インタビュー
「メイプルストーリーM」を遊べば,恋も部活もテストも100点満点? 結婚機能など,人生逆転のカギ(今後の方針)を聞いてきた
といった怪しい風説が流布されている,ネクソンのスマホゲーム「メイプルストーリーM」(iOS / Android。以下,メイプルM)の近況を知るべく,ゲーム運用チームの河上朋弥氏らに話を聞いてきた。
より上のレベルを目指しての競争,ギルドなどのコミュニティの活性化,今日もオートでまったりプレイなど。ローンチから約4か月が経ち,人と環境が馴染んできているメイプルMは今後,さまざまな催しを用意するらしい“ハーフアニバーサリー”に向かってひた走るようだ。
懐かしさを感じたら今すぐプレイすべき! 「メイプルストーリーM」運営チームにあれこれ聞いてみた
ネクソンが配信中の新作アプリ「メイプルストーリーM」について知るべく,運営チームの河上朋弥氏にインタビューを試みた。2000年代に大ヒットを記録し,今なお多くのファンに愛されているメイプルの魅力とは。また,スマホで遊べるメイプルMの目指す先とは。
「メイプルストーリーM」公式サイト
「メイプルストーリーM」ダウンロードページ
「メイプルストーリーM」ダウンロードページ
“フレチャ的なもの”は実装の見込み
4Gamer:
ご無沙汰しています。ローンチおよび前回のインタビューから約4か月ぶりとなりますが,まずは今の心境を聞かせてもらえますか。
河上朋弥氏(以下,河上氏):
私どもとしましては,ローンチ直後から予想以上に多くの人たちに遊んでいただけて,とにかく感謝の気持ちでいっぱいです。
4Gamer:
安心して一息つけるくらいの反響で?
河上氏:
そうですね。そんな感じでした。ここまでいくとは……と。アプリストアのランキングでも,メイプルMの名前がほかの名立たるタイトルに並んでいて,その中のひとつになっている感じがして。どんなゲームでも配信日は不安になりますが,今回は配信直前まで決まっていないことも多々あり,前日深夜まで作っていてとバタバタでしたので(笑)。
4Gamer:
プレイヤー層はどうですか。PC版からの人,完全新規の人など。
河上氏:
把握している範囲では,私たちが想定していたとおりの「PC版を知っている人たち」が中心にいるかと思います。現役プレイヤーのみならず,昔遊んでいた,名前だけ知っていた,といった人たちも含めて。
4Gamer:
たしか,2019年6月時点で150万ダウンロードを達成したとか。
河上氏:
はい,それもすべてプレイヤーの皆さんのおかげです。
4Gamer:
配信後に,PCチームからなにか一言ありましたか。
河上氏:
特別なにを聞いたとかはありませんね。前回のインタビューでも話しましたが,メイプルMの開発・運営には「PC版から携わっている人」も少なくないですし,PCチームとは今も昔もいろんな面で相談しながら一緒にやってきているので,一言もらう間柄というわけでもなく(笑)。
4Gamer:
壁がないんですね。なら,PC版に影響があったりとかは。
河上氏:
うーん,PC版のゲーム内で「メイプルMやります!」みたいな会話は見られたようですが,良くも悪くも大きな影響はなかったようです。ただ,PC版を遊んでいた人たちに向けて,公式サイトに「再会広場」という掲示板を用意しましたが,そこは結構活用してもらえましたね。
4Gamer:
「10年前の〜〜ってギルドの人ー」などと盛んでしたね。
河上氏:
数は調べていませんが,再会できた人たちもそれなりにいたみたいです。あとPC版についての補足ですが,仮に16年前に遊んでいたデータでもサーバーに残っていますので,いつでも復帰してみてください。
4Gamer:
NEXON IDが最大の壁になりそうな。
河上氏:
いや,PCチームもそう思い,一時的にサポートを強化していたんです。でも皆さん,予想以上にNEXON IDを憶えていたようで,トラブルもほとんどなく,復帰された方々はスムーズに遊ばれていました(笑)。
4Gamer:
思い出の底力でしょうか。PC版と言えば,6月に「メイプルストーリー2」も飛び出てきましたが,なにか思うところは。
河上氏:
チームとしては織り込み済みでした。メイプル,メイプル2,メイプルMに関しては“3つのチームで一緒に仕事”しているようなものですので。直近では3タイトル合同キャンペーンを実施します。中身的な意味でも,メイプル2はこれまでのシリーズ作品とはゲーム性が異なっているので,それぞれすみ分けができていると考えています。
4Gamer:
それはなにより。これからはメイプル御三家ですかね。
河上氏:
ええ,同じメイプルストーリーとして一緒に盛り上げていきます。
4Gamer:
そのほか,メイプルMではコラボ関連も盛んでした。
河上氏:
IPコラボは「ポプテピピック」「Re:ゼロから始める異世界生活」「カードキャプターさくら」とやらせてもらい,いずれも大きな好評をいただけました。運営的にも良い効果でしたし,これから数か月のうちに新しいコラボも実施予定ですから,今後も期待していてください。
4Gamer:
そうします。といったところで,多少プレイヤー側に寄り添わせてもらいます。まずは恣意的ではありますが,「アプリ内課金をする,しないのパワー差」に関する意見をチラホラ目にしてきましたが。
河上氏:
それに関しては,プレイヤーの皆様からたくさんのご意見をいただいております。そのうえで「なんとかできないだろうか」と,チーム内で日々相談しているので,具体的な解決策については今しばらくお時間をいただきたいと思いますが,各種コンテンツとの関係性,アプリ内課金の必要性なども加味しつつ,調整案を見い出せればと考えています。
4Gamer:
もう一点。巷では「シャドーが一強」の流れがありますが,こちらに関してはいかがでしょう。エンドコンテンツでもないと,強弱の必要性はそれほど大きくないゲームとはいえ,強いほうがいいですからねえ。
河上氏:
はい,そちらも把握しております。シャドーに限らずですが,強さのバランスに関するご意見も真摯に受け止めてきましたので,8月22日のアップデートで「職業のバランス調整」を実施予定です。これまで活躍しづらかった職業もより扱いやすくなるよう,現在調整中です。
4Gamer:
「上を下げる」「下を上げる」で言うと,どちらでしょう?
河上氏:
それもまだお答えするのが難しいくらい調整中でして……(笑)。よろしければぜひ,アップデートの日を期待していてください。
4Gamer:
かしこまりました(笑)。では,プレイヤーのゲームの進捗速度はどうでしたか。スマホゲームあるあるですが,速い遅いで言うと。
河上氏:
圧倒的に速かったです(笑)。やはりPC版でのプレイに慣れていた人が多かったのか,効率的なプレイスタイルをすぐに見つけ出して,共有したそれらを皆さんがすんなり実践していらしたので,こちらも急遽もっと強いボスを追加したりと,環境を見ながら対応してきました。
4Gamer:
新英雄などの実装時のために「いかに最高効率で最速でレベリングするかのフローチャート」を計画しているのとか,すごいですよね。
河上氏:
新職が出るときの一種のお祭り行事ですね。職ごとのプレイヤーランキングのデフォルト表示が「レベル」なので,その上位に入ることを目指して,皆さんがノウハウを研鑽していらっしゃるんです。オンラインゲームの形はいろいろですけど,新キャラクターの実装時にこういった競争が目に見えて発生するのは,メイプルならではなんですよね。
4Gamer:
経験値の壁と噂されるレベル196以上の人も,もういますか。
河上氏:
いえ,本日付け(2019年8月7日収録)では確認していませんが,まだ到達者はいないはずです。レベル200キャップに関しては,もうちょっとだけ開発側のアドバンテージになってくれそうです(笑)。
4Gamer:
それを支える「自動戦闘」について,反応はいかがでしょう。
河上氏:
自動戦闘は,スマホでも手軽に遊んでもらうための機能として導入したものですが,これがどのように受け止められるのかは開発段階からずっと気がかりでした。ですが,ふたを開けてみたところ,思っていた以上に皆さんに受け入れられていたので,今はホッとしています。
4Gamer:
適当にタップしているだけでゲームが進行するので楽ですよね。その反面,ちょっと気まずい意見を採りあげると,フィールド内の周囲の人がオートばっかり,といった空気感になってしまっていたり。
河上氏:
そうですね……。しっかりした操作が求められる場所や場面では決してその限りではありませんし,ギルドメンバーとチャットするから自動戦闘,といった活用法についても想定どおりですが,これまでもそういったご意見はいただいておりますので,改善案は模索したいところです。
4Gamer:
不定期に自動エモートする,とかで人間感を出すとか。
河上氏:
それはちょっと怪しいかもしれませんが(笑)。そういうアイデアも含めて,皆さんにより親しみやすいゲームにしていきたいです。
4Gamer:
その点,チャットやギルドはどんな雰囲気でしょう。
河上氏:
ゲーム内は全体チャットが使用できる「拡声器」が行き渡りはじめてから,賑々しくなりました。ちょっとした発言から,ギルドメンバーの募集まで,それに乗っかってみんなが会話してくれています。今現在はコミュニティが固まってきた人から順に,ギルド内でのやりとりを楽しんでくれています。PC版のころから踏襲している,全体からはじまり,個々人でのやりとりに移っていく流れは,うまくフォローできた気がします。
4Gamer:
おそらく,ローンチ後から最も受けているだろう意見を代弁させてもらいますが,「フレンドチャットの実装要望」については検討されているのでしょうか? 技術的な壁があるなど,理由の有無も含めて。
河上氏:
プレイヤーの皆様には大変ご不便をおかけしております……。今おっしゃったとおり,大きな理由のひとつが技術的な問題です。単純にPC版から持ってくるのが難しい状況にあるため,それを踏まえたうえでの代替案として「フレチャに相当する機能」を検討しています。きっぱりと言い切るのであれば,“なにかしらの形で実装できる見込み”です。
4Gamer:
よかったです。今日一番の仕事ができて,安心しました(笑)。
あの漫画の研究者がまたひとり
4Gamer:
コミュニティ面と言えば「Mirrativ」も活用されていますよね。
河上氏:
そのあたりは,こちらのプロモーション担当から話を。
プロモーションチーム担当者(以下,PR担当):
では,河上の代わりに説明させていただきます。ミラティブさんのスマホ向け実況配信アプリ「Mirrativ」との連携については当初から狙っていまして,ローンチ後は人気アプリとしてランキングトップに取り上げられることもありました。たぶん,雑談配信に向いているゲームなんです。それこそ,自動戦闘を活用することで会話に注力できるので。
4Gamer:
ああ,ゲームより会話面を意識できそうな。
PR担当:
そうですね。そして,これまでの反響はゲーム構造もそうですが,さまざまな有名実況者をはじめ,一般の方々も気軽に実況配信しながら遊んでくれたのが大きいと思っています。元々はいろんな人に配信してもらいたい,それを見た人にメイプルMに興味を持ってもらいたいという戦略でしたが,単純に遊んでくれているのが分かるだけで十分嬉しいです。
4Gamer:
Mirrativなら,10代にもうまく訴求できそうですね。
PR担当:
メイプルは本家韓国では「10代が必ず通る道」みたいなものですからね。10代の方々を引きつける魅力は確かだと思っています。あと,10年前にメイプルを遊んでいた20代以降の方々にしても,遅い時間帯に実況配信をしてくれているので,一概にプレイヤー層が偏っているわけでもないんです。こちらとしても「まずはメイプルを遊んでいた人たちに向けて」と考えてきたので,公式配信も遅めの時間帯にやってきましたし。
4Gamer:
なら先日,はじめしゃちょーさんを呼んでのオフラインイベントも行っていましたが,現地の人たちの印象はいかがでしたか。
河上氏:
20代前半から20代後半,といった印象を受けました。もちろん,はじめしゃちょーさんのファンも多かったはずなので,メイプルMにおけるコア層やカジュアル層といった計り方はできないかもしれませんが。それでも,ちょっと若めの方々に来ていただけたのは嬉しかったです。
PR担当:
メイプルシリーズのお客さん自体,一般やゲーマーといった特定のカテゴリに偏っているわけでもなく,なんて言いますか“普通の人”が多いのではないかと考えています。ゲームをやってそうとか,やってなさそうとか,そういうことも思われなさそうな普通な人,みたいな。
4Gamer:
言わんとしていることは。PC版はそういう社会現象でしたし。
PR担当:
このご時世もありますが,はじめしゃちょーさんも,ほかにコラボさせてもらったスカイピースさんも,「メイプル(オンラインゲーム)やってました」みたいなイメージはないし,想像されもしない雰囲気の人たちです。だけど,そういう人たちもやっていたのがメイプルなので,あくまで一部かもしれませんが,彼らのような層がきちんといるのだと分析しています。オフイベに来てくれた方々もなんて言うのでしょう,普通の方々でした。あっ,言葉は間違っているかもしれませんが(笑)。
4Gamer:
ええ,良し悪しじゃなく,普通の方々なんでしょうね(笑)。
河上氏:
メイプルは昔から,女性プレイヤーの比率も高いですしね。キャラクターを可愛く着飾れるアバター要素に興味を持ってもらえるので。
4Gamer:
メイプルMはあれですよね,ローンチ直後からキラキラでした。
河上氏:
昔は「坊主に短パン」みたいなスタートだったのに(笑)。アバターについてはまだまだ追加していきます。期間限定の物も多いですが,それらも取引所で売買できるので,逃したときは調べてみてください。
4Gamer:
ちなみにTwitterではオフ会も盛んですよね。
河上氏:
ローンチ直後はコミュニティが形成されていない懸念もありましたが,公式でオフ会支援キャンペーンを実施したところ,それでも募集枠が早々に埋まってしまうほど盛況でした。今ではギルドメンバーとの仲も醸成してきたのか,皆さん思い思いにオフ会をやられているようです。
4Gamer:
今後もオフ会サポートを予定されていたりは。
PR担当:
前回のキャンペーンではギフトカード 5000円分を贈呈しましたが,賞品が同じかは分からないものの,今後も機会があれば積極的にやりたいと思っています。やはりプレイヤーコミュニティの活性化は,メイプルMにとって大切なことですので。「みんなで集まる場がほしい」とのご要望にお応えできるよう,施策を検討中です
4Gamer:
楽しみですね。あとですね,公式Twitterで妙な漫画が公開されていましたが,あれは率直に言って,大丈夫なんでしょうか……?
PR担当:
大丈夫……かと思います。
「ケンタ、メイプルМ始めたってよ」(*‘ω‘ *)
— メイプルストーリーM (@MapleStoryM_JP) July 19, 2019
スタート!#メイプルM #メイプルストーリーM #ぷーるぷるM#メイプルM学生編 #もうすぐ夏休み pic.twitter.com/kCntCkNNEZ
4Gamer:
安心しました。はりーシさん(作中のネタ元のひとり)のほうは?
PR担当:
許可をいただいております!
4Gamer:
よかった。それで,あの企画の発端はなんだったんでしょう。
PR担当:
漫画「ケンタ、メイプルM始めたってよ」は,どの世代の人でも知っている物を使って「メイプルMをはじめたら全部うまくいく!」といった宣伝をしたくて,やっちゃいました……(笑)。
河上氏:
メイプル自体,ちょっとおふざけ感のある世界観が魅力なので,それならイメージも合わせやすいだろうという試みだったんです。デザイナーにもそういう話をしまして,作品のタッチを固めてもらいました。
4Gamer:
「いつものよくある感じで」などと注文を?
PR担当:
いえ。漫画自体をどんな構成にしようかの段階で,私が個人的な伝手も含めて「数十冊のとある漫画」を集めまして。冊子ごとの物語の話型を細かく分類し,それらの中から最も王道と思われるパターンを抽出しました。あの漫画を1本作るのに,3か月くらいかけてしまいました。
4Gamer:
そんな比較文学の卒論みたいなことを(笑)。そう言われると,あの漫画シリーズはどの作品を見ても感想はほぼ同等でしたが,お話ごとに道筋が違っていたというか,エピソードがいろいろあった気が。
PR担当:
そうなんですよ! 「勉強ができるようになった!」という根底のサクセスストーリーはいずれも共通しているのですが,エンディングだけ取っても「夏休みを乗り越えるためだけ」とか,「最終的に受験しない」とか,「勉強しなかった友達だけ受験に落ちる」とか,あと「彼女ができないパターン」とか,いろいろあるんですよ!
4Gamer:
あー,シュンとするビターエンド系とかありましたね。
PR担当:
それと時代によって雰囲気も異なっているので,メイプル世代が最も読んでいたであろう年代にリーチし,登場人物の名称も実在の名前ランキングを年度ごとに調べて,より普遍的なものにしました。その結果,一番の王道パターンである「恋愛,サッカー,テストの成功」を主題に,メイプルMに置き換えつつ「っぽく」したのが,あの漫画となります。
4Gamer:
たしかに「なんとなくこんな感じ」でやると意外と似ないのかも。
PR担当:
あと,男の子と女の子では届く漫画の内容も違ってるんですよ。演出面に関してもそれぞれ工夫があって,男の子版だと直球で「好きだ!」っていう直接描写が多いんですが,女の子版だと心中で「(あっ,好きになっちゃったかも)」っていう心理描写が多くなってるんです。
4Gamer:
まさか,ネクソンに来て,斜め上の研究成果を聞くとは。
PR担当:
申し訳ありません……(笑)。でも,とにかく研究に研究を重ねた1本でした。それもあってか,おかげさまでSNSでのシェア数も伸びて,ローンチ後では最も反響のあるツイートになりました。
4Gamer:
となると,第2弾も?
PR担当:
すごく時間がかかるので……ちょっと分かりません。
河上氏:
これに限らず,楽しんでもらえる方法は考えていきたいですね。
4Gamer:
それは残念。そうだ,Twitter担当はどなたかの専任なんですか。
河上氏:
あれは,メイプルMキノコです。
4Gamer:
キノコ。
河上氏:
はい,キノコです。
4Gamer:
理解しました。キノコさんはあれですよね,わりと日常会話もされてますが,フレンドリーなTwitter運用を目的とされてるんですか。
河上氏:
キノコが自由にやってるので,そうとも言えます。
4Gamer:
なるほど。ぷるる,と。
河上氏:
はい。ぷるる,と。
4Gamer:
分かりました。キノコですもんね。
河上氏:
はい。
結婚システムがメイプルを熱くする
4Gamer:
では話を変えて,メイプルMでは配信半年を記念する予定だとか。
河上氏:
はい。メイプルMでは今後,10月のハーフアニバーサリーを当面の目標として,大きなアップデートやキャンペーンを実施予定です。
4Gamer:
目玉はなんでしょう。
河上氏:
目玉は「結婚システム」の導入です。名称のとおり,各プレイヤーさんのゲーム内キャラクター同士が結婚できる機能です。どういう形にするのかは今のところ検討中ですが,結婚式を開催できたり,メルシャワーイベントを挿んだりと,誰でも楽しめるようなものにします。
4Gamer:
往年のオンラインゲームらしい機能。悲しい話,離婚もできます?
河上氏:
一応,離婚もできるようにと考えています。
4Gamer:
「離婚の申し込みはシステムサポートにお問い合わせください」なお役所機能でもなく,叩きつけられるんですか。相手に離婚状を。
河上氏:
これまた考案している最中ですが,ええ,まあ。ひとつの要素として搭載するつもりです。仮にですが「相手がログインしなくなってしまった」ときなど,不都合なケースも想定しないといけないので。
4Gamer:
一方的な離婚状。熱い展開も予想されます。昨今は「なりきり」や「ロールプレイ」などの遊び方は絶命の危惧を唱えられていますが,ものすごく失礼な話,「メイプルと言えばネカマ」のレッテルは剥がせないので,メイプルMでもそういう方々はいなくもない,と思います。
河上氏:
そうですねー。いなくはない,くらいの数かもしれませんが。
4Gamer:
その一方で,リアルとネットの人格が融合してきた今どきは,リアルではやりづらいリアリティのあるバーチャル体験が求められるのかもしれません。つまり,ゲームの中だからできる「三角関係のワタシプレイ」とか。いや当然,気軽に身を投じるのはどうかと思うものの(笑)。
PR担当:
PC版でも「ゲームで結婚してリアルでも結婚した」という良い話がある一方で,「(ゲーム内の)結婚式当日に揉めて(ゲーム内で)離婚した」といったエピソードがあるにはありますからねえ……(笑)。
4Gamer:
もちろん,当人たちにとっては気軽な決断じゃなかったかもしれませんが,メイプルぐらいの軽めなカラーだから気持ち楽にできるバーチャル体験とでも言うと,なかなか不思議な思い出が生まれそうですね。
PR担当:
まさにドラマですよねえ。
河上氏:
それ以上はやめておきましょう(笑)。そのほか,メイプルMの半年記念では感謝のプレゼント施策も考えています。もちろん,10月までにもイベントは別途用意していきます。
4Gamer:
職業のバランス調整のほかには,どのようなものを。
河上氏:
新英雄「エヴァン」や遠征隊の新ボス「シグナス」をはじめ,カルマのはさみの上位版「プラチナカルマのはさみ」を実装します。それと,もっとキャラクター育成を楽しんでもらえるよう,レベル140以上から使えるようになる「ハイパースキルシステム」を準備中です。この機会にキャラクターをどんどん育ててみてください。
新英雄「エヴァン」 |
新ボス「シグナス」 |
4Gamer:
内容が豊富ですが,メイプルMは今後「やり込みの拡張」と「現状の改善」のどちらを目指すのでしょう。どちらか一方というわけではなく,その時々で取捨選択するんだろう,とは察しているものの。
河上氏:
メイプルMの楽しさは,プレイヤーさん同士のコミュニケーションが核にあるものとして,ゲーム的に大切にしているのは「キャラクターを育成して,より強いボスを倒す」という部分です。そのためにも新職業や新ボス,新アイテムや新エリアは細かく追加していき,プレイヤーさんの皆さんを飽きさせないよう拡張していきます。
4Gamer:
ふむふむ。
河上氏:
その一方で,PC版の経験者にはわりと受け入れられていても初心者には分かりづらい,例えば「UIが分かりづらい」といった部分も随時修正していければと考えています。メイプルMは当面,PC版のコンテンツを持ってくるのが主な施策になりますが,現時点でも「ペット」など独自の仕様を取り入れていますので,スマホ向けの最適化も怠りません。
4Gamer:
期待しています。それでは最後に,2019年のスマホゲーム市場でどのように存在感を示していくのか,今の方針をお聞かせください。
河上氏:
新しい方々に遊んでもらいたい,といった気持ちは当然ありますが,配信から間もない現状は「メイプルMを続けてくれている方々」に,より満足いくゲーム体験をお届けできるようにとやっていきます。もちろん,今後も新職を続々出しますが,実装時に経験値キャンペーンなどを同時開催していくので,ゲームをスムーズにはじめやすくなっている機会として,新規も方々にも発信していきたいです。
4Gamer:
個人的な感想ですが,メイプルMの強みは「これ以上は古くなりようがないこと」なのかなと。新作ながらすでに16年の積み重ねがあり,よくある最新美麗な3Dグラフィックスとも対極の位置にいるので,もはや今以上にレガシーさを感じさせることは今後ない,みたいな。
河上氏:
おっしゃるとおりです。PC版の2Dグラフィックスの魅力はそのままなので,チームが努力を続けていく限り,何年経っても「古くなった」という印象は感じさせないで済むと言えます。これからもメイプルMをずっと愛してもらえるよう,PC版のような10年選手になれるよう頑張っていきますので,プレイヤーの皆さん,今後ともよろしくお願いします。
「メイプルストーリーM」公式サイト
「メイプルストーリーM」ダウンロードページ
「メイプルストーリーM」ダウンロードページ
- 関連タイトル:
メイプルストーリーM
- 関連タイトル:
メイプルストーリーM
- この記事のURL:
キーワード
(C)NEXON Korea Corp. ALL Rights Reserved.
(C)NEXON Korea Corp. ALL Rights Reserved.