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[E3 2015]「Xbox E3 2015 briefing」詳報(後編):新型Ford GTの実車登場に会場大興奮の「Forza 6」。Tomb Raider新作の高画質ムービーも掲載
[E3 2015]「Xbox E3 2015 briefing」詳報(前編):新章に突入した「Halo」,稲船敬二氏のXbox One独占タイトル,そしてXbox 360互換機能の秘密
フルカスタマイズがウリのマニアックなゲームパッドが純正品で登場
Xbox Elite Wireless Controllerは,スティックやD-Padを異なる形状やサイズのものと交換できるハードウェア面でのカスタマイズ機能と,[A/B/X/Y]の各ボタンの機能割り当てやアナログトリガーの感度設定を変更できるソフトウェア面でのカスタマイズ機能を備えた,Xbox OneとWindows 10/8.x/7対応のゲームパッドである。
これまでにも,上級者向けとしてこのようなカスタマイズ機能を備えるゲームパッドは存在したが,プラットフォーマー純正のゲームパッドでここまでこだわり抜いた仕様のものは珍しい。価格は高いが,カスタマイズにこだわるゲーマーには喜ばれそうな製品となりそうだ。
Forza Motorsportは早くも「6」へ
イメージカーを務めるFord GTがステージに登場
続いて登壇したのは,Bethesda Game StudiosにてGame Directorを務めるTodd Howard氏。Howard氏のプレゼンテーションは,もちろん14日に発表された「Fallout 4」だ。ただ,プレゼンテーションの中身は,Bethesda Softworksのプライベートカンファレンスでの内容とあまり違いがなかったので,本稿では省略する。
次に登壇したのは,Electronic Arts(以下,EA)のCOO(最高執行責任者)であるPeter Moore氏。Moore氏によるプレゼンテーションのテーマは,Xbox One向けの定額ゲームサービス「EA Access」の最新状況である。
EA AccessではさまざまなEAのタイトルがプレイできるが,今夏には「Titanfall」と「Dragon Age: Inquisition」などがラインナップに追加されるとのことだ。また,E3 2015会期中の一週間は,Xbox Live ゴールド メンバーシップの会員であればEA Accessを無料で利用できることも発表された。
また,EA傘下のPopCap Gamesが開発する「Plants vs. Zombies Garden Warfare 2」のリリースも,この場で発表されている。その詳細については,EAによるプライベートカンファレンスのレポートを参照してほしい(関連記事)。
Moore氏が退くと,舞台は暗転。天井から車を載せたステージがゆっくりと降りてくる。ステージに載っていたのは,米国を代表する自動車メーカーであるFord Motor Company(以下,Ford)の最新ハイエンドスポーツカー「Ford GT」だ。Ford GTが,Forza Motorsportシリーズの最新作「Forza Motorsport 6」のパッケージを飾る車であることが知れ渡っていたこともあり(関連記事),意表を突いた登場の仕方に,会場は騒然となった。
Forza Motorsport 6のいわばイメージカーである新型Ford GTは,1966年のWEC ル・マン24時間レースで当時の「Ford GT40」が優勝してから,2016年で50周年となるのを記念して発売されるもので,ロードカーバージョンのFord GTとしては二代目にあたる。ちなみに,初代Ford GTは2005年にFord設立100周年を記念して1500台限定で発売され,「グランツーリスモ」シリーズの開発者である山内一典氏も購入したことで話題になった。
ゲストとして登壇したFord氏は,「シリーズ最新作のForza Motorsport 6で,新型Ford GTがイメージカーとなって,Xbox Oneユーザーの皆さんに(バーチャルにではあるが)お乗りいただけることを嬉しく思う」と述べた。
ちなみに新型Ford GTは,2016年のWEC ル・マン24時間レースに,レーシングカーバージョンである「Ford GT LM GTE Pro Race Car」で参戦することが予告されている。このレーシングカーがForza Motorsport 6に登場するかどうかは分からないが,ル・マン会期に合わせてゲームでもリリースされたりすると,また話題を呼びそうだ。
ゲームに話を戻そう。Greenawalt氏は,「Forza Motorsport 6は,シリーズ中で,技術的に最も先進的で,最も規模が大きい作品となった」と高らかに宣言。最大24台での同時ネット対戦に対応し,1080p/60fpsのグラフィックス描画が可能であるという。世界的に著名なコースが26か所収録されているほか,内外装を高品位に再現した「Forzavista」に対応する車両は,450台以上が収録されるそうだ。
注目の発売日は,2015年9月15日に決定。2014年に登場した「Forza Motorsport 5」に続く,Xbox One専用リアル系レースゲームが,着実に代を重ねて進化を続けていることが強く印象づけられた。
世界初公開となった「DARK SOULS III」の映像がさらりと流されたのに続いては,Ubisoft Entertainmentの北米地域担当社長であるLaurent Detoc氏がステージに登場し,「Tom Clancy's The Division」(以下,The Division)に関する重要な発表を行った。
The Divisionは,Xbox OneだけでなくPCやPlayStation 4(以下,PS4)でもリリースされる予定のタイトルだが,Detoc氏は「初代XboxのXbox Liveがサービスインしたときに,同時に発売されたのがTom Clancyシリーズの『Ghost Recon』だった」とXboxに縁のあるタイトルであることを述べたうえで,本作のβテストを2015年12月にXbox One限定で行うと宣言したのである。
The Divisionのように,ゲーム本編はマルチプラットフォームタイトルだが,βテストはXbox OneかPS4のどちらか専用というゲームは,今回のE3 2015でいくつも発表されており,ちょっとした流行になりつつあるようだ。
そのほかにもDetoc氏は,Rainbow Sixシリーズの最新作となる「Rainbow Six Siege」について説明したほか,Xbox One上でXbox 360用タイトルがプレイできる互換機能に対応した「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas」と「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas 2」が,Rainbow Six Siegeに付属することも発表している。
「ID@Xbox」を活用したインディーズゲームにも注目
ID@Xboxのシャツを着て登壇した,Microsoftの同部門担当ディレクターであるChris Charla氏 |
Cupheadの開発者であるMoldenhauer兄弟 |
このパートでは,SFサスペンスの「Tacoma」,ファンタジックアドベンチャーの「Ashen」,絵画調の探索ゲーム「Beyond Eyes」,生物的な世界観を持つ謎めいたゲーム「ION」といったタイトルが矢継ぎ早に紹介されたが,最も時間を割いて説明されたのは,Chad Moldenhauer氏とJared Moldenhauer氏の兄弟が代表を務めるゲームスタジオのStudio MDHRが開発した「Cuphead」だ。
主人公のCupheadは,コーヒーカップの頭部にストローが突っ込んであるというナンセンスなデザインなのだが,細部をよく見ると,大きな目玉に丸い記号的な鼻,黒い体に4本指手袋という特徴を備えており,どう見ても世界一有名なネズミへのオマージュに違いない。
グラフィックスの色あいが妙にレトロに見えるのは,フルカラーピクセルをわざと赤緑青の3原色に分離して描くようにしているためとのこと。アナログ映像信号で色滲みが出ている雰囲気を,わざわざシェーダプログラムで表現しているそうだ。なかなか他では見られない独特の雰囲気を持ったゲームなので,ぜひ下に掲載したムービーを見てほしい。
Cupheadのリリース時期は,「1936年……の80年後」とのこと。発売が楽しみな作品だ。
Tomb Raider最新作はXbox Oneの独占タイトルに
ゲームタイトル紹介の最後は,Xbox One独占タイトルが2本紹介された。その1つは,スクウェア・エニックス傘下となったCrystal Dynamics開発による「Rise of the Tomb Raider」だ。Tomb Raiderシリーズのリブート作品となった前作「TOMB RAIDER」は,PCとPS4およびXbox Oneのマルチプラットフォームタイトルだったが,その後を継ぐ続編がXbox One独占タイトルになるというのを聞いて,驚いた人もいるだろう。
主人公のララ・クロフトは,リブート版に登場したのと同じ若かりし頃の姿で,まだあどけなさを残した顔つきをしている。今作の舞台は,シベリアのウラル山脈近辺にあたり,ララは不老不死の謎を追い求めて雪山を探検するという設定だ。デモプレイでは,遠方に見える遺跡を目指して雪山を登っていくのだが,当然のように地形が壊れたり,氷が砕けて落ちそうになったりと,スリル満点。人間の敵だけでなく,大自然の脅威とも戦いながらの壮大な冒険が展開されるようである。
北米での発売日は11月10日とのこと。日本でのリリースも期待したい。
Rareの新作は海賊がテーマの海洋冒険MMO
創立30周年記念の30 in 1パッケージも発表に
船の上では海賊船同士での海戦を楽しんだり,島に降りれば一人称視点で探検をしたりと,さながら人気映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」で描かれたような,ダイナミックかつスリリングな海賊の大冒険に期待したい。
Rare代表のCraig Duncan氏によれば,同社は今年で創立30周年を迎えるそうで,これを記念した製品「Rare Replay」を2015年8月4日に発売することも明らかにされた。
Rare Replayでは,NINTENDO 64時代の作品「バンジョーとカズーイの大冒険」や「パーフェクトダーク」,初代Xbox用の「カメオ:エレメンツ オブ パワー」「Conker's Bad Fur Day」,Xbox 360用の「あつまれ!ピニャータ」などの,全30タイトルを1パッケージに収録しているとのこと。かつてのRare作品を楽しんだ思い出のある人には,楽しみな製品となりそうだ。
前後編にわたったXbox E3 2015 Briefingのフルレポートは以上のとおり。そのほかにも,拡張現実対応ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」や,Oculus VRのヘッドマウントディスプレイに関する話題もあったのだが,それらは別の記事にて詳しくレポートしたいと思う。
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- ライター:西川善司
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