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「ペルソナ5」の試遊版プレイレポート。多くの最新情報が発表された「完成披露プレミアイベント」の模様とあわせてお届け
ニコニコ生放送「東京国立博物館よりオタカラを頂きます」でも配信された最新情報の発表や,“潜入捜査員”として抽選で選ばれた幸運な一般参加者20名を対象としたプレミアム試遊会が行われた同イベント。本稿では本作をプレイしたインプレッションを,イベントの模様とあわせてお届けしよう。
「ペルソナ5」公式サイト
プレイレポートの前に,まず本イベントで発表された情報について振り返ろう。会場内の特設ステージで最初に公開されたのは,Production I.G制作によるオープニングアニメーションのフルバージョンと,ゲームの序盤を紹介する15分以上におよぶロングムービーだ。
続いて開発者インタビュー映像が流れ,クリエイティブプロデューサー/ディレクターの橋野 桂氏,キャラクターデザイナーの副島成記氏,そしてコンポーザーの目黒将司氏という3名のコメントが紹介された。
まず橋野氏は“回想劇”という構造で作られた本作の物語について,ふつうの高校生がどのように“世直し怪盗団”を結成していくかを,プレイヤーがいかに感情移入して楽しめるかを考えて作ったことを語った。また主人公と怪盗団は,なにかに巻き込まれるのではなく,自分達の発案や好奇心によって,能動的に活動していくところが本作の特徴であることや,破滅に向かっていく物事をいかにして回避するのか,というサスペンスも意識して作ったそうだ。
そのほか,前作をはるかに上回るボリュームだというさまざまな育成要素や新システム“コープ”について,本シリーズを未プレイの人でも,最後まで楽しめるような大きな要素が隠されているということを明かした。
副島氏が述べたのは,本作のキャラクターデザインに込めた思いについてだ。目つきやポーズ,怪盗のときの仕草といった,これまでの作品の主人公とは違い“自己主張の強さ”を感じさせる主人公など,キャラクターそれぞれの,世の中にどう立ち向かうのかという美学やスタイルを意識して作り込んだという。そして彼らの性格や背景にあるものを,いかに落とし込むかがキャラクターデザインの“キモ”であったと語った。
また,怪盗の姿のときはダイナミックなコスチューム,日常はいままでのシリーズにあるような,スマートなイメージの制服といったように,リアリティある日常と異世界での怪盗活劇という非日常の,2面性という点も意識してデザインされたそうだ。
目黒氏は本作の音楽を作り上げるにあたり,怪盗というテーマはもちろん,「ペルソナ3」や「ペルソナ4」に比べてキャラクターの頭身も上がったことで,これまでの作品とは違う“リアリティ”を意識することとなり,頭を悩ませたという。そうして悩んだ結果,イギリスのバンド「ジャミロクワイ」の初期のような“ゆるいアシッドジャズ”が意外と合うことにたどり着き,新たなPサウンドが生まれたという。
一方バトルでは,ガラッと世界が変わったという感覚を生み出すため,いままでどおりのスリリングな,ロックテイストの楽曲を用いたとのこと。とくにボス戦は,自分達はいまピンチの状況にあるというスリルを感じられるよう意識した作りになっているそうだ。
発売までの8週間,毎週異なるキャラクターが登場するという連続テレビCMをはじめ,イベントなど各種情報が公開された。既報のとおり,小学館の漫画アプリ「マンガワン」にて9月15日に,Webコミックサイト「裏サンデー」にて9月22日に始まるコミカライズ連載や,8月13日に開催予定のオーケストラコンサート「GAME SYMPHONY JAPAN 18th CONCERT ATLUS Special 〜ペルソナ20周年記念〜」の追加公演が2016年11月27日に決定したこと,そしてペルソナシリーズ20周年を記念したイベント「ペルソナ20thフェス」の開催が,東京・秋葉原のアーツ千代田 3331で12月8日から2016年12月18日に決定したことが明かされた。それぞれの詳細は公式サイトや続報をチェックしよう。
続いて特番アニメ「PERSONA5 the Animation -THE DAY BREAKERS-」放送日時が明かされた。前半はスタッフとキャストのインタビュー,後半はA-1 Pictures制作による完全新作のオリジナルアニメーションという,2部構成の「ゲーム発売直前スペシャル番組」としてお送りするとのことなので,放送日を楽しみに待とう。
PERSONA 5 THE ANIMATION - THE DAY BREAKERS -
動画URL:https://youtu.be/z3xxx9FXn4k
ここでゲーム本編に関する新情報として「メメントス」が公開された。メインダンジョンとは別に用意された“無限”ダンジョンで,モルガナがバスの姿に変身した“モルガナカー”に乗って移動し,フリークエストに挑めるという。今回公開された映像では,怪盗団がモルガナカーに乗って,砂漠を移動するアニメーションも収録されており,その行動範囲も気になるところだ。ちなみにこのアニメーションは,ちょっとしたお色気シーンもあるので,こちらも(?)見逃しなく。
そして,プレミアム体験会と店頭体験会が開催されることが明かされた。ストーリーパートと,バトルパートの2部構成で,約2時間楽しめるというプレミアム体験会は,各会場40人限定の事前応募制で,締め切りは7月22日23:59となっている。その名のとおり,発売前にたっぷりペルソナ5の世界を堪能できる貴重な機会なので,応募ページの注意事項を確認のうえ忘れずに応募しておこう。
バトルやパレス探索を10分から15分ほどプレイできる店頭体験会は事前応募不要とのことなので,近くで開催されるときはぜひ足を運んでみよう。
なお,体験会は順次開催地が追加予定とのことで,本作の発売日でもある9月15日に開幕する東京ゲームショウ2016でも“なにか”があるそうだ。続報を待とう。
「『ペルソナ5』全国プレミアム体験会&店頭体験会」情報ページ
URL:http://p-ch.jp/news/detail/?nid=432
最後に発表されたのは,信頼関係を築いていくことで協力関係「コープ」が結べる,怪盗団の協力者の7人だ。
新宿で活動するタロット占い師の御船千早(CV:松来未祐),ゴシップ記者の大宅一子(CV:内山夕実),主人公のクラスメイトで自称・怪盗団の広報役三島由輝(CV:阪口大助),“美しすぎる棋士”として注目の女流棋士東郷一二三(CV:磯村知美),七回連続落選中の政治家吉田寅之助(CV:野田圭一),秋葉原のゲームセンターに通うガンシューティングの天才プレイヤー織田信也(CV:金田アキ),そして主人公の担任である女教師の川上貞代(CV:渕上 舞)という,年齢も職業もバラバラな,個性的な顔ぶれが揃っている。
それぞれの紹介ムービーが公式サイトの「COOPERATION」ページで公開されているので,6月のE3特番で明かされた岩井宗久(CV:江川央生),武見 妙(CV:斉藤佑圭),佐倉惣治郎(CV:中田譲治)の3人とあわせてチェックしておこう。
発表会の終了後には,橋野氏が登壇し,「待ってくれていた人達の期待に応えられるような形で本作を完成させることができた」とコメントした。続いてアトラス取締役の平岡直人氏がステージに立ち,長く待たせてしまったことを申しわけない気持ちだったが,たしかな手応えをもってプレミアイベントを迎えられたことや,本作を少しでも多くの人に手にとってもらい,その魅力を知ってもらいたいという思いを述べ,イベントは終了した。
橋野 桂氏 |
平岡直人氏 |
さて,ここから試遊版のプレイインプレッションをお届けしよう。筆者もプレミアム体験会に参加し,ストーリーパートを2時間弱,バトルパートを15分ほどプレイすることができた。
まずはとある高級カジノから物語が始まるストーリーパート。プレイヤーは仮面の怪盗である主人公を操作し,仲間の声に導かれながらカジノから逃げ出すのだが,追いかけてくる黒服達や異形の怪物と時に戦い,時に物陰に潜んでやり過ごしながら,きらびやかなカジノのシャンデリアや看板に飛び移って逃亡するというのは,さっそく怪盗気分が味わえて楽しい。物陰に隠れたり,看板に飛び移ったりというアクションも,○ボタンでテンポよく行えるので爽快だ。
カジノは警官隊に包囲されており,主人公は捕らわれてしまい尋問室に送られる。ここで面白いのが,主人公の名前登録が調書への署名というところだ。自白剤らしき薬物の投与や暴力という,不当な取り調べを受けていた主人公のもとに現れたのは検事の女性新島 冴。彼女から異世界や心を盗む方法について問われ,主人公はまだ怪盗になる前の,普通の少年に過ぎなかったころ……東京に引っ越してきて不思議な出来事に巻き込まれ出した半年前の記憶をたどり始める。
橋野氏が述べたとおり回想劇で始まる本作は,まるで映画をみているような感覚で,ストーリーに没入できる。
ゲーム本編は,カジノの事件から半年前の4月から始まる。とある無実の罪を着せられ,前歴がついてしまった主人公は,東京の高校に転学となり両親の知人である佐倉惣治郎を頼って上京する。主人公の拠点となるのは東京の“四軒茶屋”だ。ゲームで描かれた四軒茶屋の路地裏の風景は実際の街並みのようで,住まいとなる惣治郎の店「喫茶店ルブラン」も,昭和な店構えで渋い。
ダンジョンには,警戒度という数値があり,敵に発見されると警戒度が上がり,高くなるほど敵の警備が厳しくなる。怪盗らしく闇に紛れながら移動し,敵を見つけたら隙を突くように戦うか,隠れながらやり過ごすなどの注意が必要になりそうだ。
また1ボタンでメンバーの回復スキルを使用して,パーティの体力を回復できる「オートリカバー」という機能が加わっていた。もちろんメンバーのSP(スキルポイント)を消費するので使用の際は注意が必要だが,とても便利で使い勝手のいい機能だ。
ここからはバトルパートについて触れよう。バトルはこれまでの作品同様コマンド方式のターン制だ。コマンドは各行動がボタンに割り振られていて,感覚的に操作できるためテンポよく進められた。敵味方ともに苦手属性があり,弱点を突くと敵に大ダメージを与えてダウン状態にでき,もう一度行動できる“1more”状態になるというのもこれまで同様だが,1moreが発生したときにR2ボタンを押すと,1moreで得た行動のチャンスをほかの仲間に託せるという「バトンタッチ」という要素が加わっていた。託された仲間の攻撃力やスキルの威力が上昇するというこのシステム,今回の試遊版では使用できたが,託す側,託される側ともにバトンタッチができるようになるアビリティが必要ということだ。
本作では敵全員をダウンさせ,“ホールドダウン状態”すると,ペルソナ3,ペルソナ4と同じく総攻撃ができるほか,シリーズとしては「ペルソナ2 罰」以来となる「会話交渉」が行える。シャドウと会話することで,アイテムや新しいペルソナの入手などができるようだが,会話の運び方や内容がシャドウの性格によって違ってとても楽しく,気づけば時間のかぎりいろんなシャドウと会話していた。
会話は,その内容次第でシャドウから色違いのアイコンが出てくる。わざと怒らせるような会話をしてみたら,赤い怒りマークが出て,交渉は決裂して戦闘に戻った。瀕死のシャドウが命乞いをしてくることもあり,その会話の内容もさまざまだ。
ほかにも銃による攻撃や,炎上,凍結,感電状態といったバッドステータスなど,いくつか懐かしい要素が復活しており,昔からのシリーズファンなら思わずニヤリとしてしまうところも多いだろう。
筆者は竜司がペルソナに目覚めるところまでプレイすることができたが,今後登場する仲間達もどのような形でペルソナに目覚め,そしてどのような活躍を見せるのか楽しみだ。
【会場展示】
「ペルソナ5」公式サイト
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