PS4版「フィギュアヘッズ」の公式大会の優勝チームが決定！　大勢のファンが駆けつけたパブリックビューイングイベントをレポート

　スクウェア・エニックスは2017年10月15日，PS4版「フィギュアヘッズ」の公式大会となる「WOCT 2017 Season1 for PS4」の決勝戦パブリックビューイングイベントを，東京池袋にある「THEATER CAFE ＆ DINING STORIA」で実施した。


　PS4版フィギュアヘッズとしては初となる公式大会「WOCT 2017 Season1 for PS4」は，大会用に用意されたパーツを自由に組み合わせて戦う競技性の高い形式で行われており，個々のプレイスキルとクランの連携が重要視される大会だ。今年7月よりオンラインでの予選が行われ，激戦を勝ち抜いた2クランが雌雄を決した。
　この決勝戦をリアルタイムで観戦すべく，パブリックビューイング会場となるSTORIAには数多くのファンが駆けつけ熱い声援を送った。本稿では，その模様と共に，熱戦が繰り広げられた試合内容をレポートしていこう。

イベントの司会進行を務めた声優の近村望実さん（左）とフィギュアヘッズ運営スタッフの小澤亮氏

試合の実況を担当したフリーアナウンサーの西達彦氏（左）と巧みなカメラワークで試合を盛り上げた一条さん♪氏

フルセットまでもつれ込んだ決勝戦。PS4版フィギュアヘッズの初代王者の座を手にしたのは？

　予選を勝ち残ったのは，クラン「KLAUE」とクラン「チームとらおれ」。小澤氏によると，「KLAUE」は抜群の安定感で予選を勝ち上がり，仕上がりも上々とのこと。「チームとらおれ」は連携力もありながら，個々の能力が高いと評されていた。

　決勝戦は，決められた5つのマップを順番に戦い，先に3勝したほうが優勝となる。勝負の流れを掴むうえでも大事な初戦のマップは「Highway」。中央のポストトリガー（※破壊目標のコアを守るシールドを制御する施設）と，その上下にあるタレットトリガー（※コアを守るタレットを起動する施設）をつなぐ縦ラインでの攻防がカギとなるマップだ。


　開幕は，倒されてもポストチャージ（※両軍が持つエネルギー。プレイヤーが操作する自機が破壊されたり，コアが攻撃されると減少する）が減らない僚機を前に出して戦うのが定石となる。そのとおりに僚機を展開してポストトリガー周辺で対峙する両軍だが，「チームとらおれ」が先にポストトリガーを制圧。そのまま「KLAUE」の自機を撃破することに成功し，盤面的にも優位に試合を進めていく。しかし，中盤から「KLAUE」が攻勢に転じてポストトリガーを取り返し，敵機のヘヴィアサルトを落として逆転に成功。そのままの勢いで相手コアに一撃を与えてポストチャージ上で大幅に有利な状況を作り，試合はそのまま「KLAUE」の勝利となった。


　第2試合の「Mountain」は，中央のポストトリガー周辺が小高くなっており，ここを制圧できると周囲へのアクセスが良好となって優位に試合を進められるマップだ。


　試合開始早々に中央の“山”部分へ歩みを進める「チームとらおれ」，一方の「KLAUE」はアウトポストから遠いマップ右側のサプライポイントを押さえる動き。試合は山を取った「KLAUE」が，僚機を進軍させて敵機撃破を狙うが，「チームとらおれ」はこれをうまく捌いて反撃をする形となり，お互いポストチャージを少しずつ削っていくという膠着状態に。試合中盤以降はポストチャージで優位に立つ「チームとらおれ」が引いて守る形を取り，この作戦が功を奏してそのまま勝利した。


　星を1つずつ取り合って迎えた第3試合は「Twilight Town」が舞台となる。ここは全体的に遮蔽物が多く，遭遇戦が起こりやすいマップとなっている。


　初動から上下に展開しながらお互い睨み合うような形で対峙する両軍。先に中央のポストトリガーを奪取した「チームとらおれ」は，前の試合と同様に，僚機を前方に流しつつ，自機はやや引いて戦う構え。「KLAUE」も僚機を前出して対応するも「チームとらおれ」のヘヴィアサルトが立ち塞がりラインを押し上げるには至らずといったところだ。終盤までリスク管理を徹底した堅い立ち回りを展開していた両軍だが，ポストチャージで僅かに負けていた「チームとらおれ」が残り1分で意地の猛攻を見せるも，「KLAUE」が冷静に対処して勝利。優勝にリーチをかけた。


　休憩を挟んで行われた第4試合「The 1st Yard」は，開けた場所への狙撃ポイントがありつつも裏取りが狙える通路も点在しており，攻守のバランスが取れたマップと言える。


　試合巧者の両クランがそれぞれどんな作戦を取るのか，その初動に注目されたが，「チームとらおれ」が電光石火の早業で敵アウトポストのコアに直撃を浴びせるまさかの展開に。開幕から大きなハンデを背負ってしまった「KLAUE」が逆転するには，同じように相手コアを直接攻撃するしかない。しかし，「チームとらおれ」はその後も攻めを継続し，最後はヘヴィアサルトまでもがコアに張り付いて攻撃を加えて勝負あり。これには解説の小沢氏も興奮した様子で「これがフィギアヘッズですよ，皆さん」とコメント。会場からはその日一番の大きな拍手と歓声が巻き起こった。


　フルセットまでもつれ込んだ最終戦は「Ghost Town」。サービス開始当初からある，プレイヤーにはお馴染みのマップだ。前戦の“コア突”で勢いに乗る「チームとらおれ」がそのまま優勝してしまうのか，あるいは「KLAUE」が悪い流れを断ち切って勝利を手にするのか。PS4版フィギュアヘッズ初代王者がどちらのクランになるのかが，この最終戦で決まる。


　衝撃的な前試合の流れで，開幕から何かあるのかと気になってしまうが，試合はお互い中央のラインで睨み合いながら様子をうかがう静かな展開に。そんな中，「KLAUE」が先に敵機を撃破して有利に立つも，「チームとらおれ」は前線のラインをじわじわと上げ，開始から5分ほど経過した時点で重要拠点のほとんどを占拠してしまう。そして，試合開始から半分を経過した時点で「チームとらおれ」は敵のコアに攻撃を加えることに成功。
　大きくポストチャージを削った「チームとらおれ」がリードする展開で試合は進むが，残り5分を切ったあたりで「KLAUE」も攻勢に転じる。しかし，序盤のコアへの被弾が響いて逆転はできず。最後は，敵のアウトポスト裏に潜んでワンチャンスに掛ける動きも見せたが……残念ながら撃破されて試合終了。2対2で迎えた最終戦を制した「チームとらおれ」が栄冠を手にした。


　実際の試合は別会場で行われていたため，表彰式に向けて選手達は移動することになり，その間の時間を使い，フィギュアヘッズのプロデューサー織田英治氏が登壇して来場者向けのクイズ大会と最新情報の公開が行われた。

プロデューサー織田英治氏

　難問も多く出題された○×形式のクイズ大会では，来場者の1人が見事2000STAMPを手に入れた。また，織田プロデューサーの粋な計らいで，すべてのプレイヤーに100STAMPが贈られることになった。


　最新情報としては，KOTOBUKIYAの「フレームアームズ」とのコラボレーションが2017年11月より実施されることが発表された。詳細については追って発表するということだったので，気になる人は公式サイトをチェックしてほしい。


　もう1つ，公式大会「WOCT」のSeason2が12月中旬より実施されることも発表された。こちらはPC版とPS4版それぞれで開催され，1月頃に予選，2月頃に決勝を行う予定とのこと。今から腕を磨いて大会に備えよう。


　空いた時間で，パブリックビューイングのエントリー時に募集した質問に織田プロデューサーが答える場面もあったので，ここでいつか紹介しておこう。
　まず，伊吹のコスチュームを増やしてほしいという意見について。織田プロデューサーによると，10月26日のアップデートでコスチュームを追加するとのこと。また，11月には澄香がアップデートされるようだ。
　同じようにリリウムのコスチュームについての質問もあったが，イラストコンテストのキャラであるため，服を着ていない素体の画像がなくコスチュームが作りづらいという。ただ，眼鏡などのアクセサリーの追加などは前向きに検討してみるとのことだ。
　新マップについての話題では，ミサイルの発射場をベースにしたマップを準備していたが，現在の国際情勢の関係もあって一時見送ることにしたと織田プロデューサーは裏話を打ち明ける。現在は違うコンセプトのマップを製作中で，来年の2月か3月には公開したいと付け加えた。
　新しい兵種は考えているのか，との質問に対して織田プロデューサーは，「軽/中/重量級で2種類ずつある分岐を，もう一つずつ増やしたい」と話す。これは来年2018年の大きな目標だという。ただし，バランスに大きな影響を与えるので，1つずつ慎重に導入していきたいとのことだ。


　激戦を終えた選手達が会場に到着したところで，表彰式が行われた。

　王者には僅かに及ばずも，準優勝という好成績を収めたクラン「KLAUE」には賞金30万円が贈られた。


　PS4版初代王者の座を勝ち取ったクラン「チームとらおれ」には，賞金50万円と優勝トロフィーが贈られた。メンバーは，口々に「嬉しい」と顔をほころばせつつも，どこかホッとした表情を見せる。なお，衝撃的だった第4試合の開幕コア突については，ラムダン選手が「直感で指示したがうまくいって良かった。無言でも連携が取れるチームなので仲間を信じていた」とそのときの状況を説明してくれた。リーダーのわおばねマン選手は「トーナメント表を見たときは，1回戦から厳しいんじゃないかと思っていたが，仲間と一緒に練習して，ここまで来ることができた。優勝できて本当に嬉しかったです」とコメントし，賞金は何に使いますかとの質問に「全額課金したいと思います」と答えて会場を笑わせていた。


　全試合を終えて織田プロデューサーは「今回大会に参加してくださった皆さん，本当にありがとうございました。こんなにも盛り上がる試合を見せてくれて，我々も楽しませてもらいました。今回のような大会は今後も引き続き行っていきますので，引き続きフィギュアヘッズをよろしくお願いします」と述べ，大会を締めくくった。

「フィギュアヘッズ」公式サイト