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[COMPUTEX]定格4GHzで倍率ロックフリーの「Core i7-4790K」登場。Pentium 20周年モデルともども北米時間6月14日に発売
現時点で公表されている主なスペックは以下のとおりだ。
●6月3日に発表されたCPUの主なスペック
(※原稿執筆時点では一部未公開)
- Core i7-4790K
4C8T,TDP未公開,CPUコア定格クロック4GHz,CPUコア最大クロック4.4GHz(4-4-4-4),統合型グラフィックス機能「GT2」最大クロック1250MHz,共有L3キャッシュ容量8MB,デュアルチャネルDDR3-1600,QSV有効 - Core i5-4690K
4C4T,TDP未公開,CPUコア定格クロック3.2GHz,CPUコア最大クロック未公開(2-3-4-4),統合型グラフィックス機能「GT2」,共有L3キャッシュ容量6MB,デュアルチャネルDDR3-1600,QSV有効 - Pentium Anniversary Edition
2C2T,TDP未公開,CPUコア定格クロック3.2GHz(Intel Turbo Boost Technology無効),GT1最大クロック未公開,共有L3キャッシュ容量3MB,デュアルチャネルDDR3-1333,QSV有効
Core i7-4790Kは全コア最大4.4GHz動作
オーバークロックに向けた改良も
このうちCore i7-4790Kは,かねてより「Devil’s Canyon」(デヴィルズキャニオン)という開発コードネームで呼ばれていた製品だ(関連記事)。Haswell Refresh世代の「K」プロセッサという位置づけにある。
注目したいのは,冒頭でも挙げた定格4GHzという動作クロックで,ついにCoreプロセッサが定格4GHzの世界へ突入したことになるわけだ。また,「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)による最大動作クロック4.4GHzに4コアすべてが到達する仕様というのも大きなトピックといえるだろう。
Core i7-4790Kでは,4GHz超級のクロックにおける動作の安定性,そしてユーザーが自己責任で行うオーバークロック時の耐性を高めるため,パッケージレベルでの新たな技術も導入されている。具体的には,パッケージ底面のキャパシタが追加・変更され,また,CPUのダイとヒートスプレッダの間を埋めるサーマルインタフェースに,Intelが特許を持つ「Next-Generation Polymer Thermal Interface Material」(NGPTIM)が新採用になったとのことだ。
NGPTIMは熱伝導材にポリマー(高分子重合体)を添加したもので,シリコングリスなど,従来のIntel製CPUで採用されていた熱伝導材と比べて欠損や剥離が起きにくく,高い熱伝導率を実現するとされている。このNGPTIMを内部に使用することにより,Core i7-4790Kでは放熱効率が極めて高くなっているという。
気になる対応チップセットは,「Intel 9シリーズ推奨」という表現になっている。Intel 8シリーズチップセットでも利用は可能であるものの,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)が少し高く,その点で,Haswell Refresh世代が想定されていないマザーボードには不安が残るというのが,Intelの公式見解のようだ。
一方,Pentium Anniversary Editionは,2コア2スレッド対応でCPUコアの定格クロックが3.2GHz,Turbo Boost非対応で倍率ロックフリーと,いわば,「低価格で遊べる」プロセッサという扱いになる。PentiumブランドのCPUでは基本的に有効化されない「Intel Quick Sync Video」が有効になっているというのも特徴といえるだろう。
4Kディスプレイが399ドルに?
CPUとは別件だが,4Kディスプレイに関するIntelとSamsung Electronics(以下,Samsung)の協業も明らかになったのでお伝えしておきたい。
これは,SamsungがPCディスプレイ向けに4K解像度の23.6インチPLS(Plane-to-Line Switching,IPS方式の一種)液晶パネルを供給。Intelがディスプレイメーカーに対して同パネルの採用を促すことで,最終的に4Kディスプレイの価格を現在の最廉価帯比で約半額となる399ドルにしようというものである。
4Kディスプレイが手頃な価格になるのはPCユーザーとしても悪い話ではない。ただ,23.6インチというサイズがちょっと気になるところだろう。このサイズの4KディスプレイはDPI設定を上げなければとうてい利用できないが,WindowsではDPI設定を無視するアプリケーションが極めて多いこともあって,使いにくいディスプレイになる可能性もゼロではない。
この計画が成功するかどうかは現時点ではなんとも言えないが,IntelとSamsungというビッグネームが4Kディスプレイ分野で手を結ぶというのは,やはり大きなトピックに違いない。現行の1920×1080ドット液晶ディスプレイと同じ感覚で4Kディスプレイを購入できる時代は,もうすぐそこまでやってきているといえそうである。
Intelのプロセッサ情報データベース「ARK」(英語)
- 関連タイトル:
Core i7・i5・i3-4000番台(Haswell)
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