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ハロー!Steam広場 第262回:デッキを構築しながらネズミの街を防衛するタワーディフェンスゲーム「Ratropolis」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ウィックかプレストン,どっちのジョンになり切るか小一時間悩んでから「Pistol Whip」をプレイする上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第262回は,タワーディフェンスとデッキ構築を同時に行う「Ratropolis」を紹介しよう。街づくりの基盤となる「経済」「建築」「軍事」はすべてカード化されており,プレイヤーは20秒ごとに手札を山札から補充し,カードを使って家を建てたり,兵士を作ったりしていくことになる。
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デッキを構築しながらネズミの街を防衛するタワーディフェンスゲーム「Ratropolis」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は韓国のインディーズ系デベロッパ,Cassel Gamesが手掛ける「Ratropolis」を紹介しよう。
本作は,ネズミの街のリーダーとなり,捕食者を撃退しながら街を発展させるという,横スクロール型のタワーディフェンスゲームだ。街づくりの基盤となる「経済」「建築」「軍事」はすべてカード化されており,プレイヤーは20秒ごとに手札を山札から補充し,カードを使って家を建てたり,兵士を作ったりしていくことになる。
本作の特徴となるのは,タワーディフェンスをしながらリアルタイムでデッキ構築をしていくという部分だ。手札の向こう側ではネズミ達が街を発展させるためにせっせと働いており,プレイヤーは街の様子を見ながらデッキに入れるカードを取捨選択していき,状況に応じて手札のカードを切っていくことになる。
ゲームの基本的な流れは,「経済」系のカードで資金を増やして,「建築」系カードで家や防壁を作り,「軍事」系カードで襲撃に備えるといった感じだ。手札の補充は20秒ごとに行え,山札がなくなったら捨て札の山から自動的に再構築される。デッキの枚数を増やしすぎると,有用なカードの回転率が悪くなるので,必要のないカードは破棄してデッキを圧縮していくことも重要だ。
敵の襲撃はWave制になっており,30Waveまで耐えられればクリアとなる。一匹でも街の中心に到達するとゲームオーバーになるが,そもそもの話,ゲームを始めたばかりだとカードプール(※)自体が乏しいので,いきなりクリアするのはかなり難しいはず。序盤は,ゲームオーバーを繰り返しながらもプレイヤーレベルを上げて,新しいカードをアンロックしていくことになるだろう。
※デッキに入れられるカード群のこと。本作の場合,カードプールに組み込まれていなければ,ゲーム中のイベントや宝箱から出現することはない。
デッキに組み込むカードは,戦闘やランダムイベントで入手でき,それらのカードをアップグレードしたり,あるいはデッキから抜いたりして,デッキをどんどん磨き上げることが攻略のカギとなる。
一度にドローできる枚数が増えたり,引き直しのクールタイムが短くなったりといった,強力なパッシブ効果を得られる「Adviser」や,ほかのカードとは一線を画す強力な能力を持つ「レジェンドカード」も存在し,これらの効果をうまく引き出せるデッキを組めると,20waveくらいまでは敵なし状態で楽しい。そこから先は,また別の話だが。
カードの中には,ユニットや建物に直接影響を与える「スキル」を持ったものも存在する。爆弾カードを設置して敵の群れに大ダメージを与えたり,修理カードで防壁の耐久値を回復したりと,どれも使いどころが重要になるぶん,うまくハマったときのしてやったり感は格別だ。
クリックの連打に自信があれば「武器」カードもおすすめしたい。これを使うと,数秒間クリックで敵にダメージを与えられるようになるので,プレイヤーの連打力次第では1wave分の群れを壊滅させることさえできる。「鉱石」カードも同じで,これによって出現した鉱石を叩きまくれば,下手な経済カードを使うより資金が潤う。このように,カードによってアクション性が加わるのも本作の面白いところだ。
タワーディフェンス×デッキ構築ということで,一見すると難しいゲームに思えるかもしれないが,カードを選択している間は時間の流れが遅くなるなど,プレイに余裕を持たせる工夫もあり,10Waveくらいまでは手探りでも行けるはず。
一方で,そこから先に行こうとなると,カード同士のシナジーを考えてデッキを組んでみたり,不要なカードを捨てるタイミングを見極めたりと学ぶべきことが多く,奥深さもしっかりとある印象だ。
アーリーアクセスは来年の春ごろまで行われるとのことで,12月には日本語も追加される予定だ。正式版ではコンテンツが多くなるため,価格が上がることもすでに発表されているので,興味のある人はアーリーアクセス中に購入することをオススメする。
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