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Intel,PCゲーマーや上級者向けの新サービス「Intel Club Extreme」を発表。日本向けに独自のゲーム内特典も用意
同説明会では,5月11日に搭載製品が発売された新チップセットIntel 9シリーズと新しい第4世代Coreプロセッサ「Haswell Refresh(ハスウェルリフレッシュ)の説明も行われたので,合わせてレポートしよう。
なお,新CPUの1つ「Core i7-4790」とその性能については,以下のテストレポートを参照してほしい。
「Haswell Refresh」の「Core i7-4790」を動かしてみた。体感速度はHaswellと変わらず,消費電力はやや増加
日本オリジナルのゲーム内特典も登場? ハイエンドユーザー向けサービス「Intel Club Extreme」を開始
Intel Club Extremeとは,海外では「Intel Club Enthusiast」と呼ばれているサービスで,デスクトップPC市場の活性化を目指してIntelが取り組んでいる新しい施策の1つである。
日本はデスクトップPCからノートPCへの移行が,世界市場に先んじて行われた国であるが,一方でハイエンドの技術に敏感なユーザーが10万人ほどいると見られており,彼らは「他国の3倍,(新しいシステムへの)切り替わりが早い」(早船氏)そうだ。そうしたユーザーが,IntelのCPUやハイエンド向けマザーボードを選んでくれるようにアピールするのが,Intel Club Extremeの役目である。
特色があるのはもう一方で,こちらは対象製品に同梱されるシリアルナンバーでユーザー登録を済ませた,Intelのハイエンドユーザー向け製品購入者を対象にした特別なコンテンツとなる。
現時点では特別なコンテンツとして,PCゲーム用に用意された特製のゲーム内特典が計画されているとのことだ。ちなみに,計画されているゲーム内特典は海外で提供されるものとは異なり,日本のゲーマー向けに用意されたものになるそうで,どんなものが登場してくるのか楽しみだ。
また,ゲーム大会やコンテンツ制作者向けのコンテストといった,オフラインイベントも企画されているという。
Intel Club Extremeの対象となる製品は,今後発売予定とのことで,どのような製品が用意されるのかは,今のところ公開されていない。
しかし,Intelの担当者によれば,「Unlocked版やExtreme Editionに属するCPUなどが,対象になるだろう」とのことだった。これはおそらく,2014年中頃に登場予定のUnlocked版CPU「Devil’s Canyon」(開発コードネーム)や,2014年後半に登場予定の「次期Core i7 Extreme Edition」のことだろう(関連記事)。
キャンペーンの申込は簡単なアンケート形式になっており,「コンテンツや特典、プレイカードとしてあったら良いと思うPCゲームタイトルをお聞かせください」(原文ママ)という設問が用意されているのだが,そこに列挙されているタイトルにはちょっと首をかしげる面もある。
具体的には当該Webページを見てほしいのだが,著名なタイトルをただ並べただけといった印象で,「League of Legends」や「Dota 2」,「Alliance of Valiant Arms」といった,日本でも熱心なプレイヤーが多いタイトルの名前がないのだ。「PCゲームの実情をちゃんと調査したのかな」という不安を感じなくもない。
ゲームタイトル面で不安な要素もあるものの,これらの製品を購入しようかと検討している人にとっては,楽しみが1つ増えたのではないだろうか。
Intel Club Extreme 公式Webページ
SSDの活用でデスクトップPCの快適さ向上を目指したIntel 9シリーズ
Intel 9シリーズの説明は,インテル技術本部 統括部長の秋庭正之氏が担当した。
Intel 9シリーズとは,「Intel 8シリーズチップセットをベースに,いくつかの機能を拡張した」(秋庭氏)チップセットで,現行の第4世代Coreプロセッサ(HaswellおよびHaswell Refresh)と,2015年に登場予定の次世代CPU「Broadwell」(ブロードウェル,開発コードネーム)に対応する。
ちなみに,このBroadwell,以前は「ノートPC向けのみ」と言われていたCPUなのだが,結局デスクトップPC向けにも展開することになったようだ。
インテル技術本部 統括部長の秋庭正之氏 |
発表会場に展示されていた,ASUSTeK Computer製のZ97搭載ゲーマー向けマザーボード |
秋庭氏が,Intel 8シリーズの改良版というだけあって,Intel 9シリーズ固有の特徴というのはあまり多くないのが事実だ。しかし,いくつか加えられた新機能で,Intel 9シリーズが何を目指したものかは見えてくる。それはSSDを活用することで,デスクトップPCの快適さを向上させようということだ。
それを明確に反映した新機能が,「M.2」と呼ばれる新しい拡張インタフェースへの対応である。
秋庭氏の説明によると,Intel 9シリーズではM.2接続SSDにおいて,SSDをHDDキャッシュとして利用する「Intel Smart Response Technology」(以下,Smart Response)や,ブートデバイスとしての使用をサポートしているという。
また,Smart ResponseはM.2対応以外の点でも改良されているとのことで,
そのほかにもIntel 9シリーズでは,SSDを活用したPCの性能向上に関わる機能がいくつも盛り込まれている。デスクトップPCでのSSD活用が,より一層進むことは間違いあるまい。
Intel 9シリーズで導入された,SSDに関係した改良点を示したスライド(左)。製品が増えてきて人気が上昇しているSSDキャッシュ搭載HDDもサポートされた(右) |
一方,Intel 9シリーズと同時に登場したデスクトップPC向けのHaswell Refreshは,通常消費電力版と低消費電力版を合わせて実に26製品も存在するという。ただし,中身は従来のHaswellとほぼそのままということもあってか,秋庭氏もラインナップをおおまかに説明したうえで,「動作クロックが向上した」という程度の言及しかしなかった。
なお,Unlocked版CPUであるDevil’s Canyonは,2014年中頃に登場予定とされているため,今回のラインナップには含まれていない。
ゲーマー向けの製品ではないが,説明会では超小型PC「Intel NUC」の新製品「DE3815TYKHE」が披露された。従来のNUCよりも大きめにして,筐体内のスペースに拡張機能搭載用の余裕を持たせたことで,2.5インチHDDを内蔵可能になったという |
Intel 日本語公式Webページ
- 関連タイトル:
Core i7・i5・i3-4000番台(Haswell)
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