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韓国発の新作リズムゲーム「SUPERBEAT XONiC」,開発プロデューサーPlanetboom氏に聞くその魅力と,日韓音ゲー事情
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印刷2015/12/19 00:00

インタビュー

韓国発の新作リズムゲーム「SUPERBEAT XONiC」,開発プロデューサーPlanetboom氏に聞くその魅力と,日韓音ゲー事情

画像集 No.019のサムネイル画像 / 韓国発の新作リズムゲーム「SUPERBEAT XONiC」,開発プロデューサーPlanetboom氏に聞くその魅力と,日韓音ゲー事情
 2015年12月17日に発売された,アークシステムワークスのPlayStation Vita用リズムゲーム「SUPERBEAT XONiC」。同作の開発を手がける韓国のデベロッパ・NURIJOYは,日本でも高い人気を得ているリズムゲーム「DJMAX」シリーズのスタッフが集結して生まれた開発会社ということもあり,日本に先んじて発売された韓国内では,すでに好評をもって迎えられているという。

 しかしリズムゲームといえば,アーケード発祥のジャンルとはいえ,今やさまざまなシリーズがゲームハードの垣根を越えて作り続けられており,スマートフォン向けのタイトルを含めれば,群雄割拠といっていい状況にある。そんな中で,まったの新作のリズムゲームである本作は,どんな意図を持って制作されたのだろうか。

 今回4Gamerは,NURIJOYのスタジオがある韓国ソウルにて,本作のプロデューサーを務めるPlanetboom氏にインタビューする機会を得た。なぜPlayStation Vitaというプラットフォームを選んだのかなど,いろいろと興味深い話を聞いてみたので,韓国のリズムゲーム事情と合わせてお届けしていこう。

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「SUPERBEAT XONiC」とは


 本題に入る前に,簡単に「SUPERBEAT XONiC」のゲーム内容について紹介しておこう。
 基本ルールは至ってオーソドックスで,音楽に合わせて画面中央から外側に向かって流れてくるNOTE(ノート)が,円形の“判定ギア”に重なったタイミングでタッチ,または対応するボタンを押すという,リズムゲームとして標準的なゲームシステムになっている。

画面中央から外側に向かって流れてくるNOTEが,判定ギア(半円状の部分)に重なったところでタッチ,またはボタン操作をするというシンプルなルール。連続で成功するとFEVERゲージやコンボ数が上昇し,より高いスコアを獲得できる。使うボタンを4→6→8と増やすことも可能
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 基本はシンプルでも,画面奥から飛び出るように流れてくるNOTEは疾走感を感じさせるもので,また楽曲ごとに用意された映像が特徴的な画面を作り出している。収録楽曲も全50曲以上あり,韓国だけでなく日本や欧米のアーティストがオリジナルの音源を提供しているのも見逃せないところだ。

収録曲は50曲以上で,韓国はもちろん日本や欧米の著名アーティストが楽曲を提供している。DLCによる楽曲の追加配信もアリ,日本での発売元であるアークシステムワークスの「ギルティギア」や「BLAZBLUE」といったタイトルの楽曲もプレイできる(関連記事
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プレイごとに獲得できる経験値でレベルアップする要素も。レベルが上がるとプレイモードの追加や楽曲のアンロック,プレイの手助けをするDJ ICONが入手ができる
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「SUPERBEAT XONiC」公式サイト



ゲーム開発は子供を育てるのと同じこと――プロデューサー Planetboom氏インタビュー


――韓国では2015年10月22日に発売された本作ですが,日本でも12月17日にいよいよ発売となります。今のお気持ちを聞かせてください。

本作のプロデューサーのPlanetboom(プラネットブーン)氏。学生時代よりバンド活動に勤しみ,その縁でDJMAXシリーズにアーティストとして参加。コンポーザー兼選曲者として活躍する。本作では,プロデューサーとしてプロジェクトを統括している。かなり余談だが,奥様はDJMAXで歌を披露しているMiyaさん。結婚発表時にはファンからの“熱い祝福”が多数寄せられたとか
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Planetboom氏:
 いつも思うのですが,自分の作品が海外にまで伝わると思うと感動します。これは本当に営業トークとかではなくて,「このゲームを遊んでよかった」という声が聞けたらいいなと思っています。

――DJMAXとは異なる新シリーズですが,制作にあたり一番意識したことはなんでしょうか。

Planetboom氏:
 DJMAXは韓国でもっともヒットしたリズムゲームですが,その良い部分は引き継いで,足らなかった部分を補うことで“壁を超える”ことを意識して制作しました。壁というのは,つまり音楽と映像をシンクロさせることで,DJMAXでも評判の良かった背景映像を,さらに突き詰めています。音楽と映像をシンクロすることで,プレイヤーがさらにゲームとの一体感を感じられるでしょう。
 またDJMAXシリーズは,レベルアップによるやり込み要素が強かったのですが,やりがいを感じるプレイヤーがいる一方で,そこが辛いと感じるプレイヤーもいたんです。本作では,その部分はもう少しカジュアルに寄せて,サクサク進める作りにしています。

――プラットフォームとしてPlayStation Vitaを選択した理由は?

Planetboom氏:
 「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」iOS / Android)など,最近ではスマホで手軽に遊べるタイトルも増えてきました。ですが,基本的にリズムゲームはコアなジャンルです。そうしたコアプレイヤーに喜んでもらえるプラットフォームを考えたときに,PlayStation Vitaに辿り着いたんです。コアプレイヤーにとってのリズムゲームは,演奏するときの一体感・打鍵感が大事なので,PlayStation Vitaのボタン操作とタッチ操作が選べるという仕様も理想的でした。ノートが円形をしているもの,PlayStation Vitaを手に持ったときの,プレイヤーの遊びやすさを検討した結果なんですよ。

――リズムゲームでは,やはり楽曲が重要になりますが,収録楽曲はどのように選んだのでしょうか。

Planetboom氏:
 本作には59曲の楽曲が収録されています。楽曲を提供してくれたメンバーは,これまでDJMAXシリーズを共に作りあげてきた韓国のアーティストが中心ではありますが,Crankyさんや細江慎治さんら,日本のアーティストからも,収録曲の約1/3にあたる19曲を提供していただきました。また,北米からのライセンス曲,それに私自身のアルバムから収録した曲もあって,クラブミュージックからK-POPまで幅広いジャンルを遊べるようになっています。ちなみに今,韓国ではゲーム音楽專門のアーティストが増えているんですよ。

――日本のリズムゲームファンに向けて,とくに意識した点はあるでしょうか。

Planetboom氏:
 「この曲なら日本でも受けるだろうな」というチョイスは,DJMAXのころから意識しています。ボーカロイド曲を収録したり,今回はアークシステムワークスさんからの提案で「マジカルビート」AC / PS Vita)の楽曲をDLCコンテンツとして用意したりしています。

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――日本の音ゲーマーには,どんな印象をお持ちですか?

Planetboom氏:
 日本のプレイヤーのことは,とても大切だと考えています。ただ,我々が韓国のデベロッパということもあって,韓国のプレイヤーの趣向は把握していますが,日本でのリサーチは少し足りていないかもしれない。なにより,日本はリズムゲーム発祥の地ですし,音楽の趣味も幅広い。プレイヤーのやり込みやこだわりも相当強いと聞いています。今後DLCで日本や北米向けの楽曲を提供していく中で,各国のプレイヤーの好みが把握できるのではと期待しています。

――韓国のリズムゲームファンには,どんな傾向があるのでしょうか。

Planetboom氏:
 性格に答えないと集中砲火を浴びますから,慎重に答えますね(笑)。韓国は熱いプレイヤーが多くて……例えば,開発中に「レベル99まで到達するのに,1週間はかかるだろう」と設定していた難度を,3日でクリアしてしまうんです。それからゲームだけでなく,楽曲を提供するアーティストにまで愛情を注いでくれるのがありがたいですね。ファンは皆,ピュアな心の持ち主ななので……ピュアさやその熱が行き過ぎたあまり,喜びの声だけでなく,文句もたくさん言われます。ただ,それはゲームを愛してくれているがゆえの,叱咤激励だと捉えています。

――日本のリズムゲームプレイヤーは,エンジョイ勢とガチ勢に分けられますが,韓国のプレイヤーはどちらが多いのでしょうか。

Planetboom氏:
 みんな競争が好きなので,その意味ではガチ勢が多いですね。韓国にはプロゲーマーも多くて,「スタークラフト」などの対戦ゲームが大人気です。ほかの人よりうまくなりたいという意識が強いと思います。

日本とそんなに変わらない? 韓国リズムゲーム事情


 Planetboom氏が言うように,日本と同じようにリズムゲームシーンが盛り上がっている韓国。ここでは,訪韓の合間に取材したソウル市内のゲームセンターの様子を紹介しよう。

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 ソウル市では,主要な駅の近くであれば,たいていゲームセンターを見つけることができるという。実際に,筆者は空き時間を利用して新村(シンチョン)と呼ばれる学生エリアを散策してみたのだが,少し歩くだけで2軒のゲームセンターを発見できた。
 気になる設置タイトルは,もちろん韓国産のDJMAXシリーズも見かけたが,やはり日本製のタイトルが多くを占めている。ジャンルとしては,ファミリーやカップル向けのタイトルを除くと,対戦格闘ゲーム(とくに鉄拳シリーズ)とリズムゲームに集中しているという印象だ。
 訪れたのが日曜日ということもあってか,店内は若者を中心とした多くの客で賑わっており,日本とそう変わらない光景に思えた。余談だが,ほとんどの店舗に小型のカラオケボックスが併設されている点は,日本と大きく違うところかもしれない。

大型筐体が置かれている路面店。店頭にプライズ機など人目を引くマシンがあるのは日本と同様。繁華街の好立地ということもあってか,大勢のファミリー客やカップルで賑わっていた。奥にはリズムゲームや鉄拳7の筐体がズラリと並んでおり,プレイする人が途切れることはなかった
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雑居ビルの地下には,昔ながらの雰囲気のお店も。日韓のリズムゲームが軒を連ねているほか(左),鉄拳は最新の「7」から,数世代前のタイトルも稼働中。「雷電」「ストライカーズ1945」といったシューティングゲームもあるようだった。日本との違いと言えば,1プレイが200〜500ウォン(約18〜45円)と安く,レバーがいわゆる“ナスレバー”であるあたりだろうか
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 また少し調べてみると,リズムゲーム専門店まで存在するとのことだったので,港南(カンナム)地区のサダン駅からほど近くにある「MOFUN」という店舗にも行ってみることにした。駅からほど近くの雑居ビルの3Fという,表通りからはゲームセンターがあるとは思えないロケーションだったが,いかにも“それっぽい”雰囲気の男性がビルに吸い込まれるのを追いかけて店内へ。するとそこには,日本製のリズムゲームがズラリと並び,大勢の来場客で賑わっていた。

 設置タイトルはKONAMIのBEMANIシリーズを中心に,「太鼓の達人」「maimai」「RHYTHMVADERS(グルーヴコースターの海外名)」といったタイトルが20台以上稼働している(ネット接続もされている)。ここが都内のゲームセンターと言われても不思議ではないほどの空間になっていた。日本国内の大会でも,韓国勢はたびたび活躍を見せていて,リズムゲームが人気のお国柄だとは聞いていたが,それも納得というものだ。

店内はティーンエイジャーと思しきゲーマーたちでギッシリ。筐体の前で行儀よく待ったり,仲の良いグループ同士で雑談をしたりと,その様子は日本のゲームセンターとまったく変わらない。中には小学生低学年と思われる女の子(しかもうまい)もいて,韓国の音楽ゲーマーの層の厚さが感じられた
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唯一異なったのはプレイの順番待ちの方法だ。筐体の前にあるカードホルダーに自分のデータカードを差しておくと,順番が来たときに矢印で示してくれる(左写真)。なお,店内のショーケースには大会で獲得した賞状やトロフィーがズラリと陳列されていて(右写真),この店舗が“音ゲーの聖地”であることを示していた
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――今後のDLCの予定というのは?

Planetboom氏:
 韓国では12月11日から3曲パックのDLCの販売を始めました。日本でのスケジュールはまだ未定ですが,定期的に提供していければと思ってます。

――アークシステムワークスの楽曲が収録されることになった経緯を教えてください。

Planetboom氏:
 開発スタッフ間で,色々な地域に向けにどんな曲を収録しようという相談をしていたときに,アークシステムワークスさんからの提案があったんです。実は,それまでアークシステムワークスさんの楽曲を知らなかったのですが,聴いてみたらいい曲だったので収録を決めました。どの楽曲にもオープニング映像がついていますので,ほかの楽曲とは違った展開ができるのではないかと期待しています。

――最後に,日本のプレイヤーにメッセージをお願いします。

Planetboom氏:
 ゲームを作るということは,自分の子供を育てるのと同じことだと考えています。それは,ミュージシャンだった頃,自分のアルバムを作ったときから変わらない気持ちです。自分が面白くないことは,プレイヤーにとっても面白くないですから。ただ,プレイヤーによって受け止め方は違ってくるので,発売前はいつもドキドキしつつ,同時に楽しみにもしているんです。いい音楽が国境を越えて評価されるように,リズムゲームもまた,国境や国籍を問わずに楽しめるジャンルだと思っています。日本で生まれたリズムゲームというジャンルですが,生意気にもそれに負けない気持ちで作らせてもらいました。レベル10〜15くらいまでいけば楽しさが分かると思うので,ぜひ皆さん,プレイして感想を聞かせてください。

――本日はありがとうございました。

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「SUPERBEAT XONiC」公式サイト

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