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第4世代Coreプロセッサ「Haswell」,デスクトップPC向けモデルのスペックを整理してみる
そして,これに合わせてIntelは,販売の始まったデスクトップPC向けモデルを中心とする計15製品の主な製品スペックを明らかにした。ここでは,その概要をまとめてみることにしよう。
LGA1150パッケージで登場した
デスクトップPC向けHaswell
Intelは2012年の第3世代Coreプロセッサ,開発コードネームでいう「Ivy Bridge」(アイヴィブリッジ)のタイミングで,3次元トライゲート・トランジスタを用いる22mnプロセス技術を導入した。Haswellは,そんなIvy Bridgeと同じプロセス技術を用いつつ,拡張を加えてきたモデルとなっている。
そのアーキテクチャは別記事で解説しているので,ここでは冒頭で紹介したとおり,ラインナップを整理していきたい。
6月2日時点でスペックが明らかになっているデスクトップPC向けHaswellは表1&2のとおりだ。4コア8スレッド対応のCore i7が5モデル,4コア4スレッドもしくは2コア4スレッド対応のCore i5が7モデルとなっている。
Core i5ではこのほかにも「Core i5-4430」「Core i5-4430S」という製品が用意されているようなのだが,原稿執筆時点では詳細が分からない。2製品のスペックは,Intelの製品情報データベース「ark.intel.com」に掲載されるのを待つ必要があるだろう。
「末尾のアルファベットが異なる一方,4桁型番は同じ」という製品が多いが,このあたりはIvy Bridge時代と変わっていないと述べていいだろう。「K」型番の「Core i7-4770K」は「Unlocked」仕様で,動作倍率を定格比で大幅に引き上げることができる(※Unlockedでない製品でも,“定格+α”程度の倍率引き上げはサポートされる見込み)。
「S」「T」が省電力版で,「T」型番のほうがより低消費電力を志向しているというのも,Ivy Bridge世代から変わらずだ。
統合型グラフィックス機能(※上の表では「iGPU」と表記してある)は「Intel HD Graphics 4600」で統一されている。Intelは5月2日に,Haswell世代の統合型グラフィックス機能上位モデルで新しい製品ブランド「Intel Iris Graphics」を用いると発表しているが(関連記事),ご覧のとおり,今回明らかになったデスクトップPC向けモデルで,採用製品は用意されない。
デスクトップPCを使う4Gamer読者のほとんどは単体グラフィックスカードを別途用意するはずなので,大きな問題にはならないと思われるが,一応は押さえておきたいポイントと言えそうだ。
ちなみにメモリコントローラはDDR3-1600もしくはDDR3-1333対応,共有L3キャッシュ容量は4〜8MB,PCI ExpressコントローラはGen.3(3.0)対応で,このあたりもIvy Bridgeから変わらずである。
Intel 8シリーズチップセットについては後述したい。
ノートPC向けHaswellでは
3製品のスペックが明らかに
ノートPC向けでは,「Core i7-4930MX」「Core i7-4900MQ」「Core i7-4800MQ」の製品スペックが判明した。具体的には表3のとおりだ。また,「Core i7-4702HQ」「Core i7-4702MQ」「Core i7-4700HQ」「Core i7-4700MQ」という4製品の存在も明らかになっている。
ノートPC向けプロセッサの場合,「X」が付いた製品はUnlocked仕様のExtreme Editionというのが最近の流れだが,Core i7-4930MXがUnlocked仕様なのかどうかは,原稿執筆時点ではまだ分からない。
Intel 8シリーズチップセットは
合計8製品が投入される
前述のとおり,Haswellの対応チップセットとしては,Intel 8シリーズが用意されている。
具体的なラインナップは以下のとおりだ。
●デスクトップPC向けIntel 8シリーズ
- Intel Z87 Express
- Intel H87 Express
- Intel Q87 Express
- Intel Q85 Express
- Intel B85 Express
●ノートPC向けIntel 8シリーズ
- Intel HM87 Express
- Intel HM86 Express
- Intel QM87 Express
「Z」「H」が(ゲーマーを含む)一般ユーザー向け,「Q」「B」がビジネスユーザー向けとなっている。「M」は「Mobile」の意味だ。
「Haswell対応」という部分を除くと,Intel 8シリーズチップセットが持つ最大の特徴は,PCI Express Gen.2(2.0)レーン数とSerial ATA 6Gbpsポート数,USB 3.0ポート数を,OEMメーカー(≒マザーボードメーカー)がある程度自由にカスタマイズできる「Intel Flexible I/O」のサポートということになりそうである。
Intel Flexible I/Oは,チップセットが持つ複数のシリアルレーンを「Configuration Register」(コンフィグレーションレジスタ)の設定によって任意の用途に割り振れるというもので,たとえばマザーボードベンダーが自社製品の特徴を出すためにUSBポートを大幅に増やした――その代わりに残る2要素の数が減った――製品を投入できるようになる。
また,Intel Flexible I/Oのサポートに合わせ,これまで2ポートの制限があったSerial ATA 6Gbpsポート数が最大6に拡大されたのもトピックといえるだろう。
なお4Gamerでは,「Core i7-4770K」および「Core i7-4670K」のレビューを,販売解禁に合わせて掲載済みだ。前述のとおりアーキテクチャ解説も別途行っているので,そちらもチェックしてもらえればと思う。
また,4日になれば,Ultrabook向けなど,残るHaswell世代のプロセッサも発表されるだろう。そちらも詳細が明らかになり次第お伝えしたい。
「Core i7-4770K」「Core i5-4670K」レビュー。デスクトップPC向けHaswellはゲームで速いのか
「Haswell」って何だ? 第4世代Coreプロセッサが採用するアーキテクチャのポイントを一気に押さえよう
ark.intel.com(英語)
Intel日本語公式Webサイト
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Core i7・i5・i3-4000番台(Haswell)
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