イベント
4Gamer代表として出場したハメコの活躍やいかに? 世界大会への切符をかけて行われた「ソウルキャリバーV 最強日本一決定戦」レポート
Playstation 3版とXbox 360版の両部門で,東日本予選の上位2名,そして3月3日と4日に行われた西日本予選の上位2名が,日本最強をかけて競い合った当日の模様を,ムービーをおりまぜつつお伝えしていこう。
■関連記事:
- 「ソウルキャリバーV」,3月21日の無償タイトルアップデートでゲームバランスの調整を実施。ショップ「ケフェウス堂」の追加も
- 「ソウルキャリバーV」キャラクターのバランス調整を含む無償タイトルアップデートが3月21日に実施。世界大会の開催地も明らかに
「ソウルキャリバーV」公式サイト
「ソウルキャリバーV」日本一決定戦公式サイト
「STRIKE」公式サイト
東日本予選 PlasyStation 3部門
……ちなみに,本大会の選手の中には,実はメディア枠――4Gamer代表として参加した筆者も含まれている。本作はオンライン対戦の環境が非常に良いうえ,対戦ツールとしても筆者好みの作りであったため,仕事の合間に(ときに仕事を後回しにしつつも)かなりプレイを重ねていたのだった。「どうせ取材するのであれば参加してみよう」ということで,今回は取材と選手を兼ねての参加である。とはいえ「出場するからには勝ちに行く」のが礼儀であり,筆者の格闘ゲーマーとしての矜持でもある。はてさて,どうなることか。
まず行われたPlaystation 3版のトーナメント。Aブロックからは古くからのキャリバープレイヤーであり,マキシ使いとして有名なおおさか選手,Bブロックからは本作の新キャラクターであるヴィオラを操るきょーぬま選手が勝ち上がった。
また,Cブロック代表には,2003年に行われたソウルキャリバーIIの公式全国大会,「Xbox Championship Vol.1 〜ソウルキャリバーII〜」の優勝者でもあるプラズマ選手(ジークフリート)が駒を進めた。
そして,Dブロックを勝ち上がったのは筆者のナツだ。久々の大会出場ということもあって,初戦のアルエット選手(ピュラ)との対戦中は若干動きが硬かったのだが,続くウズ選手のレイシャとの試合中,解説をしていたProjectSoulの高橋良至氏からお褒めの言葉をいただいたことで,体が急に軽くなったように感じられた。
そこからはいつもどおり,のびのびとプレイすることができ,ウズ選手に続いて,crow maku選手のジークフリートを撃破。やはり,持つべき者は戦友である(余談だが,筆者と高橋氏は,共にソウルキャリバーIIで攻略の仕事をしたことがあるのだ)。
予選での一幕。繰り広げられる熱闘に,感嘆の表情を見せる夛湖氏にも注目だ |
「ソウルキャリバーII」の闘劇覇者である刑事長選手もミツルギで参加。最近プレイを始めたとのことで,新システムはほとんど活用していなかったものの,冴え渡る攻めはかつての風格を残したままだった |
続く準決勝では,おおさか選手のマキシときょーぬま選手のヴィオラが激突。どちらのキャラクターも連携が多彩かつ強力なため,一旦ラッシュが始まれば一瞬で決着する可能性もある。しかしおおさか選手が,ヴィオラの弱点であるリーチの短さを突くような,見事な中距離戦を展開して勝利。一足先に,東日本の代表として駒を進めた。
もう一方の準決勝は,プラズマ選手の操るジークフリートと筆者のナツによる対戦。ジークフリートはリーチに優れる代わりに攻撃速度に欠けるため,懐に入ってしまえばナツの強みである展開の速さでもって圧倒できるハズと接近を試みる。だがプラズマ選手はBや立ち途中B――いわゆるアッパーの打ちどころが非常に上手かったほか,こちらのB&立ち途中B〜チーフ・ホールドへの対策――近距離ガード時はA(ジャスト),遠距離ガード時はクイックムーブ〜Bという動きを徹底できなかったため,得意の接近戦でむしろダメージを受け続ける苦しい展開となった。
4ラウンド目で,ギリギリの体力状況からなんとか逆転を果たし,流れを奪い返したかのように思えたものの,ファイナルセットではトドメの選択肢として筆者が信頼していたA+G(投げ技)を読まれ,ここぞという場面で立ち途中Bをカウンターでもらってしまった。
これが筆者の敗因となり,もう一人の東日本予選代表の座は,プラズマ選手の手に渡った。
YouTube版は「こちら」
誠に遺憾ではあったが,もともと鉄拳プレイヤーである筆者と,古くからのキャリバープレイヤーであるプラズマ選手の,異なるコミュニティ同士のぶつかり合いにより,一撃ごとに会場が大きく盛り上がっていたのが,なんとも印象的だった。しかし悔しい。
決勝はおおさか選手とプラズマ選手による対戦。どちらか勝利しても代表であることに変わりはないものの,続く総当たり戦形式の決勝リーグでも確実に当たる相手であるため,その趨勢を占う一戦だ。
お互いに得意の攻めをぶつけ合う殴り合いが展開され,両者一歩も退かぬままにファイナルラウンドにもつれ込むも,最終的にリングアウト狙いのコンボを見事叩き込んだおおさか選手の勝利となった。
東日本予選 Xbox 360部門
続いて行われたXbox 360版の東日本予選。本大会は両方のプラットフォームに同時参加できる形式(代表者となった2名のみ,別プラットフォームには参加できない)であったため,Playstaiton 3版で活躍した強豪はもちろん,筆者も引き続き参加させていただいた。
Aブロックを勝ち進んだのは,ナツ使いとして名を馳せるダスク@dusk0naka選手,そして同じナツを使う筆者だ。
いわゆる同キャラ戦となったブロック決勝では,「ナツは強いとされるキャラクターなので,きっと戦うことになるだろう」と予想し,同キャラ戦を煮詰めてきたことが効を奏してか,筆者の勝利となった。
Bブロックでは,この本大会の運営に協力するイベント団体「STRIKE」に所属するぬた選手のナイトメアが,進行と選手の二足のわらじを履きつつも勝利。
Cブロックの代表には,Playstation 3版トーナメントではエリュシオン(ラウンドごとに違った女性キャラクターになる特殊なキャラクター)を使用していた強豪,邪神選手が本来の持ちキャラクターであるヒルダを使用し,危なげのない戦いで駒を進めた。
そしてDブロックは,一部からは本大会の優勝候補と目されていたデコポン選手(ティラ)を撃破した,ピュラを使うもっしゃ選手が代表となった。
筆者はもともとナイトメアを使っていたほか,プロゲーマーとして知られるときど氏(本作ではナイトメアを使用していた。なお無償バージョンアップに伴い,ヴィオラにキャラクターを変更したとのこと)ともそれなりの数の対戦をこなしてきていたため,対策は万全とはいかないまでも,かなり良いコンディションで臨むことができた。それらの経験が活きたのだろう,のびのびとしたプレイでぬた選手から3ラウンド連取した筆者が,東日本予選の代表の座を獲得した。
もうひとつの準決勝は,ボタンを押し続けた時間によって繰り出せる技が変化するテクニカルキャラクター,ヒルダを高いレベルで使いこなす邪神選手と,スタンダードキャラクターの代表格と言えるピュラを使うもっしゃ選手によって争われた。
こちらは,的確なディフェンススキルを見せ付け,終始自分のペースで戦い続けた邪神選手が3ラウンドを連取する形で勝利をモノにした。
というわけで,筆者のナツと邪神選手のヒルダによる決勝戦がスタート。ヒルダとは対戦経験をかなり積んでいたため,その弱点――例えばAボタンを3秒以上溜めてしまうと,ジャストガードに弱い技が発生してしまったり,接近戦では小回りが効かなかったりといった点を突いた筆者が,一気に2ラウンドを連取することに成功。
ただ,邪神選手も相当の手練れで,そんな弱点を感じさせない素晴らしい動きを見せてくる。筆者はそこに焦ってしまい,今思えば普段よりも安易な攻めが多くなってしまったのかもしれない。これを邪神選手にいいように迎え撃たれ,最後は受け身確定(本作の受け身にはスキがあるため,そこを狙った連携が存在する)を警戒してダウン維持を選択した筆者に,裏の選択肢であるダウン追い打ちを叩き込んだ邪神選手の逆転勝利となった。
YouTube版は「こちら」
ラスベガスを懸けた決勝リーグ
続いては,いよいよラスベガス行きを決める最強日本一決定戦,その決勝リーグである。Playstaiton 3版,Xbox 360版それぞれの代表者は以下の8名だ。
●Playstation 3版
- 東日本予選一位:おおさか選手(マキシ)
- 東日本予選二位:プラズマ選手(ジークフリート)
- 西日本予選一位:ハートナナ選手(ナツ)
- 西日本予選二位:トイレ選手(ツヴァイ)
●Xbox 360版
- 東日本予選一位:邪神選手(ヒルダ)
- 東日本予選二位:ハメコ。(ナツ)
- 西日本予選一位:アルテナ選手(ジークフリート)
- 西日本予選二位:SHK選手(ピュラΩ)
Playstation 3版の決勝リーグでは,ともに予選を2位で通過したプラズマ選手とトイレ選手の動きが非常に良く,予選では敗北を喫した1位の相手――,プラズマ選手はおおさか選手,トイレ選手はハートナナ選手にリベンジを果たすことに成功していたのが印象的だった。とくにトイレ選手は,幻体アインを飛び道具のように活用して戦うツヴァイを見事に使いこなしており,変幻自在の連携で終始相手を圧倒する戦い振りを見せていた。
決勝リーグ最後の試合は,同じく2勝同士であるプラズマ選手とトイレ選手による直接対決。その結果如何で優勝者の決まる注目の一戦は,プラズマ選手がしっかりとしたツヴァイ対策――アインとの同時攻撃をクイックムーブで避けたうえで反撃を狙うなど――を見せ,終始優勢に進める形で2ラウンドを先取する展開となった。
とはいえトイレ選手も負けてはおらず,アインを回避する動きを横斬りで対応,一気に大ダメージを与えるなどしてラウンドを取り返す。しかし最後は,リング際に追い詰められたトイレ選手に,抜群の“当て勘”と共に振るわれたプラズマ選手の立ち途中Bがヒット,空中コンボでツヴァイをリングアウトさせ,プラズマ選手の勝利となった。
YouTube版は「こちら」
続いて行われたXbox 360版決勝リーグ。初戦は邪神選手がアルテナ選手に勝ち,筆者がSHK選手に勝つという結果になった。邪神選手,筆者ともに,Playstation 3版では各ブロックの準決勝まで勝ち上がっていた=本大会での試合数をとくに多くこなしていたこともあってか,これが本大会の初戦である西日本代表の2人と比べると,より強く集中できていたようにも感じられる試合展開だった。
そして次の試合は,筆者個人としては東日本予選決勝戦での因縁がある,邪神選手と筆者によるカード。筆者としては,東日本予選決勝では邪神選手の高い防御力に焦りを覚えてしまったのが良くなかったと猛省。ガードを崩しにかかるのではなく,ヒルダの細かいけん制の動きに対してダメージ効率で勝ちやすいA+Bをメインに立ち回ることにしたのだが,これが大きく功を奏し,すべてのラウンドを通じて優勢なまま,勝利をもぎ取ることができた。これは非常に嬉しい!
YouTube版は「こちら」
続いては,2勝と優勝にリーチをかける筆者と,1勝1敗のアルテナ選手による試合だ。Playstation 3版東日本予選で同じくジークフリートを操るプラズマ選手に負けたところもあり,対策不足を懸念した状態で対戦に臨んだのが良くなかったらしい。アルテナ選手の得意とする,吸い込まれるように喰らってしまう立ち途中B――通称“アルテナアッパー”に,例の如く引っかかってしまう。
そこで,体力を奪い返そうと焦って攻め込んだところへさらにアッパーを合わせられる,という苦しい展開が続き,結果は3-1でアルテナ選手の勝利となった。これにより,アルテナ選手,邪神選手,そして筆者の戦績が2勝1敗と並んだものの,得失点差においてアルテナ選手が最多ポイントを獲得,優勝はアルテナ選手となった。
YouTube版は「こちら」
アルテナ選手が見事優勝を決め,これにて閉幕。……と思われたが,筆者と邪神選手が得失点差で並んだため,そのまま2位決定戦が行われることとなった。
邪神選手との通算成績は,東日本予選決勝と決勝リーグを合わせて1勝1敗。ここで白黒付けられるのは,筆者としても願ったり叶ったり。この舞台で三度相まみえることができるという楽しさの前に,いつの間にか優勝を逃したという悔しさも忘れ,非常にリラックスした状態で試合に臨めた。それゆえか,ここぞという場面でKをジャストガードしてのA(ジャスト)という逆転を果たすシーンも。
さらにセットカウント2-1で迎えた4ラウンド目,残り体力の少ないこちらを崩そうと細かい攻めを展開してきた邪神選手に対し,狙い澄ましたガードインパクトからのクリティカルエッジ(クリティカルエッジはガードインパクト返しできないため,ガードインパクト成功時に素速く繰り出せば確実にヒット,ナツの場合はそこからの空中コンボで体力の4割強を奪い取れる)で再び逆転勝利を収めることに成功,筆者が2位の座を手にしたのだった。
YouTube版は「こちら」
表彰式では,それぞれの決勝リーグで優勝を果たしたプラズマ選手,アルテナ選手の両名に,夛湖氏から特製のソウルエッジ型トロフィーが手渡された。また,副賞として海外版「ソウルキャリバーV コレクターズエディション」,そして賞金の5万円が贈呈された。
ゲームバランスの調整内容がうかがえるシーンや,有償DLCとして配信される新たなクリエイションパーツ(そこには「鉄拳」シリーズの風間仁やシャオユウ,キングの姿も!)が映るたび,会場のプレイヤー達から歓声が上がる一幕も。
ゲームのチューニングを担当するProjectSoul 高橋氏からは「より快適に対戦を楽しめるような調整を加えたので,皆さんにさらにやり込んでいただけたら嬉しいです」とのコメント。またクリエイション関連の新要素については,ProjectSoul 牛口氏から「キャラクターによっては,過去作品に登場した際のコスチュームなども追加します」というコメントが寄せられた。
またプロデューサーの多湖氏は「今後もソウルキャリバーを発展させていくため,皆さんの力をお貸しください」と力強く語り,最後は本大会の主催である日本eスポーツエージェンシー代表,筧誠一郎氏が,出場選手と運営協力に感謝を述べて,拍手に包まれながら大会を締めくくった。
というわけで,筆者の成績はPlayStation 3版では東日本予選ベスト4,そしてXbox 360版では全国2位という結果に終わった。嘘偽りなく優勝するつもりで臨んだこの大会,善戦だったと片付けるつもりは毛頭なく,今でも悔しさが残っている。
しかし,それ以上に楽しかった大会であることは,ここであらためて強調しておきたい。アウェイな状況で降り注ぐ煽りを,自らのプレイスキルでねじ伏せる,この全能感。これはスポーツか対戦格闘ゲームでもやっていなければ,なかなか味わうことのできない体験だ。そして何より,本作品をプレイして大会に参加しなければ,出会えなかったであろう人達と巡り会うこともできた。
対戦格闘ゲームを楽しむうえで,もっとも重要なファクターは環境――そんな持論を持つ筆者にとって,この大会はより良い環境を体験するという意味でも,かけがえのない機会になったのではないか。そんな気がするのである。
なお,本大会における優勝者のインタビューは,運営協力を行ったSTRIKEに掲載されるとのこと。また,今後の「ソウルキャリバーV」の大会イベントに関する告知も行っていくそうなので,“より良い対戦環境”を求めるキャリバープレイヤー達は,STRIKEの今後の活動にも期待しておこう。
「ソウルキャリバーV」公式サイト
「ソウルキャリバーV」日本一決定戦公式サイト
「STRIKE」公式サイト
キーワード
(C) 2012 NAMCO BANDAI Games Inc. (C) 2012 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Assassin’s Creed, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.
(C) 2011 NAMCO BANDAI Games Inc.