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ハロー!Steam広場 第179回:素早い裸エプロンの老人が,鼻歌を歌いながら追いかけてくる「Remothered: Tormented Fathers」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,Steamの年末セールに合わせてコールドスリープから目覚める上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第179回は,「Silent Hill」や「Clock Tower」へのトリビュート作品として制作されているホラーゲーム「Remothered: Tormented Fathers」を紹介しよう。舞台となるのは,謎の病気を患う老人フェルトン博士の屋敷だ。プレイヤーはこの屋敷で“あるもの”を目撃してしまい,裸エプロンに着替えた彼に追い回される羽目になる。
※グロ注意なスクリーンショットもあるのでご注意を。
裸エプロンの老人に追い回されるホラーゲーム「Remothered: Tormented Fathers」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,イギリスのゲームデベロッパDarril Artsが手掛けるホラーゲーム「Remothered: Tormented Fathers」を紹介しよう。
本作の主人公であるローズマリー・リードは,謎の病気を患う元公証人のフェルトン博士の屋敷を訪ねた。彼女は病気の治療法があると偽り,博士と対面するのだが,彼女がここに来た本当の目的は,博士の娘が失踪した理由を調べることだった。しかし,ローズマリーの真意を知った博士は激怒し,彼女を屋敷から追い出してしまう。
諦めの悪いローズマリーは,夜中に屋敷へ侵入する。そして,屋敷の中を探索していると,博士の寝室を発見。シャワーを浴びている博士の目を盗んで,寝室に足を踏み入れたローズマリーは,彼のベットの上で腐り果てた少女の遺体を見つけてしまう。タイミング悪く浴室からはシャワーを止める音が。はたしてローズマリーの運命やいかに。
プレイヤーの目的は,この屋敷で起きていることの謎を調べつつ,脱出することである。流れとしては,屋敷中に散らばったキーアイテムを見つけ,それを使って新しいフラグを立てていくといった感じだ。次に何をするかは明示されないので,基本的には練り歩いてアイテムを探しながら,ヒントを得ていくことになる。
屋敷の構造はあまり複雑ではなく,マップを把握するのは簡単だ。唯一の問題となるのは,ローズマリーの侵入に気付いた博士の存在である。冒頭に綴ったイベントを終えると,博士はなぜか裸エプロンの格好で屋敷を徘徊し始めるので,これに見つからないよう探索しなければならない。
プリケツの博士はやたらと耳が良いので,走ると確実に位置がバレてしまう。加えて,プレイヤーを見つけるやいなや,老人とは思えない速さで駆け寄ってきて,その手に持った草刈り鎌で攻撃してくるという凶暴性も持ち合わせている。
プレイヤーがこの先を生き延びるためには,しゃがむ,隠れる,物を投げるという3つのサバイバル術を駆使しなければならない。しゃがみ歩きで足音を消し,ピンチになったらタンスやソファーの下に隠れる。見つかったときには,食器やら家具やらを投げて動きを止めるのだ。
タンスやソファーの下に隠れているときも油断はできない。隠れている場所の近くに博士が来ると,円形のインジケーターが現れ,このチャレンジに失敗すると見つかってしまうからだ。円形のインジケーターの中央には白いモヤが表示される。こもモヤは,円の外に出ようと動くので,プレイヤーはマウスを動かしてモヤを円の中に止めなくてはならない。
このインジケーターチャレンジは,護身用の武器を持った状態で博士に羽交い締めにされているときにも現れる。成功すれば持っている武器で反撃し,しばらく動きを止められるが,失敗するとそのまま殺されてしまう。殺され方が結構エグいので,苦手な人は目を閉じておいたほうが良いだろう。
攻略のカギとなるのは“音”だ。足音もそうだが,博士は独り言や鼻歌(ゆかいな牧場)が多いので,音だけで大体の位置は特定できる。また,博士が近くにいるとBGMが変化する(バイオリンの音が入る)ので,そういった音の変化から自分がどれだけ危険な状況にいるのかを判断していきたい。
ちなみに本作のBGMは,「メタルギア」シリーズの作曲家として知られる戸田信子氏が手掛けているとのこと。
もともとRemotheredは,初代「Clock Tower」のファンリメイク作品として,Chris Darril氏が2007年に始動させたプロジェクトだ。2011年に,一度プロジェクトがキャンセルされたものの,その間もChris氏は,「Clock Tower」を手がけた河野一二三氏の新プロジェクト「NightCry」にイラストレーターとして参加するなど,積極的に活動していたようだ。
現時点では物語が完結しないようなので,Chris氏が長い年月をかけて構築した物語もしっかり楽しみたいという人は正式リリースまで待ったほうがいいだろう。逆に怖ければなんでもいいという人であれば,その期待に十分応えてくれる内容になっているので,ぜひ屋敷へと足を踏み入れてみてほしい。
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