正装の刀剣男士がレッドカーペットに登場！ 「映画刀剣乱舞」三日月宗近役・鈴木拡樹氏ほかキャストが語る驚きの撮影裏話とは？

　2018年12月27日，TOHOシネマズ六本木ヒルズにて「映画刀剣乱舞」完成披露上映会が行われた。映画の上映後には耶雲哉治監督と刀剣男士を演じたキャストが揃ってステージに登壇し，映画の制作秘話が語られた。本稿では，その模様を写真とともにお届けしよう。

「映画刀剣乱舞」公式サイト

　上映後の興奮冷めやらぬなか，正装したキャストたちが1人ずつシアターに登場すると，客席の間に敷かれたレッドカーペットの上を歩きながら，観客や生中継のカメラに向かって手を振った。鈴木氏によれば，事前の説明で「通路を歩くところは1人につき1分の持ち時間で」と指示があったそうだ。1分は持たないだろうと思いながらも，トップバッターとして後続の皆のために「頑張りました」と笑いをとった。


　また，この日のキャストたちの衣装はそれぞれが演じたキャラクターをイメージしたものだそうだ。白いタキシードに身を包んだ荒牧氏には，他キャストから「紅白先取り!?」「（山姥切国広のように）汚しを入れたほうがいいのでは？」などのツッコミも。定本氏が，藤四郎兄弟はお揃いのタキシードであることを明かしつつ北村氏の横に立つと，客席からは拍手が上がっていた。次から次へとツッコミや小ネタの応酬が続き，会場は映画のシリアスな雰囲気からは想像できないほど，笑いの絶えない空気になっていた。


　映画について鈴木氏は，舞台では周りの風景を想像しながら演じているところもあったが，映画では360度セットがあるため，新鮮な驚きがあったと語った。さまざまなロケーションで撮影を行ったことで，砂利道は戦いにくいなどの新たな発見があったようだ。加えて戦いの場面では，ほかの刀剣男士との息の合わせ方が映画と舞台では異なるとも述べていた。

　戦いの難しさで言えば，日本号を演じた岩永氏にも苦労があったという。槍は大柄な男性の背丈ほどの長さがあるため，その扱いに苦戦して戦闘シーンで小道具の槍を折ってしまったそうだ。しかし折らないようにと遠慮してしまうと動きが小さくなるので，それはしないでほしいと監督からアドバイスと励ましがあったというエピソードを話してくれた。


　和田氏は岩永氏と初対面だったそうで，トラブルでものすごい表情になった岩永氏を現場で見て，とんでもない人だと思ったと明かしていた。しかしその後，中身は素晴らしいお兄さんであることが分かったそうで，大いに甘えていたとのこと。和田氏はさらに，撮影現場はとても和気藹々としていい雰囲気だった。監督がいい空気を作ってくれていたと絶賛していた。


　苦労話は衣装が“短パン”の北村氏と椎名氏にもあったそうだ。森の中での撮影が多かったため，ブヨに刺されて血が出ることもあり，椎名氏はブヨについて調べたり画像検索したりしていたらしい。そのおかげか，ほかのキャストから「たいちゃんのおかげでブヨに詳しくなった！」という声が上がっていた。また，撮影は3月だったので冷え込む夜も多かったそう。足が冷えないようにと，衣装スタッフから北村氏と椎名氏にブランケットやレッグウォーマーが渡されており，スタッフ愛にあふれる現場だったとも語っていた。

　岩永氏と同じく刀剣男士を演じるのが初となる鶯丸役の廣瀬氏は，キャスト発表のちょうど1年前の日に，「うぐいす」というタイトルでブログを書いており，演じる役名との一致に驚いたそう。だがその記事では，屋外で見つけた“うぐいす”の写真を載せたところ，それは“メジロ”ではというツッコミのコメントが届いていたエピソードを披露。このエピソードには客席から大きな笑いが起こっていた。


　骨喰藤四郎役の定本氏も刀剣男士を演じるのは初めてなのだが，殺陣も初体験だったとのこと。周りが上手い人ばかりということもあり緊張もあったが，そのぶん事前にたくさん練習し，撮影中は同じ藤四郎兄弟の北村氏をはじめ，多くのキャストがアドバイスをくれたという。
　耶雲監督は，キャストの多くが舞台で同じ役を演じていたためその部分での心配はなかったが，舞台作品を超えられるかというプレッシャーがあったと語った。しかし，いい作品ばかりだからこそイマジネーションが湧いたこともあったそうだ。

　続いて，西川貴教氏による主題歌「UNBROKEN（feat.布袋寅泰）」の話題に移る。鈴木氏は，舞台では和楽器の曲が中心だったのでロック調の本曲を聴いて，あらためて映画作品だという実感が強まったと話してくれた。耶雲監督によれば，西川氏には編集中の映像を観てもらい曲を制作してもらったそうなのだが，西川氏が本作を大いに気に入り，次回作があるなら次は刀剣男士になりたいと語っていたというエピソードを披露。それを聞いたキャストたちは，そうなると衣装はやはり短パン，もしくは西川氏のヒット曲でお馴染みのあの黒い帯状の衣装か，と盛り上がっていた。

　撮影中は空腹になることも多いが，鈴木氏がよくお菓子を配っていたというエピソードもあがった。お菓子やカイロを配る姿がよく見られたそうなのだが，鈴木氏は「後半はもう自分でも『お菓子配るおじさん』とネタにしていました」と話し，会場に笑いが起きていた。


　トークセッションのラストは，鈴木氏が「映画！」と叫んだあと，観客全員で「刀剣乱舞！」と声を上げる場面も。おまけの裏話として鈴木氏が，この映画は撮影でドローンを使っていたが，最後のほうのシーンで，弓でドローンを射抜いてしまったことを明かした。「1台ヒットした」＝「大ヒット」という願掛けとして映画が大ヒットしてほしい，そして失われたドローンを取り返すために頑張りたいと話し，観客からは笑いと大きな拍手が上がっていた。

　最後に，耶雲監督から締めの挨拶があった。監督は「この映画はキャストやスタッフ，関係者全員が一丸となって作り上げました。ですが，観客のみなさんに観ていただいて初めて完成します。熱を込めて作ったので，刀が熱で鍛えられるように，その熱がみなさんに広がって“刀剣乱舞”を大きく育てていただきたい」と話し，大盛況の舞台挨拶の幕は閉じられた。

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