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世界を代表するプロゲーマーチームFnaticの「レインボーシックスシージ」部門インタビュー。雰囲気づくりの秘訣は「メンバーと友達になること」
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印刷2019/04/13 00:00

インタビュー

世界を代表するプロゲーマーチームFnaticの「レインボーシックスシージ」部門インタビュー。雰囲気づくりの秘訣は「メンバーと友達になること」

 世界トップクラスのプロゲーマーチーム「Fnatic」。イギリスのロンドンを本拠地とするチームだが,世界各地に拠点を持ち,さまざまな国で活躍している。
 日本でもその名が知られているFnaticだが,その中でも「レインボーシックス シージ」PC / PS4 / Xbox One 以下,R6S)部門での活躍は知る人も多いだろう。オーストラリアを拠点とするFnaticのR6S部門は,オーストラリアと日本は同じAPAC地域に属しており,日本チームとは幾度となく対戦しているライバルのような関係だ。

 そんなFnaticのR6S部門が来日し,それに合わせてインタビューをする機会を得た。さらに貴重な練習風景も取材してきたのでお届けしよう。

 FnaticのR6S部門は,キャプテンのMagnet選手を筆頭に,Acez選手Lusty選手RizRaz選手Virtue選手Speca選手,そしてDizzle監督の7名が所属している。
 彼らを初めて見たときの印象は「とにかく仲がいい」ということ。また気さくで話しやすく,インタビューにも真摯に対応してくれた。インタビューに慣れていることもあるのだろうが,プレイヤーとしての技術だけではない「プロとしての意識の高さ」を感じた。
 今回のインタビューではそのあたりの話も聞いてきたのでぜひ読んでほしい。

左から,Acez選手,RizRaz選手,Scepa選手(上),Magnet選手(下),Lusty選手,Virtue選手
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 さっそくですが,来日された目的はなんでしょうか。

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Fnatic:
 主な目的は「違う環境」で練習するためです。オーストラリアよりも日本のチームの方が強いので,彼らと練習試合をするためですね。もう1つ,アメリカのチームと練習試合をするとき,オーストラリアでやるより,日本でやった方が回線環境が良いんです。

4Gamer:
 普段の1日の練習時間はどのくらいなのでしょうか。

Fnatic:
 チームとしての練習は1日平均6時間ほど,個人では2時間くらいです。

4Gamer:
 では日本にきてからは毎日練習三昧という感じですか。

Fnatic:
 いえ,そういうわけでもないです(笑)。4月7日にファンイベントがありましたし,ほかにもお花見に行ったり,観光したり。

4Gamer:
 日本を満喫してますね。ファンイベントはいかがでしたか。

Fnatic:
 日本には熱烈なファンが多いんです。オーストラリアでは街に出ても声をかけられることはないのですが,日本だとたくさんの人から声をかけられます。今日も駅で声をかけられました(笑)。大勢の人に知ってもらえていて光栄ですね。

4Gamer:
 オーストラリアでは声をかけられないんですか。それは意外でした。
 APACファイナルの初戦はCYCLOPS athlete gaming(CAG)に決まりましたが,初戦への意気込みと彼らへの印象を教えてください。

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Fnatic:
 僕達が勝ちます。勝つか負けるかを決めるのは僕達です。
 というのは冗談で,CAGはキルプレイが得意なチームです。人数を揃えてセットプレイに持ち込めば必ず勝てると思っています。

4Gamer:
 試合に向けてのコンディションはいかがでしょう。

Fnatic:
 練習のしすぎで疲れてます(笑)。今はきちんとリラックスしている,といったところでしょうか。戦いに備えて気持ちを休めていますね。

4Gamer:
 Fnaticはとてもきれいなセットプレイをしている印象なのですが,何か秘訣はあるのでしょうか。

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Fnatic:
 大事なのはコミュニケーションです。カスタムゲームなどで練習を重ねて,僕らはお互いに,どういう状況のとき,どういう行動をとるかというのを把握しています。レインボーシックスシージはとても展開が早いゲームなので,最低限の報告と合図でお互いの役割を把握し,行動できるようにしています。
 僕らの強みは適応力が高いところだと思っています。相手が違った戦術を取ってきても,ラウンドが終わるころには対応できるようになっています。

4Gamer:
 防衛側のとき外に飛び出して敵を倒すシーンをよく見たのですが,「外に出て敵を倒す」という判断はチームで下しているのですか。

Fnatic:
 チームとして判断することもありますが,そうしたほうが絶対に良いという場面では個人の判断でも飛び出します。
 レインボーシックス シージは技量はもちろんですがメンタルの部分が重要なゲームだと思っています。スポーンキルなどは相手に「脅かす意思を明確に示す」ためにやったりしますね。

4Gamer:
 チームとしての作戦はどうなのでしょうか。

Fnatic:
 サポートが1人,遊撃が2人,アタッカーが2人という構成です。戦う場面では誰かがカバーして数的有利を作るよう意識して戦っています。

4Gamer:
 試合でラウンドを取られてしまったときに,気をつけるべき点はどんなことでしょう。

Fnatic:
 メンタルリセット,気持ちを切り替えることです。弱気になったり,あるいは強気になりすぎたり,メンタルが正常でなければいつもと違う行動を取ってしまいます。そうした時でも気持ちを切り替えることで,いつものプレイができるというわけです。

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4Gamer:
 実際にお会いしてさらに思ったことなのですが,皆さん本当に仲がいいですよね。大会の配信などを見ていても良い雰囲気でプレイしている様子が見て取れるのですが,意識していることはありますか。

Fnatic:
 メンバー全員が友達になることです。そうなれば良いことも悪いことも話せるので,結果的にチームとして強くなります。そしてもう1つ,成功も失敗も個人ではなくチームのものであるとDizzle監督から教え込まれています。みんなで反省し,次につなげることが重要ですから。

4Gamer:
 FnaticはAPACでもトップクラスのチームですが,その原動力はどこにあると考えていますか。

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Fnatic:
 原動力というわけではないですが,どんなプレイをしても僕たちは満足せず,常に上を目指し,全力で戦っています。そうしないとすぐに負けてしまいますから。
 幸いにも僕たちは世界中のトップクラスのチームと対戦できる恵まれた立場にあります。常に上を目指せる場所にいる,というのが答えになるかもしれません。

4Gamer:
 「今に満足せず,常に上を目指し,全力で戦い続ける」。言うのは簡単ですが,実践するのは難しいことですね。Fnaticの強さが分かった気がします。
 ところで,日本に来たのは今回が初めてですか。

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Fnatic:
 いえ,チームとしては二度めですね。桜が咲いているこの季節に日本へ来られたのは幸運でした。

4Gamer:
 お花見をしている写真をTwitterにあげていましたね。今ごろが一番いい季節かもしれません。
 TwitterといえばMagnet選手はよく宙返りしている動画をあげていますが,何かスポーツをしているのでしょうか。

Magnet選手:
 ああ(笑)。体操をやっていました。今も体を動かすためにジムには通っていますね。

4Gamer:
 なるほど,納得です。
 来日されて環境の変化もあると思うのですが,食事には気をつかわれているんでしょうか。

Virtue選手:
 牛丼を食べてます。

Lusty選手:
 僕はネギトロが好き。

Magnet選手:
 大きな声で!

Lusty選手:
 ネギトロです!

Magnet選手:
 よし(笑)。僕は一蘭のラーメンが好きです。

RizRaz選手:
 右に同じ。一蘭のラーメンだね。

Acez選手:
 僕も一蘭のラーメンが一番好きだ。

Speca選手:
 僕はかつ丼かな。

4Gamer:
 一蘭のラーメンが大人気ですね(苦笑)。
 では最後にFnaticはレインボーシックス シージのファンにとってどういう存在でありたいでしょうか。

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Fnatic:
 精神的にも身体的にもすべてのプレイヤーの模範となれるような存在でありたいですね。子供たちが野球選手に憧れるように,eスポーツのファンにとっての憧れの存在になれるよう,頑張りたいです。

4Gamer:
 ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

Fnatic:
 いつも応援してくれてありがとうございます。APACファイナルでも日本の皆さんに応援してもらえると嬉しいです。

4Gamer:
 Dizzle監督からファンに向けてのメッセージをお願いします。

Dizzle監督:
 いつも応援ありがとうございます。APACファイナルでもいい試合ができるよう頑張ります。次のイタリアに行けるように頑張りますので,応援をよろしくお願いします。




 APACファイナルは4月13日と14日に行われる。日本からは野良連合とCYCLOPS athlete gamingが出場する。そしてインタビュー中にも話していたが,Fnaticの初戦の相手はCYCLOPS athlete gamingとなる。大会の模様はYouTubeTwitchOPENREC.tvPeriscopeで配信されるとのこと。彼らの戦いをぜひチェックしてほしい。

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