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[GDC 2012]意外? それともやっぱり? ゲーム業界の大御所の人生を決めた1本とは
●ウィル・ライト
「Pinball Construction Set」 by Bill Badge (1983)
バッジ氏は,Electronic Artsの創業時に,黒い服装で撮影された有名な広告「Can A Computer Make You Cry」に写る気鋭デザイナー7人のうちの1人であり,黒い手袋を付けて右奥に座る人物だ。ライト氏はこのゲームで遊んでいたとき,すでに働いていたお姉さんの家に転がり込んでいたらしいのだが,Pinball Construction Setの箱の裏の住所から,かなり近い場所にバッジ氏が住んでいることを知って,実際に彼を訪ねたという。バッジ氏はその後も,Electronic Artsで「Derby Construction Set」などを次々に仕掛けていたが,ある時,友人となったライト氏に対して「Construction Set Construction Set」を作るなどと言い出し,「バッジ氏は考えすぎて妙な世界にたどり着いたのでは」と心配したそうだ。
●シド・マイヤー
「Seven Cities of Gold」 by Dan Bunten (1984年)
とくに,Pirates!への影響は絶大なものがあるという。「Seven Cities of Gold」では,砦を築くために,現地住民を排除するか,何らかの方法で改宗させることが必要となる。改宗させる際に,「原住民を感動させたまえ」(Amaze the Natives)というメッセージが表示されるのだが,それをはじめて見たときの「自分の中にパワーが満ちたように感じた」という錯覚が,今でもマイヤー氏の心に深く焼きついているという。
●クリフ・ブレジンスキー
「ゼルダの伝説」 by 宮本 茂 (1986)
そんな13歳のクリフィB少年にとって,ゲーム雑誌の「ゼルダの伝説」の広告に描かれた金色のカートリッジは,大きな衝撃を与えたという。それを購入するために,新聞配達やカントリークラブの掃除などをして,自分で資金調達をしたほどだ。ゼルダの伝説の広々としたゲーム世界で駆け回ることは,今となっては,ゲームに熱中する前にボストン郊外の森を駆け回っていた体験と重なるのだという。
ちなみに,最近では「The Elder Scroll V: Skyrim」をプレイしたときに同じ感覚が蘇ったそうで,マッチョなゲームの制作が得意なクリフィBにしては,ちょっと意外なエピソードと言えるだろう。
●ジョン・ロメロ
「パックマン」 by 岩谷 徹 (1980)
「DOOM」「Quake」「Daikatana」など,FPSのゲームデザインを牽引したことで知られるロメロ氏は,最近ではソーシャルゲームの会社であるLoot Dropを起業。今回は,26年の歴史を持つGDC史上初めて,iPhoneを大モニター用のスイッチャーに接続してスライドショーを披露するというマニアぶりを見せ付けた。
そんなロメロ氏は70年代,まだ10代にも満たない頃に,アーケードゲームにハマっていたそうだが,「パックマン」で初めて目の当たりにした「複数の色で構成されたグラフィックス」や,個性/名前の設定された憎めない敵(ゴースト),攻略しがいのあるマップなどに,ひどく感動したのだという。
アメリカでは,ローンチから最初の18か月で10億ドルの売上を達成したという大ヒット作品だが,ロメロ氏自身,最初の3面は目を閉じていても攻略できるほどやり込んだらしい。彼のゲーム愛が良く分かるエピソードである。
実際,DOOMには隠しマップとして,パックマンを連想させる迷路マップが盛り込まれており,彼の思い出にしっかり刻み込まれた作品であるのは間違いなさそうだ。
- 関連タイトル:
シムシティ
- 関連タイトル:
Gears of War
- 関連タイトル:
シドマイヤーズ シヴィライゼーションV 日本語版
- 関連タイトル:
DOOM 4
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