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東京レトロゲームショウ2016:第44回 いろいろあって現実逃避したくなったので,「Microsoft Flight Simulator X」で大空を飛んだ
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印刷2016/04/07 12:00

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東京レトロゲームショウ2016:第44回 いろいろあって現実逃避したくなったので,「Microsoft Flight Simulator X」で大空を飛んだ

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今週のテーマ:これで美人キャビンアテンダントがいれば完璧なのに

 ああ,オレも鳥のように自由に大空をフライングできたらなあ,と思っているあなたにオススメなのが,2006年にMicrosoftからリリースされたPC向けシミュレーションゲーム「Microsoft Flight Simulator X」だ。通称はFSXだが,最後のXは「エックス」ではなく,シリーズ第10作をローマ数字で表記したもの。とはいえ,数えてみると12作あるので,何から数えて10作めなのかはよく分からない。たぶん,10作前から数えて10作めだと思うが,当時リリースされたDirectX 10をアピールするためだという説もある。

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Steam「Microsoft Flight Simulator X」紹介ページ


 シリーズ第1弾となる「Flight Simultor」がリリースされたのは1982年だが,同作は,それまでApple IIやAmiga向けにフライトシミュレータを作っていたsubLOGICという会社をMicrosoftが買収し,1981年に発売されたパソコン,IBM-PCに移植したものだそうだ。実を言うと,この時代のことは,あまり調べがつかず,今後の研究を待ちたいところだが,以来,FSXまでの約24年間,「Microsoft Flight Simulator」シリーズは発展を続け,大きなフランチャイズに成長したということでまとめておこう。

「Microsoft Combat Flight Simulator 3」は,いろいろあってあまり評判が良くなかった。大人気になったのは,前作の“2”で,今でも多くのファンがいるようだ
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 とはいえ,FSX以降「Microsoft Flight Simulator」シリーズは無期限延期状態に入ったようだ。基本部分を無償公開し,飛行機やマップを個別に販売するというビジネスモデルの「Microsoft Flight」が2012年に登場したものの,こちらも現在,あまり動きがない。「Microsoft Flight Simulator」のゲームエンジンを利用し,軍用機による空中戦が楽しめる「Microsoft Combat Flight Simulator」シリーズも,2002年の“3”から梨のつぶてで,元subLOGICのスタッフで構成されたFlight Simulatorシリーズ専用の開発グループ,Aces Studioは2009年ぐらいに解散されちゃうしで,フラシムファンはちょっとしょんぼりだ。

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 しょんぼりしていても仕方がないので,とりあえず解説したい。知っている人には釈迦に説法,河童に水練だが,FSXは民間航空機をテーマにしたシミュレータで,プレイヤーはパイロットとして飛行機を飛ばし,離陸したり着陸したりする。え,空中戦? ありません。爆弾投下? もちろん,できません。主人公をめぐる愛と陰謀のドラマもなしだ。
 つまり,飛行機を普通に飛ばすことに徹底的にこだわった,まさにシミュレータなのだが,とはいえ,FSXには小麦粉爆弾を降らせたりなど,ゲーム性を強調した「ミッション」が導入されており,このへんが新機軸だったりする。

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 収録機体は24種類で,ペイント違いで95パターンが用意されている。ハンググライダーにエンジン積んで車輪をつけたようなAirCreation Trike Ultralightから,セスナ機,ヘリコプター,大型旅客機など,品揃えは豊富だ。軽飛行機なら,がんばればいけるかもしれないが,エアバスのA321を飛ばせるのは限られたパイロットだけだ。にも関わらず,本作をプレイするだけで,あなたもあこがれの機長になれる。
 また,ご存じの人は知っているように,各メーカーからアドオン機体も多数発売されており,機体をネットに無料公開しているファンも少なくなく,もう,よりどりみどりだ。

セスナでさえ,計器類を見るだけで頭がクラクラしてくるが,頻繁に見るべきメーターはそれほど多くない
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キーアサインを見るだけで頭がクラクラしてくるが,頻繁に使うキーはそれほど多くない
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 ゲームには世界中の約2万5000の空港が用意されており,好きなコースを好きなように飛ぶことができる。プレイヤーの中には実際の航路を実際の機材で実際のスケジュールどおりに飛ばすのが至高,という人も少なくないが,ビギナーにとってそれは先の話だ。ゲームにはかなり詳しいチュートリアルが用意されているので,それをこなしていけばいい……とはいうものの,それらも割と難しく,全体として,ビギナーに対するハードルは高いと思う。

 セスナで飛ぶだけなら,フラップをいっぱいに下げて,エンジンをフルスロットルにし,時速80マイルぐらいになったら機体を引き起こせば宙に浮くはずだ。しかし,高度を保つのも難しく,あっという間に失速して墜落してしまうだろう。勘のいい人なら,ここで“AP”というボタンに気がつくはずだ。これはオートパイロットの略で,あらかじめ高度と上昇率を打ち込んでやれば,自動的にその高度を維持してくれる。

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 とりあえず飛べるようになったら,適当な都市の上を遊覧飛行してみよう。グラフィックスは,正直,やや古く,現在の視点から見ると物足りない。とはいえ,発売当時は「重い」と評判だったにも関わらず,今となっては普通のPCでもサクサク……やっぱり重い。筆者の環境のせいなのか,

 ラスベガス,グランドキャニオン,自由の女神,富士山など,作り込まれた世界の名所の数々は,飛んでいるだけで楽しい。自分の家の上空を飛んでみるのもお約束だろう。地形や空港,風景などをやたらにリアルにするアドオンが多数リリースされているので,アマゾン川と隅田川,区別があまりつかないなあという人は,試してみるがいいわ。

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コマーシャルフライトを楽しみたい場合,現在は「X-Plane」シリーズだろうか。筆者は未プレイだが,FSXよりさらに現実に則した設定にこだわっているそうだ
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「Microsoft Combat Flight Simulator」亡き今,コンバットフライトシミュレータとしては,「IL-2 Sturmovik」シリーズが続いている。最新作は2014年にリリースされた「IL-2 Sturmovik: Battle of Stalingrad」
 このへんで納得してゲームを終了させてもいいのだが,「ちゃんと飛びたい」と言う気持ちになってくる人も多いだろう。そういうことにしてほしい。醍醐味はやはり着陸だ。高度計や昇降計を確認しつつ滑走路に方向を合わせてスロットルを絞り,フラップを下げ,必要があればランディングギアを下ろし,滑走路のPAPI(進入角指示灯)を確認しながら滑走路に接近,接地寸前でフレアをかけ,着地したらエンジンを切りブレーキをかけ,フラップを上げる。これらが流れるような一連の動作で完結したときの快感は,病みつきになる。オレって天才じゃないだろうか,みたいな。

 着陸ができるようになったら,次は計器飛行がやってみたくなるだろう。そういうことにしてほしい。VORだのHISだのNAVだの,なんの呪文だという略語がズラズラ並んで頭がおかしくなりそうだ,あまり気にせず,まず分かるところから攻めていくのがよさそうだ。ネットを調べれば,FSXを扱っているサイトも多いと思うので,それらを参考にしてもいいだろう。
 さらに,フライトプランを作成し始めたり,航空チャートや航空力学の本を購入し始めたりしたら,あなたもすっかり機長さん。筆者は昔,VOR周波数を調べるために高い本を買ったりしたものだが,今ではネットでサクッと調べられるようになったので,だいぶ楽だ。インターネット最高。

プレイにはジョイスティックがオススメ。もちろん,コントローラやキーボード&マウスでもプレイできるが,やっぱりジョイスティックだ。最近,安価なモノがあまり売られていないのが問題だが
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 このように,気軽にフラッと飛んでもいいし,極めようとすればかなり奥の深いFSX。上記のように,ミッションモードを除いて,ゲーム的なことが起きるわけではないしので,プレイする人を選んでしまうのは間違いないが,大空を自由に飛びたい人は,この「Microsoft Flight Simulator」シリーズの最後の輝きを,ぜひ試してみよう。FSXは現在,「Steam」でSteam Editionが購入可能だ。割といいお値段が付いているが,その価値はあると思う。ただしSteam Editionの場合,パッケージ版とはインストールされる場所が異なるので,古いアドオンの中にはそれを見つけられないモノもあるようだ。注意しよう。

3Dで作られたコクピットの計器を,マウスで直接操作することもできる
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Steam「Microsoft Flight Simulator X」紹介ページ

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