［gamescom］コンシューマ版「World of Tanks」の新モード「ウォー・ストーリーズ」とは。実装経緯を開発者に聞いてきた

　Wargaming.netがサービスするオンラインタンクバトル「World of Tanks」（PS4/Xbox One/Xbox 360）のコンシューマ版に2017年8月22日，「ウォー・ストーリーズ」というコンテンツが実装された。gamescom 2017の会場でその実装経緯などを，グローバルクリエイティブアーティストのThor Parker氏に聞けたので紹介しよう。


　ウォー・ストーリーズは，キャンペーン型のストーリーモードだ。1つのキャンペーンは3つのストーリーで構成されている。コンシューマ版のWorld of TanksにはPvEが以前からあったが，それとは異なり，しっかりとしたシナリオが用意されているのが特徴の1つだという。

　ウォー・ストーリーズには，初心者のサポートを強化するという狙いもある。従来はいきなり戦場に放り込まれ，何をしていいのかも分からずにやられてしまうことも多かったが，ウォー・ストーリーズをプレイすることで，基本的な操作方法や戦い方などを学べるとParker氏は話す。例えば，同じ場所から砲撃を加えていると反撃を受けやすくなるが，指揮官による説明とともに，どういった場所に移動すべきかといったことが指示される。
　それでいて，単なるチュートリアルというわけではなく，しっかりとしたストーリーを楽しめるのが魅力のモードである。


　また，いきなりオンライン対戦に乗り込むと，操作方法が分からないだけでなく，戦車が育っておらずに苦戦を強いられるということも多かったそうだ。そういった状況を回避するためにもウォー・ストーリーズは役立つ。
　というのも，ウォー・ストーリーズでも経験値などの戦闘報酬を得られるので，戦車をしっかりと育てられるのだ。また，クリアすることで戦車をもらえるウォー・ストーリーズもあるので，自分の戦車を増やすことも可能だ。

　ウォー・ストーリーズは1度クリアすることでチャレンジモードが開放される。最初は操作する戦車が決められているが，チャレンジモードは自分の持っている戦車であれば，好きなものでプレイできる。また，選んだ戦車によって敵の強さが調整されるので，強い戦車を使っても，敵が弱すぎるなどということはないそうだ。


　Parker氏によれば，ウォー・ストーリーズは開発側の実験の場としても機能するという。例えば新たな仕様をオンラインモードに実装するとなると，バランスを考慮する必要があり，簡単にはいかない。だが，対戦には影響しないウォー・ストーリーズであれば，特殊な仕様を組み込みやすいというわけだ。
　また，別のIPとのコラボもウォー・ストーリーズであればやりやすいとのこと。アニメや映画とのコラボとなると，元ネタを知らない人にはあまり喜ばれないこともある。それがウォー・ストーリーズでコラボネタを用意すれば，興味がない人はやらなくても済む。開発側としてもいいツールと認識しているそうだ。


　なお，ウォー・ストーリーズは60日ごとに新規のものが追加される計画だという。史実をベースにしたもの，歴史のifを楽しめるもの，そして現実からかけ離れたファンタジー要素が強いものなど，さまざまなストーリーを遊べるようになる予定だ。今後の展開を楽しみにしておこう。

グローバルクリエイティブアーティストのThor Parker氏

「World of Tanks」公式サイト

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