インタビュー
[E3 2011]「FINAL FANTASY XIII-2」の北瀬氏,鳥山氏にインタビュー。今作は自らの意思で旅に出て,ストーリーを進めていくRPGだ
なお,今回のインタビューは他メディアとの合同形式で行われた。また,プレイレポートと同様に,前作のネタバレとなる内容が含まれるので,まだ「FINAL FANTASY XIII」(以下,FFXIII)を未プレイの読者は,ご注意を。
[E3 2011]「FINAL FANTASY XIII-2」のプレイアブルデモを試した。新システムがチラホラ見られる戦闘など,デモで体験できた内容をレポート
「FINAL FANTASY XIII-2」公式サイト
まずはインタビューの前に,未公開の戦闘シーンを収録したムービーを見せてもらった。内容は,オーディンに跨がったライトニングが,“カオス・バハムート”と戦うシーンだ。いくつものカットシーンとバトルを連動させた,シネマティックアクションが繰り広られる,めまぐるしく変化する戦闘が印象的だ。
それにしてもバハムートと言えば,前作においてファングの召喚獣だったが,カオス・バハムートとはどんな存在なのだろうか? こちらの答えを知ることはまだできなかったが,いずれその正体も明らかになるだろう。
FFXIII-2では,あらゆるところにプレイヤーが介入できる
鳥山 求氏(以下,鳥山氏):
はい。ボスバトルなどに挿入される演出になります。FFXIII-2が前作と大きく違うところは,あらゆるところにプレイヤーが介入できるようになっていることで,前作では単なる演出だったカットシーンの中でも,今作では操作できるようにしています。
――それは,前作で物足りないと言われた部分だったからでしょうか。
鳥山氏:
前作はストーリードリブン形式で,リニアなゲームプレイでしたが,FFXIII-2ではそこを大きく改善しました。
――デモでは,戦闘がクローズアップされていましたが,FFXIII-2は戦闘寄りのゲームになるんでしょうか。
鳥山氏:
プレイアブルのデモバージョンは,ゲームシステムを見せる目的で,ストーリー部分を大幅に縮小しています。実際には,ストーリーがしっかり入ってくるので,前作で良かった部分はそのまま残っていて,それに加えて自由度が高まっているという認識です。
――全体のストーリーは,どれくらいのボリュームを想定いますか?
鳥山氏:
スタートからエンディングまでのプレイ時間は,だいたい40時間くらいです。今回は,新しい形で“周回プレイ”ができるようになっています。それを含めて,やり込み要素はFFXIIIと同じか,それ以上ということになります。
鳥山氏:
どちらかというキャラクターの会話もインタラクティブにして,プレイヤーの意思を反映して変えていけるというものです。
FFXIII-2は謎めいたストーリーになっているので,その謎をキャラクターとプレイヤーが一緒に考えてくれるという要素として,“Live Trigger”のシステムを入れています。
FFXIIIのメインキャラ達は意外な形で登場
セラを1人にしてスノウはどこ行ったの?
鳥山氏:
いま言える内容としては,FFXIIIのエンディングでコクーンが崩壊し,人々がグラン=パルスに移住を始めた状況でスタートします。
――今回のデモに登場しているコクーンは,グラン=パルスに落ちたコクーンの中で進行しているわけですか?
鳥山氏:
物語の進め方は,新しいシステムがあるのでまだ言えませんが,コクーンの中で進行しています。コクーンは,クリスタルの柱で支えられています。また,ファルシも停止している状態なので,非常に不便な世界になっています。
(編注:FFXIII-2公式サイトの短編小説「Episode i」にもあるように,コクーンの落下はクリスタル化によって止められたが,無事だったのはその3分の2ほどの人や街だけだ)
――発表当初は,ライトニングの物語かと思っていたら,今回のデモでは,セラと新キャラクターのノエルが登場していました。しかも,新トレイラーでは“Lightning is dead!”という衝撃発言があります。その一方で,すでにゲーム中にライトニングの戦闘シーンがあることが分かっています。
予想できる範囲としては,セラとノエルのストーリー,ライトニングのストーリーの,2つ以上のラインがあって進行していくのかなと思いましたが。
鳥山氏:
そこは想像にお任せします(笑)。ですが,基本的にストーリーの中心になるのは,ノエルとセラです。
――ノエルとセラが,ゲートのようなものを使って移動していましたね。
鳥山氏:
ええ,ゲートを使って旅をします。
――デモのコクーンの中は,前作に近いマップ構成になっていました。本作の主な舞台は,グラン=パルスだと思っているのですが,いわゆる前作(11章)のような広いグラン=パルスというマップが楽しめるのでしょうか。
鳥山氏:
グラン=パルスがメインですが,いきなりオープンワールドのRPGに変わっているわけではないです。
――ずばりノエルは何者なんですか?
鳥山氏:
まだそんなに情報を出していませんが,プレイヤーの目線に近いキャラクターで,前作のライトニングの活躍だったり,セラの状況は分かっていないんですよ。そういう意味では前作をやっていない人でも,今置かれている状況が分からないノエルと同じような視点で,すんなりと今回のFFXIII-2に入っていけると思います。
――なるほど。もしかして……クリスタルになっていたんですかね(笑)。
鳥山氏:
まー,そこはどうでしょう(笑)。いろいろ理由があって,この世界がこうなった経緯をあまり知らない状態で,セラに出会うことになります。
――デモで,ノエルの「世界がクロスしているような感じがする」というセリフがありましたが,あれはどういう意味なんでしょうか。
鳥山氏:
デモで,いろいろとNPCに話しかけたりされたんですね。これはストーリーの根幹に関わる部分です。今回のバージョンはストーリーがカットされていますが,NPCとの会話はできます。FFXIII-2では,街の人との会話を通じて,ストーリーの深い部分に迫っていけます。ですので,この会話の中には,大事なセリフが入っていると思います。
――ところで,今回セラが登場するわけでが,スノウさんはどこにいったのでしょうか(笑)。
鳥山氏:
セラの首元を見れば分かると思いますが,ネックレスはスノウのものです。彼が今どうなっているのかは,まだ秘密です。
――具体的に言えば,FFXIIIの各メインキャラクターは今作に出てくるんですか?
鳥山氏:
もちろんFFXIIIのメインキャラクターは登場しますが,それぞれ意外な形で登場しますので,ご期待ください。
バージョンアップしたバトルシステム
仲間にしたモンスターを入れ替えて戦術の幅もアップ
鳥山氏:
これは,セラを守るモーグリが彼女のために武器になって戦っていて,弓と剣の変形パターンがあります。
――たしかにデモの1シーンで変身していましたが,剣にもなるんですか。
鳥山氏:
剣にもなります。バトルの中では弓をメインに戦うんですが,E3バージョンではまだ完全にできていない状態です。
――モーグリがセラを守るようになった理由は,ゲームのストーリーの中で分かりますか?
鳥山氏:
はい。もちろん語られます。
――デモでは,セラとノエルの2人で戦って,加えてモンスターが一緒に戦っていますが,これはどういうシステムでしょう。
鳥山氏:
モンスターを倒すことで,仲間にできるというものです。種類としては150以上いて,それを自分の仲間にできます。
前作のパラダイムシフト(オプティマチェンジ)とロールのシステムを継承しているので,ノエルやセラがアタッカーやブラスターのロールを切り替えながら戦っていく部分は同じです。
そこにモンスターが3人目のキャラクターとして,パーティに加わります。モンスターにも人間のキャラクターと同じように,ロール的なものが性格付けとして設定されています。例えば,アタッカー的な傾向だとか,ブラスター的な傾向だというものです。
パラダイムの切り替えと同じように,どのモンスターを使うか工夫することで,プレイヤーの戦略の幅も広がります。
――プレイした感じでは,ベヒーモス系がアタッカーで,プリン系がブラスターという感じでしたね。
鳥山氏:
ええ,そういう感じの性格付けがなされています。
――モンスターを手に入れたときに,自動的にパーティ枠の中に組み込まれていましたが,製品版でも同じように?
鳥山氏:
今回はE3での試遊版ということで,プレイする人が複雑なメニュー操作をしなくても,モンスターの仲間のシステムを味わえるように,自動でセッティングしています。実際にはプレイヤーが任意でセッティングしていきます。
――ボスクラスのモンスターとか,例えばアダマンタイマイようなモンスターも呼び出せるんでしょうか。
鳥山氏:
そこは,登場するかどうかは未定ですので。ただ試遊版のベヒーモスのように,あれくらいの巨大なモンスターでも仲間にはできます。
――戦いの中で,モンスターの下のゲージが溜まると“FERAL LINK”が発動できるようになりますが,モンスターに技みたいなものもあるんですか?
モンスターの特性に合わせてそれぞれの必殺技を用意しています。今回はアクション寄りの技を選んでいますが,それだけではなくて,いろいろな要素があります。ちなみに,“FERAL LINK”は海外版の名称で,日本版では名称が変わる予定です。
――前作では,モンスターがフィールド上に最初から見えていましたが,今回は姿が見えず,エンカウント形式で姿を現して,そのモンスターに触れることで戦闘が始まるという流れになっていますよね。
鳥山氏:
前作の,フィールド上にモンスターが徘徊しているシンボルエンカウント形式だと,戦略の準備はできますが,どうしても静的なRPGになってしまいます。
今回は,プレイヤーが移動しているときに,サプライズ的にエンカウントする形になっています。それで,常にフィールドでモンスターがどこにいるのかということも,1つの探索要素になっています。また,登場したモンスターに早く接触することで有利さが変わります。
――今回のデモは,街のエリアがあって,そこを出るとモンスターが出現するエリアになっていましたが,基本的には従来のRPGのように,街とエンカウントエリアが,はっきりと分かれているんですか?
鳥山氏:
必ずしもモンスターが出るエリアに人がいないわけではありません。プレイヤーが行ける場所すべてに街の人であるとか,警備の人であるとか,いろいろな人がいます。そこにモンスターが,出現しているという形ですね。
逃亡することで,追われるように物語が進んでいた前作
今作では自らの意思で旅に出て,物語を進めていく
鳥山氏:
今回は,トラディショナルなダンジョンに加えて,パズル的なミニゲームを用意しました。前作にはミニゲームが少なかったという意見があったので,今作では多数のミニゲームをサイドクエスト的に用意しています。このあたりは,従来のファイナルファンタジーのミニゲームを目指して,開発を進めています。
――UNSTABLE RIFTはそのうちの1つということですか。
鳥山氏:
そうですね。
――ところで,アイテムを取り損なったり,パズルの攻略に失敗しても,(リトライで)ちゃんと物語は進んでいきますよね。あれを,パーフェクトでクリアすると,何かお得なことがあるんでしょうか。
鳥山氏:
そこはまだ言えないです(笑)。ちなみに,今回のパズルは難しかったですか? パズルにもさまざまな難度のものを用意しようと思っているのですが。
――今回遊んだデモでは,そうでもなかったと思います。
鳥山氏:
ちょっとしたプレイアブルなので,チュートリアルレベルだったんですが,今回初めてメディアの方々にプレイしていただけたので,難度を調整するうえで,とても良い機会になりました。
――パズルが大きくなって,移動範囲が画面一杯になってくると,どうなるのか心配ですね。
鳥山氏:
パズル要素なので,より難度の高い物もストーリーの中で出していくと思います。
――FFXIII-2と前作との一番の違いと,FFXIIIの見どころを教えてください。
前作は基本的に逃亡劇で,敵から逃げるというストーリーでした。そのため,ストーリー主導で寄り道せずに前に進んでいく展開でしたが,今回は主人公達が何かを探すために旅を始めます。ゲームプレイも同じように探索要素があるので,プレイヤーが自発的にストーリーを前に進めていくというのが,前作との大きな違いですね。
見どころについては,前作のパラダイムシフトとロールシステムといった好評だった良いところを残しつつ,さらにモンスターの仲間システムでバージョンアップさせています。前作でプレイヤーさんにストレスを与えてしまった部分も,フィードバックを受けて改善しています。
そして,今までの話で出てきましたが,マップの探索要素だったり,街の要素だったり,もしくはNPCとの会話に選択肢があって,会話の幅が広がるというところですね。プレイヤーの自由度という部分で,プレイヤーが能動的に何かを探しに行くことで,リアクションの幅が広がることが一番の魅力だと考えています。
――最後に,FFXIII-2に期待している読者へコメントをお願いします。
北瀬氏:
前作でお馴染みのライトニングやセラが登場すると同時に,ノエルという男性主人公キャラが登場します。
前作はライトニングという女性主人公だったので,久しぶりの男性主人公とです。スノウとはタイプが違うキャラクターだと思うので――スノウがハンサムじゃないというわけではないですが(笑)――体育会系とは違う,スマートな男性キャラですね。久しぶりに正統派な主人公が登場するFFということで,新鮮な形でプレイできると思います。ご期待ください。
鳥山氏:
E3でプレイアブルのバージョンを出したことで,変化を遂げたゲーム部分を多くのメディアの方々にプレイしていただき,感じていただけたのではないかと思います。日本でもTGSあたりで,試遊の機会があると思うので,楽しみにお待ちください。
――本日は,ありがとうございました。
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