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目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表
ゲーマー向け製品ブランド「Predator」の最新情報をまとめてみたい。
ディスプレイ3台を取り付け可能な電動式コックピットを製品化
Predator Thronosのようなゲーマー向け大型コクピット製品はこれまでもいくつか出たことがあるわけだが,どんなギミックがあるのかは,イベント会場でも流れた動画をチェックしてもらったほうが早いだろう。
下に示したYouTubeムービーを再生してみてほしい。
似たようなコンセプトの製品は過去にも存在したが(関連記事),Acerくらい名の通った大手PCメーカーがこれだけ大々的に発表して製品化するいうのは,筆者が知る限りでは史上初であろう。
シートには振動機能が搭載されており,サウンドの再生状況に応じてサブウーファの振動を身体へと伝えるようになっている。写真や動画ではちょっと分かりにくいが,シート周辺にはそのほかのPredator製周辺機器も配置可能だそうだ。
公称本体サイズは1(W)×1.538(D)×158(H)mで,公称本体重量は約220kg。ざっくり2m四方の広さと高さ,床に十分な強度があれば設置は可能だ。世界市場では2018年内に発売予定とのことだが,価格や生産規模は明らかになっていない。
デュアルXeon搭載のハイエンドデスクトップ「Predator X」
ゲームPCとしては,2基のXeonプロセッサを内蔵し,最大12枚のECC対応メモリモジュールを搭載可能という,ゲーマー向けワークステーションとでも呼びたくなるような「Predator X」がイベントでは新製品として登場した。
ただ,今回は正式発表ではなく登場予告となるため,現時点では搭載CPUやGPUといった詳細な仕様は明らかになっていない。
Xeonを2基というゲーマー向けPCではあまり見かけない構成は,純粋なゲーマーというよりむしろ,ゲーム開発者やエンスージアスト(PCマニア)を意識したためだそうだ。そうした背景もあって,Predatorブランドのゲーマー向けデスクトップPCとしては比較的おとなしめなデザインとなっている。筐体は直方体に近く,LEDイルミネーションも控えめだ。
スイーベル式の4K G-SYNCディスプレイを備える「Predator Triton 900」
Predatorブランドの新型ノートPCとしては,「Predator Triton 900」(以下,Triton 900)がやはり「市場投入予告」となった。
なので,一般的なクラムシェルノートPCとして使う以外に,パネル部をキーボード奥すぐのところに立てて引き出したり,宙に浮いたような状態のまま使ったりできることが可能だ。物理的にはタブレットPCとしても使えそうだが,下の写真で示したように,キーボードの奥側には通気孔と思しきスペースがあり,ヒートパイプなど内部を覗けるほどのクリアランスが確保されているので,ここを塞いでしまうタブレットPCモードがサポートされるかはまだ分からない。
Acerが公開した動画を見ると,ディスプレイの仕組みがイメージできると思う。
Triton 900も仕様の詳細は明らかになっていないのだが,ディスプレイは解像度が4Kで,垂直リフレッシュレート最大144Hz表示が可能とのこと。NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応するそうだ。
Acerは,2017年登場の「Predator Triton 700」(以下,Triton 700)で,キーボードの直下にCPUやGPUを配置するのではなく,キーボードを手前側に配置して,奥側のスペースにCPUやGPUと冷却機構を収納する構造を採用した。Triton 900は,Triton 700の構造を踏襲してたうえで,冷却ファンにブレードの形状を改良した第4世代「AeroBlade 3D FAN」を採用するといった改良を加えてあるという。
ちなみにTriton 700は,NVIDIAのMax-Q Designを採用していた。明言はされてはいないが,ボディ部分の薄さを考えると,Triton 900もMax-Q Designを採用しているのではないだろうか。
なお,Triton 900のキーボードは,キースイッチに低背タイプのメカニカルキースイッチを使っているとのことだったが,残念ながら現場でキーの構造を確認することはできなかった。
新型のWindows MR対応VR HMDも登場
Acerは,現行のゲーマー向けデスクトップPCでNVIDIAの「GeForce RTX 20」シリーズを採用するマイナーチェンジも発表している。
ハイエンド市場向けの「Predator Orion 9000」は,「GeForce RTX 2080 Ti」または「GeForce RTX 2080」を,それより下の市場を狙う「Predator Orion 5000」にはGeForce RTX 2080をそれぞれ搭載するという。
そのほかに,ゲーマー向け製品ではないが,Acerは今回,同社としては第2世代となるWindows Mixed Reality対応のVRヘッドマウントディスプレイ(以下,
解像度2880×1440ドットの液晶パネルを採用し,リフレッシュレートは最大90Hzといったスペックは,同社の従来製品である「AH101」と変わっていないが,ヘッドバンドから,ディスプレイパネルやレンズを組み込んだゴーグル前方部分を取り外すことが可能で,レンズ周辺の掃除がしやすくなっているという。また,自動でユーザーのIPD(Interpupillary distance,瞳孔間距離)に合わせた設定を行う機能を搭載したり,ステレオヘッドセットをヘッドバンドに標準装備したりするなど,使い勝手を良くする改良を加えているそうだ。
OJO 500は,北米市場では2018年11月に発売の予定で,メーカー想定売価は399ドル(税別)となっている。国内でも適正な価格で登場することを期待したい。
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