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ハロー!Steam広場 第309回:シンプルでかわいい見た目ながら,あっさりと村人が全滅する村作りシム「pyramida」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,寝落ちしても無意識に操作を続けて,目的の町にたどり着いてしまう上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第309回は,インディーズ系デベロッパ,Sokpop Collectiveが手がける「pyramida」を紹介したい。本作はリアルタイムで進行する村作りシミュレーションだ。“村人を一日でも長く生き延びさせる”というサバイバル要素が存在し,見た目によらずシビアな村運営が楽しめる。
シンプルでかわいい見た目ながら,あっさりと村人が全滅する村作りシム「pyramida」
今回は,月に2本の作品をリリースすることを目標に掲げているインディーズ系デベロッパ,Sokpop Collectiveが手がける「pyramida」を紹介したい。
本作はリアルタイムで進行する村作りシミュレーションだ。プレイヤーは村人を操作して木材や石材といったリソースを集め,それを材料に村の規模を少しずつ大きくしていくことを目指す。
序盤は木材などの保管倉庫ぐらいしか作れないが,製材所を作れば木材から板材を生み出せるようになり,それを使えば防御に役立つ見張り台を建てたり,さらには石材を扱えるようになったりする。このように,徐々に設備を充実させていくのがゲームの大まかな流れだ。
村人の数は設置する家の数で決まり,最初は何もできない子供として生まれるが,一定の時間が経つと大人に成長し,操作可能になる。周りのリソースをどんどん消費しつつも,施設が増えて村が徐々に大きくなっていくのを見るのは結構楽しい。
そんな本作には,“村人を一日でも長く生き延びさせる”というサバイバル要素が存在し,村長たるプレイヤーは常に2種類の問題を抱えることになる。
まず一つ目は食糧問題だ。画面左上にはフードゲージ(食料備蓄量)があって,これがゼロになると村人は猶予なく餓死してしまう。村人は働いていようがただ突っ立っていようが,時間経過に応じて食料を消費していくため,餓死を避けたかったら人手を回して草むらからベリーを集めたり,シカを狩猟したりする必要がある。
設備が充実すれば,畑から小麦を作りパンも焼けるようになるが,こういった“比較的安定した食料”では,フードゲージがたまりにくい。一方の狩猟は食料入手量が多く,肉が手に入ればフードゲージも一気に潤うが,狩りに成功するとは限らないという不確実性がある。なので,どちらにヒューマンリソースを割くかというのが,なかなか悩ましい。
また食料調達に人を回すほど,ほかの作業が遅々として進まなくなるので,村作りが遅れてしまうのも痛いところだ。
もう一つの問題は,モンスターの存在だ。村の周辺では,夜になるたびにスケルトンが徘徊し始め,村を発見すると襲いかかってくる。このゲームにはライフという概念がないので,襲われれば村人は一撃で倒れてしまう(子供は対象外)。
倒されたキャラは少しすると自動的に復帰するが,その間に大人が全員倒されてしまえばそこでゲームオーバーだ。ゲーム開始直後は大人が2名しかいないため,彼らが近くにいた場合,間髪入れずにやられてしまうこともある。
基本的に戦わないほうが得策だが,どうしても戦わざるを得ないときは,複数の村人でタコ殴りにすることを心がけたい。攻撃を当てると敵が少しだけスタンするので,矢を雨あられのように降らせてやれば完封できる。
また見張り台を立てて人員を配置すれば,命中度は低いが高所から一方的に攻撃できるため,有利に防衛戦を進められる。スケルトンに村をの内部を荒らされると,食料調達が滞り,それによって村全体がピンチになることも珍しくない。場合によっては,柵を立てて物理的に侵入を防ぐなどの手法も有効だろう。
本作はルールやシステムこそシンプルだが,常に食糧がカツカツなのと,モンスターの襲撃があることによって,見た目によらずシビアな村運営が楽しめる。日本語化はされていないが,そもそも言語依存度が低く,施設の効果さえ覚えてしまえば悩むところはほとんどない。
ゲーム内の1日は短いが,気がつけば何日も村の運営を続けてしまう中毒性があり,さらにソフト自体の価格も安く,気軽に始められるのも魅力だ。村シムに興味のある人は手に取って遊んでみてほしい。
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