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「そうだ アニメ,見よう」第50回は女子高生の中年男性への恋と青春を描いた「恋は雨上がりのように」。岡田Pが語る最終回までの見どころは
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印刷2018/03/15 11:00

連載

「そうだ アニメ,見よう」第50回は女子高生の中年男性への恋と青春を描いた「恋は雨上がりのように」。岡田Pが語る最終回までの見どころは

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 以前このコーナーでも取り上げた「魔法使いの嫁」をはじめ(関連記事),「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」といった,良質なアニメを世に送り出してきた「WIT STUDIO」。「そうだ アニメ,見よう」第50回のタイトルとなる「恋は雨上がりのように」は,そのWIT STUDIOの最新作だ。原作は,眉月じゅん氏が「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の恋愛漫画で,第63回「小学館漫画賞」一般向け部門の受賞作となる。
 シリーズ構成は赤尾でこ氏,監督は「ドラえもん」シリーズや「宇宙兄弟」を手がけたベテランの渡辺 歩氏が務めている。


「恋は雨上がりのように」


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 感情表現が苦手でクールに見られがちな橘 あきら(CV:渡部紗弓)は,17歳の女子高生。かつては陸上部のエースだったが,ケガで走ることをやめ,ファミレス「ガーデン」でアルバイトをしている。
 そんなあきらが,密かに想いを寄せているのが,ガーデンの店長・近藤正己(CV:平田広明)だ。45歳でバツイチの近藤は,従業員に威厳を示せず,客のクレームにはペコペコ頭を下げる,何をしても決まらない男。しかし,お人よしとも言える近藤の優しさに魅かれたあきらは,彼への想いを日ごとに募らせていった。

 そんなある日,客の忘れ物を届けるために走ったあきらは,足を痛め,しばらくバイトを休むことになる。そして,見舞いにきた近藤と思いがけず2人きりになったあきらは,「店長が好きです」と口走ってしまう。焦るあきらだったが,好きの意味を勘違いした近藤に想いは届かず,告白は空振りに終わるのだった。

クール系の美少女・あきらは,くたびれたオジサンの近藤に想いを寄せる
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 17歳の美少女と45歳の冴えないオジサンのラブロマンスという,ある意味ファンタジーともいえる恋愛ストーリーを描いているのが本作「恋は雨上がりのように」だ。
 28歳というと,ありえないわけではないが,現実的にはなかなか厳しい年齢差。作中でも,あきらの熱烈なアプローチに「それはムリだ」と近藤は拒み続ける。青春真っ只中の少女と,人生の折り返し地点に差しかかった中年男性の恋愛観のズレが面白くもあり,切なくも感じる。

 それでも諦めないあきらと,彼女の激しさに心を揺さぶれていく近藤の恋模様が,海辺の街・横浜を舞台に丁寧に綴られていく。障害となるのが年齢差だけでなく,あきらと店長それぞれが抱えている挫折も大きなハードルとなって立ちふさがる。あきらはそれを乗り越えて,近藤に想いを届けられるのか,本作の見どころはこの一点に絞られそうだ。

あきらのドキドキがこちらに伝わってくるようなシーンが盛りだくさん
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色彩豊かな背景と劇伴曲でつづられる恋物語


 あきらが近藤を好きになったきっかけは,雨の降る日のちょっとした出来事。陸上の道をケガで断たれ,失意に沈む日々を過ごしていたあきらがある日,ガーデンで雨宿りしていたところに,近藤がコーヒーをサービスする。しかも,手品でコーヒーフレッシュを出すというオマケ付きで。
 第1話で語られたこのエピソードは,ケガで絶望していたあきらの心に,近藤の優しさが染み渡る,非常にロマンチックなものだ。アニメではこのときのあきらの心情を,鮮やかな晴れ空で表現し,セリフがほぼないにもかかわらず,視聴者に彼女の内心をダイレクトに伝えていた。

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 本作では,こうした登場キャラクターの心情を,色彩豊かな背景や劇伴曲といったアニメならではの演出で表現している。これは,恋する少女の胸のうちを表現するのに,無粋なセリフはなるべく省くという,クリエイターの意気込みなのだろう。
 オープニングテーマの「ノスタルジックレインフォール」(CHiCO with HoneyWorks)と,エンディングテーマの「Ref:rain」(Aimer)も,本作の作風にマッチした楽曲で,2人の恋物語を盛り上げている。




アニメ版あきらの瞳は特別製


 また,本作の見どころのひとつとなっているのが,ヒロイン・あきらのキャラクター表現だ。原作でも美しく描かれているあきらだが,アニメでは一層魅力的にするために,いろいろ工夫が凝らされているとか。
 特に吸い込まれるような目力を出すために,さまざまな瞳のパターンが試しに作られたという。その上で,スペシャルファンデチームで特殊加工したり,撮影時の処理を工夫して,今の深い瞳ができ上がっているのだとか。たしかに,近藤がいつも睨まれていると勘違いするほど,あきらの瞳は射抜くように相手を見据えてくる。あの強力な目力と,あきらの可愛らしさはWIT STUDIOの努力によって生み出されているわけだ。

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岡田Pが語る最終回までの見どころ


 そんなWIT STUDIOの岡田麻衣子プロデューサーに,本作のアニメ化の経緯と,第9話以降の見どころを聞いてみた。

4Gamer:
 原作として,漫画「恋は雨上がりのように」を選んだ理由をお聞かせください。

岡田麻衣子氏(以下,岡田氏):
 この原作は,アニメ化する意味がある,ぜひ映像としても残したい作品だと思ったので,アニメ化を希望しました。

 年の差恋愛物語と見せかけておいて,奥には人と出会い関わることで得られていく何かを,あきら(女子高校生)の青春時代に乗せて描いているところがいいですよね。

 10代20代以上の恋愛の物語はちょっと泥沼化したりすることが多い中で,高校生を主軸に置くことで品(キラキラ感)を保ちつつ,大人の考えを絡ませ,大人の恋愛感覚を見せられる。“恋愛”を忘れている,もしくは一度終わらせた人達が“恋愛”っていいものだよね,と思ってもらえるかなと。

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 またフジテレビ・ノイタミナさんとは前の作品(「屍者の帝国」,「甲鉄城のカバネリ」)でご一緒させていただいておりまして,その流れもあり,一緒にやらせていただくことになりました。ノイタミナ枠ともとても合っている作品だと思うので,決まって良かったです。

4Gamer:
 ヒロインの橘 あきらをアニメで表現するにあたって,留意していることは?

岡田氏:
 原作のインスピレーションを大事にすることでしょうか。なぜこの漫画を手に取って読み進めていったのかを思い出しながら。

 アニメでは,吸い込まれてしまいそうな瞳,黒く長いストレートの髪,それらを彩る配色と艶。そして,最近のアニメ作品では珍しい頭身。これらを表現するのに柴田(由香)さんはじめスタッフに時間と労力をかけていただき,今のあきらとなりました。

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4Gamer:
 舞台となる横浜の街並みが非常に鮮やかに描かれていると感じました。

岡田氏:
 背景にも力を入れていただいています。アニメ化にあたり,何度か取材に足を運びました。各話数の演出さんにもそれぞれ足を運んでくださっています。実際に行かないと,何が目につき,どういうものが画になるのか分かりづらく,そこのリアリティラインを大事にしてくれているので,印象深くなっているんだと思います。

 美術さんの力も大きいです。美峰の吉原(俊一郎)さんは業界トップクラスで忙しい美術監督さんです。

 ちょっと話はそれますが,そんな吉原さんの一押しマンガのひとつが実はコレだったのです。「恋雨」が小学館漫画賞を受賞した際に島本(和彦)先生のコメントで,「俺だけのじゃなくなった」とありましたが,吉原さんもアニメ化の話を聞いて,似たようなことを言ってらっしゃいました。それだけ想いがあるってことですよね。なので,忙しいにも関わらず,「恋雨」のお仕事を受けて下さいました。

 どんな描き方になるか最終的には,美術監督さんと美術会社さんの技術力になるので,それらがうまく重なり合って,このフィルムが生まれております。

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4Gamer:
 第9話以降の見どころをお願いします。

岡田氏:
 あきらと店長それぞれが,“雨宿り”をしている事柄があります。それとどう向き合っていくのか,お互いが与える影響はお互いにどんな感情を持たせ,どんな行動をさせるのか。

 2人は年の差がありながらも出会い,友達までの関係になっているのです。最終回に向けて何もないわけがない!!

 せっかく出会ったのですから,2人にとって,素晴らしいことであってほしいですよね。

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4Gamer:
 最後に読者へのメッセージをお願いします。

岡田氏:
 いよいよ原作も最終回を迎えますね。原作とアニメの表現は少し違ったとしても,同じ「恋は雨上がりのように」から生まれました。そこの違いも楽しんでもらえたらうれしいです。

 また,アニメから入った人は,この素晴らしい原作をお手に取っていただきたいです。やりたかったお話はたくさんあるんです。素敵な物語が待っていますよ。

 原作やアニメは終わってしまっても,実写もあるし,まだまだ「恋雨」ロスには早いです(笑)。そして,もし雨宿りしていることがあったなら,少しだけ空を見上げてみてはいかがでしょうか? 皆さんにとって何かきっかけになるアニメだといいなと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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 現在第9話まで放送され,いよいよ物語はクライマックスへと迫っている。第7話であきらの熱い想いをぶつけられた近藤は,ようやく彼女のことを意識し出すが,やはり28の年齢差は大きい。2人の恋の行方は果たしてどうなるのか。最終話まで目が話せない展開となりそうだ。

 ちなみに,舞台となる神奈川県横浜市と本作のタイアップ企画「あきらの横浜デートスポット巡りキャンペーン」が実施されている。このイベントでは,オリジナルクリアファイルや眉月じゅん氏のサイン入りポスターなどが手に入るという。期間は3月30日まで。本作の聖地巡礼を考えている人は,こちらをチェックしてから計画を立てるといいかもしれない。

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「恋は雨上がりのように」公式サイト


放映データ
2018年1月〜
全12話
キャスト
橘あきら:渡部紗弓
近藤正己:平田広明
喜屋武はるか:宮島えみ
西田ユイ:福原 遥
吉澤タカシ:池田純矢
加瀬亮介:前野智昭
スタッフ
原作:眉月じゅん(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)
監督:渡辺 歩
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督:柴田由香
音楽:吉俣 良
オープニング・テーマ:CHiCO with HoneyWorks 「ノスタルジックレインフォール」
エンディング・テーマ:Aimer 「Ref:rain」
アニメーション制作:WIT STUDIO
制作:アニメ「恋雨」製作委員会

■BD/DVD情報
「恋は雨上がりのように」Blu-ray&DVD BOX <上>

[発売日]
2018年4月18日(水)

[収録話数]
1〜6話(本編ディスク2枚+特典CDディスク1枚)

[価格]
Blu-ray BOX : 18,000円+税
ANZX-14151〜14153
DVD BOX : 15,000円+税
ANZB-14151〜14153

「恋は雨上がりのように」Blu-ray&DVD BOX <上>特典情報

・眉月じゅん 描き下ろし三面デジパック
・オリジナル・サウンドトラックCD
・スペシャルブックレット
(眉月じゅん 描き下ろし漫画収録)
・特典映像:プレミア先行上映イベント映像

特典情報
「恋は雨上がりのように」Blu-ray&DVD BOX <下>

[発売日]
2018年6月27日(水)

[収録話数]
7〜12話(本編ディスク2枚+特典CDディスク1枚)

[価格]
Blu-ray BOX : 18,000円+税
ANZX-14154〜14156
DVD BOX : 15,000円+税
ANZB-14154〜14156

[特典]
・眉月じゅん 描き下ろし三面デジパック
・スペシャルブックレット
(眉月じゅん 描き下ろし漫画収録)
(C)眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会
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