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[E3 2014]「Tom Clancy\'s The Division」が背景にしている設定の「98%は真実」。ゲームディレクターのRyan Barnard氏への単独インタビューを掲載
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印刷2014/06/12 13:34

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[E3 2014]「Tom Clancy's The Division」が背景にしている設定の「98%は真実」。ゲームディレクターのRyan Barnard氏への単独インタビューを掲載

画像集#005のサムネイル/[E3 2014]「Tom Clancy's The Division」が背景にしている設定の「98%は真実」。ゲームディレクターのRyan Barnard氏への単独インタビューを掲載
 Ubisoft Entertainmentが開発中の「Tom Clancy's The Division」PC / PS4 / Xbox One,以下,The Division)は,Tom Clancyシリーズの最新作で,オープンワールド型のオンラインアクションRPG。海外では2015年に発売予定となっている。

 本作の世界観は,アメリカ軍部が実際に研究している対バイオテロリズムシミュレーション「Operation Dark Winter」をベースにしている。細菌汚染で政府機関が機能しなくなったニューヨークにおいて,体制を保つためなら何をやってもかまわないという指令を受けた「Strategic Homeland Division」のメンバーが,さまざまな任務をこなしていくことになる。

 今回は,北米時間2014年6月9日開催の「Xbox E3 2014 Media Briefing」と「Ubisoft E3 Media Briefing 2014」で,本作の最新ムービーが公開されたということで,ゲームディレクターのRyan Barnard(ライアン・バーナード)氏にインタビューを実施し,本作の内容をじっくりと聞いてきた。シリーズ作品のファンはぜひ目を通してほしい。

「Tom Clancy's The Division」公式サイト

4GamerのE3 2014特設ページ





4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 The DivisionがベースにしているOperation Dark Winterですが,日本の読者にはあまり馴染みがないと思うので,その概要をあらためて教えてください。

「Tom Clancy's The Division」ゲームディレクターのRyan Barnard氏
画像集#006のサムネイル/[E3 2014]「Tom Clancy's The Division」が背景にしている設定の「98%は真実」。ゲームディレクターのRyan Barnard氏への単独インタビューを掲載
Ryan Barnard氏(以下,Barnard氏):
 Operation Dark Winterとは,2001年9月11日のニューヨークテロ事件後に,ジョージ・ブッシュ前大統領の命令のもと行われた,ニューヨークに細菌テロが起きたという仮定に基づくシミュレーションのことです。
 その結果は,「致死率の高い細菌であれば,最悪の場合ニューヨークの人口の90%以上が瞬く間に消失し,数週間もすれば都市の機能が完全に失われてしまう」というものでした。我々のゲームはそれに立脚しています。
 そうした大惨事に対応するため,ブッシュ前大統領が特殊部隊を設立する要請「Directive 51」を軍部に発したことは事実ですから,我々が背景にしている設定の98%は真実と思っていただいてけっこうですよ。

4Gamer:
 なんとも怖い話ですが,組織名は別として,そうした専門任務を実行する機関が存在すると。

Barnard氏:
 ええ。Directive 51は,大統領もしくは軍部,警察の直接指揮がなくても,治安維持もしくは治安回復の活動のために,あらゆる手段を尽くす権限を部隊に委託するというものです。つまり,悪者と見なせば,部隊の判断でそれを排除できるという,究極的な命令なのです。

4Gamer:
 Xbox E3 2014 Media Briefingで公開されたCo-opプレイのムービーは,ニューヨークの市街地や地下鉄駅の構内を舞台にしていましたが,具体的な時代設定は存在するのでしょうか。

Barnard氏:
 ストーリーを具体的なタイムラインに当てはめたくはないのですが,雪の降る季節を前提にしているので,春や夏といった季節ではないとは言えます。
 ゲームにおいて細菌テロが発生したのはクリスマス直前で,ストーリーはその3週間後から始まります。今回紹介したのは序盤のイベントですから,テロ発生から1か月後くらいといったところでしょうか。

4Gamer:
 4人でCo-opモードをプレイするという内容でしたが,マップを表示したときに点線で経路を示すようなシーンが映し出されたのが気になりました。プレイヤーの一人が進路を示したように見えたのですが,実際はどのような仕組みになっているのでしょうか?

画像集#003のサムネイル/[E3 2014]「Tom Clancy's The Division」が背景にしている設定の「98%は真実」。ゲームディレクターのRyan Barnard氏への単独インタビューを掲載

Barnard氏:
 The Divisionのマップシステムは「Mega Map」という名称で,周囲の状況やアクセスできるミッションなど,さまざまな情報をプレイヤーにもたらしてくれます。ムービーで確認できるのは,プレイヤーがミッションのウェイポイントをほかのプレイヤーとシェアしたところですね。

4Gamer:
 もう一つお聞きしたいのが,プレイヤーが特定のポイントに近づくと表示されたオレンジ色のものです。「ECHOをアクティベートして再構築が完了した」というメッセージが表示されましたが,あれは何を意味しているのでしょうか。

Barnard氏:
 プレイヤーキャラクターは腕に時計のようなデバイスを付けていて,監視カメラやスマートフォンなどのさまざまなデータを,それとリンクさせることができます。そのデータから過去の映像をホログラムとして復元して,テロ発生当時の状況などを把握できるようになるという設定です。

画像集#004のサムネイル/[E3 2014]「Tom Clancy's The Division」が背景にしている設定の「98%は真実」。ゲームディレクターのRyan Barnard氏への単独インタビューを掲載

4Gamer:
 Co-opモードはどのようなシステムになっているのでしょう。

Barnard氏:
 登録しているフレンドなら自由にドロップイン/アウトできますし,マッチメイキング機能で,知らない人と一緒にプレイすることも可能です。
 ただ,オンラインで知らない人と一緒にプレイするのを躊躇してしまうプレイヤーも多いので,より多くの人に楽しんでもらえるようにオプションには気を遣っています。プレイヤーレベルはもちろん,PvPを好む好まないといった,それぞれのプレイヤーの嗜好に合わせて,非常に手の込んだマッチングが可能です。

4Gamer:
 ソロプレイだけで最後までゲームをプレイできますか? 

Barnard氏:
 我々としては,ほかのプレイヤーと一緒に遊んだほうが楽しいので,できればCo-opを遊んでほしいと考えていますが,一人でもプレイできるようなバランスにしています。
 The Divisionはオープンワールドのゲームで,プレイヤーがニューヨークのさまざまな場所へ自由に行けますから,プレイヤーのレベルや人数に合わせて,敵キャラクターのレベルが自動的に調整されるようになっています。

4Gamer:
 オンラインモードに比重を置いているようですが,ストーリーを最後までプレイしたあとでも,Co-opやPvPなどで継続的に遊べる仕組みは用意されているのでしょうか。

Barnard氏:
 ええ。まだ詳しい話はできませんが,エンドコンテンツには配慮していて,オンラインでも長く遊べるように設計しています。

4Gamer:
 Tom Clancyシリーズといえば,主人公を中心にストーリーが展開していくのが定番ですが,本作ではまだ情報が出ていません。今回の主人公はどのような人物なのでしょうか。

Barnard氏:
 Tom Clancyシリーズでも非常に珍しいことだと思いますが,主人公は“あなた”です。
 今はまだ具体的な話はできませんけど,性別や自分の過去,例えば化学者出身だとか,運動能力が発達しているといった属性などを,ゲーム開始時点で設定できます。
 これまでのシリーズと大きく異なるのは,このゲームの根幹にあるのは,「無法地帯に秩序を回復させる“あなた”」というヒーローを描いた,アクションRPGであるということです。

4Gamer:
 まさに「ロールプレイング」というわけですね。RPGといえば成長やカスタマイズの要素はかかせないと思うのですが,そのあたりはどうなっているんですか?

Barnard氏:
 The DivisionではすべてがRPG要素で包まれています。
 たとえば,武器であればアップグレードが可能で,大容量のクリップであったりデジタルスコープであったりと,パーツを装着して細かくカスタマイズできます。それは装備も同じです。また,レアアイテムのコンセプトも用意しているので,武器やサバイバルのための装備を集める楽しみも十分に味わえるはずです。

4Gamer:
 プレイヤーキャラクターのスキルについてはどうでしょう。

Barnard氏:
 The Divisionでは,スキルでも武器のカスタマイズをできるようになっています。
 以前から何度か紹介した「Seeker Mine」という自走式の小型爆弾が今回のデモにも登場しましたが,複数の爆弾が花火のように飛び散っていたのに気づきましたか? 実はあれは,Seeker Mineを利用できるスキルをアップグレードすると,使えるようになるものなんです。
 プレイヤーキャラクターのスキルがアンロックされていないとロケットランチャーが使えないといったことは,少なくても我々のゲーム世界では“非現実的”なことです

※編注:「はじめからプレイヤーキャラクターはすべてのアイテムを利用できるが,より高度に使いこなすにはスキルが必要」ということだと思われる。

4Gamer:
 ゲーム内に,武器やスキルのカスタマイズ要素をじっくりと行える拠点のような場所は用意されていますか?

Barnard氏:
 まずニューヨーク市内には,秩序面の最後の砦になっている「Hub」と呼ばれる拠点があり,フレンドリーな勢力に属するNPC達とさまざまなやりとりが行えます。
 また,フィールドには警察署や病院といった施設があるのですが,ミッションの進行に従って,その場所をアイテムなどの補充が行える副次的なHubと利用できるようにあります。またこれらの施設は,ファストトラベルの中継拠点にもなります。

4Gamer:
 プレイヤーの最終目標は何なのか,ヒントだけでも教えてもらえませんか?

Barnard氏:
 それはまだ話せませんよ(笑)。今の段階で言えることだと,本作にはさまざまな勢力が存在しています。チンピラのようなまとまりのないグループもいれば,ムービーに登場したように組織的な行動をするグループもいます。
 基本的には,細菌による汚染レベルがひどい地域ほど凶悪な勢力が巣食っているような設定になっていますが,プレイヤーはこうした勢力と戦って秩序を回復するだけでなく,いったいニューヨークで何が起こったのかを確かめていくことになります。テロの背後にある陰謀は,ぜひプレイして自分で確かめてください。
 Tom Clancyの名に恥じないサスペンスやアクションに,長く楽しめるアクションRPGの要素をしっかりと組み込んだゲームに仕上がるはずですので,ぜひ楽しみにしていただきたいですね。

4Gamer:
 日本でも発売されることを期待しています。ありがとうございました。

4GamerのE3 2014特設ページ


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