インタビュー
「サモンズボード」,協力プレイに覚醒,交換所など2016年は変革の年!? 2周年の振り返りと3年目の展望について,荻原プロデューサーへインタビュー
今回のインタビューで話題に上がった新要素を簡単にまとめておくと,スタミナ0で挑める「お試しダンジョン(仮)」,BOXに眠っているモンスターを活用できる「交換所(仮)」,バトル中にパワーアップする「覚醒(仮)」,ほかのプレイヤーとリアルタイムに遊べる「協力プレイ」に加え,「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」や「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」とのコラボイベントなどが順次実装/実施される予定となっている。
なお,今回のインタビューには2月9日に配信された「2周年記念公式生放送」と一部重複する内容もあるのだが,荻原氏からさらに詳しい話が聞けたので,生放送を見た人も見逃した人も,ぜひご一読を。
「サモンズボード」公式サイト
「サモンズボード」ダウンロードページ
「サモンズボード」ダウンロードページ
イドラがアイコンになったのは“水色”だったから
本日はよろしくお願いします。「サモンズボード」は2016年2月10日で正式サービス2周年を迎えますが,今回はこれまでのサービスを振り返りつつ,今後の展開についてもあれこれお聞きしたいなと思います。
荻原 智氏(以下、荻原氏):
サモンズボードを応援してくださっている皆さんのおかげで,無事に2周年を迎えることができそうで感無量です。本作は2014年2月10日にAndroid版を先行配信して,17日にiOS版を配信しました。当時のアプリアイコンには,“サモンズボード”と書かれたロゴを使っていたんですけど,覚えています?
4Gamer:
最初はロゴだったとは……。自分が始めたときには,すでに「イドラ」アイコンだったので初めて知りました。というか,なぜ「イドラ」だったんでしょうか? 最初に選べるモンスターの中の1体というのは分かるのですが……。
荻原氏:
当時の社内テストで,“水色系のアイコンだと目に付きやすい”という検証結果が出たんですよ。最初に選べる「クレン」「ガルー」「イドラ」の中で水色のモンスターは「イドラ」だったので,これでいってみようということになりました。
4Gamer:
なるほど,そういう理由があったんですね。
荻原氏:
ゲーム内容としては,2014年2月に第1回「ランキングバトル」が開催されたほか,ホークが手に入りやすい「ユートピア」や,災獣シリーズが待ち受ける期間限定のイベントダンジョンなども登場しました。
あと,リリースから1か月が経った2014年3月には,☆6モンスターを実装したのですが,こんなに早く新しいレアリティが出てくるというのはどういうことだと,各所から突っ込まれました(笑)。
4Gamer:
というか,最初は最大レアリティ☆5だったんですね。知らなかった……。
荻原氏:
実はそうなんです。その後,当時の最高難度「極」を超える「冥」として「伝承竜」シリーズを実装しました。さらに2014年4月には100万,同6月には150万ダウンロードを突破し,さまざまなモンスターを追加したほか,ガンホーのタイトルではありますが「ケリ姫スイーツ」(iOS / Android)とのコラボを行いました。
4Gamer:
「ケリ姫スイーツ」コラボで手に入る「ポリン」は,獲得コインと獲得経験値が1.5倍になるリーダースキルを持っていて,人気があったみたいですね。あと,「冥」を超える難度「神」のダンジョン「コナンの塔」が実装されたのもこの頃(2014年6月)でしたっけ。
荻原氏:
ええ,最初の神級のボスは「バロール」でした。その後,2014年7月には「モンスター討伐」の第1回を実装しています。
4Gamer:
現在の人気コンテンツであるランバトとモンスター討伐が出揃った感じですね。ちなみに,モンスター討伐の最初のボスモンスターは何だったんですか?
ランキングバトル |
モンスター討伐 |
荻原氏:
最初は「キュクロプス」ですね。
4Gamer:
なるほど。当時,スキルレベルMAXで“2ターンごとに攻撃力2倍”というアクティブスキルは,かなり強力だったのではないでしょうか?
荻原氏:
かなり有用なモンスターでしたね。そして2014年10月には,既存の4×4マップに加えて,5×5マップが楽しめる「テクニカルダンジョン」が登場しました。確か,4Gamerさんに初めてインタビューを受けたのもこの頃だったような?
4Gamer:
そうです! あの頃は,自分がサモンズボードを始めて間もない時期で……。
荻原氏:
マルチプレイについてグイグイ質問されたのはかなり印象的でした(笑)。
4Gamer:
あの時は,勢いのままにいろいろと質問をぶつけてしまってすみませんでした(笑)。
荻原氏:
いえいえ,ちゃんとプレイしてくれているのが伝わってきましたし,嬉しかったです。続く11月には,フラッシュアニメーション「ケロロ」と,初めての社外コラボを行いました。
4Gamer:
最初の社外コラボが「ケロロ」というのは驚きましたが,いちプレイヤーとしてかなり楽しかったです。ただ,極級の「地下秘密基地」がなかなかクリアできなくてですね……。
荻原氏:
始めたばかりでしたしね。というか,一緒に動画撮りましたよね?
4Gamer:
うわ,懐かしい! まだクリアできるか微妙な段階で,荻原さんにアドバイスを頂きながらギリギリでクリアしたやつですね。
荻原氏:
ありましたね。あれ,結構ドキドキしてましたからね(笑)。さて,話を戻しまして,その後,年が明けた2015年1月には,メインビジュアルとアプリアイコンの変更,そして「ソウルシステム」が登場します。
4Gamer:
ソウルシステムが実装されてから1年も経っているとは……。これによってモンスターに個性を持たせらるようになり,さらにやり込み度がアップしましたね。
荻原氏:
モンスターのカスタマイズ性というのは前々から検討していたことだったんですが,1周年を目の前にしてやっと入れられた感じです。
4Gamer:
1周年と言えば,アニバーサリーダンジョン「ヴァルハラの死闘」には,ものすごく苦戦させられました。しかも,従来のボスとは少し趣が違い,セリフからちょっとしたストーリーが読み取れるのが面白かったです。
荻原氏:
「ブリュンヒルデ」ですね。1周年という節目だったので,こちらとしても気合が入っていました。
初めての他社アプリとのコラボは「メルクストーリア」
4Gamer:
そういえば,Happy Elementsの「メルクストーリア -癒術士と鈴のしらべ-」(iOS / Android)とコラボしたのもこの時期(2015年2月)でしたよね。
荻原氏:
そうですね。他社アプリとのコラボという初めての試みでした。メルクストーリアはサモンズとリリース時期が近かったこともあって,以前から気になっていたタイトルなんです。モンスターが可愛くて,ゲームのやり込み要素も多くて……。
4Gamer:
って,これ以前のインタビューでも聞いたかもしれませんね(笑)。
荻原氏:
同じようなことを言った気がします(笑)。
4Gamer:
では,気になる人は「そちら」のインタビューを見てもらうとして……。
荻原氏:
そうですね(笑)。この頃,なるべく細かい部分のブラッシュアップをしていこうという方針で,初心者へのフォローができるよう,さまざまなことを考えていました。そして最初に登場したのが「師範代★道場」です。
4Gamer:
師範代★道場の報酬に用意された「飛竜」は,ユートピアダンジョンで活躍してくれるので,初心者には必須と言えるモンスターですもんね。自分が始めた当初,飛竜が未実装で「黄龍」もなかなか手に入れられず,極級のユートピアダンジョンでよくやられていた記憶があります。
荻原氏:
なぜそんな無茶を……。
4Gamer:
スイートホークが出てこなければクリアできてたんです! 今では飛竜や黄龍の持つ“追撃”があればラクラク倒せるので,スイートホークが出てきてくれたほうが嬉しいんですけど。
荻原氏:
それはそうですね(笑)。そして2015年5月に,「アルスラーン戦記」コラボと,TVCM第1弾の全国放送を実施し,その後,250万DLも突破しました。
4Gamer:
おお,TVCMははこの時期からでしたか。
TVCM第1弾は2015年の5月末,ガンホーフェスティバルの日にスタートしました。その日は,サーバーに何かあったら困るので,開発陣のほとんどはガンフェスに行かず,社内でずっと待機していました(笑)。さらに,そこからしばらくはほぼ24時間体制でしたね。
4Gamer:
そんな苦労があったとは……。しかし,あのTVCMめっちゃかっこいいです。いつかあんな風に立体視で楽しめたらいいんですけど……。
荻原氏:
相変わらず無茶言いますね(笑)。とりあえずそれは置いておいて……2015年6月には,アタックタイプ,スキルアタックタイプ,カウンタータイプ,アシストタイプ,ディフェンスタイプという計5種類の新しいタイプを追加しました。
4Gamer:
新しいタイプの追加でリーダースキルやアクティブスキルの幅がかなり広がりましたよね。個人的にはこのあたりが転換期だったような気がします。
荻原氏:
そうですね。これは先ほど話に出た細かいブラッシュアップの,一番のメインでしたからね。実は,新しいタイプの正式名称は「2nd(セカンド)タイプ」って言うんですよ。となれば,もうお察しかと思いますが,HPタイプ,攻撃タイプ,バランスタイプは「1st(ファースト)タイプ」という感じです。
4Gamer:
へぇー! 知らなかったです。
荻原氏:
そしてその勢いのまま,2015年6月中には300万ダウンロードを突破し,現在も人気を博している「装姫」シリーズが登場しました。さらに,2015年8月には350万ダウンロードを突破し,「エヴァンゲリオン」とのコラボを行ったという流れです。
4Gamer:
エヴァンゲリオンとのコラボは盛り上がりましたね。半年以上が経った今でもコラボキャラが活躍してくれています。
荻原氏:
その後は,新しいイベントダンジョンやモンスターの追加,進化解放などを行いつつ,2015年10月には400万ダウンロードの突破,2015年11月にはTVCM第2弾「考える男」篇を公開しました。
4Gamer:
最近まで放映されていたTVCMはこのタイミングでしたか。あのTVCMはレトロというか,個性的な雰囲気ですよね。ムロツヨシさんの演技も光っていました。
荻原氏:
そのあたりは,ほかのTVCMに埋もれないようにかなりこだわりましたね。TVCM第1弾はコア向きと言いますか,ゲーム好きの人が「おっ!」と食いつく感じの内容だったんですが,TVCM第2弾はカジュアルさを意識したこともあって,一般的な認知度が高まった気がします。サモンズボードを紹介すると「ああ,ムロツヨシさんがTVCMでやってるゲームね」という反応があったりしますし。
4Gamer:
あのTVCMって,意図的ではあると思うんですけど,前半だけだと内容がイマイチ分からないんですよね。最後に「ああ,ゲームのTVCMだったんだ」ってなる感じで。あと,あのTVCMが放送されてから,知人に「ああ,いつもやってるゲームってムロツヨシさんが出てるTVCMのやつだったんだ」と言われて,認知度が高まってきたのを肌で感じましたね。
荻原氏:
それと,「ログ・ホライズン」イベントもこの頃です。そのすぐあとに名誉システムも追加しました。
滅級のクリア方法は少し想定外だった?
プレイヤーの熱量を再認識するキッカケに
4Gamer:
名誉システムが来たということは……。
荻原氏:
そうです。この時に現在の最高難度「滅」が登場し,2015年12月には滅級よりも難しいと言われている「トルブクガスの塔」を実装しました。
4Gamer:
滅級ダンジョンのボス「バルバレム」は,基本的なパラメータが高いだけでなく,アクティブスキルが優秀で,全体化,貫通,バリアと3つの能力を持っていて,滅らしい強力なモンスターですよね。ダンジョンの背景とかも禍々しい感じで,個人的にすごく好きでした。それに,クリアできるかどうか微妙なラインをついていてすごく良質なダンジョンだなと。
荻原氏:
ありがとうございます。ただ,当初はもっとクリアできるプレイヤーが少ない見込みだったんですよ。私たちが「こういう編成でクリアする人が多いだろう」と想定していたものがあったのですが,それとは違う編成でのクリア方法を考えてくれたプレイヤーがたくさんいて,「やられた!」と思う半面,嬉しく感じました。
4Gamer:
確かに,結構早い段階でクリア報告があがってましたね。
荻原氏:
なので2周年アニバーサリーイベントの1つには,プレイヤーの皆さんに達成する嬉しさを感じていただけるような,第2弾の滅級を用意しています。
4Gamer:
アニバーサリーで滅ぼしにくると(笑)。すでに,トルブクガスの塔で滅ぼされた感があるんですが……。
荻原氏:
滅級の第2弾もなかなか難しいですよ(笑)。
4Gamer:
げっ,本当ですか。
荻原氏:
ただ,トルブクガスの塔よりも間口は広いので,ぜひ挑戦してみてほしいですね。
4Gamer:
なるほど。ちなみに恥ずかしながら自分,塔の最終フロアはクリアできなかったんですよ。
実は、運営チームのみんなも各々の個人端末で挑戦して,最上層まで到達している人は何人もいるんですが,クリアできた人は非常に少なかったんです。トルブクガスの塔は最難関ダンジョンの位置づけなので,本当に難しいんですよ。
4Gamer:
そうなんですね。思い当たるところだと「フォンセ」を使った編成で攻略している人がいたので,あれが答えなのかなと思っていたのですが……。
荻原氏:
実はあの編成も,開発が想定していた最適な編成とは違うんです。
4Gamer:
え,そうなんですか。
荻原氏:
サモンズボードって,攻略方法を探すのが面白いところでもあるので詳しくは言えないのですが,実はもう少し運に左右されずに攻略できる編成があります。
4Gamer:
気になりますね……。
荻原氏:
トルブクガスの塔も定期的に開催していく予定ですので,ぜひ試行錯誤していただきながらクリアを目指してほしいと思います。
4Gamer:
次回の開催,楽しみにしてます。
荻原氏:
次に,年が明けた2016年1月には,「七つの大罪」コラボが登場しました。それと,まだ出してないんですが,もうすでに450万ダウンロードを超えてます。このイベントは,2周年アニバーサリーイベントと被らせたくないので,2016年3月の中旬にやろうと思っています。
4Gamer:
今は2周年プレアニバーサリーの最中ですもんね。
荻原氏:
1周年アニバーサリーの目玉だった「ブリュンヒルデ」が,2周年プレアニバーサリーで進化解放したのは,まだまだ後ろに新しいことが控えているぞ,というメッセージだったりします。
4Gamer:
2周年アニバーサリーが2月10日と言うことは,このインタビューが公開される日にはもう始まっていますね。どうなるのか個人的にも楽しみです。
荻原氏:
10日の0:00には,アニバーサリーダンジョンが始まりますよ。今回は「易」「普」「難」「極」に加えて,「神」の難度も用意しています。
4Gamer:
出た! 「神」は何故か0:00スタート(笑)。ほかのイベントダンジョンと同じように11:00スタートにはならないんですかね? すごく個人的な話なのですが,0:00スタートだと夜な夜な自宅で動画を撮るのがツラくて(笑)。
荻原氏:
あはは(笑)。
4Gamer:
これは私の動画撮影の話なので全然良いんですが(笑)。しかし,TwitterやYouTubeなど見ていると,難しいダンジョンでも1時間くらいであっという間に攻略されることも増えましたよね。
荻原氏:
そうですね。これは,熱量を持ってプレイしてくださっている方が増えているということでもあるので,我々としては嬉しい限りです。
協力プレイはまだまだ試験中
課題は多いが面白くなりそうな予感
4Gamer:
そういえば,ケロロコラボとメルクストーリアコラボの時期にインタビューさせていただいたときに,「十字型のようなステージ」「ギルドで楽しめる新しい要素」「編成を試せるシステム」「協力プレイ」という4点を実装したいとおっしゃっていたんですが,現在の進捗はいかがでしょうか。
荻原氏:
まず大前提として,どの要素も実装できるように最善を尽くしております。そして,この中のうち2つは実装の目処が立ったかなと思っています。具体的には,1つ目が「協力プレイ」で,2つ目がさまざまな編成を試すことができる消費スタミナ0の「お試しダンジョン(仮)」です。
4Gamer:
協力プレイは注目しているファンも多いと思うんですが,近日実装予定ですか?
荻原氏:
いえ,実装はまだ先になりそうで,早くても2016年の夏以降になりそうです。
ただ,今回は少しだけ遊べるものを用意してきました。まだアイデアベースのビルドなので,ゲーム画面を読者の方にお見せすることはできないのですが,仕様としては,最大4人で順番にモンスターを動かす形になります。とりあえず,今回は私と2人で交互にプレイしてみますか。
4Gamer:
お願いします! これ,自分のモンスター以外も動かせるんですね。
荻原氏:
そうなんです。自分のキャラしか動かせないと制限が強すぎて,攻略が非常に難しくなってしまうんですよ。それと,現在はエモーションアイコンを仮で入れていますが,自分のターンではないほかのプレイヤーが,エモーションアイコンを使ったり,特定のマスを光らせたりして,ターンが回ってきているプレイヤーにアドバイスするといった機能も想定しています。
4Gamer:
おお,これ面白い(笑)。ただ,4人もいると順番待ちが心配ですね。1人でやっていても1手にかなり時間をかけてしまいがちですし。
荻原氏:
そうですね。それを改善したものが,1ターンに4人のプレイヤーがそれぞれモンスターを動かすというパターンです。今回は遊べないのですが,この場合だと本来のサモンズボードのルールと異なるため,マルチプレイ専用のダンジョンしか遊べなくなってしまうといったデメリットもあります。
4Gamer:
なるほど……。
荻原氏:
といった感じでいろいろと考えているので,現在の仕様から大きく変わる可能性も十分にあります。とにかく今回は,しっかりと協力プレイを作っていることを見せたかったというのが大きいです(笑)。
4Gamer:
協力プレイを諦めていないことは分かりました(笑)。ただ,現状の仕様だとかなり無理がありそうですね。根本的な部分として協力している感覚が薄いといいますか……。
荻原氏:
はい,そこは我々も認識しています。そのあたりも含めて今後もブラッシュアップしていくので,ご期待ください。
4Gamer:
楽しみにしています! あと協力と言えば次は対戦だと思うんですが,リアルタイム通信対戦というのはシステム的に難しいのでしょうか。
荻原氏:
リアルタイム通信対戦は,技術的にはすでに可能なのですが,ゲームバランスが問題で……。
4Gamer:
こんな質問を投げかけておいてあれですが,サモンズボードはもともとリアルタイム対戦を想定していない作りですしね。
そうですね。正直,現状の仕様だとスキルの効果を対戦用に考え直さないと成り立たない可能性が高いのですが,それはあまりやりたくないなと思っています。
そこで今考えているのは,例えば,単純に4対4の戦いではなくて,それぞれのプレイヤーがモンスターを12体持ち寄って,その中から4体を選出して戦う形式です。これだと,例えば属性の相性などの関係で出す順番が重要になってくるので,戦略性が生まれるのではないかと思っています。そういった形で,対戦のルールを考えることで楽しめるような方法を取りたいですね。
4Gamer:
なるほど。最近のスマホゲームは,エンドコンテンツとしてリアルタイム対戦がトレンドの1つとなっている印象なので,そういう要素が実装されるとまた盛り上がりそうです。
荻原氏:
対戦については,思いついては障害にぶつかってお蔵入り,というのを繰り返しながらも,アイデア自体はかなりの数があります。いつになるかは分かりませんが,こちらも諦めてはいない,ということだけお伝えできればと。
4Gamer:
楽しみにしています。少し話は戻りまして「お試しダンジョン(仮)」はどういうものなのでしょうか?
荻原氏:
はい,「お試しダンジョン(仮)」はスタミナを消費しない神級ぐらいの難度のダンジョンを設けて,いろいろな編成を試せるようにしたいと思っています。報酬こそありませんが,カウンター編成,アタック編成,スキルアタック編成など,さまざまな編成向けのものを用意する予定です。
4Gamer:
確かに新しい編成を試したくても,ぶっつけ本番で試してスタミナをムダにした……なんてこともありますからね。
運営イチオシのモンスターは
「ウルス・ラグナ」だった
荻原氏:
そういえば,正式サービス開始初期から,将棋でいうところの「成り」みたいな要素を追加したいと言っていたんですが,覚えていますか?その「成り」ですが,「覚醒(仮)」という形で比較的近いうちにお披露目できるんじゃないかなと思います。
4Gamer:
おお! 覚醒というのは,バトル中にモンスターが一時的に進化する感じですか?
荻原氏:
そうですね。一定条件を満たすことでそのバトル中だけ,強力なパワーを得るというものです。覚醒する条件としては,ダンジョン内で,そのモンスターが5体の敵を倒すとか,21コンボ以上で攻撃するといったものを想定しています。ちなみに,条件はすべてのモンスターが共通ではなく,各モンスターの特徴に合わせて設定していこうと考えています。
4Gamer:
1回覚醒してしまえば,そのバトル中はずっと覚醒状態が続くのでしょうか。
荻原氏:
モンスターによっては覚醒が解除される条件も設定しようと思っています。例えば,1回覚醒してしまえばそのバトル中はずっとステータスが上昇するものだけではなく,スキルがものすごく強化される代わりに,スキルを使うと元の姿に戻ってしまうものなど,さまざまなパターンを考えています。
4Gamer:
なるほど,戦い方の幅が広がりそうですね。
荻原氏:
それと,まだどういう仕様にするかは決まっていないのですが,覚醒に対応したモンスターは,単純にレアリティを上げるのではなく,“覚醒待機状態のレアリティ”になる予定です。
4Gamer:
覚醒待機状態のレアリティ……? それは,例えば7.5とか6.5といった,既存とは違うレアリティが実装されるということでしょうか。
荻原氏:
レアリティを変えないのか,一律で覚醒待機状態のレアリティという特定のものに変えてしまうかは,現在も検討中です。
4Gamer:
もし,現状☆7のモンスターが覚醒したら,レアリティの上限を突破しますね。
荻原氏:
最初は,最近日の目を見ていないモンスターを覚醒させてあらためて注目させてあげたいので,とりあえずは突破しないと思います。
4Gamer:
なるほど。ずばり,最初に覚醒が実装されるのはどのモンスターでしょうか。
荻原氏:
そうですね,サモンズボードが推している女性モンスターと言えば……?
4Gamer:
えっと……,師範代ですか?
荻原氏:
違いますよ!(笑)
4Gamer:
サモンズボードが推している女の子……ですか。タイトルを見る限りだと「ロフォーヌ」と「イシュタル」あたりでしょうか?
荻原氏:
残念! 実は「ウルス・ラグナ」なんです。
4Gamer:
あっ,ウルス・ラグナなんですね。そういえば,2014年のクリスマスイベントでクリスマス仕様のモンスターとして登場しましたし,言われてみればそんな気が……。
荻原氏:
ウルス・ラグナの覚醒は,“覚醒待機状態”に成長した時点で少し能力が強化されて,バトル中に覚醒することでさらなる力が与えられるという感じで考えています。
4Gamer:
ということは,まずはウルス・ラグナを“覚醒待機状態”に成長させないといけないんですね。
荻原氏:
そうです。そのときには経験値やレベルのリセットをしないようにしたいと思っています。レベル99まで育てて,もう一度レベル99まで育てるのはかなり大変ですからね……。
4Gamer:
確かに。
荻原氏:
ラインナップが全部決まっているわけではないんですが,そういったモンスター達からスポットライトを当てたいと考えています。
「交換所(仮)」でより遊びやすく
4Gamer:
「お試しダンジョン(仮)」に「覚醒(仮)」と盛りだくさんではあるのですが,このほかにも実装が予定されている新要素はあるのでしょうか。
荻原氏:
あとは「交換所(仮)」「プレミアムガチャ」と言ったものを考えています。
4Gamer:
まだまだ出てきますね。まず,交換所はどういうものでしょうか。
荻原氏:
察しの良い読者の方なら分かってしまっているかもしれませんが,レアガチャで入手したモンスターを売却すると「サモンクリスタル(仮)」を得られ,それを消費してさまざまなものと交換できるというものです。
4Gamer:
なんと。余ったガチャキャラ,たくさん育成に使っちゃったなあ……(笑)。
荻原氏:
今までは,レアガチャのモンスターが被ってもスキルレベルを上げるという使い道があったのですが,昨今は,モンスターのスキルレベルを上げる環境が増えてきて,ずっとモンスターBOXにいるモンスターも少なくないので,うまく活用できる場を作ってあげたいなと。
4Gamer:
ペンやコラボモンスターで結構スキルレベルを上げられますもんね。ちなみに交換できるものには何があるんですか?
荻原氏:
いろいろ考えているのですが,育成の素材に使うとベースにしたモンスターのソウルスロットを1個だけ拡張できるモンスターなどですね。
4Gamer:
ソウルスロットの拡張はデカイ!
荻原氏:
ただ,すべてのモンスターが5枠すべてを拡張できるのか,+1枠だけ解放できるのかについては現在検討しているところです。
4Gamer:
すべてのモンスターが上限まで解放できてしまうと,現状で4枠空いてるモンスターのメリットがなくなってしまいますもんね。
荻原氏:
そうなんです。なので今は1枠のみの拡張で落ち着く可能性が高いです。
ほかにもソウルの引継ぎが行える素材モンスターも考えています。今は1度付けたソウルを外せないのですが,ソウルを取って別のモンスターに移すことができるようにしたいと思っています。ただ,これは技術的な問題もあるので,少し後回しになるかもしれません。
4Gamer:
なるほど。
荻原氏:
また,交換所の機能の1つとして,余っているコインを有効活用できるような仕組みも実装予定です。これは,コインを消費することで特定のダンジョンに挑戦できるというもので,行きそびれてしまったイベントダンジョンなどに気軽に挑戦できるようになるのと同時に,現在,使いどころに困りがちなコインに意味を持たせることができると思っています。
4Gamer:
これは嬉しい! 「神」のイベントダンジョンなどは24時間しかオープンしていないので,スキルレベルを上げきれなかったりするんですよね。ただ,なぜか分からないですけど,自分はそこまでコインに余裕がないという……(笑)。
それと,プレミアムガチャについてお聞きしたいんですが,これはどういうガチャなのでしょうか?
荻原氏:
これは「光結晶」を消費するガチャではなくて,ランク100に到達したプレイヤーが無料で引けるガチャで,お礼の意味を込めています。特選ラインナップの中からプレイヤーが持っていない☆6以上のモンスターが1体当たります。
4Gamer:
持っていないモンスターが当たるんですか!? これはすごく嬉しい。期間限定でしか手に入らないモンスターも入っているんでしょうか?
荻原氏:
はい,一部含まれています。このプレミアムガチャの実装は2月8日なので,この記事が載っている頃には皆さん回されているのではないかなと。
4Gamer:
話は少し変わりまして,「七つの大罪」コラボが終わったばかりで気が早いかもしれませんが,次のコラボについて話せることってありませんか?
荻原氏:
次のコラボは決定していますよ。「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」とのコラボです。
4Gamer:
出ましたね!Fate! これは本気を出すしかない……。
荻原氏:
その後には,「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」とのコラボも待ってます。
4Gamer:
おお,ハガレンまで! Fate,ハガレンとかなり大きなIPですね。
荻原氏:
はい,大きなIPとのコラボによって,さらに多くの人にサモンズボードのことを知ってもらえるかなと思っています。
「ランバト」を改修予定
人気コンテンツだけに慎重に進行中
荻原氏:
そういえば,現在皆さんに楽しんでいただいている「ランキングバトル」ですが,改修を予定しています。トライアル版を考えては練り直すということを繰り返している状態ですが……。
4Gamer:
なるほど。良い言葉ではありませんが,ランバトはちょっとだけ作業感がありますよね。自分の場合,ランスロットを横に移動してピッと(スキルを発動)するコンテンツになっています(笑)。
荻原氏:
ああ,ランスロットのスキルを上げると,毎ターンスキルが撃てますからね。
4Gamer:
そうなんです。ちなみに,トライアル版にはどんなものがあったのでしょうか。
荻原氏:
例えば,対戦する相手を選べないで連戦していく代わりに得られるBPが増える「連戦システム」とかですね。ただ,これをやるとクラス報酬に一瞬でたどり着けてしまうので,もっとトレードオフなものを考えようという結論に至ってボツになりました。今のランバトの面白さを残しつつ,つまらないと思われているところが面白くなるような新要素を考えて試行錯誤中です。
4Gamer:
確かに連戦システムは良さそうですが,すぐ終わっちゃいそうですね。
荻原氏:
そうなんです。せっかくなので,ちゃんとジレンマが発生するようなものにしたいという思いはあるんですよ。一方で,その作業感には快適さもあるわけで……。それをなくして得られるものが変わらなかった場合,逆に面倒になったと感じる可能性もあります。
そのあたりが難しいところであり,悩みどころですね。もしかしたら既存のランバトとは違う形のものを実装する可能性もあるかもしれないです。
4Gamer:
違う形……どんなものだろう。あとは,何かお伝えしておきたいことはありますか?
荻原氏:
ゲームの話ではないのですが,イラスト集を3月31日に発売します。
4Gamer:
おお,かねてより噂されていたイラスト集ですね!
荻原氏:
以前の生放送で話題にあがっていたものです。内容としては400ページのフルカラーで,2周年までに登場したコラボ以外のモンスターをすべて収録しています。ラフ画など未公開のものも多く掲載しております。価格は3000円(税別)で,電子書籍版であれば2700円(税別)となります。
4Gamer:
もう予約できるんですか?
荻原氏:
記事公開時にはAmazonなどで予約できるようになっているかと思います。
4Gamer:
必ず手に入れたいと思います! ということで,そろそろお時間となりましたが,最後に読者へひと言お願いしてもよろしいでしょうか。
荻原氏:
無事に2周年を迎えられたのも皆さまおかげです。3年目も引き続き,サモンズボードの開発・運営に全力を尽くし,皆さまに喜んでもらえるようなドキドキやワクワクを提供していければと思っています。引き続きよろしくお願いします!
4Gamer:
本日はありがとうございました!
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