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[COMPUTEX]低消費電力向けBroadwellは「Core M」ブランドに。モバイル分野で攻勢を強めるIntelの基調講演レポート
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印刷2014/06/05 20:37

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[COMPUTEX]低消費電力向けBroadwellは「Core M」ブランドに。モバイル分野で攻勢を強めるIntelの基調講演レポート

Renée James氏(President,Intel)が手にしているのは,1970年代のATマザーボードと最新のIntel NUC用マザーボード。40年にわたるPC業界の大きな革新を示す一コマだ
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 台湾時間2014年6月3日,Intelは,COMPUTEX TAIPEI 2014の開幕に合わせて基調講演を行った。「Technology is a Journey」と題した講演を担当したのは,同社PresidentであるRenée James(レネイ・ジェームス)氏である。
 講演の中では,デスクトップPC向けの倍率ロックフリーCPU「Devil’s Canyon(デヴィルズキャニオン,開発コードネーム)や,14nmプロセスで製造される新しいモバイル向けCPU「Core M」プロセッサ,そして通信機能統合型SoC「SoFIA」(ソフィア,同)に関する説明が行われた。
 話題が盛りだくさんだった講演の概要をレポートしたい。


PCの時代は終わった……と言われ続けて早幾年?


 講演の冒頭でRenée氏は,IT業界では今までに何度も「PCの時代は終わった」と言われ続けてきたという話を披露した。たとえば1999年には,当時IBMのCEOだったLouis V.Gastner氏がそういう見解を示したし,最近ではスマートフォンとタブレットの急速な拡大によって,同じようなことを言ってる人がいるという。

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Renée氏が提示したスライド。1999年にはIBMのCEOに,2005年にはTexas InstrumentsのCEOに「PCの時代は終わった」と言われたが,それでもPC市場は成長を続けている,ということを示している

そして現在,タブレットが急激に拡大しているというスライド。その波にIntelも乗っていきますよ,というのが講演の趣旨でもある
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 しかし,「PCの時代は終わった」と言われ続けながらも,実際にはさまざまな技術革新によって,終わるどころか成長を続けているのがPCとIntelである。そして,それは今後も続いていくのだ……というのがRenée氏の主張である。
 そのために用意された最新の武器が,採用が拡大している「Bay Trail」ベースのAtomプロセッサや,これから紹介するモバイル向けCPUであるというわけだ。


さらりと触れられただけのDevil's Canyon


4コアすべてが4GHz以上で動作するというDevil's Canyon
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 モバイル分野が話題の中心を占めたRenée氏の講演にあって,唯一デスクトップPC関連の話題として発表されたのがDevil's Canyonだ。
 その詳細については,6月3日掲載の発表記事を参照してほしいが,簡単に言えばパッケージ内部の部材を変更することで,安定したオーバークロック動作を可能にしたHaswell Refresh世代のCPUである。

 講演中で取り上げられた製品名は「Core i7-4790K」だが,「Core i5-4690K」もDevil's Canyonに含まれることが,4Gamer編集部の取材により判明している(関連記事)。
 通常のHaswell Refreshと比べてアーキテクチャ面での違いはないが,Core i7-4790Kの場合,定格で4GHz,最大クロックの4.4GHzに4コアすべてが到達可能であるなど,CPU性能にこだわる人には,なかなか魅力的なCPUといえよう。

 余談めいた話になるが,Renée氏の講演ではわずかに言及されただけのDevil's Canyonだったが,6月3日の夜にIntelは,「Enthusiasts Overclocking Event」なる,Devil's Canyonを使ったオーバークロック大会を開催している。
 マザーボードメーカー各社のオーバークロックチームが,制限時間内でどこまで動作クロックを上げられるかを競うというもので,空冷部門と液体窒素冷却部門に分かれて,まさに熱い戦いが繰り広げられた。

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Intel主催のオーバークロック大会「Enthusiasts Overclocking Event」の様子。左写真は液体窒素冷却部門に挑戦したASUSTeK Computerチームで,オーバークロック用外付けコントローラ「OC Panel」(写真右)を使っている。右写真は,空冷部門に挑戦したASRockチームのマシンで,CoolerMaster製のクーラー「CoolerMaster V10」を使用していた


低消費電力版Broadwellは「Core M」ブランドに

極薄のWindowsタブレットが実現可能


14nmプロセスのCoreプロセッサがもたらすメリット。なぜか「4th Gen Core Processor」と書かれているが,これはBroadwellのアーキテクチャはHaswellをベースにしたものだから,という理由だろうか?
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 Renée氏の講演で披露された大きな話題の1つが,14nmプロセスで製造される次世代のCoreプロセッサ「Broadwell」(ブロードウェル,開発コードネーム)だ。
 Broadwellは,22nmプロセス世代のCPUと比べて,TDPを60%,消費電力は10〜45%低減でき,CPUパッケージのサイズを最大50%縮小し,そのうえバッテリー駆動時間は20〜40%も向上できるのだという。

 ここでRenée氏は,Intelが開発したというリファレンスデザインの薄型タブレットを披露する。これに搭載されているCPUは,低消費電力版のBroadwellで,Intelではこれらに新しく,「Core M」というブランド名を冠していくことが発表された。
 つまり,Broadwell世代のCoreプロセッサは,今までどおりの「Core i7/i5/i3」に加えて,モバイルデバイス専用のCore Mが登場するというわけだ。Renée氏いわく,Core MプロセッサはIntelの歴史の中で,最も「低発熱で,静かで,軽く薄い,省電力な製品」になるという。

Core Mプロセッサには,ビジネス製品向けの「Core M vPro」も用意される
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Renée氏が手にしているのが,Core M搭載タブレットのリファレンスデザイン。タブレット時はかなりの薄さで,画面サイズは12.5型。キーボードと接続すればSurface Proのようにも使えるという

ASUSTeK ComputerのTransformer Book T300 Chi。タブレット部分の厚さはわずか7.3mm
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 ちなみに,ASUSTeK Computerが6月2日に発表したWindows 8.1搭載タブレット「Transformer Book T300 Chi」も,このCore Mを採用しているそうだ。厚さ7.3mmというWindowsタブレットとしてはかなりの薄さを実現した鍵は,Core Mプロセッサにあったというわけだ。
 Core Mプロセッサを搭載する製品は,2014年のホリデーシーズン,つまり12月頃に登場する見込みであると,Renée氏は予告していた。


モデム統合型SoC SoFIA 3Gを2014年第4四半期に投入


 Renée氏の講演で2つめの大きなテーマとなったのが,IntelアーキテクチャのCPUコアを中核に,GPUや周辺回路,さらにモデム機能を統合したSoC(System-on-a-Chip)「SoFIA」(ソフィア)だ。CPUコア部分はAtomベースで,基本的には低価格スマートフォンやタブレットをターゲットにしたSoCである。

 Renée氏は,3Gモデム機能を統合した「SoFIA 3G」を搭載するスマートフォンやタブレットのリファレンスデザインを披露し,すでにモデム機能も動作していて,通話が可能な段階まで開発が進んでいることをアピールした。

SoFIA最初の製品となるSoFIA 3Gの構成要素を示したスライド。CPUやGPUに3Gモデム,さらに周辺回路を組み合わせた製品になる
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SoFIA 3G搭載のタブレット(左)およびスマートフォン(右)のリファレンスデザイン
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 SoFIA 3G搭載の製品は,2014年第4四半期にも市場に投入されるとのことだ。ただし,あくまでも低価格帯の製品を狙ったSoCであるし,LTEにも対応していないとあっては,ハイエンド製品が主体の日本市場でどの程度搭載製品が出てくるのかは分からない。

 ちなみに,Intelは2013年11月にSoFIAを発表したとき,SoFIAはIntel自体が製造するのではなく,外部のファウンドリ(半導体製造事業者)に製造委託することを公表していた。そして,COMPUTEX開幕直前の5月28日には,Fuzhou Rockchip Electronics(以下,Rockchip)と提携し,両社が共同でAtomベースのSoCを提供することを発表している。そうなると,SoFIA 3Gを最初に製品化するのはRockchipとなる可能性が高いのではないだろうか。

Renée氏が掲げているのが「Intel Solid-State Drive Data Center Family for PCIe」。PCI Expressスロット用のSSDだ
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 そのほかにもRenée氏の講演では,データセンター向けのPCI Express接続SSD「Intel Solid-State Drive Data Center Family for PCIe」が発表されている。
 あくまでもデータセンター向けの製品ではあるが,2.5インチSSDでは「Intel SSD 730」のように,元々データセンター向けとされた製品をPC向けにチューンしたものも販売されているので,こちらもPC向けの登場を期待したいところだ。

IntelのCOMPUTEX TAIPEI 2014 特設ページ(英語)

COMPUTEX TAIPEI 2014取材記事一覧

  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3・M(Broadwell)

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