レビュー
HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
EDGE 101 OPTICAL GAMING MOUSE
そんなHORIが,2015年10月2日に「EDGE」ブランドの立ち上げを発表し,日本を含む世界のPCゲーマー向け周辺機器市場へ参入することを発表したのは,既報のとおりだ。11月6日には第1弾となる4種5製品の販売が始まり,それとほぼ同時にゲーマー向けマウス「EDGE 101 OPTICAL GAMING MOUSE」(以下,EDGE 101)用となる最新版ファームウェアと設定ソフトウェア「EDGE 101 ゲーミングソフトウェア」が公開され,ゲーマー向けマウスとして利用できるようになったので,今回はひとまず,短時間ながらチェックした内容を,レビュー前編としてまとめてみたいと思う。
ケーブルの付け根に入った一工夫は○,リアボタンは×
なお,センサーはPixArt Imaging製の「SDNS-3988」。最近採用例が増えている光学タイプだ。DPI設定はセンサーの上限である6400が最大値に設定されているので,いわゆるソフトウェア補間はなされないという理解でいい。
●EDGE 101の主なスペック
- 基本仕様:光学センサー搭載ワイヤードタイプ ボタン数:11(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×2,左右サイド×2,左右リア×2)
- 最大トラッキング速度:200IPS(≒5.08m/s)
- 最大加速度:50G
- 画像処理能力:未公開
- フレームレート:1万2500fps
- DPI設定:50〜6400DPI(50刻み)
- ポーリングレート(USBレポートレート):125
/ 250 / 500 / 1000Hz - データ転送フォーマット:16bit
- 本体実測サイズ:68(W)
× 125(D) × 40(H)mm - 本体実測重量:約162g(※ケーブルと錘(おもり)含む),約131g(※ケーブルを重量計からどかせた参考値。錘含む)
- マウスソール:未公開
- ケーブル長:約.8m
- 対応OS:Windows 8.x&7(※Windows 10は動作確認中)
- 製品保証:1年間
EDGE 101は左右どちらの手でも操作できる左右対称形状のマウスで,「EDGE」という名のとおり,全体としては尖った雰囲気があるのだが,手に持った印象は,Razerの「Abyssus」やMicrosoftの「IntelliMouse Optical」に近い。左右対称形状を突き詰めると,こういう感じになるということなのだろう。
「明らかに違う」と言い切れるのは押下感で,固すぎず柔らかすぎずという,いい塩梅ながら,これまでのマウスとは異なる,オリジナリティのあるクリック感になっている。もちろん,クリック感はスイッチだけでなく,筐体側の設計にもよるので,これがスイッチの効果とは断言できないが,一度体験してみる価値はある押下感にはなっているといえるだろう。
その本体側面は,左右対称形状のマウスに多く見られる,底面部に向かって軽く内側へ切れ込むようなものになっている。そのため,指を立てて置くタイプのプレイヤーには馴染みやすい一方,ベタ置きしようとすると,薬指と小指の大部分が宙に浮くような感じになってしまう。これはEDGE 101の弱点というよりも,左右対称形状を採用したマウスに共通した弱点ではあるのだが,好みが大きく分かれるポイントでもあるので,留意したい。
なお,サイドボタンのスイッチは,コストの問題もあってEDGE-M01ではないということが公式に発表されており,実際,左右メインボタンのような,オリジナリティのあるものにはなっていないが,固さは同等なので,操作にあたっての違和感はそれほどなかった。
ホイールは,ノッチのカチカチ感が少ないソフトな印象があるのだが,気になったのは,奥側に向かって回転させたとき,特定の回転位置というか,ノッチでガチッと何か大げさな感触が指先に伝わってくること。ホイールを手前に回転させたときは問題ないこともあり,使い始めは気にならなかったのだが,Webブラウザのスクロール操作をしていたときに気になりだしてからは,なんとなくガチッという感触が伝わるたびに気が散ることが多くなったのだ。筆者の手元にある個体だけの問題であってほしいところである。
EDGE 101の持つ大きな特徴の1つに,ステンレス製ソールの採用がある。一般的なマウスだと,いわゆるテフロン加工済みのプラスチック系ソール(以下,テフロンソール)を採用しているが,HORIでは,テフロンソールの代わりに,日本国内にしかその技術がないとされる「テフロン潤滑メッキ」処理を,ステンレスソールに対して採用しているのだ。
HORIによれば,メッキ処理なのでテフロンソールよりもはるかに「滑りの寿命」が長く,かつ,滑りはテフロンソールと変わらないとのことだが,確かに,操作感自体は,テフロンソールを採用する他社製マウスと変わらない。現時点で寿命の話まではできないものの,少なくとも滑りに関して,HORIの言い分に偽りはないと断言してしまっていいと思う。
ちなみに本体底面には,マイナスドライバーや1円玉などを使ってネジを2つ外すことで簡単に着脱できる,実測重量約28gの錘(おもり)があるのだが,筆者の率直な感想としては,錘なしの状態だとマウスが少々滑りすぎる印象があった。筆者は普段,マウスは軽ければ軽いほどいいという考え方ではあるのだが,そんな筆者にとっても,EDGE 101は,錘があったほうが制御しやすかったのだ。「欧米市場には,100g程度では軽すぎると評価する人がいる」というデータから,HORIは今回,着脱式の錘を用意したそうなのだが,この意見に初めて「EDGE 101に関して言えば,確かにそうかもしれない」と思った次第である。
もちろん,組み合わせるマウスパッドとの相性などもあるだろう。また,好みの問題もあるだろうが,軽いマウスが好きだという人も,一度は標準の,錘付きの状態で試してみたほうがいいかもしれない。
左右対称形状らしい「持ち方の制約」があるEDGE 101。指を立てる持ち方と相性がよい
外観を細かくチェックしつつ,いくつか,使用感にも触れたが,ここであらためて,実際に握ったときの印象を確認しておこう。以下,写真とキャプションでまとめたので,チェックしてほしい。
前段でも指摘したとおり,左右対称形状両利き用のマウスということもあって,左右側面の凹んだ形状により,持ち方に制限が出てくる。EDGE 101の場合はとくにかぶせ持ちとの相性が悪く,配置場所の定まらない薬指と小指にかなりのストレスを感じてしまう。
最もつかみやすいのはつかみ持ちで,次点がBRZRK持ち。つまみ持ちは不可能ではないがお勧めしない,といった感じである。
少し時間をもらっての掲載となるであろう後編では,発売に合わせて公開されたソフトウェアや,それを用いて設定したセンサーの挙動などを,がっつり見ていくので,お楽しみに。
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