プレイレポート
オープンβテスト開始直前の「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」。さまざまな要素が追加されたβテストフェーズ3の内容をレポートしよう
新生FFXIVの核となるシステム,
レベルシンクとコンテンツファインダーも本格実装
フェーズ3からは,コンテンツごとにキャラクターレベルの調整を行う「レベルシンク」と呼ばれるシステムが導入された。これは,例えばレベル15から挑めるサスタシャでは,上限がレベル17(※フェーズ4ではレベル18になっている)までに設定されており,その場合,レベル50のキャラクターであっても突入時にはレベル17相当まで能力が引き下げられるというものだ。
この仕組みにより各コンテンツの難度はいつでも一定に保たれ,レベルが大きく離れたキャラクター同士であっても,コンテンツ自体の楽しさを損なうことなく,一緒にパーティを組んでプレイできる。その半面,どれだけレベルを上げても敵を蹴散らして進むようなことはできず,踏破には必ず一定の時間がかかることになる。
今回実装されているダンジョンは,いずれもクリアまでに早くて30分前後,不慣れな場合は1時間ほどを要した。レベリング用ダンジョンと考えれば,ある程度の周回を重ねることが必然となりそうなので,このあたりはなかなか絶妙な所要時間設定といえそうだ。
しかし,レベルシンクが便利だからといって,高レベル装備で低レベルダンジョンを何度も周回してしまうと,入手できるギルよりも装備修理費のほうがはるかにかかるというデメリットもある。レベル50の装備をアクセサリまで含めてすべてNPCに修理をまかせた場合,6000〜6500ギルもとられることに。
各クラフターのレベルが十分にあれば自分で修理を行えるし,ギャザラーがレベル50に達していれば各種ダークマター(装備修理に必要なアイテム)を自己調達するのも簡単なので,双方のレベルが高い人はさほど気にすべきことではないかもしれない。だがそうでない場合は,コンテンツに合わせて適正レベルの装備を揃えておくほうが,フトコロには優しい状況となりそうだ。
テスト終盤には,同じ目的を持ったプレイヤー同士が手軽にパーティを組める,「コンテンツファインダー」(以下,CF)というシステムも実装された。
使い方は至って簡単。CFのUIを開くと参加可能なパーティ用コンテンツの一覧が確認できるので,自分が挑戦したいものにチェックを入れて参加申請を行う。すると自動でパーティをマッチングしてくれて,人数が揃うと即コンテンツが始まるという流れだ。
申請時は自分が参加したいクラスになっておかなければならないが,それ以降はほかのクラスに変更しても問題なし。マッチングの完了を仁王立ちで待っている必要もなく,ギャザラーなどに勤しんでいてもいい。
参加申請はソロの状態に限らず,パーティ単位で行うことも可能だ。3人でパーティを組んだものの,ダンジョンへ行くにはあと1人足りない! というときにもCFを利用すれば,迅速にメンバーを補充できる。
フェーズ3時点では4人パーティ用コンテンツのみの実装であったため,マッチングによるパーティ構成はタンク1,DPS2,ヒーラー1に固定されていたが,8人パーティ用コンテンツではどこまでバランスを調整してくれるのか……。そのあたりは,フェーズ4以降でのプレイを楽しみにしておきたい。
さて,実際にダンジョンクリア目的でCFを利用してみたところ,タンクやヒーラーで申請したときは,どのコンテンツでも毎回数秒程度でマッチングが完了。DPSで申請すると,ダンジョンでは5〜10分程度待たされるものの,イフリート討伐戦は即時参加できる場合がほとんどだった。マッチング後はすぐにコンテンツが始まり,クリアまたは時間切れによってダンジョンから出ると即解散になる仕様だ。そのため,コンテンツファインダーの使いどころとしては,魔物の配置やギミックが比較的シンプルで,事前の打ち合わせがさほど必要のないレベリングダンジョンがメインとなりそうか。
エンドコンテンツのクリアを見据える場合には,しっかりと立ち回りや戦術を決めておく必要が生じるはずなので,やはりそちらはフリーカンパニーなどのコミュニティを中心に挑んでいくことになるのではないだろうか。
装備まわりのUIが調整され,染色などの要素も追加
フェーズ2では,さまざまなクラスへの切り替えと装備の変更を「ギアセット」と呼ばれるシステムのみで行っていた。しかし,一つの装備品を複数のクラスで使い回せない(ギアセットごとに別々の装備を付けるか,付け直す必要があった)点がテスターに不評だったため,大幅な修正を加えることが開発側から明言されていた。
その回答が,フェーズ3から追加された「アーマリーチェスト」だ。いずれかのクラス/ジョブで使用する装備は,所持品枠からこのアーマリーチェストに移しておき,そこからさらにギアセットの装備枠にはめ込んでいく形となる。そしてアーマリーチェストに格納された装備は,複数のギアセットへ使い回せる仕様となった。
クラスやジョブの装備を1度確定してしまえば,各ギアセットはアイコン化してアクションバーやクロスホットバー(以下,XHB)にセットしておくことも可能だ。これによりマクロなどを組み合わせることなく,一瞬でクラスチェンジやジョブチェンジが行え,非常に使いやすくなっている。
ただし,各部位の格納数が25個までという点には懸念が残る。これだけあれば十分なように思えるかもしれないが,戦闘職がジョブだけでも9種類,クラフターが8種類,ギャザラーが3種類と,これだけで20種類に及ぶ。もしかしたらクラス装備も必要になるかもしれないし,都市内ではオシャレ装備にも着替えたいなどと考えていくと,やり込んでいくほどに枠数が足りなくなりそうで不安になる。
またギアセットも,フェーズ3で実装されていたクラス7種類,ジョブ7種類,クラフター8種類,ギャザラー2種類に対して,用意されていたのは最大22枠。この時点で明らかに不足しているのが気になるところだが,どうやら正式サービス開始以降,ジョブクエストをクリアすることでも枠が追加されるようだ。やはり多少余るくらいの枠数が用意されているとありがたい。
もちろん,すべてのクラス/ジョブ用装備を同時期に使うとは限らないので,多少の手間は必要になるが,リテイナーなどの倉庫を利用してやりくりはしていけるだろう。ともあれ,以前と比べて格段と便利になっていることは間違いない。
装備絡みでは「染色」のシステムも初お披露目となった。特定のクエストをクリアすると染色のアクションが習得でき,どのクラスやジョブでも装備を好きな色に変更することが可能だ(一部の特殊な装備は除く)。
その特定のクエストというのが,ウルダハでスタートしないと非常に気付きにくいものだった点は気になったりもしたが,それはこの際置いておくとしよう。染色の手順はいたってシンプルで,自分が染めたい色のカララント(いわゆる染料)を用意しておき,染色アクションから色と装備を指定するだけ。失敗することもない。フェーズ3では,32色のカララントをNPCだけが販売していたが,実際にはもっと多くの種類があるようだ。ショップでは購入できない色も存在し,それらはギャザラーが材料を採集し,クラフターがカララントを作成することになるようで,このあたりがレアカラーとして扱われるのだろう。
ちなみにクエスト報酬やショップで購入可能な装備品はあらかじめ染色されているものの,色がまったくといっていいほど揃っておらず,そのまま装備しているとセンスを疑われかねないコーディネートになるという微笑ましいトラップ(?)が仕掛けられていた。見た目にこだわる人は,フェーズ4が開始されたら早めに染色を習得しにいこう。
素晴らしいPS3版の完成度
だが快適なプレイにはさらなる調整が望まれる
待望のPS3版も今回のβテストから始まったので,こちらも実際にプレイして感触を確かめてみた。
新規キャラクターで剣術士をレベリングしながら,グランドカンパニーに所属するまでの一連の流れを体験してみたが,全体的な印象でいえば,PS3でここまでのクオリティのMMORPGが動いていることに感動を覚える完成度だ。XHBを軸としたPS3コントローラーのみでの操作も,最初はやや複雑な印象を受けたが,アクション配置を工夫してみたりと,慣れてしまえば戸惑うこともなさそうである。実際に3か所のダンジョンとイフリート戦,メインクエスト上のインスタンスバトルも難なくクリアできたので,操作面での不安はひとまず払拭できた。
ただし各種ウィンドウの調整など,細かな部分はマウスモード(L1ボタン+R3ボタンを押すことにより,コントローラでマウスカーソルを動かせるモードになる)だと少々やりにくい。フェーズ3ではUSBマウスを接続すると,このマウスモードに代わって操作が可能となっていたので,おそらくフェーズ4以降でも使用できるだろう。可能であればUSBマウスを用意しておくと非常に便利なはずだ。
そして文字によるコミュニケーションが中心となるため,本格的にプレイするのであればやはりキーボードは必須。レベルが上がって難度の高いコンテンツに挑むことが増えると,戦術の打ち合わせなど,コミュニケーションが欠かせない場面も多々出てくると思われる。
ならばマウスとキーボードを揃えれば文句なく快適になるかというと,残念ながら素直にうなずくことはできず,非常に惜しいという印象。
まずPS3版は最大1280×720という解像度の関係から,画面全体の中で各種HUDの占有率が高めだ。そのためチャットログがXHBと重なっていたり,マップやパーティメンバーリストをずらそうと思っても置き場に困ったりと,少々プレイしづらい印象を受けた。またエリア切り替えごとに10〜20秒近くのロード時間を要する点(推奨スペックを満たしたPCであれば3秒前後)も,もう少しどうにかならないものかと感じる。
そしてもっとも気になったのがfpsの低下現象だ。PS3版は上限30fpsだが,プレイヤーが多く集まるF.A.T.E.や,魔物が大量発生するF.A.T.E.では,fpsが低下してカクつきが目立っていた。プレイヤー数が限定されるインスタンスダンジョンならば大丈夫かとも思ったが,こちらも大量の魔物が1か所に集中するとfpsの低下が著しい。こうした場面では敵の表示を簡素にしてでも,自分が思ったように動けることを最優先としておくべきだろう。
このように,PC版と比較するといくつか難点が見受けられたが,これでPS3版の調整が終わったということではない。HUD周りについては,フェーズ4でウィンドウごとの拡大縮小に対応するとの公式コメントがあり,ロード時間もさらに短縮する予定とのことで,まだまだフェーズ3が完成形ではないのだ。今後,さらなるクオリティアップが図られ,PS3版でより楽しめるようになることに期待したい。
ちなみにロード時間に関しては,できるだけPC版に近づけたいのであれば,非公式ではあるものの,内蔵HDDをSSDに交換するという方法もある。これでロード時間は半分ほどに縮まるが,当然SSDの購入は別途必要になるし,データをバックアップする手間もかかる。換装についても,自己責任で行わなければならないため注意が必要だ。
βテストながらも楽しくプレイできたフェーズ3
フェーズ4からの展開にも期待が高まる
フェーズ3をプレイしてみた限り,旧FFXIVの轍は踏まないだろうと,ようやく安心できたというのが率直な感想である。
ただ,細部で気になったところは少なからずある。例えば,筆者がプレイしていたサーバーではマーケットがほぼ機能しておらず,テストになっていたのかどうか。試しにHQ装備を作って,安値でいろいろと出品してみたりもしたが,ほぼ売れなかったのが少々悲しかった。
また新規キャラクターの育成においてはある程度の道筋が見えたものの,レベル50の引き継ぎキャラクターで楽しめる要素はまだ封印された状態だ。旧FFXIV終盤のエンドコンテンツを思い返せば,きっと手に汗握るバトルが用意されているのだろうとは想像できるが……。何か高レベル帯のコンテンツがプレイできていれば,確信を持てたかもしれないのに,などと考えてしまうのは,テストといえどもフェーズ3で非常に楽しくプレイできたからにほかならない。ともあれ,いまはコンテンツが開放されるときを待ちたい。
さて,その気になるフェーズ4は8月17日18:00から開始される予定だ。βテストフェーズ3までにテスターとして参加していたプレイヤーは,本日18:00から先行でプレイできる。8月1日にキャラクターメイキング可能な「ベンチマーク キャラクター編」が公開されている(関連記事)ので,これまでのβテスターでまだキャラクターを作っていない人,明日から始めようと思っている人は,ベンチマークソフトを使って,いまのうちにキャラクターを用意しておこう。
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