イベント
三木眞一郎さんたちが,運命に翻弄される八葉の葛藤を熱演! 音楽朗読劇「遙かなる時空の中で3」レポート
2019年に25周年を迎える,コーエーテクモゲームスの女性向け恋愛ゲーム「ネオロマンス」シリーズ。そんなアニバーサリーイヤーに向けてのスペシャル企画“音楽朗読劇”が,2018年11月17,18日に世田谷区民会館ホールにて開催された。本イベントでは楽曲の生演奏と,声優陣の熱演が同時に堪能できる。17日は「遙かなる時空の中で3」,18日は「アンジェリーク」と,長年愛され続ける人気2タイトルのオリジナル朗読劇が生演奏付きで楽しめるのだから,ファンにとっては非常に胸アツなイベントだろう。本稿では,17日に行われた音楽朗読劇「遙かなる時空の中で3」昼の部の模様をお届けしていく。
■出演 ※敬称略
●キャスト
三木眞一郎(有川将臣役)
関 智一(源九郎義経役)
井上和彦(梶原景時役)
●ナレーション出演
石田 彰(リズヴァーン役)
●演奏
中村仁樹(尺八・笛)
田中和音(ピアノ・シンセサイザー)
●アシスタント
Kan(アンフィニ)
「遙かなる時空の中で3」は,源平合戦の時代によく似た異世界を舞台に,白龍の神子に選ばれた主人公が大切な人たちを守るため,過酷な運命に挑む物語が描かれる。ちなみに,主人公と幼なじみの有川将臣,弟の有川 譲(CV:中原 茂)は,時空移動により異世界に辿り着いた現代の高校生だ。
そのなかで主人公や弟の譲とはぐれ,平家一門に拾われた有川将臣。兄の頼朝が統べる世界を夢見て戦う源九郎義経。頼朝の懐刀として暗躍する梶原景時。朗読劇では,龍神の神子を守る八葉でありながら,それぞれの事情,思惑から対立していく3人の葛藤がていねいに描かれていた。
その切ない関係性をキャスト陣が熱演する姿は圧巻,音楽とあいまって観客の感情をも揺さぶっていく。各場面で3人の想いが語られるため,「このときに彼はこんな風に思っていたのか」と本編への理解がより深まる内容なのもファンにはたまらないだろう。
また,将臣と源九郎が熊野で怨霊と戦い,協力技「降三世明王呪」を詠唱するシーンでは,2人を演じる三木さんと関さんが息の合ったかけ合いを披露してくれた。景時役の井上さんは,穏やかで優しい普段の姿と,役目のためなら冷酷になるギャップを演じ,観客をゾクリとさせる。
シリアスな内容だけでなく,八葉や神子たちが宴をする和やかなエピソードも用意されていた。ここでは意地の張り合いから将臣と九郎が,餅の大食い競争をすることに。餅を食べるバリエーション豊かな芝居をする三木さんと関さん,適度なツッコミを入れる井上さんに会場は大きな笑い声に包まれる。さらに,白龍の神子(声:川上とも子)の「運命を変えてみせる」という名セリフが流れることも。川上さんの声を聴き,目頭を押さえるファンの姿も多く見られた。
物語もクライマックスへ。一度は悲劇的な結末を迎えたものの,龍神の神子の力(時空を越える力)で戦いをやり直すことになった3人。神子の存在,そしてともに過ごした時間のなかで結ばれた絆が彼らの未来を変えていくことに……。彼らが最後につかみ取った運命と,強い決意の言葉に客席からは惜しみない拍手が贈られた。
朗読劇終了後,関さんは「今回が(音楽朗読劇としては)初の開催ですが,回を追うごとに1人ずつ増やしていき,2020年には全員そろえたら」と語っていた。作品の世界観を生の音楽と声で堪能できる機会がまたあるならば,ファンにとっては最高の贈り物である。関さんの言葉が実現となることに期待しつつ,今後の情報を待とう。
なお,本公演の模様は,2018年12月16日までFRESH LIVEにて見逃し配信がおこなわれているそうだ。また本公演をベースに,キャストを追加した別エンディングを迎えるドラマCDの発売も決定したという。こちらについての続報もお楽しみに。
さらにイベントの最後には,「遙かなる時空の中で6 ファン感謝祭〜蠱惑の森〜」が,2019年2月10日に開催されることも発表された。2019年もドンドン勢いを増していく「遙か」シリーズから目が離せなくなりそうだ。
「遙かなる時空の中で3 Ultimate」公式サイト
撮影/大山雅夫
イラスト/水野十子
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.