イベント
巨人とロッテがe日本シリーズに進出。「eBASEBALL プロリーグ」2019のeクライマックスシリーズ ファイナルをレポート
東京・コナミクリエイティブセンター銀座に新設されたesports 銀座 studioにて19日に行われたファイナルステージの模様をレポートしよう。
eBASEBALLプロリーグ 2019シーズン 公式サイト
PlayStation 4版「実況パワフルプロ野球2018」を競技タイトルとして行われたeBASEBALL プロリーグの2019シーズンは,セ・リーグが東京ヤクルトスワローズ(以下,ヤクルト),パ・リーグが千葉ロッテマリーンズ(以下,ロッテ)の優勝という結果に終わった。
ただし,そのまま両チームがe日本シリーズに出場するわけではない。実際のプロ野球と同じく,シーズン上位3球団で競うeクライマックスシリーズを勝利したチームが,リーグ代表として“日本一”の栄光を懸けた舞台へと進むのである。
18日に行われたファーストステージでは,セ・リーグ2位の読売ジャイアンツ(以下,巨人)が3位の中日ドラゴンズを下し,パ・リーグも2位のオリックス・バファローズ(以下,オリックス)が3位の東北楽天ゴールデンイーグルスとの対戦を制し,19日のファイナルステージに進出した。
パ・リーグ覇者としての強さを見せたロッテが2連勝
ファイナルは,パ・リーグ代表を決めるロッテ対オリックスから始まった。
リーグ首位のロッテは,最下位という成績で終えた2018シーズンのリベンジに燃え,チームの4人全員が勝ち越しを達成するなど総合力の高さを見せた。対するオリックスは,プロリーグランキング1位の指宿(いぶすき)聖也選手を中心に,ペナントで安定した順位をキープする強さを誇ったチームだ。
千葉ロッテマリーンズの選手たち。左から柳 虎士郎選手,町田和隆選手,清野敏稀選手,キャプテンの下山祐躍選手 |
オリックス・バファローズの選手たち。左からキャプテンの指宿聖也選手,松井徳成選手,木村智亮選手,高川悠選手 |
注目の第1戦は,ロッテは町田和隆選手,オリックスは木村智亮選手が1番手として登場した。強打に定評のある両者のどちらが先制するか。気になる勝負は町田選手が制し,ロッテ3点のリードで後続の選手にバトンタッチとなり,その後も小刻みに得点を重ねたロッテが5-2で1勝を決めた。
同じくロッテ町田選手,オリックス木村選手の対戦で始まった2戦目は,木村選手が1戦目のお返しとばかりに初回から2本のホームランを放つ。
その裏,町田選手がすぐさまレアードの2ランホームランで試合を振り出しに戻した。町田選手からはプロ野球ファンにはおなじみのレアードの寿司ポーズも飛び出し,会場は大いに盛りあがる。
町田選手が3回に得点を挙げ,ロッテの1点リードで迎えた中盤戦は,ロッテは柳 虎士郎選手,オリックスは松井徳成選手が2番手として登場。代わってすぐに長打を許し,緊張の色を見せた柳選手だったが,大きく深呼吸をして冷静さを取り戻し,無失点で切り抜ける。その後,本来の力を取り戻した柳選手は,担当したイニングで連続得点を挙げてリードを4点とし,7回以降を担当する下山選手にバトンを渡した。
3番手は,ロッテが最優秀防御率のタイトルを獲得した下山祐躍選手,オリックスが本塁打王の指宿選手という,最強の矛と盾同士の対戦となった。4点のリードを下山選手が守り切れるかが勝負のカギを握る。7回は緊張感のある対戦で両者0点で終えるが,8回表に集中力が冴えわたる指宿選手が2ランホームランを放ち,あと2点で同点というところまで追い上げる。
そして9回も指宿選手の集中力は途切れず,ジリジリと下山選手にプレッシャーを掛け,2アウトの土壇場でソロホームランを放って1点差とするも反撃はここまで。オリックスの猛反撃を抑えたロッテが6-5で勝利し,2連勝でe日本シリーズへの切符を手にした。
試合後のインタビューでは,指宿選手からの重圧を受けた下山選手が「プロ野球の抑えピッチャーの気持ちがよく分かりました」とコメント。そんな状況でも自分の見失わず,最高のパフォーマンスでチームを勝利に導いた下山選手に,ゲストの黒木氏からは「ナイスピッチングでした」と激励の言葉が贈られた。
試合後,ゲスト解説の黒木知宏氏に「eクライマックスシリーズのMVPは誰か」と聞いてみたところ,指宿選手の名前があがった。試合では,“指に神が宿る”と称されるほど卓越した技術と集中力をみせてくれた指宿選手。敗れはしたが,多くのファンに強烈なインパクトを残した。
フォトレポート(公式写真より)
eペナントの悔しさを晴らした巨人がセ・リーグ代表に
セ・リーグ覇者のヤクルトは,開幕カードの巨人戦で3連敗という最悪のスタートを切りながらもその後に持ち直し,優勝が見えた第5節で阪神相手にバックスクリーン3連発を放つなど,eペナントではここぞの場面で強さをみせてきた。
対する巨人は,圧倒的な打撃力を武器に開幕でヤクルトを下して首位スタートを切り,その後も第2節は2位,交流戦から第4節までは首位キープと,ペナントで着実に優勝への道を進んでいた。しかし最終節のあと1勝というところで足踏みし,ヤクルトに差し切られるという,2位ながら悔しい思いをしたeペナントとなった。
東京ヤクルトスワローズの選手たち。左から藤本洋介選手,加藤誉士典選手,高良匡史選手,キャプテンの大川泰広選手 |
読売ジャイアンツの選手たち。左から坂東秀憲選手,高川 健選手,吉田友樹選手,キャプテンの舘野弘樹選手。オリックス高川 悠選手の実兄で,兄弟揃ってのファイナル進出を果たした |
小さい球場でホームランが出やすいということで,激しい空中戦になることが予想されるこの対戦。両チームともにまさにホームラン攻勢を狙ったかのように,ヤクルトが池山,巨人が松井という長打力に優れたレジェンドOB選手を1戦目から起用した。
ヤクルトは高良(たから)良匡史選手,巨人は舘野弘樹選手がスターターとして登場した第1戦は,1回表,舘野選手の2ランホームランから幕を開ける。舘野選手は攻め手を休めず一挙5得点。中盤以降は落ち着いた試合展開になるが,巨人がさらに7回,8回と追加点を挙げ,10-3という大差で1勝をもぎとった。
セ・リーグの最多本塁打と最多打点(高良選手も同点で1位)の2冠を達成している舘野選手で先制を狙うという巨人の作戦がうまくはまった形だ。
2戦目,ヤクルトは1戦目最後に登場して悔しい気持ちを残したままのキャプテン大川泰広選手,巨人は高川 健選手が先発。大川選手がランナーを出して攻める流れとなるが,高川選手は要所を締めて0-0のまま中盤戦へ。eクライマックスシリーズではいまいち調子が上がらなかった高川選手だったが,重要な場面で好投を見せた。
4〜6回は,eクライマックスシリーズ初登場となるヤクルトの加藤誉士典選手と,1戦目で大活躍した巨人の舘野選手の対戦に。強打者のオーラを感じさせる舘野選手は,代わってすぐにホームランを放ち,さらにおかわりの一発で2点を先取。加藤選手はその後持ち直し失点は防いだものの得点を挙げられず,試合は2-0の巨人リードのまま終盤戦に突入した。
最終戦は,あとがなくなったヤクルトは高良選手,このまま2連勝を決めたい巨人は吉田友樹選手が登場。独特な雰囲気と“仕事人”ともいえる勝負勘を持つ高良選手と,「スプラトゥーン2」の世界大会での優勝経験もあり,大舞台での勝負強さは折り紙付きの吉田選手の対戦は,お互い一歩も譲らず7回,8回とスコアボードに0が並び,最後の攻防となる9回へ。9回表に吉田選手がタイムリーヒットで1点を上げると,エンドランを決めるなど小技を足掛かりに4得点をあげて勝負あり。1戦目を大量得点で,2戦目を完封で勝利した巨人が,ペナントレースの雪辱を晴らした。
試合後,eクライマックスシリーズで8本塁打15打点の活躍をみせた舘野選手は,「みんなでこの試合(2戦目)を戦って取れたのが嬉しい。自分の力を発揮できてよかった」と充実した顔で試合を振り返る。吉田選手は「ヤクルトはバッティングが上手い選手ばかりなので,打たれてもいいと開き直って,打つことに集中できたのが良かった」とコメントした。
フォトレポート(公式写真より)
セ・リーグ代表が巨人,パ・リーグ代表がロッテに決まったのち,SMBC e日本シリーズ第1戦のルールを決める抽選が行われ,「先行・ロッテ / 後攻・巨人」「DH制あり」に決まった。なお,2戦目以降は,1試合ごとに先攻・後攻とDH制の有無の入れ替えを行う。
SMBC e日本シリーズは,2020年1月25日にesports 銀座 studioで開催される。チケットはすでに完売しているが,公式YouTubeなどでネット中継されるほか,パブリックビューイングが行われる予定とのこと。気になる人は公式サイトで情報を確認しよう。
(C)Nippon Professional Baseball / (C)Konami Digital Entertainment
eBASEBALLプロリーグ 2019シーズン 公式サイト
- 関連タイトル:
実況パワフルプロ野球2018
- この記事のURL:
一般社団法人日本野球機構承認 日本プロ野球名球会公認 (公社)全国野球振興会公認 プロ野球フランチャイズ球場公認 ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2017年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。 データ提供:共同通信デジタル データは(株)共同通信デジタルが独自に収集したものであり、公式記録とは異なる場合があります。 提供情報を手段を問わず、いかなる目的であれ無断で複製、転送、販売等を行う事を固く禁じます。 (C)Konami Digital Entertainment