのキャラ達が戦闘の偶然によって、どんどん脱げていくのだからもうたまりません。
    どの部分が脱げたかによって、戦闘中のドットアニメーションにも反映され、
    その職人芸には脱帽ならぬ脱ズボンさえしてしまっても良いほど素晴らしい点です。
    前作では一枚しか存在しなかったノックダウン時の絵がもう一枚追加されており、
    差分も用意されているのはまさに続編に相応しいパワーアップでした。

    その絵をさらに映えさせる"ディスティニーパニッシュ(DPS)"には狂気すら感じました。
    唯一操作可能な男キャラ"ジャン"にあるアクセサリーを装備させ、
    彼に敵の衣服を全て剥ぎ取らせてノックダウンさせるとミニゲームが開始されます。
    指定されたボタンを入力し、入力が成功したら次の段階に移行し、
    動きまわるバーを白線内に入った瞬間に目押しするゲームが開始されます。
    これに成功すると一枚絵が表示されます。
    最初の10回は特段変わりの無い、普通の脱衣絵なのですが、
    それ以降からどんどんクレイジーになっていきます。
    10回成功させると、色が決められた腕輪が手に入り、今後成功させると
    腕輪にセットされた薬品が飛び散るという設定で、10回目以降は緑色、
    20回目以降は赤色、30回目以降は白色が手に入り、
    DPSが成功するとその色の液体が体中に掛かった絵が表示されます。
    何がしたいのか大変良く分かりますが、誰も止めなかったのかと不安を覚えます。
    ですが、言い訳という名の退路を自分で断つ漢らしさはまさに美点と言えるでしょう。

    戦闘だけでは無く、前作にもあったフリートークにも追加要素があり、
    それが"EGK(液晶越しのキス)"システムであり、こちらには狂気しか感じません。
    前作のフリートークでは対象のキャラとイイ感じになってそのまま終わりでしたが、
    今回ではジャンの妄想ではありますが、そのキャラの最後のフリートークで
    PSPの画面にキスをする事が出来ます。
    DSだとタッチパネルという名の大義名分がありますが、
    PSPにそんな機能は無い。開発者の「やりたいからやる」を本当にやってしまい、
    その一枚絵を描いたイラストレーターさんも「妄想だから」とばかりに描かれた
    好き放題なシチュエーションの絵とのコラボを見た時には恐怖すらも感じましたが、
    「意外とアリだな」と思う事が出来たのも事実です。
    今後中古販売されるPSPの危険性が増した事を考えると悪い点にも思えますが、
    ここまで貫き通した点は素晴らしいとしか思えませんでした。

    お色気要素を存分に味わい、ふと冷静になる時があると思います。
    その際に前作経験者は前作において、不満が残った細かい点が
    かなり改良されているという事に気付くでしょう。
    まず戦闘アニメーションのスキップですが、
    前作はアニメのON・OFFは存在していたものの、
    間違ってONのまま戦闘に入った際には
    早送りが出来るとはいえ、全てのアニメーションを見なくてはなりませんでした。
    今作ではアニメの再生中でもスキップする事が出来るため、
    自分が見たいと思った所までアニメを見て、後はスキップする事が可能です。
    その自由になった再生システムを利用しようと思ったのか、
    今作から登場・使用可能になったキャラ達の技の一つ一つが前作のキャラ達の
    必殺技並の演出になったのは間違い無く良い点であると言えます。

    フリーバトルのステージが完全選択制になったのも改良点です。
    前作ではある程度の措置はあったものの、LV帯が進行話によって固定されていて、
    後半に思い直し、育成しようとした低LVキャラのLV上げが非常に困難であったので
    この救済措置は地味に嬉しかったです。

    維新されたような目新しさは無いが、前作の不満点を出来る限り潰し、
    評判の良い部分を出来る限り増量した、純然たる続編らしい続編であるのが
    このゲームの良さと言えるでしょう。
    悪い点
    まず第一に挙げたいのはシナリオ関係です。
    SLGパート・箸休め的アニメパートはカオスの名に相応しいほど
    やりたい放題にやっていますが、ADVパートになった途端に驚くほど大人しくなる。
    各作品のキャラを尊重しているのは伝わるのですが、
    生き生きとしているのがオリジナルキャラとバンナムのキャラぐらいだけで、
    他のキャラはまるで参加者全員が羽目を外すタイミングを逃したオフ会みたいな
    余所余所しさと当たり障りの無い事しか言えない様な雰囲気を漂わせています。
    前作美闘士勢に至っては発言回数が片手で数えられるほど影の薄い人もいます。
    さらにそのシナリオの引き伸ばしも酷く、1回の戦闘で終わればいいような展開に
    3回近く戦闘を挟んで話数を稼いでいるような展開が頻繁に起きます。
    キャラが爆発的に増えたので、フリートークの回数を増やす為の措置に感じますが
    ただでさえ薄く感じるシナリオが引き伸ばしのせいで味が完全に失せていました。
    メインキャラ全員が奥義を覚え、成長させる楽しみが無くなった終盤ですらも
    引き伸ばしがあり、それを見た時には倦怠感しか覚えません。

    ストーリー分岐にも難があり、
    共通シナリオで劇的な展開を迎えたキャラ達のその後の話や、
    物語の重大な設定の説明が分岐によって見れるか見れないかが決まります。
    選択しなかったシナリオで何が起きたのか?という謎要素はリプレイ性を誘う
    良い点になる事がありますが、共通シナリオでやるべきである
    物語の大黒柱となる重大な設定・展開の説明が分岐のせいで欠けてしまうと、
    シナリオ全体に対する興味が崩壊してしまう。
    記憶喪失となっていたキャラが何の説明も無しに記憶が戻った事になり、
    さも説明があったかのようにフリートークで語っていたのを見た時には
    シラケしか感じませんでした。

    次に挙げたいのは好き放題にさせてくれないシステム関係です。
    新要素"DPS"を発生させ、最後まで実行すると、
    その場にいる女性陣全員のジャンへの好感度が下がるのですが、
    新要素"EGK"ではキスを成功させ、ギャラリーに絵を登録させるには
    好感度が最大値近くまで必要になる。
    なので"DPS"か"EGK"のどちらかを選ぶかの選択を強いられます。
    フリーの戦闘で下がった好感度を上げる事も出来るのですが、
    成功のための必要値まで上げるのはそこまで簡単では無いため、
    フリートークコンプリートを目指すとなると、"DPS"の自重を強いられます。
    服が破けて恥ずかしがっている女の子に偶然だとしても液体を撒き散らす男を
    女の子が見たら好感度が下がるのは当たり前ですが、
    この世界観でそれはいくら何でも今更過ぎる気がします。

    さらに好感度を上げるのに効果的な1対1で訓練での
    鎧破壊が今作では廃止されていたのも頂けません。
    確かに前作では自分をほぼ全裸状態にした相手への好感度が上がるという
    謎現象が起きていましたが、それはあくまで全力で戦った相手への敬意であり、
    この訓練での脱衣廃止はゲームの基本理念である
    「偶然破れたのだから仕方が無い」という設定を否定しているように感じます。
    まるで意図的に脱がしているかのようではありませんか。
    新システム同士のバッティングと細かな設定の否定、
    そして「毎話ごとに好きな子を脱がしてぶっ掛けさせろや」という思いも込め、
    悪い点として挙げたいと思います。
    総評
    各社が表現規制の限界という名で徐行走行によるチキンレースをしている中で、
    ニトロを積んでぶっ飛ばしているかのようなその姿勢、非常にロックです。
    ここまでクレイジーな事をやっているゲームを見たのは"POSTAL2"以来です。
    「ここまでやるならエロゲーで良いじゃん」というのは非常にナンセンス、
    それはサッカーの試合を見て「ラグビーみたいにやれば良い」と言っているような物です。
    むしろ情報技術の発達によって、健全と不健全の間に存在するステップが殆ど無くなり、
    エロスに対する夢が消失してしまった現代の青少年達にギリギリの素晴らしさを教える
    一種の理想郷の姿ではないでしょうか。親御さんにとって夢の島ですが。

    ゲームとしての課題点が増えたものの、確実なボリュームアップと進化を遂げた
    一種の理想的な続編であり、元となるゲームブックに登場したという接点はありますが、
    格ゲーのキャラだけで無く、設定上では全然接点の無い作品群のキャラ達ですらも
    "女性である"という理由だけで集め、キャラクターゲームとして作ったという事実は
    スーパーロボット大戦以外には殆ど存在しないこの種類の
    キャラゲーの可能性をこのゲームが大きく広げたとも言えるでしょう。
    カオスというのは無秩序という意味がありますが、
    万物を生み出す根源という意味もあります。
    まさにカオスという名に冠するに相応しいゲームでした。
    プレイ時間
    20〜40時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    5 5 3 2 4
  • 紳士向けのゲーム 75
    良い点
    ※前作は未プレイです。

    ・味方キャラが多い。
    いろんな作品のキャラが登場しているので仲間キャラはかなり多いです。
    1周目のプレイですべてのキャラを使いきるのは厳しいくらいです。
    仲間に出来る敵モンスターだけでも色違いも含め30人もいます。

    ・鎧破壊シーンが素晴らしい。
    ある意味PSPの限界まで挑戦したグラフィックの鎧破壊シーン。
    ある物を装備していると全部位破壊時に特殊なイラストまで見れるようになります。

    ・緊急回避システム付き。
    ゲーム中、スタート+セレクトを同時押しすることで何でもないゲームのように見せかける緊急回避システムが付いていますので、親御さんの前でも安心してプレイすることが出来ます。

    他には
    ・フリートークで好きなキャラと親密な関係になれる。
    ・随所に挟まれるアニメーションのクオリティが高い。
    悪い点
    ・敵キャラの数が少ない。
    味方キャラの多さに比べて敵キャラの人数が圧倒的少ないです。
    ストーリー後半になると毎回同じ敵ばかりしか出てこないので、「ほんとしつこい、またお前か」という感じになります。
    分岐ルートによっては、仲間にならず敵のままでいるキャラなどいても良かったのではと思います。

    ・訓練で鎧破壊が出来ない。
    味方キャラの鎧が破壊される姿も見てみたいと思っても訓練では破壊できません。
    鎧破壊のギャラリーもないので、訓練ぐらい破壊できても良かったと思います。

    ・戦闘演出は良いがやたら長い。
    早送りやカットは可能ですが、カットするとコンボボーナスが得られないというデメリットがあり、早送りしてもそれなりに時間がかかってしまいます。
    総評
    基本はSRPGですが、ゲームの中身はかなり紳士向けのキャラゲーです。
    ストーリー部分はおまけだと思ったほうがいいです。
    好きなキャラが何人かいるならプレイしてみることをおすすめします。
    プレイ前は興味のなかったキャラにも愛着がわくかもしれません。
    プレイ時間
    40〜60時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    5 4 3 3 4
  • CERO Dは伊達じゃない 85
    • 投稿者:はにわ(男性/30代)
    • 投稿日:2011/08/04
    良い点
    脱がして終わり・・・かと思いきや、意外と内容もしっかりしています。
    前作楽しめたなら、間違いなく今作も楽しめます。
    クイーンズブレイドのキャラクターはもちろん、他作品からのキャラクターも登場するのでお気に入りのキャラクターがいるならおすすめです。
    オリジナルのキャラクターやモンスターも可愛いので、知らなくても楽しめるはずです。
    悪い点
    レベル差による補正が大きすぎて、レベル高すぎると簡単で、低すぎると無理ゲーになってしまうのはどうにかしてほしかったところです。
    戦闘BGMにそれぞれの作品のBGMを使ってくれたらもっと良かったです。
    総評
    基本的には前作「クイーンズブレイド スパイラルカオス」の続編という扱いになるので、まず前作をやってみるのがよいかと思います。
    (ベスト版が出ていて安く手に入ります。一応引き継ぎ要素もありますので・・・)
    プレイ時間
    10〜20時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    5 4 4 5 5
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