スマホゲームのセルラン分析（2022年11月03日〜11月09日）。今週の1位は「モンスターストライク」。全世界におけるパブリッシャの四半期ランキングも紹介

　データ分析を専門に行うSensor Towerによると，2021年におけるスマートフォン向けゲームの国内収益は約2兆3746億円に達している（※関連記事）。そんな世界有数のスマホゲーム大国となった日本で，現在最も売れているタイトルを始めとした，さまざまなデータを毎週お届けするのが，本連載「スマホゲームのセルラン分析」である。

スマホゲームのセールスランキング

（2022年11月03日〜11月09日）

順位	前週	タイトル	DL数の前週比	収益の前週比
1	2	モンスターストライク	-14%	-7%
2	初	勝利の女神：NIKKE	-	-
3	8	Fate/Grand Order	56%	57%
4	9	原神	43%	15%
5	3	プロ野球スピリッツＡ	1%	-30%
6	6	パズル＆ドラゴンズ	-6%	1%
7	1	ウマ娘 プリティーダービー	-6%	-51%
8	85	アークナイツ	60%	772%
9	7	メメントモリ	-3%	-42%
10	20	ONE PIECE バウンティラッシュ	65%	62%
11	4	ドラゴンクエストウォーク	28%	-65%
12	32	ディズニー ツイステッドワンダーランド	-25%	150%
13	11	パズルサバイバル	-9%	-22%
14	13	Pokémon GO	16%	-19%
15	17	ヘブンバーンズレッド	14%	-14%
16	14	放置少女	-16%	-29%
17	9	荒野行動	-12%	-57%
18	16	Echocalypse -緋紅の神約-	-54%	-46%
19	15	あんさんぶるスターズ！！Music	-9%	-50%
20	24	LINE ポコポコ	0%	-5%
21	12	プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク	1%	-62%
22	18	LINE：ディズニー ツムツム	2%	-47%
23	25	モリノファンタジー：世界樹の伝説	-7%	-23%
24	23	三國志 真戦	3%	-32%
25	22	ロマンシング サガ リ･ユニバース	9%	-36%
26	10	ブルーアーカイブ	-64%	-68%
27	26	リネージュW	67%	-25%
28	21	ドラゴンクエストタクト	-14%	-45%
29	63	アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ	-4%	62%
30	40	マフィア・シティ	-11%	2%
31	45	妖怪ウォッチ ぷにぷに	45%	22%
32	33	ホームスケイプ	14%	-14%
33	36	ガーデンスケイプ	18%	-18%
34	19	ドラゴンボールZ ドッカンバトル	-23%	-58%
35	34	転生したらスライムだった件	44%	-30%
36	55	新信長の野望	-26%	11%
37	43	Age of Origins	-10%	-10%
38	65	フィッシュダム	10%	28%
39	30	ONE PIECE トレジャークルーズ	4%	-37%
40	137	Identity V	16%	167%
41	38	日替わり内室	-6%	-35%
42	76	Top War	-13%	23%
43	27	七つの大罪 光と闇の交戦	-24%	-60%
44	29	実況パワフルプロ野球	18%	-52%
45	35	Call of Duty: Mobile	15%	-46%
46	46	オリエント・アルカディア	4%	-26%
47	93	Township	34%	28%
48	41	コトダマン-共闘ことばRPG	-39%	-41%
49	39	おねがい社長！	26%	-46%
50	31	ドルフィンウェーブ	-35%	-52%

※掲載データはSensor Towerから引用したものです。データの無断転載を禁じます
※iOSとAndroidの収益の合計をもとにしたランキングです。マルチプラットフォーム展開を行うタイトルでも，PCや家庭用ゲーム機向けの収益は含まれていません

1〜25位の収益グラフ。縦軸（収益）の数値は非公開

マキマ（★6）

　今週のランキング1位は「モンスターストライク」（iOS / Android）である。本作では11月1日にTVアニメ「チェンソーマン」とのコラボイベントが始まっており（※関連記事），このタイミングで収益も大きく伸びている。

　今回のコラボではデンジ，パワー，早川アキらの人気キャラがガチャで登場している。また，本作最大の重要人物であるマキマが，モンストのスターターパックを購入しないと入手できないという仕様で，このことも収益に貢献していそうだ。

モンストの過去1か月間における収益の推移

　11月4日に正式サービスを開始した「勝利の女神：NIKKE」（iOS / Android）が，いきなり2位にランクインした。
　本作は，謎の敵“ラプチャー”に人類が蹂躙される世界にて，少女の姿をした兵器の“ニケ”を率いて戦うゲームだ。韓国における著名なデザイナー/イラストレーターのキム・ヒョンテ氏が率いるSHIFT UPが開発作業を行い，TencentのグローバルブランドであるLevel Infiniteがパブリッシング契約を結んだタイトルである。


　そんなNIKKEは，世界市場でどのように受け入れられているのだろうか。今回の集計期間におけるダウンロード数と収益について，国別の割合がどうなっているのかをSensor Towerでチェックしてみた。

　それによるとダウンロード数は，1位が日本（全体の16.1％），2位がタイ（16.0％），3位がアメリカ（11.8％），4位が韓国（7.5％），5位がインドネシア（6.8％）。そして収益は，1位が日本（全体の38.7％），2位が韓国（29.2％），3位がアメリカ（15.2％），4位が台湾（4.1％），5位が香港（2.9％）という内訳であった。上位の国の割合が極端に高くなく，ワールドワイドで広く人気を博しているようだ。

　これまでの韓国産ゲームの注目作といえば，現地で正式サービスが始まってからしばらく経った後に，コンテンツの準備やバグフィックスが行われた状態で日本向けにローカライズされるのが常であった。そういったなか本作では，最初からグローバルローンチが行われており，これは（筆者の知る限り）韓国産のゲームとしてかなり珍しいケースだ。

　一見する限り定番のギャルゲーかと思いきや，メインストーリーが思いのほかシリアスな展開を迎えるほか，あのキム・ヒョンテ氏の作風を“背中で魅せる”と表現してしまうなど，Level Infiniteがグローバル展開を行ううえでどのような戦略を立てているのかも興味深い。いつかGDCやCEDEC等で，本作のグローバル展開をテーマにした講演を行ってほしいものだ。

全世界におけるパブリッシャ単位での収益ランキング

（2022年07月01日〜09月30日）

順位	パブリッシャ/タイトル名
1	Tencent（Level Infinite）
	王者荣耀（アリーナ・オブ・ヴァラー）
	PUBG MOBILE
	英雄联盟手游
2	Activision Blizzard
	キャンディークラッシュ
	ディアブロ イモータル
	Call of Duty: Mobile
3	NetEase
	梦幻西游
	ディアブロ イモータル
	荒野行動
4	Take-Two Interactive
	エンパイア＆パズル：エンパズ
	トゥーンブラスト
	マージドラゴン
5	Playrix
	ホームスケイプ
	ガーデンスケイプ
	フィッシュダム
6	miHoYo
	原神
	崩壊3rd
	未定事件簿
7	BANDAI NAMCO Entertainment
	ドラゴンボールZ ドッカンバトル
	ONE PIECE バウンティラッシュ
	ドラゴンボール レジェンズ
8	Playtika
	Bingo Blitz
	Slotomania
	Solitaire Grand Harvest
9	Netmarble Games
	Marvel オールスターバトル
	Cash Frenzy
	Lotsa Slots
10	NCSOFT
	リネージュM
	リネージュW
	リネージュ2M
11	Aristocrat Technologies
	RAID: Shadow Legends
	Lightning Link Casino
	Cashman Casino Las Vegas Slots
12	Supercell
	クラッシュ・オブ・クラン
	クラッシュ・ロワイヤル
	ブロスタ
13	SQUARE ENIX
	ドラゴンクエストウォーク
	ドラゴンクエストタクト
	ロマンシング サガ リ・ユニバース
14	Moon Active
	コインマスター
	ファミリーアイランド
	Pet Master
15	Roblox Corporation
	Roblox
16	AppLovin
	Project Makeover
	Cash Tornado Slots
	Matchington Mansion
17	37GAMES
	パズルサバイバル
	日替わり内室
	商人放浪記
18	FunPlus
	State of Survival
	氷と炎：キング・オブ・アバロン
	ガンズ・オブ・グローリー
19	Aniplex
	Fate/Grand Order
	ディズニー ツイステッドワンダーランド
	マギアレコード 魔法少女まどかマギカ外伝
20	Cygames
	ウマ娘 プリティーダービー
	プリンセスコネクト！Re:Dive
	シャドウバース
21	Electronic Arts
	スター・ウォーズ／銀河の英雄
	ゴルフクラッシュ
	Design Home
22	Lilith Games
	Rise of Kingdoms
	AFK アリーナ
	Warpath: Ace Shooter
23	Scopely
	Star Trek Fleet Command
	MARVEL ストライクフォース
	Tiki Solitaire TriPeaks
24	Niantic
	Pokémon GO
	Pikmin Bloom
	Ingress Prime
25	Garena Games
	Garena Free Fire
	王者荣耀（アリーナ・オブ・ヴァラー）
	Call of Duty: Mobile

　今回はSensor Towerが集計を行った，前四半期（7月1日〜9月30日）における全世界のパブリッシャ別ランキングを紹介する。
　ランキング入りした各パブリッシャの下には，収益が高い3タイトルも添えている。ちなみにタイトル名が一部重複しているが，これは同じスマホゲームでも国によってパブリッシャが異なり，それぞれ別に集計しているためである。

　1位は，「王者荣耀（アリーナ・オブ・ヴァラー）」や「PUBG MOBILE」等のヒット作を手掛けるTencent（Level Infinite）である。同社については先週の本連載でも触れているが（※関連記事），今回のパブリッシャ別ランキングにおいても，2位のActivision Blizzardの2倍以上の収益を出している。数年後のTencentは，ゲーム業界内でどのような存在になっているのだろうか……。

前四半期におけるパブリッシャ単位での収益グラフ。

　日本のパブリッシャからは，バンダイナムコエンターテインメント（7位），スクウェア・エニックス（13位），Aniplex（19位），Cygames（20位）の4社がランクインした。
　バンナムはドラゴンボールやONE PIECE等のグローバルIPをもとにしたスマホゲームを多数展開しており，7位にランクインするのもうなずけるだろう。また，詳細はいずれ本連載でも紹介するが，AniplexやCygamesのタイトルは日本以外の国でもヒットしており，だからこそこういったランキングで存在感を示している。

　そういったなか，スクウェア・エニックスの上位3タイトルは，日本だけでサービスされている。にもかかわらずランクインしているわけで，これはこれで，日本における同社の収益の高さを示すエピソードのひとつといえるだろう。

Sensor Tower 日本語公式サイト