日本人選手はライバルであり，友人――ARCREVO WORLD TOUR決勝大会「BBTAG」部門優勝，Shinku選手インタビュー

　現地時間2019年11月17日に閉幕したARCREVO WORLD TOUR決勝大会「ARCREVO America 2019」。その「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」（以下，BBTAG）部門では，アメリカのShinku選手が「EVO 2019」優勝に続いて，ビッグタイトルの戴冠を成し遂げた。
　4Gamerでは，優勝直後の同選手にインタビューを行い，喜びの声を聞いたので，その模様をお届けする。また，記事の末尾には当日の大会写真も掲載するので，最後まで目を通してほしい。

「ARCREVO WORLD TOUR」公式サイト

4Gamer：
　優勝おめでとうございます。率直な今の気持ちを聞かせてください。

Shinku選手：
　またやってしまったね（笑）。EVO 2019，CEOtaku 2019に続いて，大きな舞台で勝つことができて本当にうれしいよ。

4Gamer：
　実績から考えて，本大会ではとくにマークされる選手の1人だったと思います。大会に向けて何か準備はしてきましたか。

Shinku選手：
　もちろんマークされるだろうと思っていたよ。ただ，対策される前提で練習をしていたし，対策に対する対策も準備していたので，大きな心配はしていなかったかな。

4Gamer：
　グランドファイナルの相手はEVO 2019と同じ，日本のキャメイ選手となりました。

Shinku選手：
　キャメイ選手とは今回もどこかでぶつかるだろうと思っていて，大会前からかなり意識して対策を進めていたんだ。グランドファイナルで実際に戦ったわけだけど，今回も本当に強敵だったね。

4Gamer：
　試合は，EVO 2019と同じくキャメイ選手が優勢に進めましたが，中盤以降は流れを掴み，逆転を許すことなく優勝を決めました。

Shinku選手：
　EVOの時は，Loser'sから上がってきたキャメイ選手の勢いを止めることができず，Winner'sから一度落とされてしまったね。今回もリセット目前まで追い詰められてしまったけど，うまく立て直せてよかった。
　
4Gamer：
　EVOでは，リセット後により攻撃的なプレイスタイルを取ったことが勝利につながったとおっしゃっていました。0-2に追い詰められた時点で何かプレイスタイルを変更したのでしょうか。

Shinku選手：
　本作で一番有効な戦術は，相手が見たことのない連携を仕掛けることだと思っていて，まだ見せていないセットプレイを多く使ったかな。あとはキャメイ選手は真田を操作している時，しゃがみAを擦ることが多いから，そこを強気にヤンのJCで潰すことを心掛けたよ。


4Gamer：
　以前のインタビューで，本作の魅力は「クレイジーな部分が多く，ハチャメチャで楽しい＋すごいことができる」とおっしゃっていました。安定しないゲーム性にも思えますが，Shinku選手がこうして安定した成績を残せている理由はどこにありますか。

Shinku選手：
　ゲームをやり込むなら当然かもしれないけど，とにかく研究を詰めているよ。そして対戦を数多くこなしている。発売から1年半経った今でも，初めて見るようなセットプレイがあったりするんだけど，調べたり，対戦したりして，少しでも多く体験することが大事で，やっていくうちにちょっとずつ慣れていくんだ。あと，対戦中は一瞬足りとも気を抜くことなく，画面を見ることに集中しているね。

4Gamer：
　今日の大会のTOP8がアメリカと日本できれいに4：4の構図となりました。アメリカと日本で攻略方法や戦術に違いは感じましたか。

Shinku選手：
　日本人選手は全体的に立ち回りを重視しているプレイヤーが多いよね。ディフェンシブに立ち回って，チャンスを作ってから攻めてくる。一方，アメリカの選手はみんなオフェンシブで，とにかく攻めることが好きかな。もちろん，ただ突っ込んでいくだけの能無しじゃないんだけど（笑）。

4Gamer：
　大会結果を見るといいライバル関係を築けているように感じます。

Shinku選手：
　日本人選手とはいい関係を築けていると思っていて，ライバルであり，友人だよね。同じゲームを一緒に遊ぶことができて本当にうれしいよ。

4Gamer：
　Shinku選手は一貫してルビー＆ヤンを使っていますよね。このチームの良さはどこにありますか。

Shinku選手：
　自分のチームは，前衛がヤン，後衛がルビーのポジションが基本になるんだけど，ルビーのアシストがヤンの攻めを展開するのに最適なキャラだと思っている。ヤンは体力が多いし，攻めも強いキャラだから，自由に動くことで相手に強力なプレッシャーを掛けられるんだ。
　また，ルビーは前衛もこなせるから，ヤンがセンブランスを発動したら一旦下げて，体力回復を待つこともできるんだ。パワーアップしたヤンが長時間動けたら，それだけダメージレースでも勝ちやすくなるからね。


4Gamer：
　Shinku選手は「RWBY」シリーズが好きとのことですが，Ver.2.0から参戦するニオポリタンは試遊台で触りましたか。

Shinku選手：
　ニオポリタンにはすごく興味があるんだけど，残念ながらまだ触れていないんだ。Ver.2.0からゆっくりと時間を掛けて研究していこうと考えているよ。Ver.2.0ではニオポリタンだけでなく，アカツキや雪泉も参戦するけど，どんなキャラか本当に楽しみだよ。来週から忙しくなりそうだ（笑）。

4Gamer：
　2020年1月に日本で開催される「EVO Japan 2020」のメインタイトルに「BBTAG」が選出されました。Shinku選手は参戦する予定はありますか。

Shinku選手：
　すごく残念なんだけど，今回は参加できないんだ。ちょうど同じ時期に予定が入ってしまっていて……。

4Gamer：
　今後，日本に遊びに来る予定はありますか。

Shinku選手：
　次に長い休みを取れるのがいつになるか分からないけど，機会があればぜひ行きたいね。日本人選手との交流や対戦はもちろんだけど，日本の風景や食事といった観光も楽しみたいんだ。

4Gamer：
　最後に，大会を見てくれた人や応援してくれた人に何かメッセージがあればお願いします。

Shinku選手：
　今まで自分をサポートしてくれたファンや友人，家族に感謝します。特にこれまで支援してくれた家族にはお世話になった分，恩返ししていきたい。そして，本作に興味があるけど，遊んだことがないという人がいるなら，本当に面白い作品だから手に取って遊んでほしいと思うよ。
　あとは……最後に友人に伝えたい言葉があるんだけど大丈夫かな？

4Gamer：
　はい，よろしくお願いします。

Shinku選手：
　「Trans rights！」。慎重に扱わないといけない言葉だろうけど，どうしてもこの言葉を伝えたかったんだ。

4Gamer：
　あらためて，本日は優勝おめでとうございます。

「ARCREVO WORLD TOUR」公式サイト