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[TGS 2013]「東京魔人學園」シリーズの流れ汲む,學園ジュヴナイル伝奇最新作「魔都紅色幽撃隊」プレイレポート。“2.5D“でなめらかに動くキャラクターをムービーでチェックしよう
「魔都紅色幽撃隊」は,霊を見ることができてしまった高校生の主人公が,裏で悪霊退治を行う出版社・夕隙社(ゆうげきしゃ)の仲間達とともに,悪霊と戦いを繰り広げる,アドベンチャーRPGだ。これまでの學園ジュヴナイル伝奇作品と同様に,全13話構成のエピソード形式を取っており,学園での日常を描くアドベンチャーパートと,悪霊との戦闘を行うバトルパートの組み合わせを1話とした,連続した物語が展開される。出展バージョンでは,物語のプロローグにあたる第1話を試遊することができた。
第1話のアドベンチャーパートでは,新宿・暮綯學園(くれないがくえん)高等学校に転校してきた主人公が,気の強いクラス委員長,深舟さゆりに学校を案内してもらうという,まさに學園ジュヴナイルといったシチュエーションが描かれる。
ゲームを始めてまず目を惹かれたのが,人気イラストレーターの倉花千夏氏による手描きイラスト風のキャラクター達が,つねに動いている,ということだ。どのキャラクターも立ち絵はまるで呼吸をしているようだし,深舟さゆりの王道的ツン動作もなめらかに動く。さらにイベントシーンでは,キャラクターの髪が風になびいたりもするのだ。キャラクターがいわゆるアニメ塗りでないために,実写風の背景と良く馴染んでいるところもポイントかもしれない。まあ,百聞は一見にしかずということで,とにかく下記のムービーを見てほしい。
學園ジュヴナイル伝奇シリーズのアドベンチャーパートを特徴付けているのが,テキストに主人公の台詞や地文がほとんどない,主人公=プレイヤー形式が徹底されていることだろう。周囲のキャラクターの台詞(フルボイスではなく,パートボイスとなっている)によって物語が進んでいくというスタイルは,本作にもしっかりと継承されている。とはいえ,プレイヤーにも物語に関与する権利は与えられており,そのための選択肢の役割を果たすのが,これまた本シリーズならではの要素である感情入力システムだ。
感情入力システムは,キャラクターの言葉や状況に応じて発動。まず感情を表す「笑」「悲」「悩」「怒」「驚」の文字が現れ,これを選ぶと,続いて五感を表す「触」「味」「嗅」「聴」「視」といった文字が現れる。この2つを選ぶ,もしくは選ばずに「無視」することで,対象への反応を直感的に決められるというわけだ。状況によっては6つ目の感情「愛」や第六感たる「勘」が選べることもあり,これらの選択に応じて,キャラクター達はさまざまな反応を見せてくれる。もちろん,動きまくりながら。
なお,本作はマルチエンディングを搭載しており,感情入力システムによる選択に応じて相手からの好感度が変化,それに応じて結末も変わっていくとのこと。なので,あまり破廉恥な選択は考え物かもしれない。筆者はやりましたけども。
アドベンチャーパートを進めていくと,主人公は深舟さゆりが霊を見てしまったことが原因で,校内を彷徨っていた悪霊との戦闘に巻き込まれてしまう。こうして主人公は,夕隙社の社長兼編集長,かつゴーストハンターである伏頼 千鶴(ふくらい ちづる)とともに,悪霊との戦闘を繰り広げるターン制ストラテジー風のバトルパートへと突入する。ただし,主人公はもとより,伏頼にも霊が常に見えているわけではない。そこで,ウィジャ・パッドと呼ばれる端末に表示された悪霊の移動予測を参考に,プレイヤーや伏頼を移動させ,”とりあえず”ぶん殴ってみるエリアを決めることになる。
行動を決めると,プレイヤー達と悪霊が実際に移動を開始。ここで悪霊がこちらの攻撃範囲内に入ってくれれば,カットインとともにダメージを与えられる。なお,第1話のバトルパートでは,闇に包まれた教室が舞台である。移動中はマップが3D表示となり,いかにも何か出てきそうな雰囲気がたまらない(すでに何かが出てきているわけだが)。下にバトルパート部分のムービーを掲載したので,ぜひその目で確認してみてほしい。
以上の一連の流れが1ターンとなっており,決められたターンまでに悪霊を駆除できれば,バトルパートのクリアとなる。第1話のバトルパートはほぼチュートリアルと言える簡単な内容だったこともあって,6ターンほど誰もいない場所目掛けて素振りを繰り返したした末に,なんとかクリアすることができた。……支我くんの移動予測が全然当たらなかったんですよ,ホントに。ともあれ,悪霊との戦いを制したのち,主人公も伏頼率いる夕隙社でバイトをすると決まったところで,第1話が終了。試遊もここまでとなった。
學園ジュヴナイル伝奇というジャンル表記のとおり,クラシカルな雰囲気を持ったアドベンチャーでありながらも,創意工夫によりこれまでにないビジュアルを達成している「魔都紅色幽撃隊」。今井秋芳監督ファンの読者はもちろん,伝奇もの好きの人にも,ぜひ一度試してみてもらいたい作品である。
「魔都紅色幽撃隊」公式サイト
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(C) ARC SYSTEM WORKS/TOYBOX Inc.
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