プレイレポート
春香と過ごした12週間。「アイドルマスター ワンフォーオール」,ゲーム序盤部分のプレイインプレッションを,あなたにお届け
バンダイナムコゲームスが2014年5月15日の発売を予定しているPlayStation 3向けのアイドルプロデュースゲーム,「アイドルマスター ワンフォーオール」(以下,ワンフォーオール)の序盤をプレイする機会を得たので,インプレッションをお届けしたい。いきなり余談ながら,なんと申しますか,20年近くこんな仕事をしていて「良かった」という気分になれるのは,こういうチャンスがあるときだ。うっしっし。
そういえば,2011年というから,もう3年前,「アイドルマスター2」がリリースされるとき,プレイしたさに軽く無茶をした記憶があるが(関連記事),今回は割とすんなり行けて,というか3年前も普通に行けば良かったんじゃないかという気がしてならないが,ともあれ今回はゲーム開始から12週間の模様をお伝えしたい。結論を言ってしまえば天海春香がかなり可愛いわけだが,ともかくお伝えしたいので,後生だから聞いてほしい。
「アイドルマスター ワンフォーオール」公式サイト
発売が近づく「アイドルマスター ワンフォーオール」
まずは,知らない人がいるといけないので説明から。ワンフォーオールは,2005年にアーケードで稼働が始まった「アイドルマスター」を第1弾とする「アイドルマスター」シリーズの最新作で,据え置き型のコンシューマ機向けとしては,2007年の「アイドルマスター」,上記の「アイドルマスター2」に続く作品となる。それ以外に,ステージシーンとリズムゲームが楽しめるファンディスク的な「アイドルマスター ライブフォーユー!」が2008年に,また,さまざまなアイマスコンテンツが楽しめる「アイマスチャンネル」が2013年に無料配信されており,アイマスチャンネルでは,リズムゲーム「アイドルマスター シャイニーTV」とアイドルのグラビア撮影ができる「アイドルマスター グラビアフォーユー!」がプレイ可能だ。
ちなみに,PSP向けには「アイドルマスターSP」(2009年)と「アイドルマスター シャイニーフェスタ」(2012年)が3バージョンずつ,そしてニンテンドーDS向けには「アイドルマスター ディアリースターズ」(2009年)がリリースされているほか,モバイル向けのソーシャルゲームとして「アイドルマスター シンデレラガールズ」と「アイドルマスター ミリオンライブ!」があり,さらにエリアゲームとして「アイドルマスターモバイル エリアゲーム」と,iPhoneアプリ「アイドルマスターモバイルi」があったりするが,私はリストアップに夢中になって,そろそろ何が言いたかったのか忘れつつある。
……そう,そうだった。このように9年間にわたってさまざまなタイトルがリリースされてきた「アイドルマスター」シリーズなのだが,据え置き型コンシューマ機向けの「アイドルプロデュースゲーム」としては,今回のワンフォーオールがなんと3作目に当たるということだ。3年ぶりの待望の新作であり,ファンにとってはまさに待ってましたという感じだろう。待ってました。
ちなみに,私が最初に春香と出会ったのは2010年のことで,Xbox 360版「アイドルマスター」が発売されてから実に4年近くも経っていた。そのあたりの,いい歳して少々恥ずかしい顛末については,2010年12月28日に掲載した記事で書いたとおりだが,かなり久々に読み返してみると,何もかもが懐かしい。もう4年か。
もともと年末企画を何も思いつかなかった私が編集会議で副編集長に無茶振りされ,泣きながら書いた記事だったというのはどうでもいい話だが,あの年,私が恋した少女がまた私のプロデュースを待っているわけだ。あれ以来,世間的な春香の存在感はかなり大きくなったみたいだが,私にとってはいつでも駆け出しの,ちょっと足もとのおぼつかない半人前アイドルだ。キミが前を向いて進みたいというなら,私は喜んで手伝いたい。手伝わさせて!
新人プロデューサーとして,春香をトップアイドルへ導け
幕開けは「芸能プロダクション 765プロダクション」と書かれたドアを開けて中へ入っていく場面で,これはプロモーションムービー第1弾にも収められているが,いい雰囲気だ。これまでの一枚絵もいろいろ想像力を刺激されて悪くないと思うのだが,やっぱりアイドル達が事務所で思い思いに過ごしているのを見るのはなんとも嬉しい。ああ,765プロに就職して良かった。みんな,厳しく楽しい一週間の始まりだぞ。
事務所のレイアウトは,アニメ「アイドルマスター」に準じており,エアコンがぼろぼろだったり,ホワイトボードが落書きだらけだったり,PCのディスプレイがCRTだったりなど,なんだか懐かしい。ダルマさんもあるし。
ちなみに,翌週以降も始まりはこの「朝の765プロ」になるわけだが,三浦あずさが携帯電話をかけていたり,高槻やよいが掃除をしていたりなど,事務所の様子にはかなりのバリエーションが用意されていて,彼女達のさまざまな姿が見られる。もちろん,春香の「生ころび」の場面も収録されており,初めて見たとき私,コントローラを思わずぎゅっと握りしめた。ああ幸せ。ずっとこうしていたい。だが,そうはいかない。
もっとも,さる筋の情報によると高木社長の年齢は56歳とのことで,まじかー! それって私とほとんど同い年じゃない。……それはともかく,翌週はアイドルを1名選ぶことになる。
ゲームが進むにつれてプロデュースできるアイドルがどんどん増えていくのもワンフォーオールの特徴なのだが,これ以降,春香が「リーダー」になり,ほかのアイドル達は「パートナー」という立ち位置になる。ただ,リーダーの変更はいつでも可能で,またリーダーとパートナーの相違点については,序盤12週をプレイした限り,あまりハッキリとは分からなかったけど,そのうち,なんかありそうな気はしている。
手探りのプロデュース活動がついにスタート
さあ,2人っきりでいちゃいちゃしよう,というわけで小鳥さんに言われて「はじめてのお仕事」をこなしてみたが,これは,選択肢なしでパーフェクトコミュニケーションがもらえるという内容だった。続いて,社長から楽曲をプレゼントされ,小鳥さんが手回しよく用意した衣装やアクセサリーを整えて「オーディション」に挑む。
さあ春香,オーディションに挑戦だ,という感じで仲間に見送られてやってきたテレビ局。オーディションを突破できればテレビで出られて,ギャラのマニーがもらえて,しかもファンが増えるので,アイドル的かつゲーム的には非常に重要だ。
目的と戦略は少々異なるが,オーディションのほかに「ライブ」と「フェス」があるのは釈迦に説法かもしれないが,いずれも,「ボーカル」「ダンス」「ビジュアル」の各イメージに対応するボタンをタイミングよく押していくことが基本になる。押すタイミングによって,「BAD」「NORMAL」「GOOD」,そして「PERFECT」と評価され,PERFECTが打てるとボルテージが溜まり,それがMAXになったとき,高得点が狙える「バーストアピール」が放てるというダンドリだ。
また,例えばボーカルのボタンを打ち続けると,最初100%だったレートがどんどん下がっていくが,その代わりダンスのレートが上がっていくという感じになっているので,3種類のボタンをどのタイミングで切り替えるかということも戦略上,重要な要素だ。もちろん,衣装やアクセサリーでイメージ補正がかかるので,いかに高得点が稼げるイメージを多く打てるかも大切だし,「思い出アピール」の使いどころも十分に考える必要がある。ふっふっふ。難しそうでしょ。
まあ,文字で読むと難しいような感じを受けるかもしれないものの,やってみればすぐに覚えるはず。あなたもきっと,私なんかあっという間に追い抜いてしまうはずだが,それはそれで悲しいものがあるなあ。また,最初のイベントの前には,小鳥さんが徹夜で作ったという秘密メモをこっそり見せてくれるので,感謝して拝見しよう。いつもありがとう,小鳥さん。というわけで,春香は無事にオーディションを突破して,テレビ出演を果たした。偉いぞ。
しかも急に席を立って,社長に「どうしたんだね,音無くん?」と聞かれたときのような不審な挙動を見せるので,絶対にお見逃しなく。
これが終わると,2人目,そして3人目のアイドルを担当するように社長に言いわたされるので,序盤,担当アイドルは割と順調に増えていくという印象だ。私は2人目として我那覇 響を選んでライブに挑戦し,3人目として双海姉妹の姉,真美を選んだ。せっかくはるるんと2人っきりだったのに,とか思ってはいけないのであって,複数でなければ受けられない仕事なども出てくるのだ。
それに,(仕事にもよるが)なんだったらユニットではなく春香だけ一人で行かせることも可能だ。フェスのライバルとしてディアリースターズの日高 愛が出てくることはすでにお伝えしたとおりだが,天海春香vs.日高 愛という,ある意味師弟(?)対戦を楽しむこともできそうで,おお,自分で書いてて燃えてきた。
さらに,4月25日に掲載した記事でもお伝えしたように,DLCで「アイドルマスター シンデレラガールズ」および「アイドルマスター ミリオンライブ!」のアイドル達が登場することも発表されているので,例えば天海春香を鍛え上げて神崎蘭子にぶつけるとか,想像するだけで胸が熱いったらありゃしない。どっちも負けるな! もっとも,序盤12週のフェスでは,「ガミP」とか「タイコスキー」とか,どう考えてもやられるために登場したとしか思えない名前だけの対戦相手ばかりなので,こういったことはプレイを続けた先のお楽しみになる。
高木社長の業務命令,「シーズン目標」
さて,続いてメンバー3人が揃ったところでレッスンを受けたのだが,シリーズ従来作とは異なり,その効果は一時的なものだ。つまり,ステージのお仕事を受ける前にレッスンを行い,ユニットの能力を何週間かアップしたいといったときに使う形になる。レッスンは時間を消費しないので,スキあらばレッスンしまくったほうが良さそうな気がするものの,それなりのマニーが必要になるのには注意が必要だ。
レッスンはアイドルマスター2と同様,所定の時間内にどれだけうまくできたかを計るミニゲーム仕立てになっているが,最初のビギナー向けレッスンなのに,けっこう難しいかも。「最も簡単」と言われた前作のダンスレッスンでさえ泣きの入った私だったが,血のにじむアレコレでなんとかしたので,今回もなんとかするしかない。
と思っていたらいきなり社長室に呼び出されて,「シーズン目標」の存在を告げられた。これもワンフォーオールの新要素なのだが,シーズンごとに社長から目標を言いわたされ,これを達成することでプロデューサーのランクが上がっていくというものだ。ランクが上がると,さらに多くのアイドルがプロデュースできたり,楽曲をもらえたりしてウハウハなのだが,目標を達成できないとプロデュース中のアイドルの担当をはずされたりしてトホホになる。うわ,765プロ厳しい。
そんな最初のシーズン目標は「3000マニーを獲得しろ」というもので,社長,ランクアップしたければお金を稼げって,ストレートすぎませんか?
ともあれ,プレイヤーはアイドルのランクアップとシーズン目標という,2つを目指してプロデュース活動を続けていくことになるわけだ。なんでもかんでも好きなようにできるのは意外とどうしていいか分からなくなるため,個人的にこうした指針が用意されているのは悪くない。シーズン目標達成のために,ギャラが高いぶん難しいオーディションに挑戦し,なんとか突破した場合,普通に突破したときよりも達成感がずっと高いとか,そういう感じだ。シーズン目標を期間内にクリアすると次の目標が提示されるので,それもクリアすると「超達成」となり,より大きなご褒美がもらえる。太っ腹である。
13人のアイドルが全員参加,オールスターライブ
さあ,ついに序盤のハイライトともいえるオールスターライブ「765プロ大感謝祭!」のお時間だ。本来このオールスターライブは夏と冬の最後に行われるのだが,最初だけこの季節に実施される。プロデュース状況とは無関係にアイドル13人全員が参加するイベントで,基本はライブと同じなのだが,3曲のメドレーになっており,クインテット(5人)が2曲,トリオ(3人)が1曲という構成。
使用する楽曲やメンバーを編集してライブに挑戦し,あらかじめ設定された「ハコユレ震度」を獲得すると,アンコールとして13人全員が登場するムービーが見られる流れになっており,2月28日の記事では,劇場映画「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」の,思い出すとなんとなく目頭が熱くなる楽曲「M@STERPIECE」を歌って踊る姿が紹介されているが,私がプレイしたときは,ワンフォーオールのテーマ曲である「ONLY MY NOTE」を使ったムービーが流れた。言うまでもないことだが,これもいい感じだ。
そして季節の最後となる12週目,私と春香は「ランクアップフェス」に挑戦した。基本的なルールはフェスと同じだが,こちらは3曲を歌い,先に2勝したほうが勝つというシステムだ。同じ楽曲を2回以上使うことはできず,使った思い出も回復しないが,各ステージでパートナーの入れ替えが可能であり,パートナーを変更すれば彼女の持っている思い出をまた使えたりするので,そのへんの工夫が必要になるだろう。まあ,この段階では3人しかいないので,入れ替えも何もないんですけど。
ちょっとドキドキしたが,なんせまだ最低ランクのE3,スカッと2勝して春香はE2にランクアップした。ああ,よかった。
トップアイドルに向けて,プロデュースは続く
このほか,「ショップ」や「スキル」「ふれあい」,そして「記者」や「お守り」など,ワンフォーオールにはさまざまな要素が出てくるのだが,想定をオーバーして長くなってしまったので,機会があればまた稿を改めて紹介したい。というか,私もまだよく分かっちゃいないのよね。
そうそう,「ファンレター」もある。懐かしいでしょ。さて,ファンからの手紙を確認して帰るか,みたいな。またレッスンに代わる恒久的な成長要素「スキル」だが,こちらも連続してバーストアピールが行える「バーストチャージ」など,いかにも強力そうなものが用意されており,どうにかして手に入れたいという欲求に訴えてくる。
スキルツリーなど,まるでRPGのようだが,ゲーム的にすべてのスキルが入手できるのかどうかは不明だ。これまでのように期限が切られているわけではないので,時間をかければいけそうな気もするものの,スキル獲得に必要なspはレベルアップやランクアップで手に入り,ランクの上限がある以上,ある程度,狙った方向に成長させなければならないという印象もある。いずれにせよ,スキル要素は攻め甲斐がありそうだ。
ナンバリングタイトルではないものの,ゲームシステムが一新されたワンフォーオール。アイドルの笑顔を見るために全力投球する価値は十分にありそうだ。世界を目指したいという春香だが,12週間を過ぎて,これといった出来事はまだ起きていない。いつものように,料理のレパートリーを増やすにはどうすべきかとか,どうもサインがうまく書けないとか,ホントにささやかなことに首をひねり,プロデューサーである私がうまく問題を解決すると,ちょっとだけ仲良くなる。それが嬉しくてたまらない。
ゲームはまだ序盤。この先,春香がどうなっていくのか私には全然分からないが,彼女の行く先を見届けてみたい気持ちでいっぱいだ。最近は,なんかライブのレポーターだと誤解されている節もあるので,いずれ私が生粋のゲーマーであることも合わせてご披露したい。いや,ライブも大好きだけど。ともかく,あと2週間もない2014年5月15日の発売を楽しみにしよう。
「アイドルマスター ワンフォーオール」公式サイト
「アイドルマスター」シリーズ公式サイト
(C)NBGI/PROJECT iM@S- 関連タイトル:
アイドルマスター ワンフォーオール
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