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[GDC 2017]生産体制強化を図るPlayStation VR。吉田修平氏に聞く現状と今後
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印刷2017/03/03 15:07

インタビュー

[GDC 2017]生産体制強化を図るPlayStation VR。吉田修平氏に聞く現状と今後

PlayStation VR
 北米時間2017年2月28日,Game Developers Conferenceでにぎわうサンフランシスコで,ソニー・インタラクティブエンタテインメント Worldwide Studios(以下,SIE WWS)プレジデントの吉田修平氏に短時間ながらインタビューする機会を得た。

 とはいえ,今回はSIE WWS JAPANスタジオの展開についてではなく,「PlayStation VR」(以下,PS VR)のスポークスマンとしてのインタビューだ。PS VRの現状と展望などについて話を聞いてみたので,ご覧いただきたい。

「PlayStation VR」公式サイト



PS VRは全世界の実売ベースで91万5000台を販売


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。PS VRの発売から約4か月が経ちましたが,発売後の状況を簡単にまとめていただけますか。

吉田修平氏
吉田修平氏(以下,吉田氏):
 全世界の実売ベースで91万5000台の販売となりました(関連記事)。申しわけないのですが,いまだに買えないという状況は全世界的に続いていまして,なんとか需要に追いつくように生産数を増やしています。

4Gamer:
 The NewYork Timesのアンドリュー・ハウス氏(SIE社長兼グローバルCEO)のインタビューによると,今年の4月くらいに増産ができるという話のようでしたが。

吉田氏:
 生産数を増やす対応は続けており,4月までには「今よりも買いやすい状況にしたい」と考えています。秋には,これまで発売していなかったラテンアメリカにも販売地域を広げていく予定です。

4Gamer:
 日本への割り当てが,とくに足りていないように思えるのですが。

吉田氏:
 日本では,とくに需要が大きく手に入りにくい状況です。

4Gamer:
 なるほど。2017年度の目標販売数などは設定されていますか。

吉田氏:
 もちろん社内にはありますが,公表はしておりません。(

全世界の出荷台数91万5000台のうち,日本での販売台数はおそらくその1割程度と思われる(4Gamer.netはメディアクリエイトとの提携で毎週の販売データを共有しているので,国内販売数はある程度把握している)。2016年末時点でのPS4の出荷台数が全世界で約5000万台,国内で約400万台なので,台数あたりの比率としてはやや多めなものの,まだまだ足りていない。全世界的に足りない状況とはいうものの,比較的簡単に買える国も存在するのがもやもやする(筆者はAmazon.co.ukで購入した)。

4Gamer:
 発売してからの反響で,期待どおりだったところや意外に感じたことはありますか。

吉田氏:
 期待どおりだった点としては,プレイされているタイトル数が多めであることや,ダウンロードで継続的にゲームをご購入いただいている方が多いことです。「バイオハザード7 レジデント イービル」が登場してからは,1セッションあたりのプレイ時間が延びてきています。そのほか,YouTubeなどのビデオ系のサポートも増やしていますので,そちらの使用時間も延びていますね。

4Gamer:
 バイオハザード7が,VRでフルゲーム可能な初の作品ということで,やはり引き金になっている感じですか。

吉田氏:
 そうですね。フルゲームという意味では,弊社の「DRIVECLUB VR」もフルで遊べるゲームで,プレイ時間も長くなっています。ただ,バイオハザード7は完全な新作で,あの規模の作品がVRで最初から最後までプレイできるという意味では初めてです。カプコンさんは素晴らしい仕事をされたと思います。酔いやすい人でも酔いにくくなるようなオプションまで付けているところが,本当に素晴らしいです。
 弊社のスタッフには,バイオハザード7をPS VRのみでプレイして,プラチナトロフィーを取ったと言っている者もいますよ。プレイ時間を合計すると,55時間ほどかかったそうですが。

DRIVECLUB VR
PlayStation VR

4Gamer:
 55時間ですか!

吉田氏:
 彼はもう,VRはほぼ大丈夫な人になっています。人間は慣れてきますので,プレイ時間が長くてもだんだん気にならなくなってくるんですね。

4Gamer:
 それだけ飽きずに続けられるゲームだったから,というのもあるんでしょうね。

吉田氏:
 ええ。普通に遊んでも素晴らしいゲームだと思います。

4Gamer:
 では,今後の技術的展開についてなのですが,ほかのVR機器を見てもいくつかのトレンドがあると思います。ルームスケールであるとか,視線探査であるとか,ナチュラルインプットであるとか。そういったものについては,SIEではどう取り組んでいますか。

吉田氏:
 研究レベルでは,すべて網羅しています。それこそ,Project Morpheusの頃からいろいろなものに触っていますし,PS VRをどういう商品にまとめるかという点からも見ています。発売後も研究開発という意味では日進月歩ですので,これからも新しい技術については継続的に見ていきます。
 ただ,商品として皆さんにお届けする場合には,家庭用ゲーム機として買いやすく遊びやすい,デベロッパさんも均一の環境でソフトを作りやすい,そういったことを守っていくことも大事だと思いますので,新しい要素を追加していくときには慎重に検討を重ねていきます。

4Gamer:
 やはり商品として置き換えはしにくいものですよね。

吉田氏:
 そうですね。PCは,いろいろな業界でのビジネス用途や拡張性の面で素晴らしいところがありますが,一般家庭で提供する商品としては,「分かりやすい」「これを買っておけば安心」といったところを維持しつつやっていきます。ただ,ゲームを遊ぶうえで「これがあるとさらに面白くなる」といった要素は,我々も新たに投入していくつもりです。
 その第1弾として,海外で発表された「PlayStation VR Shooting Controller」(以下,シューティングコントローラ)という周辺機器があります(関連記事)。これを使うとFPSが本当に楽しくなります。

4Gamer:
 あれはいいですね。以前「Farpoint」で少し試用したことがあります。自分で動き回るVRゲームはたいてい酔いがひどくなるんですが,手に持った銃がリファレンスになっているのか,動いても不快になりにくいのが印象的でした。

Farpoint
PlayStation VR

吉田氏:
 それもあります。その世界により入り込んだ感覚で楽しめます。このコントローラを今回海外で発売することが決まって嬉しく思っています。もちろん,日本でも導入する予定です
 このようなものは,今後もさまざまな可能性を検討していきたいと考えていますし,シューティングコントローラ自体もFarpoint専用ではなく,ガンシューティングでは,どのデベロッパでも使用できるものになっています。

4Gamer:
 機器としては,PlayStation Move(以下,PS Move)だけ世代が古いのですが,入力機器を刷新するような考えはありますか。

吉田氏:
 PS Moveは「古い」というよりは「早すぎた」というべきですね。当時「モーションゲーミング」と言われていた,任天堂さんのWiiに続く流れがあって,「動き」を取る入力機器が各社から出ていたのですが,PS Moveは動きだけでなく,完全なポジショントラッキングができるシステムです。この,技術的に進んでいた3D空間のトラッキング機能を,通常のゲームで活かすというのが非常に難しかったんです。

4Gamer:
 と言いますと?

吉田氏:
 卓球のように動きを反映させるゲームは普通のテレビでも作りやすかったのですが,ポジショントラッキングの良さをゲームに活かそうとしても,ユーザーさんが理解しづらいという問題が出てきました。
 当時,レーン上の立ち位置なども反映されるボウリングゲームなどを作ったりしていましたが,皆さんからは,手の動きだけでプレイするほうがやりやすいとのご意見をいただきました。

4Gamer:
 Wiiのコントローラと同じようなものだと思われていたのかもしれませんね。

PlayStation VR
吉田氏:
 PS Moveについては,我々はPlayStation 3の時代にVRコントローラを作っていたと思っています。
 ハンドコントローラを使い,VR空間に手を表示する機能で一番大事なところはポジショントラッキングです。そこはPS Moveで実現できていますし,人差し指のトリガーで掴むなどのさまざまな動作もできます。コントローラを変更して遊べるタイトルが減ったり,ゲームが作りにくくなったりすることのほうが問題だと思います。

4Gamer:
 なるほど。

吉田氏:
 OculusさんにはTouch,HTCさんにもViveコントローラがあり,ハイエンドのVRデバイスはどれもハンドコントローラが使えるようになりました。入力系が全部揃ったので,デベロッパさんは非常にゲームを作りやすくなったのではないでしょうか。我々もTouchが出て本当に良かったと思っています。これでデベロッパさんの悩みが一つ減りましたから。

4Gamer:
 次に,プロセッサーユニットがHDR信号の入力に対応していない問題について聞きたいのですが……。

吉田氏:
 HDR信号の規格が決まったタイミングなどもあって,サポートできませんでした。
 ハードウェアに直接関係してくるものですので,ファームウェアのアップデートなどでは対応できません。ユーザーさんにご不便を強いてしまっている部分ですので,そこは本当に申しわけなく思っています

4Gamer:
 実は最近出荷されている製品では,こっそり修正されていたりとかはありませんか?

吉田氏:
 ありません。製品としては同じものを一生懸命作っていますので。

4Gamer:
 今後,低価格なHDRテレビが普及すればHDRのアピールもしていくのでしょうから,これは近いうちに直さなくてはならない問題ではないのですか?

吉田氏:
 現在は,PS VRの需要に追いつくことが重要ですので,HDR対応ソフトを楽しむときにはご不便をおかけすることになってしまいます。

4Gamer:
 では最後に,読者に向けてメッセージをお願いいたします。

吉田氏:
 今回,PS VRの実売台数を発表いたしましたが,たくさんの方にご購入いただき,ありがとうございます。一生懸命生産台数を増やしていますので,まだ購入できていない方々も諦めずに次のチャンスをお待ちください。今後はバイオハザード7のように,VRの良さを引き出すソフトが続々と出てきますので,そちらも楽しみにしてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

 新機能については「追加」という言葉が使われていたのが印象的だった。つまり現在の機器を「置き換え」するのではなく,新たな周辺機器なりを増やすことで遊びの幅を拡張する方向だ。
 吉田氏は追加の例としてシューティングコントローラを挙げていたが,これはPS Moveの基本的な構造を残しつつ,実装形態を少し変えた製品だ。汎用性はやや下がるものの,FPSでの使い勝手は非常に良好である。
 これと同じような考え方で,もっと「手」の感覚に近い入力機器だって作れるかもしれない。形状とトリガーさえ工夫すれば,PS Moveの技術のままでも発展性はかなりありそうだ。

 カメラについても,追加のカメラによって認識範囲を広げたり,ジェスチャーのようなものを認識させたり,HMD部に搭載できるカメラによってARやMRといったものを実現をしたりすることも不可能ではないだろう。可能性は無限だ。
 まさに日進月歩の世界なので,製品サイクルの速いPCやモバイル分野でのVRの進化は気になるところだが,同一ソフトが動く環境を揃えないとソフトウェア市場は成り立っていかないのも事実である。ベースとしてのPS VRはそれなりに完成度が高い製品でもあり,それを核として新たな展開を模索していくのが,コンシューマゲーム業界の流儀に即したやり方というものなのだろう。

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