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[EVO2018]ときど選手に聞く「ストリートファイターV AE」部門の見どころガイド。キャミィを中心とした“5強”使いに要注意
そんなEVOのメイン競技タイトルの1つ,ときど選手の昨年の活躍も記憶に新しい「ストリートファイターV」(PC / PS4)では,新バージョンである「アーケードエディション」を,ラスベガスで開催されるEVOとしては初めて採用。最終日のトリを飾るタイトルとなるとのことだ。
そんな同作において,昨年の優勝に続いて2連覇に期待がかかるときど選手に,現在の情勢や注目すべきプレイヤーなどを聞いてみたので,本稿では観戦ガイドとして,その内容をお届けしたい。この週末,ネット越しの観戦を予定している人は,ぜひ一読してほしい。
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「ストリートファイターV アーケードエディション」公式サイト
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トーナメントを勝ち上がれるかどうかは,キャミィ戦にかかっている
4Gamer:
「ストリートファイターV」も今年で3年目となるわけですが,まずは,ときど選手が現在の情勢をどう考えているか聞かせてください。
打撃と投げを絡めた攻め,なかでも画面端での攻防がキモになるというシンプルなゲームシステムということもあって,プレイヤーのレベルが全世界的にめちゃくちゃ高くなっているんです。昨年はなんとか優勝できましたが,正直言って今年はかなりキツイ戦いになるでしょう。
4Gamer:
とはいえCapcom Pro Tourを見ていると,それでもTOP8や優勝に絡めているプレイヤーは,一握りという印象です。
ときど選手:
そうですね。シンプルであるが故に,例えば受け身の方向に合わせた重ねだったり,ヒット確認だったりといった,細かい部分の精度が重要になります。なので,そうしたところにまで時間をかけて取り組んできた選手達――海外勢でいえばシンガポールのXianや中国のXiaohai,ノルウェーのPhenomとか,自分のキャラクターの錬度に自信がある選手が,やっぱり上位に残ってくる。バトルバランスが毎年調整されるタイトルではあるけれど,シーズンが変わっても,積み上げてきたものは生かされるんだなと。
4Gamer:
シーズン3.0の初頭は,アビゲイルとラシードが大活躍でした。板橋ザンギエフ選手がアビゲイルにキャラクターを変更してから,それほど時間を置かずに「闘会議GP大会」で優勝したりとか。
ときど選手:
シーズン3.0のアビゲイルは,ちょっと強すぎました(笑)。扱うのが簡単で,しかもダメージが大きいという,練度がそこまで必要なキャラクターではなかったんです。でも,今のシーズン3.5はかなり改善されていて,ただ強いと言われているキャラクターに変更しただけの人は,厳しい戦いを強いられている印象です。キャラクターの性能だけで勝っている人は,現状いないんじゃないかな。
4Gamer:
現在のキャラクター情勢はいかがですか。
ときど選手:
キャミィ,豪鬼,ガイル,メナト,いぶきの5強ですね。この中でのキャラクター相性は,キャミィ vs. ガイルの組み合わせ以外はそれほど差がないと思います。今はまだ,ガイル戦をしっかりと詰めているキャミィ使いがいないのでなんとかなっていますが,将来的にはガイル側がかなり苦しい戦いを強いられそうです。
自分が使っている豪鬼は,キャミィには少しキャラパワーで負けていると感じています。ですが,全然いける範囲かと。ほかの5強に対する相性はまちまちですが,それほど偏った相性差はなくて,5強以外のほとんどのキャラクターには有利に戦えます。
4Gamer:
この5キャラクターの中で,最も注目すべきキャラクターというと,どれになりますか。
ときど選手:
一番はやっぱりキャミィですね。シーズン3.5になって,多くのプレイヤーがキャミィに転向をしたり,サブキャラクターとして練習しています。トーナメントではかなりの数のキャミィと対戦することになるので,キャミィに勝てるキャラクターでないと上位に食い込むのは難しいでしょう。逆に言えば,キャミィ戦に自信があるなら,それだけで大きなアドバンテージになります。
4Gamer:
現環境ではキャミィ対策が何よりも重要だと。
ときど選手:
そうですね。最初に話した「全体のレベルが上がっている」という話にもつながりますが,技術的な差がなくなりつつあるので,キャラクター相性は結果に大きな影響を及ぼします。対キャミィ戦に限りませんが,メインキャラクターだけでトーナメントを勝ち切れないなら,ほかのキャラクターも用意しておくべき状況です。
例えばボンちゃんは対キャミイ用にかりんを出す戦略を採っていますし,アメリカのNuckleDuやPunk,韓国のInfitrationは複数のキャラクターを使いこなしていて,そこが強みにもなっています。
○キャミィ / 接近戦特化型
■強み
- 攻めを継続しやすい通常技+高い機動力による“投げ”の通しやすさ
- スパイラルアロー絡みの連続技による,画面端への追い詰めやすさ
- (VトリガーIを含む)キャノンストライクによる接近戦への持ち込みやすさ
- 無敵技のEXキャノンスパイク,位置を入れ替えられるVリバーサルによる防御能力
■弱点
- 体力が最低クラスで,スタン耐性も低い
- 接近戦に持ち込まないと強みが活きない
■ときど選手の挙げる注目プレイヤー:Xiaohai選手
去年はXiaohaiが活躍せず,残念に思っていました。今年は序盤からちゃんと大会に出場しており,大きな存在感を放っているので活躍が楽しみです。キャミィ使いは多いですが,持ち前の反応速度を武器としたプレイはまさにXiaohaiならではですね。
○豪鬼 / ハイスタンダード型
■強み
- ダウンを奪える飛び道具と無敵対空,そして高い機動力による盤石な立ち回り
- 攻めを継続しやすい通常技+高い機動力による“投げ”の通しやすさ
- 斬空波動拳&天魔空刃脚を絡めた跳び込み,百鬼襲による接近戦への持ち込みやすさ
- VトリガーIによる接近戦への持ち込みやすさと爆発力
- 位置の入れ替えや画面端狙いなど,目的によってルートが選べる連続技の自由度の高さ
- 無敵技を持ち,位置も入れ替えられるEX百鬼襲による防御能力
■弱点
- 体力,スタン耐性ともに最低クラス
- VトリガーIはVゲージ3本が必要なため,Vリバーサルに頼りにくい
■ときど選手の挙げる注目プレイヤー:ときど選手
豪鬼の注目プレイヤーは……,僕でしょう(笑)。ただ,これまでプレイヤーが少なかったんですが,今年は日本のハイタニやベルギーのTakamuraなど,使い手が増えてきています。
○ガイル / 中〜遠距離対応型
■強み
- ソニックブームとソニッククロスによる遠距離戦性能
- リーチに優れたローリングソバットやスピンバックナックルによる中距離戦
- リバーススピンキックと通常投げによるガード崩し
- ソニックブームを活用した画面端での固め
- 横押しが強化されるVトリガーI,Vリバーサルが使いやすくなるVトリガーII
■弱点
- 最速の通常技が4Fであるため,接近を許してしまうとEXサマーソルトキックやVリバーサルに頼らざるを得ない
■ときど選手の挙げる注目プレイヤー:ウメハラ選手
大会でも良い結果を残してきていますし,ウメさんには注目です。ほかにもアメリカのNuckleDu,ドミニカ共和国のCaba,フランスのAkainuなど,各地域に強豪ガイル使いがいる印象です。ただ,上まで上がってこれるかどうかは対キャミィ戦次第でしょうね。
○メナト / 中〜遠距離対応型
■強み
- 通常技のリーチ,ソウルスフィア設置,Vスキルでの飛び道具対策による中〜遠距離戦性能
- ソウルスフィア・アンクやソウルスパークによる豊富な連係
- VトリガーIを利用した攻めや連続技に爆発力があり,逆転性能が高い
■弱点
- 対空が通常技メインで,EX太陽の守護者も無敵になるまでが遅いため,下方向に強いジャンプ攻撃や機動変化攻撃に対応しにくい
- Vリバーサルの性能が悪く,頼れる無敵技もクリティカルアーツしかないため,画面端での防御能力が低い
■ときど選手の挙げる注目プレイヤー:sako選手 / Infiltration選手
プレイスタイルが全然違う2人ですが,どちらも注目の選手です。sakoさんは守りたくないという気持ちがあって,能動的に試合を動かしていく。対してInfiltrationはじっくりとしたプレイでチャンスをうかがうのがうまい。レアなキャラクターですから対策漏れのある相手に勝ちやすいですし,キャミィに不利が付かないことも大きいです。
○いぶき / 接近戦型
■強み
- 発生3Fの立ち弱Pから状況確認して連続技に持ち込めるターゲットコンボ,無敵技であるEX風斬りによる防御能力
- 攻めを継続しやすい通常技+高い機動力による“投げ”の通しやすさ
- 天雷による中距離戦
- 空中EX苦無による接近戦への持ち込みやすさ
- 表裏二択に持ち込める場面が多く,投げ抜け対策となる頭砕きもあってガードを崩しやすい
- 連続技や補正切り,対空など汎用性の高いVトリガーII
■弱点
- 体力が低め
- EXゲージが溜まるまでは接近戦に持ち込みにくい
■ときど選手の挙げる注目プレイヤー:藤村選手 / Xian選手
いぶき自体の錬度で言えば,日本の藤村は圧倒的でしょう。対キャミィ戦の勝率もものすごく高いので,上まで上がってくる確率はかなり高いと思います。Xianは練度よりも人間性能で勝っている印象です。逆に言えば,まだまだ伸びしろがあるということでもあって,そこは注目ですね。
4Gamer:
では,5強以外での注目選手はどうでしょうか。
ときど選手:
ヨーロッパで言えばベガ使いのProblemXですね。モチベーションが相当高くて,かなり楽しんでプレイできているみたいです。ただ,ベガはキャミィがかなりきついのでアビゲイルも用意しているんですが,練度はそこまででもなさそうなんですよね(笑)。
アメリカはやっぱりNuckleDuとPunkですね。もともとのメインキャラクターに加えて,NuckleDuはミカやキャミィ,Punkもキャミィを用意しているみたいです。あと,キャラパワーは落ちましたが,バイソン使いのSmugにも注目しています。
これらに加えて,MenaRDやCabaなどドミニカ共和国の面々は勢いがあります。EVO2017ではほとんど注目されていませんでしたが,今年は要注目の地域だと思いますね。
4Gamer:
最後に,ときど選手の今年の抱負を聞かせてください。
ときど選手:
1回戦負け……はさすがにないと思いますが,プールは抜けたいなあ,というのが正直なところです(苦笑)。それぐらいレベルが上がってきているんです。昨年はうまい具合に優勝できましたが,今思えばもっとうまくプレイできたはずの部分もたくさんありました。今年は昨年以上に頑張り,応援してくれている皆さんに良いプレイを見せられればと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
EVO2018の「ストリートファイターV アーケードエディション」部門は,日本時間の8月4日 0:00から幕を開ける。Twitchのcapcom fightersチャンネルほかで視聴可能なので,格闘ゲームファンの読者は各選手の活躍をぜひ応援してほしい。
「ストリートファイターV アーケードエディション」公式サイト
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