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ハロー!Steam広場 第240回:シミュレーションRPGとカードゲームの戦略性が同時に楽しめる「Trials of Fire」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,実績を見ただけでそのゲームのストーリーがフラッシュバックして涙を流す上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第240回は,本の中に綴られた冒険譚をなぞっていくターンベースのRPG「Trials of Fire」を紹介しよう。イベントの選択肢によって物語の展開が変わり,戦闘ではヘクスタイルのフィールドで,シミュレーションRPGとしての立ち回り,そしてカードゲームとしての戦略性が求められる。
4Gamer公式キュレーター
シミュレーションRPGとカードゲームの戦略性が同時に楽しめる「Trials of Fire」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はイギリスのインディーズ系デベロッパ,Whatboy Gamesが手がける「Trials of Fire」を紹介しよう。
本作は,3人のキャラクターを選んでパーティを組み,本の中に綴られた冒険譚をなぞっていくターンベースのRPGだ。ストーリーは分厚い本の上で展開され,ページをめくると話が進んでいく。そのさなかに発生するさまざまなイベントでの選択肢によって,話の道筋が変わっていくといった具合だ。
戦闘イベントが発生すると,白紙のページの上に立体的なオブジェクトがにょきにょきと生え,いかにもストラテジーゲームといった感じのヘクスタイルの戦場が姿をあらわす。その一連の流れには,まるで「しかけ本」を開いたときのようなワクワク感がある。
フィールドが展開されて,そこにプレイヤーと敵のコマが投げ込まれるとバトルスタートだ。戦闘はターン制で,ほかのRPGでいう「攻撃」や「呪文」といったコマンドはカード化されている。各カードには使用コストが存在し,ウィルパワーを消費して効果を発動させるという流れだ。
ウィルパワーは,ほかのカードゲームでいうマナ的な位置付けだが,本作では毎ターン決まったポイントがもらえるわけでなく,手札のカードを1枚捨てるたびに1ポイントを得るという仕組みになっている。ボードの状況を把握し,どのカードをポイントに回すかを判断するのが,プレイヤーの腕の見せどころだ。
戦闘では位置取りも大切だ。ヘクスタイルのフィールドには,「射程」と「視線」の概念が存在し,射程内に敵がいればその場で攻撃できるが,相手との間に味方やオブジェクトがあると視界が遮られるため,その場を移動しないと攻撃ができない。
一方,複数の味方で敵を囲っている場合は,攻撃時に味方が追撃してくれる。このように本作では,シミュレーションRPGのような戦術の組み立ても必要になってくるわけだ。
カードがあるということは,もちろんデッキも存在するわけで,それを構築していくという醍醐味もしっかりと味わえる。カードの入手方法も少し特殊で,パックを開けるのではなく,装備品に付属してくる形だ。
例えば,盾を装備すると「Defend」というカードがデッキに組み込まれるといった具合で,装備とデッキのビルドが同時に行われる。装備にはレア度があり,その度合に応じて付いてくるカードの性能や数も変わってくるわけだ。
そんな本作は,2020年5月ごろまでアーリーアクセスを実施し,フルバージョンでは300種を超えるスキルカードの追加や,ボスラッシュ,アリーナといった新モードの実装も予定されている。シミュレーションRPGの戦術性と,カードゲームの戦略性が見事に噛み合った作品になっているので,興味がある人はぜひ遊んでみてほしい。
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