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光学センサー搭載ワイヤードマウス「COUGAR 300M」レビュー。DHARMAPOINT「DRTCM37」のクローンを冷静に正面から評価してみる
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印刷2015/05/16 00:00

レビュー

DHARMAPOINT「DRTCM37」のクローンを冷静に正面から評価してみる

COUGAR 300M Gaming Mouse

Text by BRZRK


COUGAR 300M Gaming Mouse
メーカー:HEC/COMPUCASE Enterprise
問い合わせ先:マイルストーンサポートセンター 03-3864-3763(平日9:00〜17:00)
実勢価格:7200〜7600円程度(※2015年5月16日現在)
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 台湾HEC/COMPUCASE Enterpriseが展開している周辺機器ブランド「COUGAR」(クーガー)から2015年4月30日に国内発売となったワイヤードマウス「COUGAR 300M Gaming Mouse」(以下,COUGAR 300M)。そのハードウェアが,かつてDHARMAPOINTブランドで販売されていた光学センサー搭載ワイヤードマウス「DRTCM37」と極めてよく似ており,並大抵のクローンではないという話は2015年5月8日の記事でお伝えしたとおりだが,本稿では「で,COUGAR 300Mは買いなのか」という点について掘り下げてみたいと思う。
 なお,先の記事で語られている内容は繰り返さないので,この点はご注意を。マウスの中を見たい人は,先の記事をチェックしてもらえれば幸いだ。

これはコピーというレベルじゃない。「COUGAR 300M」とDHARMAPOINT「DRTCM37」を横並びで比較してみた



もともと定評ある形状ということで

その外観に違和感はない


 テストに先立って,COUGAR 300Mのスペックを下のリストで概観しておきたい。「ケーブル抜き」としてある重量は,分解時,実際にケーブルを取り外して計測したときのものである。

●COUGAR 300Mの主なスペック
  • 基本仕様:光学センサー搭載ワイヤードタイプ
  • ボタン数:7個(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,ホイール手前×1,左サイド×2,プロファイル変更×1)
  • 最大トラッキング速度:60IPS(≒1.52m/s)
  • 最大加速度:20G
  • 画像処理能力:未公開
  • フレームレート:6400fps
  • DPI設定:400〜4000DPI(400DPI刻み)
  • USBレポートレート(ポーリングレート):125/250/500/1000Hz
  • データ転送フォーマット:16bit
  • 実測サイズ:78(W)×135(D)×40(H)mm
  • 実測重量:約131g(※ケーブル込み),約92g(※ケーブル抜き)
  • マウスソール:未公開
  • ケーブル長:1.8m

2015年5月8日の記事より再掲となる,COUGAR 300Mのセンサーユニット
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 今となってはかなりの旧式となる光学センサー「ADNS-3090」を採用することもあり,トラッキング速度や最大加速度のスペックは控えめだ。低感度でガシガシとマウスを高速で動かすタイプの人からすると,なかなか選びづらいかもしれない。
 DPI設定は400刻みのざっくりとした選択しかできないので,この点も注意が必要だろう。

 さて,あらためて確認するまでもないが,68(W)×124(D)×39(H)mmという実測サイズは,DRTCM37と完全に同じ。DRTCM37だとケーブル込みの重量は約129.5g,ケーブル抜きのそれは約91gだったので,「ほぼ同じだが,若干重い」ということになる。ネジが増えたりしているので,それが影響しているのだろうか。

黒+黄と黒+橙の2モデル展開となるCOUGAR 300Mの黒+黄モデルを,4Gamerの比較用リファレンスマウス「Gaming Mouse G500」と並べたところ。奥行きはわずかに短い程度だが,背の高さが明らかに低いため,握ってみるとCOUGAR 300Mのほうが一回り小さく感じる
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 さて,そんなCOUGAR 300Mにおける最大の特徴となるのは,DRTCM37(および,DRTCM37と同型でレーザーセンサーを搭載する「DRTCM38」)クローンとして初めて,上面カバーと左右メインボタンが一体化した,いわゆるワンピースタイプとなっていることだ。そのため,当然のことながら「クリックを普通に使えるポイント」はDRTCM37と比べると狭く,具体的にはDPI切り替え用ボタンよりも奥側(=前方側)がスイートスポットとなる。それよりも手前側(=後方側)は,押下に強い力が要求されるため,実用的ではない。

 そんな上面カバーにはつや消し加工が施されており,指先が触れるとわずかにサラサラとした感触がある。この表面加工が若干の滑り止めとなっているため操作は快適だ。ただ,この加工は,指先の油分が付着すると,その部分だけ色が濃くなり,若干目立ってしまうのは気になった。定期的に拭けば“痕跡”は消えてくれるのだが,それでも,触れていない部分と比べるとややテカって見えてしまう。これを安っぽく感じる人はいるだろう。

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「つまみ持ち」や「かぶせ持ち」時,凹みに指が自然と収まるデザインになっている
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ケーブルは布巻きタイプで,太さは実測約3mm。若干硬めに感じたが,引っ張られるほどでもなかったので,意外と馴染みやすいのかもしれない
 左側面は中央に向けて凹んだ形状をしており,この部分に親指を自然と配置できるようになっている。上面パーツとの境目にはサイドボタンが2つあり,長さは奥側が約19mmで,手前側が28mm。幅は奥側と手前側ともに約7mmで,サイドから約1〜2mmほど突き出ている。まあ,このあたりはDRTCM37と寸分違わない。
 なお,2015年5月8日の記事では,サイドボタン手前側スイッチの高さがCOUGAR 300MとDRTCM37で違うという指摘を行っているが,使用感レベルで劇的な違いはなかった。

 スクロールホイールはラバーで覆われている。ラバーの幅は実測約7mmあり,3mmごとに約1.5mmほどの大きさの溝が掘られていた。個人的には,ZOWIE GEARのマウスに近い感触で,とくにこれといった問題もなく,普通に扱える印象だ。


握った印象はDRTCM37と完全に同じ

ただし,滑りは鈍くなっている


 実際に握った感じはどうか。写真と短評で以下のとおりまとめてみたので,参考にしてもらえればと思う。

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「つまみ持ち」の例。左右両側面の手前側にあるくびれた部分に,親指と薬指,小指を配置すると持ちやすい
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「つかみ持ち」の例。両サイドでくびれだした部分の奥側に親指と薬指,小指を配置すると,持ちやすく,しっかりとホールドできる
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「かぶせ持ち」の例。とくにこれといった不満もなく操作可能。日本人としては手が大きな筆者でも馴染みやすかった
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筆者独自だと思っている「BRZRK持ち」の例。小指と薬指を右サイドに立てるように配置するとホールドしやすい

 以上,もともとDRTCM37が「小型の『IntelliMouse Explorer 3.0』」的な位置づけの製品だったこともあり,それと同じ形状を採用するCOUGAR 300Mも,DRTCM37,そしてオリジナルとなるIntelliMouse Explorer 3.0同様,さまざまな持ち方をカバーできる。今回筆者は,「ARMA 3」や「Verdun」といったFPSだけでなく,最近遊ぶようになってきた「Heroes of the Storm」といったMOBAで,何時間もプレイし続けてみたが,使い勝手という点で,違和感を覚えることはほとんどなかった。

COUGAR 300Mのソールは非常に大きい。古めかしい,と表現することも可能だろう
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 気になったのは,マウスソールが巨大化して抵抗が増し,明らかに滑りが“重く”なっていることのほうだ。「COUGAR 300MはDRTCM37の滑りを抑えたタイプ」と言っていいほど,感覚は変わっている。DRTCM37からの乗り換えを検討している場合は,ソールonソール(※ソールの上に別のソールを貼ること)を試してみることを勧めたい。
 なお,上面カバーの変更により,左右メインボタンの“返り”が変わったこと自体は,1時間も連続でプレイしていれば慣れると思う。


ダウンロードで入手できる設定ツールは

シンプルながら必要最低限の機能を持つ


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 COUGAR 300MはWindowsのクラスドライバだけで動作する,いわゆるドライバレス仕様となっている。ただし,最近のゲーマー向けマウスにおける御多分に漏れず,COUGAR 300Mも,COUGAR公式サイトのダウンロードページから統合設定ツール「COUGAR UIX System」(以下,UIX)を入手,導入すると,ファームウェアのアップデートやマウスの各種設定を行えるようになっている。UIXのデザインはシンプルで比較的分かりやすいため,こういったソフトウェアに慣れていない人でも難なく使いこなせるのではなかろうか。

 下に示したのはUIXのメイン画面だ。
 COUGAR 300Mは3つの動作モードを本体底面のボタンで順繰りに切り替えられる関係で,UIXでも「モード1」〜「モード3」で異なるセンサー設定とキー割り当て設定,LED設定を行える。DPIは最大で2パターン選択しておくと,スクロールホイール手前のボタンを使ってやはり順繰りに切り替え可能になっている。

UIXのメイン画面。「スナイパーDPI設定」というのは,後述する「キー割り当て」で任意のボタンに「スナイパー」を割り当てると,当該ボタンを押しているときだけ,ここで指定したDPI設定に切り替えるというものだ。台湾系のゲーマー向けマウスによくある機能である。なお,[適用]ボタンを押すと,設定はすぐ反映された
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 メイン画面で「モード1」〜「モード3」の上には「ゲームプロファイル管理」という選択肢もあるが,ここでは各モードに割り当てる「ゲームプロファイル」を文字どおり管理できる。「ゲームプロファイル」にゲームタイトルの実行ファイルを紐付けておくと,COUGAR 300Mの底面に用意されたモード切り替えボタンを押さずとも,自動的に動作モードを切り替えられるので便利だ……と書こうと思ったのだが,ゲームを終了しても,モード切り替え前の状態には戻ってくれない。結局は底面部のボタンを押さねばならないので,激しく微妙である。

 なお,ボタンへの機能割り当てと,LEDカスタマイズの画面は下に示したとおりだ。

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「キー割り当て」では,「基本」「詳細」「マクロ」のタブから割り当てたい役割のアイコンを選択し,マウスの画像にあるボタンから伸びているボックスへとドラッグすることで割り当てを設定できる
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「ライティングコントロール」では,動作モードに応じて光るLEDの色と点灯方法を確認可能。LEDが埋め込まれているのはDPIインジケータ部分だけなので,意外と地味だったりする

 全体としては,ゲーマー向けマウスの設定用ツールとして,最低限必要な要素がしっかり入っている印象である。多機能ではないが,無難な完成度になっていると言っていいのではなかろうか。


センサー性能は「残念」の一言

ほとんどチューンされていない?


 恒例のセンサー検証に入ろう。今回は,下に示したテスト環境および設定でテストを行う。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
    ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
  • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●テスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:V5
  • UIXバージョン:V1.03
  • DPI設定:400〜4000 DPI(主にデフォルト設定の800 DPIを利用)
  • レポートレート設定:125/250/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の1000Hzを利用)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

 まずは,マウスを接地面から持ち上げ,反応が途絶する高さ「リフトオフディスタンス」から見ていこう。ここでは,市販されているマウスパッド14製品上で,厚みの異なるステンレスプレートを重ねながら,反応が途絶する高さを計測する。その結果をまとめたのがで,「Razer Manticor」を除き,すべてで2.1mm以上となった。リフトオフディスタンスに関し,COUGARとしてのチューンが一切入っていないのではないかと疑われる結果だ。

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 センサーチューニングに関する疑問が若干生じたところで,次は「MouseTester」を用いたテストだ。
 ここではマウスパッドを「ARTISAN 隼XSOFT」,レポートレートはデフォルトの1000Hzでそれぞれ固定。その状態から,400/800/1200/1600/2000/4000DPIを選択し,その挙動をチェックすることにした。

 下に示したグラフは,Y軸のプラス方向が左への移動。対するマイナス方向が右への移動時におけるカウント数,横軸がms(ミリ秒)をそれぞれ示している。青い点が実際に検出したカウントで,青い線は検出された点を正規化したものだ。ざっくり,「波線が青いライン上にあればあるほどよい」ことを踏まえつつ,並べた結果を見てみてほしい。

400DPI設定時。頂点付近だけでなく,マイナス方向(=右方向)へマウスを振っている最中にプラス方向へと戻る症状が見られる。これはよろしくない
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800DPI設定時。点と線がグチャグチャになりだしている。ここでもマイナス方向へ動かしているとき,プラス方向へと戻る症状が確認できる
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1200DPI設定時。「マイナス方向へ動かしているとき,プラス方向へと戻る症状」がより顕著に表れている
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1600DPI設定時。乱れ具合はさらに大きくなった
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2000DPI設定時。マイナス方向へマウスを振ったときの乱れ具合はさらに大きくなった
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4000DPI設定時。大変なことになっている
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 というわけで,端的に述べてひどい結果になった。テストミスを疑って何度かテストし直したくらいだが,頂点付近でガッツリと挙動が不安定になり,マイナス方向へ加速しながらマウスを動かしている最中にプラス方向へのネガティブアクセルが生じている状況に変化はなかった。
 なぜこういう現象が生じるのか,断言はできないものの,先ほどのリフトオフディスタンスを見ても,COUGAR 300M(のファームウェアV5)でセンサー出力の最適化らしきものがほとんど行われていないとはいえそうである。

 最後に,直線補正の有無を確認しておきたい。
 UIXに直線補正関連の設定項目はないのだが,下に示したテスト結果を見る限り,体感できるレベルの直線補正は入っていないと述べていいだろう。実際,ゲーム中にも,直線補正特有の引っ張られる感覚を受けることはなかった。

Windows標準の「ペイント」を使って線を引いてみた結果
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COUGAR 300MはDRTCM37のバージョン0.9!?

現時点では勧めにくい


製品ボックス
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 以上,驚くほどDRTCM37に似ているCOUGAR 300Mをチェックしてきたわけだが,「似ているのは第1印象の手触りや握った感じだけ」というのが正直なところだ。とにかく残念なのはセンサー性能で,今後のファームウェアアップデートで改善するかもしれないが,褒めるところのないリフトオフディスタンスと,右方向へ動かしている最中に左方向への移動が検出されてしまう問題があるわけで,さすがにこれを勧めることはできない。
 以前,MizarはDRTCM38のバージョン1.5的な存在だという話をしたことがあるが(関連記事),それに準じて語るなら,COUGAR 300MはDRTCM37のバージョン0.9的な存在といえるかもしれない。

 この形でなければダメだという人も,最低限,今後のファームウェアのアップデートで「センサー性能が改善された」という情報が出てくるのを待ったほうがいいのではなかろうか。

COUGARのCOUGAR 300M製品情報ページ(英語)

マイルストーン(販売代理店)のCOUGAR 300M製品情報ページ

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