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目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表
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印刷2018/08/30 17:42

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目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表

画像集 No.002のサムネイル画像 / 目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表
 ドイツ時間2018年8月29日,Acerは,ドイツ・ベルリンで8月31日に開幕する家電総合展示会「IFA 2018」の開幕に先駆けて,メディア向けのプレスカンファレンス「next@acer」を開催。その場で,ディスプレイ3台を取り付けられる超大型コクピット「Predator Thronos」(プレデター スロノス)など,インパクトのある新製品を多数発表した。
 ゲーマー向け製品ブランド「Predator」の最新情報をまとめてみたい。

Predator Thronos。AcerはPredator Thronosを「ゲーマー向けチェア」と称していたが,どう見てもチェアと呼ぶにはゴツすぎるので,本稿ではコクピットとして紹介する
画像集 No.003のサムネイル画像 / 目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表


ディスプレイ3台を取り付け可能な電動式コックピットを製品化


 Predator Thronosのようなゲーマー向け大型コクピット製品はこれまでもいくつか出たことがあるわけだが,どんなギミックがあるのかは,イベント会場でも流れた動画をチェックしてもらったほうが早いだろう。
 下に示したYouTubeムービーを再生してみてほしい。


画像集 No.007のサムネイル画像 / 目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表
 シート部分のエルゴノミックチェアは,旅客機のビジネスクラスにおけるリクライニングチェアのように電動モーターで140度までのリクライニングが可能だ。頭上をまたぐように円弧を描いたアームは,「Control Arch」(コントロールアーチ)と呼ばれている。ユーザーの眼前に来るアームの先端には,27インチサイズのディスプレイを3台まで取り付けられる仕組みだ。

 似たようなコンセプトの製品は過去にも存在したが(関連記事),Acerくらい名の通った大手PCメーカーがこれだけ大々的に発表して製品化するいうのは,筆者が知る限りでは史上初であろう。

画像集 No.004のサムネイル画像 / 目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表
 さて,そんなPredator Thronosには,あらかじめ「好みのポジション」を登録しておくと,ユーザーがシートに座ってボタンを1つ押すだけで,背もたれやフットレストなどが動いて「好みのポジション」を再現する仕掛けが組み込まれている。付け加えると,ディスプレイを吊り下げたコントロールアーチも電動式。座りやすい姿勢にしておいたPredator Thronosに腰掛けてボタンを押すと,まるでロボットアニメのコクピットのように下りてくるさまは圧巻だ。

 シートには振動機能が搭載されており,サウンドの再生状況に応じてサブウーファの振動を身体へと伝えるようになっている。写真や動画ではちょっと分かりにくいが,シート周辺にはそのほかのPredator製周辺機器も配置可能だそうだ。

こちらのアングルから見ると,ディスプレイを支えるコントロールアーチが背後から伸びている様子が分かりやすい。このコントロールアーチが,ディスプレイを吊り下げたままでサソリの尾のように上下する
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 公称本体サイズは1(W)×1.538(D)×158(H)mで,公称本体重量は約220kg。ざっくり2m四方の広さと高さ,床に十分な強度があれば設置は可能だ。世界市場では2018年内に発売予定とのことだが,価格や生産規模は明らかになっていない。


デュアルXeon搭載のハイエンドデスクトップ「Predator X」


 ゲームPCとしては,2基のXeonプロセッサを内蔵し,最大12枚のECC対応メモリモジュールを搭載可能という,ゲーマー向けワークステーションとでも呼びたくなるような「Predator X」がイベントでは新製品として登場した。
 ただ,今回は正式発表ではなく登場予告となるため,現時点では搭載CPUやGPUといった詳細な仕様は明らかになっていない。


 Xeonを2基というゲーマー向けPCではあまり見かけない構成は,純粋なゲーマーというよりむしろ,ゲーム開発者やエンスージアスト(PCマニア)を意識したためだそうだ。そうした背景もあって,Predatorブランドのゲーマー向けデスクトップPCとしては比較的おとなしめなデザインとなっている。筐体は直方体に近く,LEDイルミネーションも控えめだ。

Predator X。Predatorブランドとしてはおとなしめのデザインで,光モノも控えめだ
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ゲーマー向けデスクトップらしい主張は,前面のロゴマーク入りプレートと,ケース右横にある収納式のヘッドセットおよびヘッドフォン用フックくらいだ(左)。右はPredator Xを背面側から見た写真で,内部を見せる透明パネルのような見映え優先の要素はない。マザーボード側のI/Oインタフェースにサウンド関係のものが一切なく,代わりにサウンドカードが差してあるのも分かるので,搭載するマザーボードはワークステーション用そのものである可能性が高そうだ
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スイーベル式の4K G-SYNCディスプレイを備える「Predator Triton 900」


 Predatorブランドの新型ノートPCとしては,「Predator Triton 900」(以下,Triton 900)がやはり「市場投入予告」となった。

画像集 No.010のサムネイル画像 / 目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表

真横から見たTriton 900。スイーベル構造が分かる
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 Triton 900で特徴的なのは,液晶パネル部分が回転するスイーベル(上下回転)機構を備えているところだ。ディスプレイパネル部は左右両端でアームに支えられており,アーム部を軸として,自由に角度が付けられる構造となっている。
 なので,一般的なクラムシェルノートPCとして使う以外に,パネル部をキーボード奥すぐのところに立てて引き出したり,宙に浮いたような状態のまま使ったりできることが可能だ。物理的にはタブレットPCとしても使えそうだが,下の写真で示したように,キーボードの奥側には通気孔と思しきスペースがあり,ヒートパイプなど内部を覗けるほどのクリアランスが確保されているので,ここを塞いでしまうタブレットPCモードがサポートされるかはまだ分からない。

内部が丸見えの通気孔。CPUとGPUから冷却ファンへと伸びるヒートパイプやメモリモジュールらしきものが見えている
画像集 No.013のサムネイル画像 / 目玉は巨大な可動式コックピット筐体「Predator Thronos」。Acerがドイツでゲーマー向けPCや周辺機器を発表

 Acerが公開した動画を見ると,ディスプレイの仕組みがイメージできると思う。


 Triton 900も仕様の詳細は明らかになっていないのだが,ディスプレイは解像度が4Kで,垂直リフレッシュレート最大144Hz表示が可能とのこと。NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応するそうだ。

 Acerは,2017年登場の「Predator Triton 700」(以下,Triton 700)で,キーボードの直下にCPUやGPUを配置するのではなく,キーボードを手前側に配置して,奥側のスペースにCPUやGPUと冷却機構を収納する構造を採用した。Triton 900は,Triton 700の構造を踏襲してたうえで,冷却ファンにブレードの形状を改良した第4世代「AeroBlade 3D FAN」を採用するといった改良を加えてあるという。
 ちなみにTriton 700は,NVIDIAのMax-Q Designを採用していた。明言はされてはいないが,ボディ部分の薄さを考えると,Triton 900もMax-Q Designを採用しているのではないだろうか。

Triton 900は,アクリルケース内の展示しかなかったので,写真に周囲が激しく映り込んでしまっているのはご容赦いただきたい。タッチパッドはメインキーの右側にあり,10キーとして利用することも可能だ
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 なお,Triton 900のキーボードは,キースイッチに低背タイプのメカニカルキースイッチを使っているとのことだったが,残念ながら現場でキーの構造を確認することはできなかった。


新型のWindows MR対応VR HMDも登場


 Acerは,現行のゲーマー向けデスクトップPCでNVIDIAの「GeForce RTX 20」シリーズを採用するマイナーチェンジも発表している。
 ハイエンド市場向けの「Predator Orion 9000」は,「GeForce RTX 2080 Ti」または「GeForce RTX 2080」を,それより下の市場を狙う「Predator Orion 5000」にはGeForce RTX 2080をそれぞれ搭載するという。

Predatorブランドの新型デスクトップPC。左からPredator Orion 9000,Predator Orion 5000,そしてエントリーモデルの「Predator Orion 3000
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Predator Orion 9000の左側面(左)。側面パネルは,内部が見えるアクリルパネルとなっており,パネルを取り外しやすいように取っ手が付いている。右は,同時に発表となったゲーマー向け液晶ディスプレイ「Predator XB3」だ。32インチサイズで4K解像度,垂直リフレッシュレートは最大144Hzで,G-SYNCにも対応する。2018年第4四半期に世界市場での発売を予定しており,メーカー想定売価は北米市場で1299ドルから,EU諸国では1499ユーロからとのこと
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 そのほかに,ゲーマー向け製品ではないが,Acerは今回,同社としては第2世代となるWindows Mixed Reality対応のVRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)「OJO 500」も発表している。

OJO 500
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 解像度2880×1440ドットの液晶パネルを採用し,リフレッシュレートは最大90Hzといったスペックは,同社の従来製品である「AH101」と変わっていないが,ヘッドバンドから,ディスプレイパネルやレンズを組み込んだゴーグル前方部分を取り外すことが可能で,レンズ周辺の掃除がしやすくなっているという。また,自動でユーザーのIPD(Interpupillary distance,瞳孔間距離)に合わせた設定を行う機能を搭載したり,ステレオヘッドセットをヘッドバンドに標準装備したりするなど,使い勝手を良くする改良を加えているそうだ。


 OJO 500は,北米市場では2018年11月に発売の予定で,メーカー想定売価は399ドル(税別)となっている。国内でも適正な価格で登場することを期待したい。

Acerの「next@acer」情報ページ

Acer日本語公式Webサイト

  • 関連タイトル:

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