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[gamescom]「Quantum Break」のデモが公開。時間の歪みを利用しながらのユニークなゲームプレイがいよいよ明らかに
今回,エキスポ会場のMicrosoft Xbox Oneブースに用意された特設シアターで紹介されていたのは,現地時間の2014年8月12日に行われたXbox Briefing(関連記事)で発表されたデモのロングバージョンである。
アメリカ北東部の架空都市リバポートの大学で行われた量子物理研究の実験「Zero State」(無の状況)が失敗したことから,時間の概念が崩壊してしまうという事件が発生。主人公のジャック・ジョイス(Jack Joyce)は,その現場に居合わせたことから,図らずも時空を操作するという能力を得てしまうのだが,そのことで背後にいる大企業Monarch Solutionsの陰謀に巻き込まれていくことになる。
今回のデモの目的は,そんなジャックが,同じ境遇であることから相棒となり,プレイアブルキャラクターとしても登場予定のべス・ワイルダー(Beth Wilder)と波止場で落ち合うこと。ここは,すでに私設軍隊を持つMonarchに追われている状況で,時の崩壊によって破壊しつつある鉄橋を渡っていくというシーンだが,ライブデモが行われたロングバージョンでは,以前公開された大型輸送船の衝突シーンがその後に続くという内容になっていた。
Quantum Breakでは,時間の操作が特殊能力のように扱われている。今回ジャックの能力として紹介されていたのが,空間全体の時間を止める能力と,その一部分だけを止めるという能力の2つだ。時間が止められるのは数秒といったところだが,その限られた中で敵に気付かれないように迂回し,横から不意打ちの攻撃を食らわせたり,背後まで忍び寄って回し蹴りを浴びせたりできる。また,敵の周囲の時間を一部分だけ止めて,そこに何発も弾丸を撃ち込み,時間が解除されると同時に複数の弾丸で一気に攻撃したりもできる。
ゲームでは,こうした能力を持つキャラクターは複数おり,それぞれに異なる能力を持っている。例えば時の残像だけを早送りすることで,次の瞬間に起こり得ることを予想できる能力などもあるという。ライブデモを行っていた担当者の様子を見る限り,それほど複雑な操作は用いていなかった様子で,こうしたパワーは事前にボタンにアサインしておけるのかもしれない。
Quantum Breakの世界観を理解するうえで知っておきたいのが,「Time Stuttering」という現象である。これは,静止した時間の中で,その一部が短い巻き戻しと再生を繰り返しているというもので,異なる時空が同じ場所で何度もぶつかり合うために,その近辺は非常に不安定な状況になっている。静止した時間の中でも,プレイヤーなど一部の人間は自由に動けるのだが,このTime Stutteringによって,例えば車同士がずっと衝突し続けているといった現場に出くわす。それに巻き込まれないよう,タイミングを見計らってダッシュするといった具合に,パズル要素としても利用されているのである。
輸送船の衝突シーンは非常にダイナミックで,時間が静止した状態では,細かい鉄片や火花なども,そのまま空中に浮いた状態で存在している。鉄橋は完全に破壊されてしまっており,プレイヤーは空中に浮かんだ鉄筋や道路標識を伝って進んでいくなど,プラットフォームアクションゲームのような仕上がりになっていたのが印象的だ。
また,Monarchの兵士には顔中を六角形のパネルで覆ったようなエリート兵も登場する。今回のトレイラーでも後半のクライマックスシーンで登場しているが,このパネルは時間の静止に影響されずに動くことを可能にしたデバイスとのことだった。
なお,Quantum Breakは実写映像のドラマと連動することが以前からほのめかされているが,それはTVドラマのエピソードとしてXbox Liveなどで放映されるのではなく,ゲームディスクに含まれる映像コンテンツとしてリリースされることが,今回のイベントで公表されている。プレイヤーが見たドラマの内容が,そのままゲームに反映されるという実験的なことも行われているようなので,その詳細については今後の発表を期待したいところだ。
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