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「THE KING OF FIGHTERS XIV」が目指すのは,これまでで一番遊びやすいKOF。小田泰之プロデューサーへのインタビューと直撮りプレイムービーを掲載
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印刷2015/12/17 15:18

インタビュー

「THE KING OF FIGHTERS XIV」が目指すのは,これまでで一番遊びやすいKOF。小田泰之プロデューサーへのインタビューと直撮りプレイムービーを掲載

 米国時間の2015年12月5日,6日にサンフランシスコで開催されたゲームイベント「PlayStation Experience 2015」(以下,PSX)のSNK PLAYMOREブースには,2010年以来のナンバリングタイトルとなる対戦格闘ゲームシリーズの最新作,「THE KING OF FIGHTERS XIV」(以下,KOF XIV)がプレイアブル出展されていた。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「THE KING OF FIGHTERS XIV」が目指すのは,これまでで一番遊びやすいKOF。小田泰之プロデューサーへのインタビューと直撮りプレイムービーを掲載

 本稿では,ブースで収録した直撮りプレイムービーとともに,本作のプロデューサーを務める小田泰之氏のミニインタビューをお届けする。短い時間ではあったが、本作のコンセプトやゲームシステムについて聞いているので,ファンはぜひ確認してほしい。

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まず小田さんの経歴から聞かせてください。小田さんは以前,他社の格闘ゲーム開発に関わられていたと聞きました。

「THE KING OF FIGHTERS XIV」プロデューサー 小田泰之氏
画像集 No.002のサムネイル画像 / 「THE KING OF FIGHTERS XIV」が目指すのは,これまでで一番遊びやすいKOF。小田泰之プロデューサーへのインタビューと直撮りプレイムービーを掲載
小田泰之氏:(以下,小田氏)
 もともとはSNKにいて,「餓狼伝説」シリーズや「龍虎の拳」シリーズを手がけていました。最初に関わった格闘ゲームは「餓狼伝説スペシャル」です。「餓狼 MARK OF THE WOLVES」を最後にSNKを離れ,他社さんの格闘ゲーム開発に関わったあと,去年からSNKプレイモアに戻ってきました。KOFシリーズは少しだけ関わっていた程度で,企画段階から携わるのは今回が初めてです。

4Gamer:
 ずっと格闘ゲームに関わってこられて,少しとはいえ,KOFを手がけられたこともあったんですね。ではKOF XIVについて聞かせてください。本作では3Dグラフィックスが採用されましたが,その理由はどこにあったのでしょうか。

小田氏:
 理由は2つあります。まず,本作は企画立ち上げの時点でハイエンド機向けの制作が決まっていたので,それならば3Dグラフィックスの方が良いだろうということ。もうひとつは,SNKはしばらくコンシューマゲーム機向けの開発をお休みしていたわけで,この機会に3Dのノウハウをためていく必要があると考えたことです。

4Gamer:
 なるほど。となると,KOF XIVがうまくいけば,餓狼伝説や龍虎の拳,サムライスピリッツといったシリーズの復活もありうる?

小田氏:
 はい。もし皆さんに応援していただければ,そこまで持っていけるかもしれません。

4Gamer:
 それは大いに期待したいです。話をKOFに戻して,外伝的作品では「KOF MAXIMUM IMPACT」が3Dグラフィックスでしたが,ナンバリングタイトルでは初となりますよね。3DでKOFを制作する苦労はありますか。

小田氏:
 3Dグラフィックスで2D格闘ゲームを表現すること自体は初めてではないですし,そこに苦労はあまり感じません。ただ,KOFはキャラクターデザインが独特なので,あの雰囲気を3Dで表現する難しさは日々感じています。

4Gamer:
 2つめのムービーは,最初に公開されたものから若干グラフィックスの印象が変わったように感じましたが,少しずつ調整が加えられているんでしょうか。

小田氏:
 はい。素材自体はほぼ同じですが,ライト周りを強化するなど,さまざまな調整を加えています。今後もできる限りクオリティを上げて,より良いものを皆様にお届けできればと思っています。

4Gamer:
 PSXで公開された4つめのムービーでは,全50キャラクターが収録されることが明らかになりましたが,これはリリース時から選択できるのでしょうか。


小田氏:
 最初から16チーム(1チームは3人)+2人の計50キャラクターを収録しています。ちょっとずつ増えていくパターンではない,と書いておいてください(笑)。

4Gamer:
 分かりました(笑)。PSX出展バージョンでのプレイアブルキャラクターは6体でしたが,現在の開発状況はどれぐらいになるのでしょうか。

小田氏:
 全体の進捗から言うと70%ぐらいですね。ゲームバランスについては,ここから作りこんでいくつもりです。

4Gamer:
 では,ゲームシステムについても聞かせてください。これまでのKOFシリーズでは,ナンバリングが変わるたびにゲームシステムも大きく変化してきましたが,本作ではどんな格闘ゲームを目指しているのでしょうか。

小田氏:
 “これまでで一番遊びやすいKOF”がコンセプトです。プレイヤーの方からは,「KOF'98」「KOF2002」「KOF XIII」の3タイトルを評価してくれる声が多いので,これらを触っていた人たちが違和感なく遊べることを重視しています。


4Gamer:
 先ほど出展バージョンを軽く触らせてもらいましたが,基本的なプレイフィールはKOF'98に近い印象がありました。MAX発動(※パワーゲージが1本以上あるときに[△][×]同時押し)周りの挙動はKOF2002ライクですよね。しかし,KOF XIIIの要素,具体的に言うとコンボゲー的な爽快感は,どのようなところに入っているのでしょうか。

小田氏:
 おっしゃる通り,ハイパードライブゲージを利用したコンボの爽快感はKOF XIIIならではの魅力ですが,対戦における比重が高いこともあって,そこに馴染めない人も出てきてしまっていました。そこで今回はゲージシステムやMAX発動,超必殺技周りのシステムを見直し,ある程度シンプルに遊べるように落とし込みました。MAX発動中だけはKOF XIIIっぽく遊べる,とでもいいますか。

4Gamer:
 そのあたりのこと,もう少し詳しく聞かせていただけますか。

小田氏:
 まず,EX必殺技(※特定の必殺技コマンド+[□][△] or[×][○]同時押し)がMAX発動中限定のアクションになりました。また,超必殺技関連も,全キャラクター共通で2種類の超必殺技,上位版のMAX超必殺技,究極技のクライマックス超必殺技の3段階を持つ,という形に整理してあります。
 キャラクターによって多少の違いはありますが,EX必殺技はコンボに使いやすい性質を持っていて,超必殺技は下位のものから上位のものでキャンセル可能となっているので,研究すればKOF XIIIのようなお手玉コンボを叩き込めるようになるんです。

4Gamer:
 パワーゲージを集中的に使うことで,コンボを大きく伸ばせると。

小田氏:
 そうなります。それと,パワーゲージの最大値やMAXモードの効果時間は,2番手,3番手キャラクターのほうが長くなるので……。

4Gamer:
 ああ,コンボをつなぎやすいキャラクターを後に持ってくることで,一発逆転の要素が高まるわけですね。

PSXで配布されていたインストカード
画像集 No.004のサムネイル画像 / 「THE KING OF FIGHTERS XIV」が目指すのは,これまでで一番遊びやすいKOF。小田泰之プロデューサーへのインタビューと直撮りプレイムービーを掲載
小田氏:
 ええ。そのあたりはぜひ研究していただきたいと思っています。とはいえ,初心者がいきなりMAX発動を絡めた連続技を使いこなすのは難しいでしょうから,「RUSH」という簡単コンボも実装しています。近距離で[□]を連打すれば,誰でもパワーゲージを使った連続技を叩き込めるので,まずはここから慣れていってほしいですね。

4Gamer:
 分かりました。そういえば,ジャストディフェンスらしきものもあったのですが……。

小田氏:
 ああ,気付きましたか。そこはまだ試行錯誤の段階でして,詳細はこれからのお楽しみということで(笑)。

4Gamer:
 もうひとつ気になったのが,ムービーに「Party Battle」というキーワードが確認できたことです。これはどういったものになるのでしょうか。

画像集 No.003のサムネイル画像 / 「THE KING OF FIGHTERS XIV」が目指すのは,これまでで一番遊びやすいKOF。小田泰之プロデューサーへのインタビューと直撮りプレイムービーを掲載
小田氏:
 KOF XIVはコンシューマゲーム機での展開なので,オンラインモードのクオリティを高めることが重要だと考えています。なので,ガチ対戦だけではなく,ワイワイ遊べるようなモードも欲しいと。Party Battleでは,プレイヤー6人がオンライン上で2つのチームに分かれて戦い,試合中に味方を応援できるようなモードを目指しています。友達みんなでゲームセンターで遊んでいるようなものができたらいいなあと。

4Gamer:
 期待しています。最後に,日本のKOFファンに向けてメッセージをお願いします。

小田氏:
 「日本産のゲームなのに,なぜ最初のプレイアブル出展がアメリカなんだ!」と感じている人も多いかと思いましたので,ムービーでたくさんのキャラクターを発表させていただきました。今後どこかのタイミングで,日本でも体験会のようなものを開催できないかと考えているところです。必ず良いものに仕上げますので,期待してください。

4Gamer:
 楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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