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[G-Star 2012]WeMadeがリリースするスマートフォンゲーム「ぽけぺっと王国」「ARK SPHERE」はどんなゲームなのか? 開発スタッフに聞いてみた
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印刷2012/11/10 17:08

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[G-Star 2012]WeMadeがリリースするスマートフォンゲーム「ぽけぺっと王国」「ARK SPHERE」はどんなゲームなのか? 開発スタッフに聞いてみた

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 2012年9月に開催された「東京ゲームショウ 2012」の直前に,6本のスマートフォン用ゲームを発表していた韓国WeMade Entertainmentと日本のWeMade Online(関連記事)。韓国・釜山での「G-Star 2012」開催に合わせて11月8日には,さらに11タイトルのスマートフォン向けタイトルが発表されており(関連記事),両社のスマートフォン向けゲームに対する本気度がはっきりと分かる展開が進められている。

 また,日本では発表されたものの,旧作なので今回の発表に含まれていなかった「バイキングアイランド(邦題:ロリポップ☆あいらんど)」に関しては,G-Star 2012開催直前の11月7日に行われた「2012大韓民国ゲーム大賞」で最優秀賞を受賞するなど,早くも成果が形になって表れており,今後にも期待したくなる活躍を見せている。

 今回,日本でもWeMade Onlineでのサービスが行われる予定の「ぽけぺっと王国」iPhone / Android「ARK SPHERE」iPhone / Android)の2作品に関して,「こちら」の「ICARUS」のインタビューに引き続いて合同インタビューが行われたので,そこで明らかになった情報をお届けしよう。


「ぽけぺっと王国」は,最初から日本人向けの企画が盛り込まれた作品


――では,さっそくですが,「ぽけぺっと王国」のコンセプトを教えてください。

Jeong氏:
WeMade Entertainment SNG室のJeong,Jin Uk氏。「ペットアイランド(邦題:ぽけぺっと王国)」「バイキングアイランド(邦題:ロリポップ★あいらんど)」などを統括
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 もっとも大きなコンセプトは,「可愛らしいこと」と「ペット」であることです。本作では,島,つまり可愛らしいペットがいる空間に,いわゆるファーム要素を付け足した作品です。しかし,これだけではどこにでもあるゲームに思われてしまいます。ですから,ペットをなでたりといったスキンシップや,コミュニケーション,SNG(ソーシャルネットワークゲーム)要素を追加しました。最終的なコンセプトとしては,SNG+ペットというものを考えています。

――「東京ゲームショウ 2012」で本作を出展されていましたが,その手応えやプレイヤーの反応はいかがでしょうか。

Jeong氏:
 ペットは,日本のプレイヤーに受け入れられるようにと作ったものです。また,自動生産システムで生産の予約をすると,ゲーム内の可愛らしいペットが走り回るなど,日本のプレイヤーが好みそうなグラフィックスを用意しています。それらによって,日本のプレイヤーさんにも認めてもらえたと感じています。日本でのサービスに勝算はあります。

WeMade Online 崔 錘玖氏(以下,崔氏):
 Jeongさんは,日本での手応えを確認したくて,テストバージョンを頻繁にWeMade Onlineに送ってくれて,よく評価を聞かれるんですよ。ストーリーに関しても,日本のプレイヤーを考えているというか,日本のプレイヤーの感覚は正しいという意識で企画に入れています。

――日本を意識しての開発になっているわけですか。

WeMade Online 崔 錘玖氏
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崔氏:
 “日本も”ではありますが(笑)。本作の制作メンバーは,幼いときから日本のゲームが好きだった人が多く,どうしても日本人からの反応が気になるんですよ。ですから,企画段階ですでに日本人向けの内容が入っています。

――なるほど。では,モバイルだからこそ意識したことはありますか。

Jeong氏:
 モバイルだからこそ意識したという点は三つあります。一つはグラフィックスです。高望みすればキリがありませんが,モバイルという制限がありますので,その中でもっとも可愛らしくなるように表現しています。
 次にUIです。これもグラフィックスと同じで,入れたいものはいろいろありましたが,全部入れるとゴチャゴチャになって,誤動作が多くなってしまいます。ですから,なるべくシンプルに遊べるようなUIの制作に神経を使いました。三つめが時間です。モバイル作品は,ずっとPCの前に座って長く遊ぶわけではなく,朝起きて,通勤時間,昼時,夜と,ちょっとずつプレイしていただける内容になるように注力しています。
 そして,この三つの点において,本作は十分満足できる内容に仕上がっていると思っています。

――ゲーム中,ペットが建築をしたり,生産したりしますが,本作のゲームの目的は何かあるのでしょうか。

Jeong氏:
 最終的な到達点というものはありません。ですが,シナリオは用意しています。
 経済観念のないペットが住む島がありましたが,とある財団がその島を乗っ取ってしまったんです。ペット達は働かざるをえなくなり,経済観念が強くなっていきます。
 ですが,経済活動の基本がまったく分からないので,プレイヤーはクエストを通して,ペット達にいろいろ教えていくという展開になっているんです。ちなみに,現在シナリオに基づいたクエストを300個くらい実装しています。

――ペット自体は豊富に用意されているんですか?

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Jeong氏:
 開発中のものを含めると,数え切れないくらいあります。開発が完了しているものは60体くらいです。ペットは,単純に犬だ,猫だというわけではなく,いろいろコンセプトを持たせていて,犬っぽいけど猫みたいなものだとか独特なペットがいるんですよ。
 また,ペットとペットを組み合わせて,別のペットにするという要素もあります。その際に,それぞれのペットが持つ固有スキルが掛け合わされますので,別のペットになったときに,どんなスキルになるのか,といった楽しみ方もできます。

――本作では,ペットは自動で生産してくれますが,スキルはどのように使われるのでしょうか。

Jeong氏:
 ペットには,ノーマルとユニークの2種類があり,ノーマルのペットはパッシブ系で,生産の時間を短縮するといったスキルを持っています。一方のユニークのペットは,ゲーム全体に影響を与えるような,自分で操作するアクティブスキルを持っています。ただ,これは開発中のものですので,まだ具体的にはお話しできません。

――ペット同士を掛け合わせで,例えばノーマルペットから,ユニークのペットが出現することはありますか?

Jeong氏:
 ユニークは有料のペットになる予定ですので,今のところ,ノーマルとノーマルの掛け合わせで生まれるというのは考えていません。

――ペットは,頭をなでたた喜んだり,海に放り投げたら泣きながら戻ってきたりといった,場面ごとのリアクションをしますよね。このバリエーションは,ほかにも用意されているのでしょうか。

Jeong氏:
 ペットとのスキンシップについては今のところ,頭をなでる,休憩場所に置いてあげるとブランコに乗ったりするというものがあります。

崔氏:
 ほかにも疲れると,動きが鈍くなるんですよ。本作は,ペットが自動で収穫してくれますが,自動で収穫したものはペットのカバンに入るんです。そして,そのまま放置しておくと,ペットが疲れて歩きが鈍くなるんですよ(笑)。そういった,細かい部分にも,結構アクションが仕込んであります。

――ゲームの仕様だったり,バランスだったり,ゲームが提供される国によってバージョンが調整されるのでしょうか。それとも,世界共通でしょうか。

Jeong氏:
 当然,サービス国に合わせたローカライズ,カルチャライズを考えています。例えば,日本はもっとも大きなターゲットとして考えていますので,日本用の島も開発済みです。どこが先にリリースになるかは分かりませんが,ほかの国も,その国に合わせたローカライズが必要ですし,最大限バックアップしていくつもりです。


「ARK SPHERE」はスマートフォンで遊べる本当のMMORPG?


「ARK SPHERE」のプロデューサー Lee Hyun Soung氏。日本語をアニメと漫画とゲームで学んだという,筋金入りの日本サブカル好き。日本語での直接の会話こそできなかったものの(間違って伝わらないように,あえて話さなかったのかもしれない),こちらの話す日本語はほぼすべて理解して,通訳を通さずに,そのまま韓国語で回答してくれることもあった
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――では,「ARK SPHERE」のコンセプトから教えてください。

Lee氏:
 スマートフォンでのMMORPGはそれほど多くありません。そこで,デバイスやタッチ操作を最大限に活用した,モバイル上でのライトなMMORPGを送り出すということをコンセプトにしました。

――本作では,スキルを発動するために特定のタッチ操作を行う「フィンガースキルコマンド」があります。これを採用したのはなぜでしょうか。

Lee氏:
 PCであれば,簡単にキーボードのキーを押してスキルが使えるのですが,スマートフォンではそうはいきません。MMORPGは,戦闘部分が大切ですから,スマートフォンのタッチスクリーンを活かす方法を考えました。そして最終的に行き着いたのがフィンガースキルコマンドなんです。

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――UI周りでは,どのような工夫をしていますか。

Lee氏:
 すべて直感的に分かるように,いかにシンプルにできるかにフォーカスを合わせて開発しています。

崔氏:
 フィンガースキルコマンドも,それに関係するものですね。ボタンを画面に入れすぎると,ゴチャゴチャになるし文字も小さくなりますから。

――フィンガースキルコマンドは3種類使えますが,それぞれ特定のスキルとコマンドが紐付いているのでしょうか。

Lee氏:
 種族ごとに,各フィンガースキルコマンドに対応したスキルが,二つずつ用意されています。そのうち一つを選択すると,そのコマンドが入力できるようになり,もう一方は使えなくなります。

――スキルを付け替えることは可能ですか?

Lee氏:
 スキルの変更は,課金してのスキル初期化に近いシステムになります。

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――韓国だと誰もがMMORPGは遊んでいる状況だと思いますが,日本のスマートフォン市場を考えると,まだMMORPGに馴染みのない人が多いように思います。これに関してはいかがでしょうか。

Lee氏:
 最初に話したように,本作は「ライトなMMORPG」というところに注力しています。まだ本格的なMMORPGがスマートフォンにほとんどない状態で,いきなり本格派の作品を出しても,遊び方も分からず通用しないと分かっていますから。
 日本では,パズルゲームやカードゲームが主流ですが,少しずつライトなシューティングだったり,アクションだったり,そしてライトなMMORPGを遊んでもらえば,そこから徐々にコアなMMORPGに移っていくだろうと考えています。つまり,本作はその橋渡しをするライトなMMORPGになると考えているんです。

――分かりました。では,本作の世界観はどうなっているのでしょうか。

Lee氏:
 本作は,グラフィックスの美しさを追求するというコンセプトのもとで制作されており,ストーリーはそれほど緻密に練られてはいません。ですから,どんな世界観でも入るようなオープンなものになっています。
 一方,「ARK SPHERE」という名前を付けていますが,ARKといえば聖書に出てくる聖櫃や箱舟という意味です。このARKを巡って,さまざまな物語が繰り広げられるというコンセプトだけを用意しました。

――グラフィックスの美しさを追求したとのことですが,とくに意識されたのはどんなところでしょうか。

Lee氏:
 一番気をつかったのは,キャラクターの頭身です。3〜4頭身になっていますが,小さなモバイルデバイスでも,ちっちゃなキャラクターが動いたり,エフェクトだったりが,ちゃんと細かく見えるように注力しました。開発の専門的な部分になりますが,シェーダという技術が利用できなかったので,すべて手描きで再現したんですよ。

――MMORPGをスマートフォンで遊べるようにというコンセプトですが,開発にはどのような開発歴の方がいるのでしょうか。

Lee氏:
 実は,プログラマを除くほとんどのメンバーが「ドラゴンネスト」の開発に携わっていました。プログラマは,ドラゴンネストではなくほかの本格的なPCのMMORPGの経験者です。結果的に,メンバーのほとんどがPCオンラインゲームの開発メンバーだったわけですね。WeMadeにきて,スマートフォンの担当になりました。

――PCゲームからスマートフォンに移動したとき,苦労したことはありますか。

Lee氏:
 苦労した点は,タッチ操作でプレイするに当たって,シンプルで分かりやすくするにはどうすればいいのかということと,先ほども話したシェーダが使えないところです。とくにシェーダは,その事実を知ったときに開発陣から不満の声が上がりました。
 その一方でプログラム自体は,デバイスが変わっても結局はネットワークゲームですので,それほど苦労しなかったんですよ。

――ちなみに,本作の資料に「仲間が多いほど有利になる」との記述がありましたが,具体的にどう有利になるんですか。

Lee氏:
 これはシステム的なものではないんですよ。いまスマートフォンに出ているMMORPG作品は,実はMO方式のものがほとんどです。ですが本作は,本当のMMORPGです。ですから,人が多ければ多いほど同時プレイが楽しめます。そういう意味を表現した言葉です。
 ただ,友達が多いほうがいいこともあります。本作はモバイル上でのMMORPGですから,当然,少しずつ生活の合間に遊ぶプレイヤーが多いでしょう。ですから,フレンドに会えない時間もあると思います。そういう場合でも,接続するたびにソーシャルポイントのようなポイントをお互いに渡すことができ,それを溜めることでアイテムが買えるという,コミュニケーションの要素を用意しています。

――では最後に,今後のサービスに関して教えてください。

Lee氏:
 韓国でのサービスに関しては,2013年春を考えています。それがオープンしたあと,様子を見ていけそうだなと判断したら,日本でのオープンを考えています。

――本日は,ありがとうございました。
(2012年11月9日収録)
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