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ハロー!Steam広場 第249回:DOOMときどきマリオ。 悪夢から生まれたダンジョンで戦う ローグライクシューター「Nightmare Reaper」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,マウスを掴んでいるときも常に小指が立っている乙女なSteamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第249回は,Blazing Bit Gamesの「Nightmare Reaper」を紹介しよう。本作は,悪夢から生まれたダンジョンを攻略していくローグライクシューターだ。1990年代のFPSを彷彿とさせるレトロなグラフィックに加えて,GBA SPっぽいナニカを使って行うスキル習得が特徴的だ。
4Gamer公式キュレーター
ハロー!Steam広場 第249回:DOOMときどきマリオ。 悪夢から生まれたダンジョンで戦う ローグライクシューター「Nightmare Reaper」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はカナダのインディーズ系デベロッパ,Blazing Bit Gamesが手掛ける「Nightmare Reaper」を紹介しよう。
本連載の熱心な読者なら,掲載したスクリーンショットだけで,どんなゲームか察しがつくだろう。筆者は「それでも説明したい病」を患っているのでやっぱり説明してしまうが,本作は「Doom」や「Quake」といった1990年代のFPSにインスパイアされた作品であり,当時の雰囲気を再現するレトロなグラフィックスがウリの1つとなる。
「AMID EVIL」や「DUSK」「Ion Maiden」など,この手の作品は本連載でもいくつか取り上げてきたが,それらが「Doom」のようなラン&ガンスタイルのゲームだったのに対し,「Nightmare Reaper」はオープンエンド型(終わりが設定されていない)のローグライクシューターという感じで,やり込みのベクトルはずいぶん異なる。
本作の主人公は精神科病院に入院している女性患者で,プレイヤーは彼女の悪夢の中に広がるダンジョンを探索していくことになる。ダンジョンは,いくつかの細い通路と大きな部屋で構成されており,通路では探索を重点的に行い,大部屋では敵との激しいバトルに興じるといった感じで,探索と戦闘のメリハリが効いていて面白い。
敵にショットガンやリボルバーをぶっ放すと,肉片と一緒にコインや武器が散らばるので,これらをしっかり回収していく。武器は銃火器だけでなく,剣やチェーンソーといった近接系から魔導書や杖といったものまであり,それぞれのレア度に応じて付与される能力の数も異なる。ただし,次のステージに持ち越せる武器は1つだけなので,どれを相棒にするか決めるのがなかなかに悩ましい。
プレイヤーに相棒として選ばれなかった武器は,そのままコインに変換される。コインはスキルの購入に必要であり,プレイヤーはスキルツリーからスキルを購入して,自身の基礎ステータスを上げたり,装備スロットを増やしたりしていくわけだ。
筆者はこれまでに,いろいろなゲームでさまざまな形のスキルツリーを見てきたが,本作のスキルツリーはかなりユニークなデザインになっている。百聞は一見にしかずということで,こちらを見てほしい。
ご覧のとおり,本作のスキルツリーは「スーパーマリオブラザーズ」のステージ選択画面を彷彿させる,というか,まんまステージ選択画面になっている。さらに,見た目だけでなく,そこにあるスキルを習得するためには,実際にステージをクリアしなければならない。操作は一般的なジャンプアクションに準拠しており,敵は踏みつけて倒していく。
スキル習得のためにいちいちこれをやるのかと,若干面倒に感じるかもしれないが,難度はそこまで高くないし,ちょっとした息抜きになってくれるので,最初に思っていたより全然アリだった。
ダンジョンをクリアすると病室に戻り,ここでストーリーが進行していく。といってもカットシーンなどがあるわけでなく,病室の様子がちょっとずつ変化していくといった具合だ。ただ,病室の窓から見える空が真っ赤に染まったり,謎の足音が聞こえたりと,なかなかにホラーである。ダンジョンでハチャメチャに暴れるのは楽しいが,病室に戻るとき妙に緊張してしまうのは,FPSを遊んでいると考えると,少し不思議な感じがする。
本作は3つのエピソードで構成されており,現在実装されているのは最初のエピソードのみとなる。アーリーアクセスは1年ほど(2020年7月ごろ)まで実施され,最終版ではすべてのエピソードの実装や,80種類以上の武器の追加が行われる予定だ。
現時点でも遊びごたえは抜群で,とくに上級Steamerを名乗るのであれば,あのユニークなスキルツリーに触れない手はない。ゲーム自体の動作も非常に軽く,ながらゲーにも向いているので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。
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