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[E3 2015]「Tom Clancy's The Division」のエグゼクティブプロデューサーにインタビュー。いったいどんなゲームになるのか
2015年6月16日に掲載した記事で,欧米でのリリースが2016年3月8日に決まったことをお伝えしたが,E3 2015にはプレイアブル展示され,開発が順調に進んでいることがアピールされていた。
プレイアブル展示では,「Dark Zone」と呼ばれるものに触れることができた。一見するとチーム対戦型のマルチプレイで,敵味方に分かれて武器などの貴重なアイテムを探し,見つけることができたらフレア(照明弾)を撃ち上げてヘリコプターを呼び,それを回収してもらう――というダンドリだが,プレイしてみると,敵味方のほかにNPCがいるし,終わっても勝敗はつかないしで,非常に不思議なプレイ感だった。中には,アイテムを拾った仲間を撃つような裏切り者までいたのだ。どうなっているのだろうか。
……と引っ張ってもしょうがないので種明かしすると,実はこのDark Zoneは,個人の経験値やスキルなどを高めるために用意された,PvPコンテンツだった。アイテムを持ったプレイヤーを撃つと,より多くの経験値がもらえるため,アイテムと経験値に目がくらんだ仲間が裏切る場合もあるわけだ。試遊では出てこなかったが,第三の勢力が参入してくることもあるという。
ほかにもいろいろあるのだが,いや,そんな難しいルールを15分の試遊で理解するのは無理。まごまごしていると,説明係がやってきて「フレアを撃ったほうがいいよ」「撃たれた仲間を助けよう」みたいなことを言ってくれるけど,全体のシステムが説明されていないので,なかなか分からないわけだ。
もっとも,時間をかけて作っているだけあって,操作感や銃撃感は良好で,さまざまな情報が表示される画面はかなりクール。しかも,このDark Zoneをプレイした日本人は,そんなにいないだろうなと思うと,喜びもひとしおだ。いや,冗談ですよ。
ともあれ,そんなThe Divisionについて,エグゼクティブプロデューサーのFredrik Rundqvist氏に短時間ながら話を聞くことができたので,以下に紹介したい。The Divisionとは,どんなゲームなのか,興味のある人は軽く目を通してほしい。
ちなみに,ニューヨークといえば,厳密にはニューヨーク州全体を指し,マンハッタン島を中心にした都市部の場合は,ニューヨークシティと呼ばれることが多い。というわけで,記事中のニューヨークは,ニューヨークシティのことだと思ってもらえれば,筆者としては3文字ほど省略できて非常に助かります。
4Gamer:
よろしくお願いします。
いきなりですが,ニューヨークに何が起きたのでしょうか。
何者かによって致死性のウイルスがニューヨークに散布されました。これにより,社会も秩序もあっという間に崩壊して,ニューヨークはギャングやテロリストが支配する危険な地域になってしまったんです。
プレイヤーは,大統領直属の組織「The Division」のメンバーとして,ニューヨークを支配する勢力と戦っていくことになります。
4Gamer:
おお,トム・クランシーな雰囲気。主人公は,どういう人物なんですか。
Rundqvist氏:
とくに決まっていません。男性でも女性でも良くて,自由にカスタマイズできます。
4Gamer:
現代戦のTPSとしては,珍しいかもしれませんね。
このゲームの特徴はどういうところにあるのでしょうか。
Rundqvist氏:
オープンワールドのニューヨーク,これがかなり珍しいと思います。さらに,ただのアクションシューターではなく,特性やスキル,クラフティング,さらに武器のカスタマイズなどのRPG要素もあり,それ以外にもいろいろな要素が盛り込まれている――それが本作の特徴です!
4Gamer:
プレイヤーの目的はどういうものでしょうか。
Rundqvist氏:
ニューヨークは,ギャングやテロリストに支配されています。主人公は,街を市民達の手に取り戻すために戦っているんです。最終的にマンハッタンのすべてを市民のものにすることが目的になります。
4Gamer:
ニューヨークを取り戻せ! と。
具体的には,「アサシン クリード」のように,エリア単位で敵を制圧していくんですか。
Rundqvist氏:
違います。このゲームでは,どこのエリアにも最初から行けますので,例えば,遠くなら高いレベルが必要とか,そういうことはありません。
どこで戦っても,経験値はそのレベルに応じて入りますし,取れる武器などもレベルに応じて良くなっていきます。つまり,目的を達成するには,ミッションをこなして,レベルを上げていくことが必要になるわけです。
4Gamer:
なるほど。ミッションにはどういうものがあるんでしょうか。
Rundqvist氏:
トレイラーなどにもあるように,例えばギャングやテロリストが警察署を支配して警官や人質を殺害したりしているところに,プレイヤーが乗り込んで,彼らを解放するものなどがあります。
4Gamer:
つまり,全体的なストーリーといったものはないわけですか。
Rundqvist氏:
リニアなストーリーは,とくにありません。さまざまなミッションやサブミッションを選び,それらをクリアしていくことで,全体の姿が見えてくるというような感覚です。
4Gamer:
いろいろな要素が詰め込まれた作品ということですが,開発において難しかった点はどこですか。
Rundqvist氏:
そうですね。まず一番大変だったのが,RPG要素を現実をベースにしたリアルな世界に落とし込むことでした。ファンタジー要素を抜きにして,RPGを作るわけですからね。
もう一つが,舞台となるマンハッタンの制作でした。どこを歩いても,あ,ここがニューヨークなんだと分かるように作りこむのは大変な作業でしたね。
4Gamer:
ゲームエンジンには,何を使用しているんでしょう?
Rundqvist氏:
まったく新しいビジュアルを見せたかったということもあって,独自のゲームエンジン「Snowdrop Engine」を開発しました。トレイラーやデモにもあるように,雪が美しく再現されています。何もしないで立っていると,頭や肩に雪がだんだん積もっていきますし,雪の降った上を歩くと,次に雪が降るまで足跡が残っています。氷やみぞれの表現にもこだわりました。
4Gamer:
見ているだけで寒そうですね。
では最後に,日本の読者にメッセージをお願いします。
Rundqvist氏:
日本には二回ほど行ったことがあり,とても好きになりました。The Divisionが無事に発売された暁には,日本のファンにも会えたら嬉しいと思っています。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
「ディビジョン」公式サイト
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(C)2016 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy’s, The Division logo, the Soldier Icon, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.
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