「三國志13 with パワーアップキット」，威名「官吏」「商人」および追加武将20名の情報が公開

　コーエーテクモゲームスは，2017年2月16日に発売が予定されている「三國志13 with パワーアップキット」（PC/PS4/PS3/Xbox One）および「三國志13 パワーアップキット」（PC/PS4/PS3/Xbox One）の最新情報を公開した。今回は，パワーアップキットで導入される新要素の威名（いめい）から「官吏」と「商人」，および追加武将20名について紹介していこう。


　軽くおさらいをしておくと，威名とは武将が天下に対して名乗る称号のようなもので，名乗る異名によってゲーム内におけるプレイヤー武将の生き様，つまるところゲーム内での目的が変わってくる。
　威名には「侠客」「商人」「将軍」「武官」「軍師」「官吏」の6系統があり，侠客と商人は在野武将，残り4系統は士官武将が名乗れる威名となる。
　威名を名乗り活躍を重ねると威名のランクが上がって「できること」が増えていくのだが，善悪の分岐もありプレイの幅が広がっている（関連記事）。

自勢力の運営を支える「官吏」

　「官吏」は，農業や商業といった内政，兵糧の売買，他勢力との外交など，政務に特化した威名だ。
　最初の「小史」から，国内の政治を担う「官吏」と，各地を巡って外交に影響を与える「説客」に分岐したのち，官吏系は「宰相」「執政」，説客系は「権威」「高論卓説」「妖言惑衆」と，最終的には合計5つの威名に分岐する。


　官吏系の威名では，「功績報告」や「上奏」といった武将の功績を上げるコマンドで，味方勢力の柱となる重臣を増やしていくことが重要になる。
　最初の小吏では，功績報告を行えるのは同じ都市に仕官している武将になるが，威名のランクが上がると，同一軍団の武将を対象にした上奏を行えるようになるなど，権威の及ぶ範囲が広がる。
　また，功績を上げた武将は親近感が高まるので，同志を増やすうえでもメリットとなる。有能で自分との関係が深い武将を国の中枢に据え，運営を影から支えていくというわけだ。

　高潔な姿勢だけが官吏系統の威名における生き様ではない。「官僚」に分岐した以降の威名では，「帳簿操作」を行うことで所属都市の金の一部を着服し，自分の所持金を増やすことも可能だ。帳簿の操作がほかの武将に露見したときは，弁明のために舌戦を行ったり，賄賂を渡したりして切り抜ける必要が出てくる。


　なお，官僚とその上位の威名では「私財取引」が行える。これは，自分の所持金を使って都市の兵力や兵糧を増やすことができる。敵勢力の軍に迫られたときの対抗策，または攻略都市制圧の後押しといった際に，有用な手段になるとのこと。

　説客系統の威名では，「仲介」や「合従」など外交関連のコマンドがその特徴になる。
　威名「論客」「高論卓説」で行える「仲介」は，他勢力間の戦争を仲介し，停戦を結ばせるというもの。自勢力だけでなく他勢力間の関係も思いどおりに操れれば，理想的な外交状況を作ることができるわけだ。


　一方，「扇動者」「妖言惑衆」で行える「合従」は，自勢力と同盟または停戦中の勢力に呼びかけて，特定の勢力に向けた連合を結成するというもの。連合の下準備として，同盟や停戦の協定を結ぶ必要があるものの，自ら天下の形勢を覆す手を打てるのが醍醐味と言えるだろう。

歴史の黒幕として勢力を操って立ち回れる「商人」

　商人は，名品や兵糧などの売買を行って財を築き，金の力で勢力の動きに介入して天下を操るのが目的となる。戦いを煽って儲けたり，弱小勢力を支援して勝たせたりと，歴史の黒幕のような立ち回りができるのが特徴だ。威名は「商人」「豪商」「大商人」とランクが上がり，最後で「白龍」「黒龍」に分岐する。


　商人の基本は，名品や兵糧の売買で利益を出すこと。「商売」や「名品買付」コマンドで名品を仕入れ，本拠である自身の店舗で販売するという流れだ。名品買付では，自分の同志に実行させることができ，一度に多くの名品を入手可能とのこと。

　商売で名品を扱うときは，民や農民などの客から「舌戦」を挑まれることがある。舌戦に勝てばさらに高い値段で売れるが，負けると値切られてしまう。客が武将だった場合は，面識や親近感を得られることがあるとのこと。


　もう一つの基本となる兵糧の売買は，兵糧の相場を活かして儲けを出すことが重要になる。兵糧の相場が安い都市には「買」，高い都市には「売」のマークが表示されるので，相場を読んで金を増やしていくわけだ。
　兵糧の相場は，「豊作」「洪水」「いなご」といった災害が起きたとき，戦闘が発生したときなど，さまざまな要素で変動するので，世の中の動きに敏感になることが重要になってくる。


　そして，本拠の「増築」を行うことで交易力が増え，「商売」での販売価格が高くなったり，兵糧売買の取引量が増加したりするといったメリットが生まれる。増築で店舗の規模を大きくすることが，商人としての威名をランクアップさせるための近道と言えるだろう。

　そして，威名が「豪商」にランクアップすると，新たに「投機」「勢力介入」が行えるようになる。
　投機は，特定勢力に金を投資して強化するというもので，返済期日が来たときに対象勢力の都市数が増えていたら，投資額以上の金を受け取れるというもの。商人としての威名が高くなると，投資で強化できる項目も増えるという。


　また，投資を行うことでその勢力に対する「影響力」も増大する。詳しくは次で説明するが，影響力が高くなると勢力の動向に介入しやすくなっていく。
　なお，投資した勢力の財務状況が厳しいときに返済免除の申し入れを承諾すると，影響力をさらに増加させられるとのこと。

　「勢力介入」では，「兵糧贈与」「配下抜擢」「武将推薦」「停戦仲介」といった交渉が行える。
　基本的には，兵糧を贈与したり先述した投資を行ったりして勢力に対する影響力を上げ，自分の同志や絆武将をその勢力に仕官させることで，さらに影響力を高めていく。影響力を消費することで特定の武将の階級を上げたり，停戦を結ばせたりすることもできる。威名のランクが上がって「大商人」以上になると，都市を指定して攻略させることも可能になるという。


　最後に，今回公開された追加武将20人のイラストと紹介文を掲載して本稿の締めとする。購入予定の人はじっくりとチェックしてほしい。

王沈（おうしん） 字は処道（しょどう）。曹爽、曹髦（そうぼう）に仕える。曹髦に司馬昭の討伐計画を打ち明けられるが、これを密告。司馬氏に味方して、不忠者と罵られながらも出世を果たした。	郭馬（かくば） 合浦（ごうほ）太守・脩允（しゅういん）の配下。脩允死後、孫晧（そんこう）に対して反乱を起こす。呉はこれを鎮圧できないまま晋の侵攻を受け滅亡。郭馬のその後の消息は不明。

何曾（かそう） 字は潁考（えいこう）。晋の丞相。司馬昭が後継者に迷った際には、司馬炎を推した。司馬炎から信頼されたが、礼儀作法にうるさい人物で人々からは煙たがられた。	何楨（かてい） 字は元幹（げんかん）。魏、晋の幽州刺史。諸葛誕の反乱鎮圧に功があり、匈奴の劉猛が反乱を起こすと何度もこれを撃破。匈奴の将・李恪に劉猛を斬らせて乱を鎮圧する。

岑昏（しんこん） 呉の臣。演義では宦官。呉帝・孫晧に寵愛され、その暴政に拍車をかけた。呉の滅亡時に「岑昏こそ、暴政すべての元凶である」として群臣に惨殺された。	謝旌（しゃせい） 呉の武将。関羽の復讐のため、劉備が宜都（ぎと）に攻め込んだ際、孫桓に従い迎撃。張苞と30余合渡り合うが、かなわず敗走する。翌日、張苞にひと突きで討たれた。

皇甫ガイ（こうほがい） 魏の武将。263年、鄧艾（とうがい）・鍾会の蜀征伐戦に参加。鍾会の参軍を務めた。	李豊（りほう） 字は安国（あんこく）。蜀の武将で李厳の子。魏に降った孟達との連絡役を務めた。231年、父が諸葛亮の遠征を失敗させた罪で失脚。代わりに長史に任ぜられた。

張南（ちょうなん） 字は文進（ぶんしん）。蜀の武将。関羽死後の荊州奪還戦に副将として従軍。緒戦で呉班、馮習（ふうしゅう）とともに夷陵城を包囲。しかし、陸遜と孫桓の挟撃で戦死した。	蒋顕（しょうけん） 蜀の文官。蒋エン（しょうえん）の子で蒋斌（しょうひん）の弟。魏の侵攻で降伏した劉禅の命で、剣閣から退却中の姜維に降伏を命じる使者を務めた。鍾会の反乱の際、魏兵に殺された。

沮鵠（そこく） 袁紹の幕僚・沮授の子。袁紹の死後、袁尚に仕える。袁譚が曹操に降伏した直後、曹操軍を迎撃。張遼と打ち合うが3合もせずに逃走。射殺された。	孫震（そんしん） 孫鄰（そんりん）の子。呉の護軍将軍。晋が呉に侵攻したとき、張悌、沈瑩（しんえい）とともに楊荷橋で迎撃。張喬を捕らえるが、周浚の軍を抑えきれず捕らえられ処刑された。

甯随（ねいずい） 姜維の副将。263年、魏の諸葛緒に退路を断たれ、進退窮まった姜維に策を進言。策に従った蜀軍は雍州を攻撃して諸葛緒を誘導し、剣閣に退いた。	伍延（ごえん） 呉の車騎将軍。晋が呉討伐戦を起こすと、丞相・張悌の献策で江陵の守備を任せられる。晋の名将・杜預と戦い敗北。城を捨てて逃げ出すが、その途上、伏兵にあって捕殺された。

胡沖（こちゅう） 孫晧の家臣。中書令に任じられ、『呉歴』を著した。晋の呉征討軍が迫ると、孫晧は胡沖に降伏文書を書かせた。呉の滅亡後は晋に仕え、呉郡太守などを歴任した。	魏バク（ぎばく） 呉の武将。孫休の代、政権を牛耳っていた孫チン（そんちん）が武昌に駐屯すると、孫チンが謀反を企てていると奏上。丁奉らが孫チンを討伐した際、孫チンの弟らを捕らえるのに功があった。

句安（こうあん） 魏の武将。最初は蜀に仕えて姜維の北伐に従った。姜維が郭淮、陳泰の計略によって陽動されると、句安は敵中で孤立。魏に降伏し、その後は蜀討伐戦に参加した。	胡淵（こえん） 字は世元（せいげん）。胡烈の子。父に従い、蜀征討軍に加わる。成都陥落後、鍾会と姜維が反乱を計画して胡烈を捕縛すると、胡淵は鍾会を討って乱を鎮圧。のちに八王の乱で敗死。

邵悌（しょうてい） 字は元伯（げんはく）。魏の西曹掾（えん）。鍾会に蜀討伐を命じた司馬昭に対し、大望を抱く鍾会に兵権を与えるべきではないと進言するが、司馬昭は鍾会の野心を見抜いていた。	唐彬（とうひん） 字は儒宗（じゅそう）。晋の広武将軍。279年、晋が呉討伐戦を起こすと、龍驤将軍・王濬（おうしゅん）とともに水陸20余万の兵を率い、旧蜀領から長江沿いに進軍した。