インタビュー
「千銃士」ディレクターインタビュー。作り手のこだわりを感じさせる“貴銃士×育成ゲーム”が想像以上に尊かった
一見すると特定のモチーフを擬人化したよくあるタイプのゲームに見えるかもしれないが,先日公開されたゲームシステムに目をとおすと,「貴銃士」「絶対高貴」「ガスマスク」といったパワーワードに溢れており,公開されたPVからは作り手の並々ならぬこだわりを感じられる。
これは大きな波がくるかもしれない――4Gamer女子部(仮)でも注目せざるを得ないと,11月3,4日に開催されたアニメイトガールズフェスティバル(以下,AGF)の「千銃士」ブースに突撃してきた。だって,貴銃士が絶対高貴になってガスマスクの敵立ち向かうって,何が起きるか気になってしかたがないじゃないですか。
そんな突然の訪問にも関わらず,本作のディレクターを務めるマーベラスの大徳氏が取材に応じてくれた。本稿ではそのインタビューの模様をお伝えしていこう。
「千銃士」公式サイト
4Gamer:
AGF会期中のお忙しいタイミングにお時間いただきありがとうございます。AGFは物販メインのイベントですが,「千銃士」ブースはグッズ販売ではなくアトラクションで攻めているんですね。
大徳氏:
はい。「千銃士」といえば“銃”じゃないですか。そうしたら射的しかないでしょうと(笑)。それに,事前登録キャンペーンを実施中というのもあって,少しでも多くの方に興味を持ってもらいたいと,世界観を重視したアトラクションを用意させていただきました。
あと,今回こういう冊子も作りまして……古銃の魅力について熱く解説した「千銃士」入門書です。
4Gamer:
このAGFにあわせて,「貴銃士」(古銃をモチーフにしたキャラクター。基本的に美男揃い)ではなく,貴銃士のベースになった「古銃」にフォーカスした冊子を制作したというのが興味深いですね。あえて古銃そのものをメインとする冊子を作った狙いについて聞かせてください。
大徳氏:
今回のAGFでは,キャラクターコンテンツに対して高い熱量を持った方々に,「千銃士」というゲームの本質的な魅力をアピールしたいと考えました。そこで,貴銃士のモチーフになった古銃そのものの歴史や魅力を伝える冊子を作ったんです。もちろん,「千銃士」の登場キャラクターを知っていただくために,クリアファイルやブロマイドなども大量に配布し,全体としては広範囲なプロモーションになるよう心がけています。
4Gamer:
アトラクションも結構大がかりでしたよね。我々も先ほど,アトラクション「NOBLE Shootin’Gallery」を遊ばせていただいたんですが,そこで用意されていた銃も,古銃のレプリカだったような気がします。
大徳氏:
そうなんです。こだわりの古銃モチーフの銃だったので,来場者のみなさんにどれくらい気付いてもらえるか心配だったんですが,冊子の効果もあったのか,再現度の高さに気付いていただけたようでホッとしております。本当はもっと長身のマスケット銃にしたかったんですけどね(笑)。
4Gamer:
実際にAGFに出展してみて,手応えはいかがですか?
大徳氏:
やはりお客さんの熱量がすごいですね。「NOBLE Shootin’Gallery」は,「千銃士」の事前登録(公式Twitterのフォロー,もしくは公式LINEアカウントの友だち追加)が参加条件だったんですが,「応援してます」「チェックしてます」と言ってくださる方もいらっしゃって,非常にうれしかったです。
4Gamer:
事前登録者数も順調に増えていそうですね。
大徳氏:
はい。そのほか,今回のAGFで初めて「千銃士」を知ってくれた方も多くて,AGF出展に関しては一定以上の成果を挙げられたのではないかと思っております。
4Gamer:
まだ公開されている情報が少ないということで,せっかくですのでゲーム内容についても教えてください。まず,どういう経緯で“古銃”をテーマにしたゲームを作ることになったんでしょうか。
大徳氏:
本作で世界観監修を務めるコンセプターが,もともと歴史や古銃が好きだったというのがきっかけですね。古銃って装飾性にも優れたものが多く,アンティークとしての価値も高くてどれも美しいんですよ。
4Gamer:
機能性の塊ともいえる現代銃とは,ひと味違った魅力がありますよね。
大徳氏:
現代人から見れば古銃は1発撃つのに時間も労力もかかるし,よくこんな武器で戦っていたなと思うところもあるんですけど,この圧倒的な性能の差が本作の「古銃vs現代銃――絶望の戦い」というテーマに集約されています。
4Gamer:
確かに,連射性能だけ比較しても“絶望的”な感じがします(笑)。
大徳氏:
貴銃士たちは,そんな絶望的な戦場で心を折られながらも,高貴に敵へと立ち向かっていきます。現代銃と比べて性能的には劣っていても,胸に秘められた想いや魂では負けていないんだ,というドラマをキャラクターそれぞれが持っているんです。
4Gamer:
そんな絶望的な戦いの中で,古銃たちが生き残るための鍵となるのが“絶対高貴”とのことですが,これについて詳しく教えてください。
大徳氏:
貴銃士たちは,マスター(プレイヤー)とのコミュニケーションを通じて奇跡の力,“絶対高貴”に目覚めます。最初から絶対高貴の力を持っている貴銃士もいるのですが,未熟な貴銃士はマスターとのコミュニケーションを重ねることで,絶対高貴に目覚めることができます。
4Gamer:
なるほど,いわゆる“覚醒”みたいなシステムなんですね。
大徳氏:
そういう感じです。そしてバトルでは,薔薇の花を模した「高貴ゲージ」というものがあるのですが,貴銃士が攻撃したり,ダメージを受けたりすると,このゲージが溜まっていきます。ゲージが満タンになると“絶対高貴”が発動するんです。マスターが傷ついた貴銃士の治療を行うことでもゲームは上昇します。
4Gamer:
バトル中に絶対高貴が発動すると,各貴銃士のキャラクターソングが流れるんですよね。
大徳氏:
はい。キャラクターソングは味方の全キャラ分存在し,絶対高貴が発動するたびに流れますので,かなり賑やかなバトルになると思います。
4Gamer:
全キャラ分の歌が用意されているというのはすごいですね……。キャラへの愛着も深くなりそうです。
大徳氏:
それぞれのキャラクターをイメージした曲と歌詞になっているので,こちらもぜひ注目してほしいですね。絶対高貴中は貴銃士のパラメータがアップするのですが,ある条件を満たすと必殺技を発動させることができます。その際に特別なカットインが入るのも見どころの1つです。
4Gamer:
PVでもちらっと確認できる要素ですね。
大徳氏:
ちなみに,マスターと貴銃士のコミュニケーションは「親愛シナリオ」で描かれていますが,貴銃士同士の会話は「日常シナリオ」で楽しめます。貴銃士は元となった古銃の特徴や歴史を記憶として持っているので,たとえばアメリカの“ケンタッキー”とイギリスの“ブラウン・ベス”はいがみ合っているとか,ナポレオンとラップは貴銃士であっても持ち主と同じ皇帝と副官という関係であるとか,そういった部分が垣間見えるシナリオを用意しています。ぜひ古銃や歴史の勉強をしつつ,貴銃士たちを愛でてあげてください。
4Gamer:
なるほど。あと気になっていたんですが,現代銃はガスマスクをしていますよね。彼らはずっと顔を隠しているんですか?
大徳氏:
そのあたりについてはゲームの仕様にも関わってくるので,後日あらためて紹介させてください。ですが,公式サイトで現代銃キャラクターの1人だけは,ガスマスクを何度かクリックするとガスマスクが割れます。まだあまり知られていない要素ですので,ここで初めて知ったという人はぜひ試してみてください(笑)。
4Gamer:
ありがとうございます。さっそくガスマスクを割ってみます(笑)。それでは最後に,「千銃士」の配信を楽しみにしているファンに向けて,一言お願いします。
大徳氏:
自画自賛ではありますが,「千銃士」は素敵なゲームに仕上がっていると思います。なるべく多くの方に楽しんでいただけるよう,制作陣一同,全力で開発に取り組んでいます。少しでも気になった方は,ぜひ事前登録を済ませて今後の情報公開にもご注目ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
――2017年11月3日収録。
「千銃士」公式サイト
(C)LINE Corporation / Marvelous Inc.
(C)LINE Corporation / Marvelous Inc.