プレイレポート
ここにも,そこにも,あそこにも。あなたの周りにはどんな電波人間がいる? 「NEW 電波人間のRPG」のプレイレポートをお届け
同シリーズといえば,ニンテンドー3DSダウンロード専用ソフトとして2012年2月に「電波人間のRPG」の販売がスタートし,同年9月には「電波人間のRPG2」,2013年8月に「電波人間のRPG3」が,2014年7月には基本プレイ無料(ゲーム内アイテム購入あり)のスタイルを採用した「電波人間のRPG FREE!」がリリースされている。
往年のコマンド選択式RPGのテイストを採用しつつも,探す場所で出現する電波人間が異なる「電波人間キャッチ」システムや,出生/転生の奥深い育成システムによって,シンプルな見た目に反した“やりこみ要素”が詰まったタイトルとして幅広い層に支持されているシリーズでもある。
そんな人気シリーズの最新作がスマホ向けにアプリとして配信され,iOS/Androidでも遊べるようになったというわけだ。
電波人間シリーズならではの特徴はそのままに,プラットフォームをスマホに移した本作がどのようなシステムになっているか。プレイレポートでお届けしていこう。
「New 電波人間のRPG」公式サイト
「New 電波人間のRPG」ダウンロードページ
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現実世界に漂う電波人間をキャッチして冒険に出よう
そんな彼らを端末のカメラ機能を用いてキャッチし,仲間にするシステムが本作の中核となっている。キャッチしたさまざまな電波人間でパーティを組み,育成しながらステージを攻略していくのだ。
電波人間は,それぞれに固有の名前が付けられているだけではなく,顔や体型,体色,頭の形,アンテナの種類が1人1人異なっている。かわいい女の子の容姿のものもいれば,おじさんぽさを感じさせる個体もいて,どの場所でどんな電波人間を見つけられるか,ついついワクワクしてしまう。
しかも,体型や頭の形はステータスの指針となり,体色は耐性を持つ属性や弱点を表している。アンテナの種類によって使える特技が変化することもあって,見た目の好みで選ぶのもいいが,詳細な能力で選別するのも重要となりそうだ。
従来作ではニンテンドー3DSのカメラ機能で電波人間をキャッチしていたが,今作ではそのデバイスが常に身近にあるスマホになったことで,システムとデバイスの親和性が高くなっていると感じた。場所によって出現する電波人間が変化する性質上,「ここにはどんな電波人間が現れるのだろう」と感じたら,すぐにスマホを取り出してゲームを起動できるのもポイントだろう。
基本の体色は,赤,青,緑,橙,水,黄,白,紫,黒。体色が赤ならば,火に対する耐性を持ち水には弱い。黒色はやや特殊で,耐性も弱点も持っていない |
名前や能力のほか,個体ごとに血液型や星座も設定されている。自分と同じ血液型/星座を持つ電波人間に出会えると,ちょっとうれしい |
心地良い“イジワルさ”を感じさせる冒険と
手軽さとやり応えを兼ね備えたコマンドバトル
電波人間をキャッチしたら,強敵とお宝が待つステージへと繰り出そう。本作は「スタミナ」を消費して各エリアを攻略していく,ステージクリア型のシステムを採用している。エリアは複数個のステージで構成され,クリアすると次のステージが開放されていく流れだ。
ただクリアしていけばいいのかというとそうではなく,エリアの要所にはチャレンジを一定数クリアしなければ挑戦できないステージもあり,1つ1つのステージをくまなく探索してチャレンジを達成しなければ先のエリアに進めないことも。いかにチャレンジをこなしながらステージを攻略するかは,プレイヤーの手腕が試されるところだろう。
ステージには「一人もダウンしないでクリアしよう」「全ての敵とバトルしよう」「全ての宝箱を開けよう」などのチャレンジが設定されている |
シークレットゾーン探しがかなりアツい。道が不自然にブラックアウトしている箇所や,道にあいた穴,ワープゾーンなど仕掛けが盛りだくさんだ |
昨今のスマホ向けゲームでは,ステージ探索の要素を省いたり,オート機能を搭載したりすることでプレイヤーの手を煩わせない“お手軽さ”を重視する傾向があるが,本作においてはあえてステージの細かなところまで探索する楽しみも持たせ,昔ながらのRPGのスタイルを貫いているのだ。
消費したスタミナは一定時間経過するか,ジュエルの使用によって回復できる。スタミナを1回復させるのにかかる時間は3分で,ステージ探索ですべて消費したとしても,ふと気づくと最大まで回復していることもしばしば。次のプレイまで待つ時間はそれほどストレスにならない印象だ。
ボス戦前には会話が発生。ボス討伐後,宝箱に触れるとステージクリアになってしまうため,まだ探索を続けたいときは宝箱を無視して引き返してOKだ |
通常マップであるメインエリアのほか,特定の敵が出現する「イベント」が開催されている。イベントはスタミナを消費しない代わりに,1回挑戦すると一定時間プレイできなくなる仕様だ |
バトルでは,手持ちの電波人間4人+助っ人1人(ほかのプレイヤーの電波人間)の計5人でパーティを組んで敵と戦う。特技と打撃を選択して戦うこととなるのだが,パーティ全体に攻撃の指針を伝える機能「みんな打撃」「がんばれ」「まもり」のコマンドも用意されている。直前に出した指示を繰り返し実行させる「オート機能」もあるため,深く考えずにバトルを進めていきたいという人も気軽にプレイできるだろう。
シンボルエンカウント制となっているため,戦いたくない敵を避けて先に進むこともできる |
ステージ内にはパーティ全員のHPとAPを回復してくれるポイントがある。探索の途中で回復するか,ボス戦前までとっておくかは迷いどころだ |
敵にも電波人間と同様に得意/不得意とする属性があり,有効な属性を持った特技で攻撃するとダメージ量がアップする。その逆もまたしかりで,苦手な属性の敵から攻撃を受けると大ダメージを受けてしまう。属性相性による影響が大きいため,ステージを攻略する際はパーティに組み込む電波人間の属性と出現する敵の相性を考える必要がある。
出現する敵の属性はステージ選択時に確認し,パーティ編成を考えるなり,耐性のある装備を身につけるなりして,事前に準備して挑みたいところ。序盤をプレイしてみての感覚ではあるが,一見倒せそうにない敵であっても装備を整えてから挑戦すれば倒せることが多かった。シリーズ初プレイの人でもこれらの対策を心がければ突破できてしまう,良いバトルバランスとなっていると感じた。苦戦していた相手を試行錯誤の繰り返しで倒せたときの喜びは,ひとしおだろう。
加えて,敵を倒すと,まれに装備や島に配置できるデコレ,電波人間の転生用アイテムが落ちることがある。ドロップ率は低いものの,入手したさでついつい周回してしまった。
ステージの宝箱からは,ゲーム内資金である「G」をはじめ,ジュエルや装備などさまざまなアイテムを入手できる |
どの敵がどんなアイテムをドロップするのかは,出現モンスター一覧で確認を。推奨レベルも書いてあるため,挑む際の参考にしよう |
電波人間を強くするなら「出生」と「転生」で
電波人間はステージ上の敵を倒すことで経験値を得て,レベルが上がる。しかしレベルには上限があり,最大まで達してしまうとそれ以上強くはならない。電波人間をさらに強化するには,「出生」と「転生」を行う必要があるのだ。
出生は2人の電波人間を組み合わせて新たな電波人間を生み出すというもの。出生によって世代が1つ上がり,親になる2人の特徴を合わせた電波人間が誕生する。
一方転生は,専用のアイテムを消費して電波人間の世代を一段階上げて,レベルの上限をアップさせる。転生を行うことで最大レベルが上昇し,さらなる強化が図れるということだ。出生と転生に必要な条件は「上限レベルに達している」「しあわせが最大値である」ことで,出生にはこれらに加え「互いの世代が一致している」も条件に入る。
転生は電波人間の属性によって必要となるアイテムが異なる。転生用アイテムはエリアごとにドロップするものが変わってくるので,ほしいアイテムがドロップしない場合は先のエリアに進むのが吉だ |
出生の組み合わせによっては,色が混ざった電波人間が誕生することも。見た目からして特別感が漂っている……! |
世代が1つ上がり,レベルが1に戻ってしまうのは「出生」「転生」のどちらも同様だ。レベルが1に戻ることをネガティブに捉える人もいるだろうが,メインパーティに入れてステージを周回すべばレベルは自然と上がっていくため,そこまでは気にはならなかった。とくに1世代目は上限レベルが10と低めなため,あっという間にレベル上げを完了できるはずだ。
ホーム画面には仲間にした電波人間たちの暮らす島(拠点)がある。島には家や床などのアイテムを自由に設置して,プレイヤーのオリジナリティを出せるようになっており,こだわり派のプレイヤーは力の入るところだろう。ほかのプレイヤーの島へおでかけして,アイテム配置の参考にするのもいい。
また,島でのふれあいは電波人間の「しあわせ」を上げられる要素の1つなので,ゲームを立ち上げたら電波人間たちをタップして交流しておくと,「出生」「転生」時にしあわせが足りなかった! なんてことも防げるだろう。
ホーム画面には集めた電波人間が暮らしている。島にインテリアを置き,自分だけの島を作ろう |
「ふれあい」のメニューで「たべもの」を渡したり,「おしゃれ」で電波人間を着飾ったりすることもできる |
「デコレ」のアイコンをタップすると,レイアウト画面に移行する。島はアイテム「しまヒロビーロ」を使うと拡張でき,島が広くなればより多くのアイテムを配置したり,仲間にできる電波人間の数が増えたりする |
入手した種は,島に植えると収穫可能に。「水やり」をして実をつけた作物を電波人間にあげて「しあわせ」を上昇させよう |
昔ながらのRPG好きなら遊んでおいて損はなし
電波人間との冒険をはじめてみよう
現時点でエリア5まで進んでいる筆者だが,現在少し敵が手ごわくなってきたこともあり,レベル上げとアイテム収集をかねてほかのエリアを周回中だ。あと少しのところでボスに負けてしまう僅差での敗北を味わい,次はこうしたらいいのではないか,ああしたらいいのではないかという試行錯誤を繰り返し,見事にはまり込んでしまっている。
冒険で助っ人として連れて行ってもらったときに「いいね」をもらえると,その数によって「ログインボーナス」の報酬が変わってくることもあり,昨日はどれくらいいいねをされたのだろうと,わくわくしながらログインボーナスを眺めるのが日課だ。
ステージに隠されたシークレットゾーン探しは,幼少の頃にプレイしたRPGを彷彿とさせ,手探りの冒険はこんなにも達成感に満ちあふれたものだと再認識させられた。面倒くささを感じるプレイヤーもいるかもしれないが,スマホで遊べる“コンシューマライクなRPG”が好きな人にとっては魅力的なタイトルかもしれない。探索要素を持たせつつもステージは数分でサクッと攻略でき,スマホ向けタイトルらしいお手軽さも兼ね備えていて,スキマ時間に気軽にプレイできるのも魅力だ。
冒険を彩るドラマチックなストーリーはないものの,キャッチした電波人間とのふれあいをとおし,プレイヤーそれぞれに自分だけのストーリーが生まれること請け合い。パーティメンバーが8人から5人に変更されるなど,ニンテンドー3DS版から仕様が変わっている部分もあるが,電波人間のRPGシリーズを遊んでいた人も違和感なくプレイできるだろう。
出生/転生のシステムは,その仕組みの奥深さから理解するまでやや時間がかかるかもしれないが,基本のシステムは往年のRPGに近くプレイのハードルは低い。本稿を読んで気になった人は,一筋縄ではいかない冒険を堪能してみてほしい。
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