インタビュー
アレキサンダー天動編は完結にふさわしいド派手な演出に。「FFXIV:蒼天のイシュガルド」パッチ3.4実装直前,吉田直樹氏インタビュー
3ライン揃えるとすごい報酬がもらえる? クロの空想帳が実装。お待ちかねのアパルトメントや水槽も登場
4Gamer:
お馴染みのナッツイーターと一緒に紹介されていた,クロの空想帳についても教えてください。14時間生放送で公開された画像だとルーレットや,蛮神の画像があったように見えましたが,これは毎週更新されていく物なんですか?
毎週更新です。ただ,苦手なコンテンツが多い場合には,ルーレットなどを終わらせたあと,それを再度挑戦可能にするチャンス的なボーナスもあります。
毎週コンテンツがたくさん指定されたスクラッチカードが提示される。それを削って出た「印(しるし)」の並びによって,リワードをもらえるという遊びです。3ライン報酬はすごいですよ。
4Gamer:
配信で見えたのはトークンなどでしたが,そういった物がリワードになるということですか?
吉田氏:
そうですね。トークンなどは比較的狙って取りやすいです。時間が経つとある意味目玉の報酬は下位トークンになるかもしれません。アニマウェポンなどで,まとめてトークンが欲しい時に,ラインを狙えば下位トークンがどばっと手に入ると。
4Gamer:
下位トークンは確かに助かります。ラインを揃えるために,普段遊ばないコンテンツに行くことも増えそうですね。
吉田氏:
日々やっていることプラス,ちょっと昔のコンテンツも触ってみようかなと思ってもらうキッカケ作りにしています。
これはあまりコアなプレイヤーをターゲットにしていなくて,むしろカジュアル向けですね。パッチ2.xの極蛮神などをこれまで避けてきたけど,あと1つでラインが揃うから行ってみようかな……と思ってくれればという感じです。制限解除でもいいですし,今ではキャラクターもかなり強くなっているので,本当に余裕ですよ。
4Gamer:
久しぶりに遊んでみると,こんなだったっけ? とちょっと困惑しますよね(笑)。話題を変えて,いよいよ実装されるアパルトメントについても教えてください。これは3国のハウジングエリアで,1区に1つずつ建つんでしょうか。
吉田氏:
1区に1つです。
4Gamer:
拡張区も含めてとなると,それってすごい数ですよね……。
吉田氏:
1棟に90人が入居できます。本当は500人まで入れるような設定ではあるのですが,あまり多くしすぎるとガラガラなアパルトメントも出てきまうので,とりあえず90人にしました。それで足りなければ部屋はすぐ増やします。争奪戦にはならないと思いますので,お好きな区のアパルトメントに部屋を持っていただければと思います。
4Gamer:
それだけあれば,間違いなくほとんどのプレイヤーは入ることができそうです。
吉田氏:
はい。少なくともこれでチョコボ厩舎で自分のチョコボの色を変えたり,屋内でハウジングをするっていうところに関しては,100%個人需要は満たせると思っています。庭がないので,畑まではできないですが。一部屋50万ギルなので,アクアポリスにちょっと通えばすぐ買えます。
4Gamer:
アクアポリスに通えばすぐにギルは貯まりますね。ちなみに,同じアパルトメントの住人専用のコミュニティができたりはしますか?
吉田氏:
ロビーはありますけど,何かこう,町内会みたいな「あなたは○○区の△△アパルトメントの住人として,□□組合に加入しました」みたいなのはやっていません(笑)。リクエストがあれば考えますが……。そうしたものがあると,いろいろとしがらみが生まれそうな気もするんです。「今日はお宅が当番だけど,どうなってんの!」みたいな。でも,同時にイベントとしては面白いと思うので,このあたりは,ぜひフィードバックをください。
4Gamer:
た,たしかに。ちなみに,同じアパルトメント住人のチョコボを世話したりはできるんですか。
吉田氏:
単純なお世話は可能です。ただし,チョコボの色を変える可能性のあることはできないです。アパルトメントはまだ発展の可能性があると思っていますし,ロールプレイしてくれる人が出きてくれると嬉しいですね。そのアパルトメントにコミュニケーション能力が高い方がいらっしゃれば,「集まって何かイベントしませんか?」などがあれば支援していきたいと考えています。そういうイベント用のスペースが欲しいというリクエストが来たら,応じていこうかと。なお,庭がある土地に関しては,今後また拡張していければと思います。
4Gamer:
分かりました。家具には待望のアクアリウム(水槽)が実装されますね。
吉田氏:
あれは,大変だったんです……。バグがなかなか厳しくて。水槽を移動させると,水槽と水が分離して,水だけ遅れてついてきたりして。
4Gamer:
話を聞いている限りだと,シュールで面白そうな光景なんですが(笑)。ちなみに,PVにあったあの大きな水槽はSサイズの部屋にも置けるんですか。
吉田氏:
置けます。ただ,水槽はシェーダの負荷の都合もあるので,一部屋にどのサイズであっても1個しか置けません。そこはご注意ください。増やせるとは思うのですが……まずは1個でリリースして様子を見ようと思っています。
4Gamer:
あとは魚のサイズによって,水槽に入れられる数が変わりますか?
吉田氏:
そうですね。最大サイズの水槽だと7枠と決まっています。魚にもサイズ設定があって,Sサイズの魚だと1枠,Mサイズだと2枠,Lサイズだと4枠,そしてLLサイズだと7枠を消費します。
4Gamer:
なるほど。枠の範囲内で魚を入れられるわけですか。
吉田氏:
LMSそれぞれ1匹ずつ入れて,3匹泳がせておくこともできますし,Sサイズの魚だけで,いろいろな種類をたくさん入れてにぎやかにすることもできます。枠の数は水槽のサイズによって変わってくるので,一番小さな水槽でSサイズの魚1匹を入れて,可愛く飾るなんてこともできますよ。
4Gamer:
いろいろな見せ方ができそうです。ちなみに,水槽に入れる魚はカバンに入っている魚を入れるようなイメージで良いのでしょうか。
吉田氏:
はい。専用UIが存在していて,枠数も分かりやすくなっています。マウスだったらそのUIに対してドラッグ&ドロップしてもらう感じです。
4Gamer:
ヌシも水槽に入れられますか?
吉田氏:
入れられます。ただ,さすがに全種類は無理で,パッチ3.4の段階ではヌシはまだ多くはありません。今回入れられる魚は全部で10数種類で,パッチごとに,10種ぐらい後追いで追加していく予定です。
4Gamer:
ちなみに,水槽はクラフトで作る物でしょうか。すでにプレイヤーがいろいろと素材を予想して,準備しているようですが。
吉田氏:
クラフトです。確かに需要大きそうですね……1部屋に1個欲しくなりますから。
サンクレッドの頭装備はなぜないの? 個人的に聞きたいことを聞いてみた
4Gamer:
今回,個人的に聞きたいことがあるのですが……。
吉田氏:
はい。なんでしょう?
4Gamer:
少し前に追加された「ニュー・サンクレッド・コスチュームセット」を買ったのですが,あれはなぜ頭装備がないのでしょうか。
吉田氏:
あー,あれはですね,頭装備と言うよりサンクレッドの顔という考え方をしているんです……。サンクレッドがとある理由で,あれを巻かなくてはいけなくなるだけで,そもそも頭装備がないというのが,僕らの認識でした。あれが欲しかったんですか……。
4Gamer:
あれが欲しかったんです!
吉田氏:
なるほど……キャラ班に伝えておきます(笑)。
4Gamer:
ありがとうございます。あと,ベテランリワードについてですが,次のスコールで最後になるのでしょうか。
吉田氏:
最後というか,長期施策はベテランリワードに代わる物をやろうとしています。今の形のベテランリワードは,新しく始めた方のモチベーションにまったくなっていないのと,先端を走っている人にとっても本当に長期にわたっているので当初の想定はもう十分達したと思っています。このベテランリワードのアイテムを作るコストを,ご愛顧いただいているプレイヤーの皆さんに,別の施策としてお届けしたいと考えているのです。
4Gamer:
たしかに……気が付いたら何かレターが届いてたなくらいで,中身を見て思い出したりしますね。
吉田氏:
そうなんです。もう形骸化しているのではないか,というのがポイントで,FFXIVであるランク14まできたし,このめちゃくちゃ長期間にわたるリワードは,いったん区切りをつけようと。
せっかく新しいアイテムを作るんだったら,例えばこの3か月間継続してプレイしてくれたらとか,そういう形にしていったほうが,すぐにそのアイテムが手に入るし,みんな嬉しいのではという話をしていて,大きくリワードシステムをテコ入れしようとなりました。あまり後ろ向きな理由ではないのです。
4Gamer:
アイテム続きの質問ですが,海外でバトラー(執事服)風のチョコボ装甲が実装されると聞きました。日本で配信されませんか?
吉田氏:
メイド服のキャラクターを乗せたくなりますよね(笑)。あれは中国で実装するものですが,中国・韓国はもともとそんなに世界観を重視するお国柄ではないので,なんでも入れて良しという風土があります。むしろ,ほかのゲームにあって当たり前のものが無いということになるので,中国・韓国ではどんどん追加しています。
4Gamer:
たしかに……あちらはそんなイメージがありますね。
吉田氏:
グローバル版でも気にしないから実装してほしいという声があれば検討します。ただ,何も言わずに実装してしまうと,中国・韓国寄りのゲームになるのか?という話にもなりますから,やはりグローバル版では慎重になりますね。
4Gamer:
ちなみに,あれは海外の運営からデザインをお願いされているんですか?
吉田氏:
海外運営からのリクエストを出してもらうというのは定期的に行っていますが……すごいのが出てくるんですよ(笑)。ですから,基本的にはうちのスタッフがデザインしています。エオルゼアの中に入る物なので,アートワークやモデリングはすべてXIVチームですね。
4Gamer:
“なんでも”と言っても,エオルゼアの世界から外れすぎないように……ということですね。
吉田氏:
そうです。この先もグローバル版がざわつくアイテムが,中国などで出てくるかと思いますが,これはそのリージョンの競争に負けないために作っています。また,それらがグローバル版でも欲しい!など,そのあたりは日本などからもフィードバックをいただければと思います。データはグローバル版にも入れられますので。
4Gamer:
分かりました。要望は出してますよ(笑)。少し話は変わりますが,先日の14時間生放送で発表されたオーディンフィギュアですが,すごいクオリティですよね。
吉田氏:
おかげさまで,かなりの予約数をいただいています。
4Gamer:
発表された時は,ストアにつながらなかったほどでした。
吉田氏:
そんなに量産ができないので,欲しい方は早めに予約をおすすめします。完全監修でガチガチにこだわって作っているので,ぜひ。
4Gamer:
この記事が載るまでに予約受付が終わっていなければ良いのですが……。ところで,ミコッテのフィギュアを出してほしいという声もありますが,シリーズ化して行く予定はありますか?
吉田氏:
マイスタークオリティフィギュアという呼び方をしているフィギュアですが,これはシリーズ化していくつもりです。ただ,ミコッテとなると……人の顔を作るのは難しいんですよ。
4Gamer:
ああ,なるほど。たしかに,顔のクオリティが微妙なフィギュアはそこそこ見かけますね。
吉田氏:
仮面やマスク,鎧のヘルムを装着しているものであればいくらでも作れますが,人の顔でクオリティの高いフィギュアは,難度が高いので今は意図的に避けています。ただ,マイスタークオリティフィギュアではないですが,何かしらミコッテ好きに喜んでもらえそうなことが,じわじわと進んでいます。これは,また話せる機会がきた時にお話しします。
4Gamer:
どんなものか楽しみです。それでは最後に,パッチ3.4を楽しみにしている読者にコメントをお願いします。
パッチ3.3で竜詩戦争編が完結し,パッチ3.4はFFXIVの新たなストーリーに向かって駆け出していく第1章にあたります。今回のメインシナリオは今後を占うような,XIVの世界観の根幹に関わるお話が出てきますので,かなりボリュームが厚くなっています。ぜひ時間のある時に,じっくりとメインストーリーを楽しんでいただけたらと思います。
それから新しいレイドが始まり,極蛮神戦もあります。ハウジングも充実します。そして,コツコツ遊べる新しい遊びが入ったりと,今回も全包囲パッチになると思います。死者の宮殿のアップグレードはパッチ3.45になりますので,一通り落ち着いたら最深部の200階を目指して,ぜひ誰がもっとも早く200階まで到達できるかなどを競っていただければと思います。今後を占う新しいスタートになっていますので,ぜひプレイしてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「ファイナルファンタジーXIV」公式サイト
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