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ハロー!Steam広場 第247回:ドラッグ&ドロップで水槽を立ち上げられるシミュレーションゲーム「Biotope」。水質管理は割とガチめ
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,“気の弱い青年”のロールプレイで公爵夫人を寝取ってしまう上級ヘンリーにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第247回は,MBL Developmentが手がける「Biotope」を紹介しよう。一見すると癒し系のアクアリウムっぽく,ドラッグ&ドロップで誰でも水槽を立ち上げられるが,そこから先はかなりのリアル志向。pHが下がらないと嘆く人が続出しそうな気配である。
4Gamer公式キュレーター
ドラッグ&ドロップで水槽を立ち上げられるシミュレーションゲーム「Biotope」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,なぜだか4Gamer編集部の多くの人がプレイしているMBL Developmentの「Biotope」を紹介しよう。
本作は水槽を立ち上げて管理するシミュレーションゲームだ。フィルター付きエアーポンプやRO浄水器といった機材から,レイアウト用の流木や草まで,さまざまなアイテムが揃っており,それらをドラッグ&ドロップで配置して自分だけの水槽を作ることになる。もちろん熱帯魚などを飼育することも可能である。
水槽を維持していくためには水質の管理がとても重要だ。レイアウトを済ませればすぐに魚を投入できるのだが,投入時の水温や水質が適していないと,当然ながら魚は生きられない。
水質を維持するために,水を適度に取り替えたり薬品を投入したりすことになるが,一気に水を替えたりすると魚が死ぬのはリアルと同様。pHの急激な変化はご法度なのだ。
レイアウト用のアイテムは水草や岩,流木など,いろいろと用意されている。アク抜きもしてあるので買ったら即投入できるが,少なからず水質に影響を与えるので,水槽立ち上げ後に追加する場合は,水質の変化を見ながら1つ1つ投入していくのが良いだろう。
本作はグラフィックスにもこだわりを感じられる。その昔「AQUAZONE」というゲームをプレイして,その美麗なグラフィックスに大変感動した筆者だが,本作の感動はそのさらに上を行っている。
水の表現やガラス面の反射具合などがとてもリアルで,そこに水面の反射,ライトのゆらめきなども加わり,本物の水槽に見えてしまう。UIを取っ払った状態で遠目からみたら,本当に水槽が置いてあるように見える。ちなみに,UIを取っ払う「スクリーンセーバーモード」もあったりする。
また,本作にはレベル上げのクエスト要素もある。「水質を維持したまま◯日経過する」や,「魚のストレスレベルを◯%以下に抑える」など,なかなかに手強いが,新しいアイテムや魚がアンロックされるので頑張ってみたくなるはず。
現状ゲーム内に用意されているコンテンツは少ないものの,水質管理の難しさからくる現実感と,説得力のあるグラフィックスによって,アクアリウム好きであれば十分に満足できるはずだ。余計なBGMもなく,ゲーム中はエアーポンプの動作音と水落ちる音だけしかしないところもまた趣があって面白い。
アクアリウムは混泳の相性を考えるのも1つの醍醐味なので,低層魚だったり甲殻類だったりが追加されればいっそう面白くなりそうだ。アップデートによるコンテンツ量の変化に伴ってゲームの価格も上がっていくそうなので,興味のある人は今のうちに購入しておくといいだろう。
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