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[GDC 2018]「MONSTER HUNTER: WORLD」はなぜ世界的ヒットを成し遂げられたのか? 検証を重ねたプロトタイプの映像が世界初公開
Postmortemは事後検証というような意味合いを持つ言葉で,そのセッションは過去の名作や大作をテーマにしたものが多い。だがご存じの通り,「MONSTER HUNTER: WORLD」(PC / PS4 / Xbox One。以下,MHW。国内ではPS4版のみの販売)。海外でのPC版発売は2018年秋)は2018年1月に発売されたばかりの,まさに今注目されているタイトルのひとつだ。
そんな作品がなぜPostmortemなのかというところも気になるが,そのあたりを含めてセッションの概要を紹介しよう。
海外市場を視野に入れ,2014年に制作がスタート
登壇したのは,MHWのディレクターである徳田優也氏と,カプコンのグローバルプロダクション部門でシニアマネージャを務めるPeter Fabiano氏だ。
徳田優也氏 |
Peter Fabiano氏 |
まずFabiano氏から,MHWは何を狙って開発されたのかが語られた。MHWの企画がスタートしたのは2014年のことだという。モンスターハンターは「生態系の中で本当に生きているかのようなモンスターを描き,プレイヤーがリアルにハンティングを体験する」(Fabiano氏)シリーズだと定義した上で,さらにモンスターハンターには3つの核があると説く。それはアクション性,マルチプレイ,そして「新たな武器やスキルを手に入れてプレイヤーが繰り返し遊べる」(Fabiano氏)というゲームプレイのループだ。
そんなモンスターハンターの新作を企画するにあたって,シリーズのプロデューサーを務める辻本良三氏から「次のモンスターハンターは次世代家庭用ゲーム機の性能を活かした技術を盛り込み,ゲームエンジンを刷新し,日本だけでなく世界のプレイヤーが楽しめるタイトルにしたい」という話があったそうだ。
そこでFabiano氏らは,次世代ゲーム機の高度なグラフィックス性能を生かした濃密なフィールドを創り出し,そこでプレイヤーがリアルな体験を楽しめるタイトルにする,という目標を立てたとのこと。従来のシリーズ作品にあったマップのゾーンを廃止するなど,思い切った変更が加えられ,ストーリーボードやコンセプトアートが作られていったそうだ。
このストーリーボードをもとにプロトタイプを制作し,コンセプト実現の可能性を見極めていく作業が行われていったという。
世界初公開となるプロトタイプの映像を徳田氏が解説
ここからは徳田氏がプロトタイプの映像を流しつつ解説するという形でセッションが進められた。このプロトタイプは「世界初公開」(徳田氏)だそうだ。本稿では写真を使いながら徳田氏の解説をまとめよう。
以上は,MHWで実際に使われている「ワールドエンジン」での映像だが,その完成前には1世代前の「MT Framework」で検証を行っていたそうだ。その映像もあるので以下で紹介していこう。
以上,会場で披露された2つのエンジンによるプロトタイプの映像をまとめてみた。ファンにとってはMT Framework版で登場したラギアクルスが気になるところだろうが,技術的に難しい問題が多々あり,「製品版では出てきません」(徳田氏)とのこと。今後の登場予定もないそうなので,その点は押さえておいていただきたい。
ダメージ表示は海外向け
さて,徳田氏からFabiano氏にマイクが戻り,こうした試作を繰り返した結果どうなったか,が語られた。といっても,もう4Gamerの読者には語る必要がないかもしれない。
というわけで,なぜMHWがPostmotemなのかという話に戻ると,モンスターハンターシリーズは2004年の第1作からすでに14年が経過したタイトルだ。日本では超がつく人気シリーズだが,それに比べると海外での知名度は今ひとつだった。それが今作で一気にワールドワイドのタイトルに成長したわけで,それをPostmotem(事後に検証)してみようというのが,このセッションが設定された理由だったのだろう。
「MONSTER HUNTER: WORLD」公式サイト
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