広告企画
【PR】開発者目線で作るとゲーム内広告はこうなる。ゲームプレイやゲームデザインを邪魔しないスマートフォン向け動画広告「Unity Ads」とは
今回4Gamerでは,このサービスを使う際の,ゲーム開発者と広告主の双方のメリットについて,ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの担当者に話を聞いてみた。対応していただいたのは,Unity Adsのプロデューサーを務める松井 悠氏と,コミュニティエンジニアの鎌田泰行氏のお二人である。
プレイヤー,開発者,そして広告主のいずれにもメリットがある「Unity Ads」
あらためて説明すると「Unity」は,Unity Technologiesがゲーム開発の支援を目的として提供してきた統合開発環境だ。そんなUnityのユーザー数は,2014年初頭には300万人を超え,またMAU(Monthly Active Users)も60万人を数えるようになった。すなわち,ユーザー獲得という意味では,大きな結果を出していると言える。
「ゲーム開発のサイクルには,大きく分けて,企画・設計,製造・開発,プロモーション,運営というプロセスがあります。これまでUnityがサポートしてきたのは,ゲームの開発部分だけでした。
しかし,すでにゲームを開発しリリースした経験がある皆さんならお分かりかと思うのですが,開発に続くプロモーションおよび運営の段階でうまく資金を調達できないと,全体のサイクルが回らなくなってしまいます。そこでプロモーションから運営にかけての部分をサポートしようというのが,Unity Adsです」(鎌田氏)
Unity Adsを利用したゲームでは,開発者が設定したタイミングにより,ゲームのプレイ中に別のゲームの動画広告が表示される。そして動画がひととおり表示された時点で,広告に出たゲームのインストールリンクを示す画面が表示され,実際にプレイヤーの端末にインストールされれば,プレイ中のゲームの開発者に広告収入が発生するという仕組みになっている。
ゲームの開発者にとって,Unity Adsを導入する利点は大きく4つあるという。
まず,UnityのSDKとして提供されるので,実装が非常に簡単であること。従来のバナー型やアイコン型,ダイアログ型,インターステイシャル型(一時的に画面を占有して表示されるもの)などの広告で使うSDKと異なり,Unity AdsのSDKはUnityのAsset Storeで容易に入手でき,鎌田氏によると設定も「非常に簡単」とのことだ。
2つめは,動画広告ならではのeCPM(effective Cost Per Mill,広告表示数1000回あたりの収益額)の高さだ。Unity Adsでは,広告表示とプレイヤーが得られるメリットを自由に設定できるため,一概に1再生あたりいくらと明示できないのだが,2015年2月の測定では,平均eCPMが約836円となっているという。
「さらにUnity Adsは単体で利用できるだけでなく,ほかのタイプの広告と共存させることもできます。例えばバナー型広告とUnity Adsを組み合わせ,さらなる収益アップを図るといったことも可能です」(鎌田氏)
3つめは,Unity Adsを使って表示される広告は,すべてゲームのものであること。ゲームをプレイしている人に向けて,ゲームの広告が表示されるため,実際にインストールされる比率が高いというわけである。
そして最後は,広告表示のタイミングを開発者が自由に設定できることだ。これにより,ゲームデザインやプレイの流れを壊すことなく広告を表示できる。
例えば,ゲームオーバー時にコンティニューするためには,一般的にゲーム内アイテムや有料アイテムを消費することが多いわけだが,そこに広告表示ボタンをおいて「動画を観れば続けて遊べます」といった誘導ができる。
あるゲームでは,広告動画を観るとコンティニューができるうえに,再開時にパワーアップ効果が得られるという仕様にしてプレイヤーのメリットを大きくしている。しかも,それが使えるのは1回めのゲームオーバー時だけなので,繰り返し動画が表示されることがないという配慮もなされている。
またロードが長めのゲームでは,その時間を利用して広告動画を観るとオプション付きでゲームを始められるといったようなことをやっている。
「そもそも広告というのは,プレイヤーにとってはウザくて邪魔なものです。そこで広告自体をポジティブに捉えてもらうにはどうすればいいか。例えばUnity Adsで月に1億円以上の広告収入を得たという『クロッシーロード』では,ゲームオーバー時に広告動画を観るとゲーム内通貨をもらえますが,いらなければスキップしていいという,ゲームプレイに直接関与しないアプローチを取っています。
また,ゲームオーバー時に毎回表示ボタンが出てくるわけではないので,たまに出てくるとプレイヤーはむしろ『ラッキー!』とポジティブな気持ちになるんです。そういったゲームデザインを邪魔しない設定ができる──工夫次第では,むしろ広告をもゲームデザインに取り入れられる,ゲームデザインを邪魔しない広告であるという点は大きな強みになっています」(松井氏)
「バナー型広告などは,ゲームのユーザーインタフェースを邪魔してしまうことがあります。その一方でUnity Adsではデベロッパ自身がゲームに溶け込む形で広告を表示させることができます。広告表示ボタンも自由にデザインできますから,ゲームの世界観に沿ったテイストを保てることも大きな魅力です。Unity Adsを使った事例は,私達も当然集めていますから,今後はセミナーや勉強会などを開催し,そうした事例を皆さんに公開していくことも検討しています」(鎌田氏)
一方,広告主がUnity Adsを利用するメリットとしては,まずCPI(Cost Per Install)型をメインとしている点が挙げられる。つまりUnity Adsでは,インストール時に広告収入が発生するため,広告主が「1インストールあたりいくら」と広告費用を計算しやすく,またプレイヤー動向のトラッキング(追跡)も行いやすいのだ。
そして優良なプレイヤーの獲得──つまり長期間ゲームを継続するプレイヤーとお金を多く支払うプレイヤー,もしくはその両方──を期待できることも大きい。松井氏によれば,欧米の事例を見ると動画広告から流入してきたプレイヤーは,きちんとゲーム画面を確認してから入ってくるため,バナー流入や自然流入のプレイヤーよりも継続率が高い傾向にあるという。そして継続期間が長ければ,それだけお金を使う可能性も高まるというわけである。
「ただプレイ画面を撮影しただけというシンプルな動画広告が,僕らの予想するインストール数を大きく上回る数字を叩き出したという事例があります。ゲームの魅力をきちんと伝えることができれば,必ずプレイヤーはついてくるという思想のもとにUnity Adsは開発されているんです」(松井氏)
なお,Unity Adsでは,さまざまな広告主との取り組みの中で,広告動画の時間や内容などを試行錯誤しているとのこと。現状では15秒前後で,ゲーム画面を出してどんなゲームなのかを具体的に伝える動画の効果が高い傾向が見られるそうだ。
また実験的に,ニコニコ生放送で活躍するゲーム実況者を起用した動画を作成してみたところ,通常のスタンダードな動画よりもインストール画面への到達率が20%ほど高まったという結果も出たとのこと。
「Unity Adsの広告表示アルゴリズムはきちんと作られており,効果の高い広告を優先して表示し,そうでない広告は優先度が低くなります。いかに開発者にとって,そして出稿者にとって,適正な広告を出すかに関して,日々改善を重ねています」(松井氏)
「Unity Ads」を利用すれば世界展開におけるマネタイズも容易になる
そのほか,Unity Adsの特徴としては,世界展開しているサービスであることが挙げられる。すでに各国で展開しているため,ゲームを海外展開しようと考えたとき,Unity Adsを導入すればそれだけでマネタイズが可能なのである。
そのため,広告で使用するクリエイティブのレギュレーションは海外基準となっており,日本だけで展開している広告よりも基準が厳しい。例えば,過度にセクシーな画像などが審査で弾かれるのは当然として,開発者からもピンポイントで「あの広告は入れないで」と指定することも可能だそうだ。自分のゲームに変な広告は入れたくないと考える人には朗報だろう。
もう一つ,ゲームに表示する広告のジャンルなどを,ゲームを提供する側が設定できるのも大きな特徴だ。近しいジャンルの動画にすることで,インストール率アップを狙うこともできれば,競合ジャンルにユーザーを流動させるのは避けたいと考える人なら,あえて別ジャンルだけに設定することもできる。
また,Unity Adsでは,デベロッパが,自分の持つ複数のタイトル間で相互に無料広告を出す「クロスプロモーション」も可能だ。さらに将来的には,提携しているデベロッパ同士によるクロスプロモーションも予定しているそうで,個人開発のデベロッパに対するサポートも検討するとのことだった。広告予算のほとんどない個人デベロッパにとっては,嬉しい対応だろう。
動画を見たら報酬が支払われる方式ではなく,実際にインストールされた時点で報酬が支払われる方式が採用されているのも,いろいろ試した結果,それがベストだと分かったからだという。日本のスタッフも半信半疑で試してみたそうなのだが,実際にインストールベースでやるのが広告を出す側にとっても,報酬を受け取る側にとっても最良の結果だったとのこと。
一方で,プレイヤー側への報酬は動画を見るだけで行われ,インストールしたプレイヤーに対する報酬は用意されていない。特典で釣ってインストール数を増やしても,その後の収益に結びつかないからだという。あくまでも動画を見て興味を持って,納得してインストールしてもらうというスタイルだ。
全体に,開発者目線で展開されている広告システムだというのはなんとなく分かってもらえたのではないだろうか。「成功支援」を謳うUnityにとっては,広告ビジネスが主眼なのではない。Unityを使った開発者が成功を収めることこそが同社にとっての成功を意味しているのであろう。
ちなみに松井氏といえば,ゲームイベント「Red Bull 5G」のプロジェクトアドバイザーを務めるなど,以前からゲームイベントの仕掛け人として有名な人物である。それを知っていると,今回のUnity Adsのプロデューサーという立場で登場したことを少々意外に思った人もいるかもしれないが,松井氏自身としては,「直接,ゲーム開発に携わらないままで,いかにゲームシーンに寄与できるか」という点において,どちらも行動原理は一致しているとのこと。「Unity Adsでゲームの開発者に利益が渡り,また新しいゲームを作ってもらいたいです」と語っていた。
もう一方の鎌田氏は,Unity Ads以前から,ゲーム開発者のマネタイズをどうサポートするかという課題に取り組んでいるという。Unityが掲げる「開発支援から成功支援へ」というキーワードを地で行く人物である。つまり,国内での支援体制も整っているということだ。
最後に,松井氏からあらためて語ってもらったUnity Adsのセールスポイントを掲載して,本稿の締めとしよう。
「繰り返しになりますが,Unity Adsは,広告収入についてゲームの開発者にチャレンジする余地を与えている部分が大きな特徴です。一方,広告主にとっては,比較的低いインストール単価で,プレイヤーの獲得を期待できます。しかも,しっかりゲームを見せる形の広告ですから,プレイヤーから高い信頼を得られますし,優良なプレイヤーも得られます。
開発者にとっては,ゲームだけを作っていればいいという時代ではなくなり,若干ハードルが高くなっていますが,僕達に相談していただければサポートします。動画広告も,発想とアイデア,そして機転さえあればセンスのいいものが作れる時代ですから,ぜひチャレンジしてほしいですね」(松井氏)
Unity Ads公式サイト
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