インタビュー
[E3 2019]漆黒のヴィランズモデルのハードウェアトークンは近日中に登場。「FFXIV:漆黒のヴィランズ」吉田直樹P&Dにインタビュー
最新の拡張コンテンツとなる「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」(PC/PlayStation 4/Mac)のアーリーアクセスが2週間後に迫る中,現在の手応えや初出しとなる情報が聞けたので,その模様をお届けしよう。
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」
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4Gamer:
本日はよろしくお願いします。漆黒のヴィランズのアーリーアクセスまで残すところ2週間となりましたが,現在の手応えはいかがでしょうか。
吉田直樹氏(以下,吉田氏):
予約の状況が,前作比でほぼ倍増しています。実際にゲームをプレイしている人や新しく始めた人,さらに有料会員数の増加などを見ると,これ以上望むとバチが当たるかなと思うくらい良い状況です。発売日という目標に対して,やれることは全部やりましたので,あとはゲーム本編を楽しんでもらえれば嬉しいです。
4Gamer:
先日のE3 LIVEでは,吉Pコールが巻き起こっていましたね。
吉田氏:
実は,出演にあまり前向きではなかったんです。FFXIVは,サービス開始から6年を経た今でも勢いを増している状況ですが,やはりコンシューマ機のゲーマーには「MMOでしょ。僕には関係ないから」という人達がいるのも事実で,そんな中に出ていくのはどうなのかなと。
ですので,あそこで歓声をもらえたのは,すごく助かりました。同時に,スクエニを応援してくれる人達のまっすぐさも感じられましたので,出て良かったと思います。
4Gamer:
漆黒のヴィランズのアートワークはこれまでとは異なり,人物が1人しか描かれておらず,どこか孤独を感じさせるデザインになっています。ここには,どういう思いが込められているのでしょうか。
吉田氏:
4Gamer:
ガンブレイカーと踊り子のジョブアイコンについて,デザインコンセプトを教えてください。
吉田氏:
ガンブレイカーは,弾丸(ソイル)を込めるリボルバーの部分に対して,剣で斬ったときのブレードラインを斜めに入れるというコンセプトになってます。一方の踊り子は,ステップを踏んでいるときの孔雀の羽根のようなゲージがモチーフですが,最初にあがってきたデザインが割とハートに寄せていたので,ハートはやめてほしいという話をしました。
4Gamer:
それはなぜでしょうか。
吉田氏:
やはりFFの踊り子って,女性で軽快な動きというイメージがあるので,アイコンもそっちのほうに引っ張られてしまったんだと思います。ただ,あくまで踊りは味方を鼓舞するためのもので,魅惑するとかそういう話ではありません。ですので,ジェンダーに引っ張られないようにしてほしいというオーダーを出していて,4回くらい描き直していると思います。
4Gamer:
ロスガルとヴィエラにスポットを当てたストーリーは用意されますか。
吉田氏:
ロスガルは,ガンブレイカーのジョブクエストでかなり関わってきます。出自も含めて,結構語られるので,ガンブレイカーのジョブクエストではロスガルにも注目してみてください。
ヴィエラについては,ヴィエラ族が守っている集落があるので,そこで掘り下げられます。ちゃんとゲームの中にフィットさせる手は打ってあるので,ロア的なものだったり,その生活などが知りたいなら,ぜひ足を運んでもらえればと。もっとも,ヴィエラは必然的に知ることになるのですが。
4Gamer:
イシュガルド復興は,どのようなコンテンツになるのでしょう。
吉田氏:
イシュガルド復興にはランキングの概念を入れる予定です。ランキングといっても長期間にわたるものではなく,フィーストのように,シーズン制に近い形で細かくやっていこうと考えています。そうじゃないと,いわゆるガチ勢だけが毎回ランキングに入るということになってしまうため,一度でもランクインしたら卒業,という感じにしようかと。
そこにランクインして専用の称号が欲しいとか,専用の光り輝く主道具が欲しいという人は,レベルカンストして装備も徹底して,すごく難しいレシピに挑んで……ということをやる必要があるので,そうした意味では,そのあたりがエンドコンテンツになります。
当然,それだけでは間口が狭すぎるので,イシュガルド復興という,エリア使った遊び自体には,バトルしかやっていない人や,レベルがそこまで高くないギャザラーやクラフターも参加できる余地をちゃんと作っています。
4Gamer:
具体的には,どのような形で参加できるのでしょうか。
吉田氏:
復興券みたいなものを用意して,それを購入してクジを引くといった要素があるので,それを買うことで復興に貢献できたり,クジが当たればリワードがあったりといった感じです。ある程度復興が進むと,シーズナルイベントみたいなものが不定期に行われ,そこに参加して報酬を得ることもできます。
今回は,個人の進捗ではなく,ワールドごとに進捗があるという仕組みなので,どこのワールドよりも先に自分のワールドを復興させるといった遊び方もできますし,別ワールドのイシュガルドでフェスが行われているらしいから,そっちに行ってみようというのも可能です。また,ディアデム諸島をリニューアルして,そこにくっつける予定もあります。
4Gamer:
マイスターシステムはそのままですか。
吉田氏:
はい。とくにいじってはおりません。
4Gamer:
第一世界とエオルゼアの時差はどうなるのでしょうか。
吉田氏:
ノルヴラントとエオルゼアで時差を作ってしまうと,ギャザクラの皆さんが普段行っている管理が大変になってしまうので,時間は合わせるようにしてあります。偶然だけど時間が一致してるね,くらいに思っていただければと(笑)。
4Gamer:
漆黒のヴィランズに合わせて土地数を増やす予定はありますか。
吉田氏:
まだ増やす予定はありません。サーバーの安定を最優先で考えているので,サーバー拡張のリスクを冒したくないというのが1つです。
また,ワールド間テレポが入ったことで,特定のワールドにこだわる必要もあまりなくなってきました。土地の空いているワールドに移動して手に入れてもらい,どのワールドも均一に埋まってほしいなという思いもあります。これでまた土地を増やすと,結局今いるワールドで土地を買うということになってしまうので,そのあたりの状況を見てから判断しようと。
ただ,我々の想像を超えるスピードで新規や復帰プレイヤーが増えているので,さすがに,どこかで土地を増やさないと,もう限界かなとも感じています。5.0が落ち着き次第,それがどれくらいのタイミングで可能なのかを見ていく予定です。
4Gamer:
現在いるワールドからほかのワールドの空き状況を調べるといった仕組みは,考えられていますか。
吉田氏:
今いるワールドから隣のワールドの情報を取るというのはすごく難しいので,それはたぶんサポートできないですね。
4Gamer:
家具や庭具の設置上限を増やすということも,しばらくはありませんか。
吉田氏:
そうですね。
4Gamer:
マーケットボードの家具化も難しいでしょうか。
吉田氏:
あれを複数設置されると,たぶん落ちます(笑)。実のところ,マーケットが置かれている場所は,あらかじめサーバーの割り当てを多くしてあるんです。これがどこにでも設置できるとか,家の中からアクセスできるとなると,そちらのバックエンドも強化しないと落ちてしまうので,欲しいという気持ちは分かるのですが,難しいです。
4Gamer:
なるほど。庭にベルを置けない理由も同じでしょうか。
吉田氏:
そうですね。置かれそうな場所すべてに負荷チェックをしなければならないので,物理的に不可能ですね。
4Gamer:
アーマリーチェストの枠を増やす予定はありますか。現状でも結構パツパツなのですが。
吉田氏:
そこは,イタチごっこなんですよね。ギャザクラとかも含めると余裕がないのは分かるのですが……。基本的にストレージの問題ではなく,データ通信量の問題なんです。コンテンツファインダーなどで別のワールドに移動するとき,プレイヤーのセーブデータだけでなく,所有しているアイテム情報もデータとして扱います。その巨大なデータを持ちながら何十万というプレイヤーが同時にネットの海を移動しているのがFFXIVなので,1ビットとか2ビット増やすだけで通信量がとんでもないことになるんです。
それがどこに跳ね返るかというとレスポンスで,操作性が悪くなったり,ラグが起こるタイミングが増えたりします。前回,チェストの枠を増やしたときも,1年かけて通信量のシミュレーションをして,裏で負荷テストもやって,やっと実装できました。もちろん,枠を増やしてあげたいという思いはありますが,現状のプレイヤーの増加を見ていると,ハウジングの土地追加と切り離してやらなければならないため,順番に対応していく形になりますね。
4Gamer:
「強くてニューゲーム」のシナリオバトルはレベルシンクされるのでしょうか。
吉田氏:
5.0に登場するバトルも含めて,すべてシンクされます。強くてニューゲームではありますけど,同じ感触をもう一度味わいたいという人もすごく多かったので,状況に合わせた状態になるように調整しています。
4Gamer:
紅蓮の冒険録は,どのタイミングでリリースされる予定ですか。
吉田氏:
アーリーアクセスの開始に合わせてのリリースとなります。ジョブも同じで,今回実装されるガンブレイカーと踊り子以外は,既存のレベル60までのものが廃止されて,レベル70までのブーストに置き換わります。
4Gamer:
旧XIVのコレクターズ・エディションに同梱されていたハードウェアトークンの電池がそろそろやばそうなのですが,FFXIVデザインのトークンは今後も発売予定はないのでしょうか……。
吉田氏:
そのような方に朗報がございます。つい最近,デザイン確認を終えたのですが,漆黒のヴィランズエディションのハードウェア・トークンが近日中(※)に発売される予定です。
※広報に聞いたところ,7月2日にスクウェア・エニックスe-STOREで発売とのこと。
4Gamer:
おぉ,待ってました。
吉田氏:
お待たせしました(笑)。いつ電池が切れるかとハラハラしていた人もいらっしゃったかと。6月15日のPLLでも発表しますので,詳しくはそちらも確認してください。
4Gamer:
吉田さんが完全監修されているという左手用キーパッドなのですが,サムパッドの部分はスイッチ式ではなく,アナログスティックのように入力できるのでしょうか。
吉田氏:
そのようになっています。また,すべてのキーアサインをカスタマイズできるうえに,各キーにゲームパッドのボタンを割り当てることも可能です。
4Gamer:
なるほど。そうなるとPlayStation 4でも使える感じでしょうか。
吉田氏:
動作確認はしましたので,もしかすると使えるかもしれません。
4Gamer:
そろそろお時間のようなので,最後に日本のプレイヤーに向けてひと言お願いします。
吉田氏:
ローンチトレイラーを見た皆さんのいろいろな予想が出て,本当に楽しみにしてくれているんだなというのが,このE3にいても伝わってきます。あまりにもコンテンツ量が多いため,デバッグはギリギリまで続きますが,今のところ順調にリリースできる見込みです。
僕らの中で想定できることはやりきったので,あとはプレイしていただいて,気になるところがあれば,またいつもどおりフィードバックをいただきたいです。
まずはメインシナリオとレベリングがあって,レイドも2週間後にノーマルが開いて,そのさらに2週間後に零式が開くので,メインシナリオとジョブの使いこなしにかける時間が約4週間,たっぷりとあります。そこでまずいろいろ触って,零式が始まったら行って,といった感じで,いろいろなコンテンツの組み合わせを試してください。
また,スキルのローテーションも模索できる時期だと思うので,1つの情報,1つの数字にとらわれるのでなく,とにかく,お祭りを楽しみに待ち,お祭りが始まったら一気に遊んでもらえればと。そのほうが,テンション高く遊べると思うので,ぜひその気持で待ってもらえると嬉しいです。アーリーアクセスが始まったら,うしろから支えていきますので,思いっきり楽しんでください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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