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  • 発売日:2018/03/20
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最初から日本に向けたゲームを作りたい――今までに増して日本市場に本腰を入れてきたNetEaseの動向を聞いてみよう
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印刷2019/11/01 15:02

インタビュー

最初から日本に向けたゲームを作りたい――今までに増して日本市場に本腰を入れてきたNetEaseの動向を聞いてみよう

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 1年ほど前にインタビューをした,NetEaseのVice President,王怡(Ethan Wang)氏が先月9月に,TGS 2019のスピーカーとして来日した。「陰陽師」で日本のゲーム業界に強い印象を与えたNetEaseは,その後も「荒野行動」「IdentityV」などを次々にヒットさせ,日本でスマッシュヒットが続いている中国スマホゲーム会社の中でも,最も成功した会社の1つだ。

関連記事:[TGS 2019]次世代通信規格「5G」についてキーパーソンが意見を交わした基調講演「5Gインパクト〜5Gによって“ゲームチェンジ”は起こるか?」をレポート


早くも二周年を迎える「荒野行動」
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 そんなNetEaseだが,今年に入ってからの動きはやや慌ただしい。新年早々の2019年1月3日に,X.D.Globalからローンチした「非人類学園 -Extraordinary Ones-」を皮切りに,
ライフアフター(iOS:4月18日,Android:4月22日)
サイバーハンター(4月25日)
永遠の七日(5月8日。開発のみで,リリースはDeNAから)
アカツキランド(iOS:5月30日,Android:6月4日)
機動都市X:スーパーメカシティ(iOS:7月25日,Android:7月29日)
人狼はウソ月(9月19日)
ブラックホライズン -Black Horizon-(9月19日。開発のみで,リリースはWeGames Japanから)
流星アサシン・武侠デスティニー(Android:10月30日)

と,9作ものタイトルを大量投入。この先も,分かっているだけで

アンノウン フューチャー(2020年内)
ディアブロ イモータル(未定)

などの作品が控えており,全体のタイトル数もさることながら,日本進出に本腰を入れ始めた……と思ってよさそうだ。

 1年くらい前から,各種求人サイトで東京のNetEase Gamesが各種人材を募集していたことは把握していたが,その動きとこのタイトルラッシュを合わせて考えると,なんらかの方針が決まったものと思ってよさそうだ。そう思って,TGSに来ていたNetEaseのVice President,王怡(Ethan Wang)氏に連絡をとったところ,短い時間でよければ,という条件付きで時間をいただけたので,ここにインタビューをお届けしよう。

関連記事:NetEaseが目指しているのは,「世界で最も大きいユーザー数」を持つことではない―――重要なのは,ユーザーの皆さんに満足してもらえること


「NetEase Games」公式サイト(中国語)


NetEase Vice President 王怡(Ethan Wang)氏
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4Gamer:
 前回お会いしてから,ちょうど一年ぶりくらいですね。今回もお時間を取っていただきありがとうございます。

王怡(Ethan Wang)氏(以下,Wang氏):
 1年前のことは覚えてますよ。こちらこそありがとうございます。

4Gamer:
 だいぶ前の話になってしまいますが,振り返ってみて,NetEase Gamesにとって2018年はどんな年でしたか?

Wang氏:
 2018年は,NetEase Gamesにとって大きな意味のある「開拓」の一年だったと思います。いくつかのタイトルでは,そのテーマを実現できました。とくに「荒野行動」は,うまいこと日本に上陸できましたし,「Identity V」もそうです。すごく反響があって,良い評価をいただきました。
 2018年という1年は,日本の若いプレイヤーをどんどん迎え入れることができたと思っていますが,その人達は,それまでゲームをしてなかった人達だったり,あまりゲームに時間を費やさない人達だったりしました。

4Gamer:
 確かにそうですね。荒野行動にせよIdentity Vにせよ,いわゆる非ゲーマー層に大きく広がった印象があります。ゲーム業界にいるとあまり気付かないのですが。

Wang氏:
 そうですよね。でも,そこはうまくいったと思っています。

4Gamer:
 ではその結果を受けて,2019年以降はどんな感じで進んでいっているのでしょうか。

Wang氏:
 2019年は,より挑戦的に動いています。2018年は日本に初上陸し,ある程度の成果を得られましたが,まだ不安もあります。日本プレイヤーの好みをそこまで把握できていない一方で,期待には応えないといけません。今後の経営方針も,改めて考えるフェーズになっていると思います。

4Gamer:
 改めて考えるにしても,いま伸びている2タイトルが,まずは中心になりますよね。

Wang氏:
 確かに「荒野行動」は,引き続き大きな人気を保っています。最近では,各種のキャンペーンやリアルイベントによってコミュニティが形を成してきて,大きなeスポーツ大会も行われました。
 「Identity V」に関しては,リリースの頃(※2018年4月)のDAU(Daily Active User)がかなり高かったんですが,一時期少し落ちました。しかしそれが2019年に入ってからいいペースに乗り始めて,Identity Vに対する愛情が強く,ロイヤリティの高いファン達が現れました。

今年の動きは本当に激しく,バトロワの波に乗ってサイバーハンター(左)機動都市X:スーパーメカシティ(右)などを次々とローンチ
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4Gamer:
 両作品ともいい調子ですよね確かに。

Wang氏:
 ですので2019年は「収穫」の一年になるだろうと思います。単なる一発屋ではなく,NetEase Gamesは日本市場で成功できる会社であることが証明される一年だと言っていいでしょう。

4Gamer:
 では,ワールドワイドではどうでしたか。

Wang氏:
 それはなかなか話すのが難しいですね。教えられませんという意味ではなくて,NetEase内部は世界市場をいくつかに分けて見ているからなんです。世界全体でこうである……という動きは実際のところ見るのは難しいですし。

4Gamer:
 世界を何ブロックくらいに分けてるんですか?

Wang氏:
 まず北米で1つ。東南アジアの国々,ラテンアメリカの国々,そしてヨーロッパ……という感じですね。北米とヨーロッパは結構似た傾向が出ることが多いんですが,最近のゲーム市場で見るとやはりバトルロイヤルでしょうか。

4Gamer:
 北米とかヨーロッパのあたりは,あんまり大きな流行り廃りがない印象があります。

Wang氏:
 そうですね。シミュレーションやカジュアルゲームなど,ほかのジャンルはほとんど変わらず今までと同じようなタイトルが市場シェアを占めています。ジャンルに関しては,僕個人の意見としては「世界は新しいゲームジャンルを待っている」というところでしょうか。

4Gamer:
 なるほど。

Wang氏:
 弊社もそうですし,メーカーはみんなグローバル進出に備えて,いろんなことをブーストする準備をしていると思います。NetEaseももちろんグローバル市場向けのタイトルを用意してありますが,まだ詳しくは言えません。

4Gamer:
 残念……。

Wang氏:
 来年は必ずグローバル向けの大作がリリースされることだけはお約束します。楽しみにしていてください。

4Gamer:
 話の流れから言うと,おそらくそれが何か新しいジャンルなのだろうな……という気がするんですが,つい先日御社はECサイトであるコアラ(考拉)をアリババに売却しましたよね(日経新聞の記事→こちら)。
 あの売却によってNetEaseそのものが身軽になって,今まで以上にゲームの開発に注力するんじゃないかという期待がちょっとあるんですが,そのあたりはどんな空気感なんでしょうか。

Wang氏:
 実はゲーム事業とEコマース事業にはそんなにつながりがないため,私個人としてもコメントするのがちょっと難しいですね……。でも,今回の決断に対する世の中の皆さんのフィードバックを見る限り,反響はいいですよ。

4Gamer:
 先のインタビューから1年が経ちますが,その1年で失速することなく日本での成功を維持しています。この一年で新たに得た日本市場に対するノウハウって,何かありますか?

Wang氏:
 いろいろなことをしてきましたが,中でも一番成果に結びついたのはeスポーツ戦略でしょうか。

4Gamer:
 荒野行動の。

Wang氏:
 ええ。ご存じのように8月に「荒野王者決定戦」が行われたんですが,正直なところ日本のプレイヤーの皆さんが,あそこまで荒野行動に対して情熱を持っていただけているとは思っていなかったんです。

中国が世界に誇るデバイス「ドローン」も,荒野行動には登場する。荒野行動というゲームが,周りのものを貪欲に取り込んでいく様子は,なかなかすごい
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関連記事:【PR】日本最強の称号を手にしたのは「ちーむえーけー!!」。東西の強豪チームが集結した「荒野Championship-元年の戦い」王者決定戦をレポート


4Gamer:
 参加者がすごい数だった記憶があります。

Wang氏:
 エントリーチーム数は9万超えで,参加者数は50万人以上でした。私も決定戦の現場を見に行きましたが,日本プレイヤーの情熱にただただ驚くばかりでした。観客の皆さんの歓声もすごかったですし,試合が終わったにもかかわらず会場にしばらく居続けてくれて,とても感動しました。
 もう一つ驚いて感心したのは,日本のプレイヤーの皆さんの自己表現意欲でしょうか。

4Gamer:
 選手のパフォーマンス……的な意味合いですか?

Wang氏:
 はい。チーム紹介だったり,勝った時の盛り上がりだったり,そういうものがとても印象的でしたし,それを通して日本のプレイヤーの皆さんにある種の親近感を感じました。そして同時に,「荒野行動」のeスポーツ競技としてのポテンシャルも確認できたんです。

4Gamer:
 正直に申し上げますが,私も,荒野行動そのものにあそこまでのパワーがあるとは思っていませんでした。

Wang氏:
 そう,それが確認できたんです(笑)。
 これからも,競技大会という部分により力を入れてやっていきたいと思ってますし,それを通じて,日本のユーザーさんのeスポーツに対する情熱やモチベーションをもっと高めていきたいと思っています。NetEaseのパワーで,日本市場にもっと貢献できれば,と。

参加者が全部で50万人を超えた「荒野Championship」。このままeスポーツ競技として定着するのだろうか
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4Gamer:
 今お話された「eスポーツ」は,ピラミッドの頂点を目指す競技ではなくて,もうちょっと緩い意味での,「ゲーム大会」的な要素が強いものだったりしますか?

Wang氏:
 おっしゃるとおり「荒野行動」は,ユーザーベースが広いゆえにゲーム大会的な特性があると思います。プレイヤーは自分達も簡単に遊べて,ルールを理解した上で,ゲーム観戦を楽しめます。

4Gamer:
 「競技」が見たい人と,「観戦」がしたい人って,似てるけど違う気がするんですよね。

Wang氏:
 ええ。ですが最終的に荒野行動が提供するものは,ゲームテクニックによる競技体験だけでなくて,1つの「ショー」なのです。そこはそのまま「エンターテイメント」と言い換えてもらっても構いません。
 なので,先ほど例に出たようなピラミッドのトップの人達の戦いではなくて,みんなが一緒に参加できるようなイベントを目指すのであって,プレイヤーに体験してもらうのは「ストーリー」なのです。もちろんテクニックも重要です。闇雲にやって勝てるゲームではありませんから。それでも,荒野行動の大会の魅力は「ストーリー(+テクニック)」という形であると思っています。

4Gamer:
 ……聞いていて思うのですが,日本のeスポーツ事情に詳しいですよね。前回のJoeのインタビューのときにも同じことを思いましたが。

Wang氏:
 とんでもありません。いろいろな研究と試行錯誤の賜です(笑)。

関連記事:「荒野行動」のPS4版はスマホ版とのクロスプレイに対応。「TikTok」コラボでさらなるプレイヤー層の拡大を狙う


日本のゲーム会社と提携して,完全に日本向けのゲームを作りたい


4Gamer:
 ここまでのお話だと,NetEase的にも荒野行動が一番成功したタイトルだと考えているわけですね。
 
Wang氏:
 「荒野行動」はもちろんとして,「Identity V」も調子いいんですよ。でも今後はより多くのジャンルで良い作品を作り続けて,日本市場でさらなる成果をあげたいですね。

「荒野行動」に続き,「Identity V」も着々とeスポーツ化進行中? 「Identity V Championship日本大会」
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4Gamer:
 この状況からさらに日本マーケットに力を入れるというのは,具体的にどんなアクションを?
 
Wang氏:
 日本市場,日本ユーザー向けのゲームを作って出したいですね。

4Gamer:
 NetEaseが「完全日本向け」の作品を作るということでしょうか。

Wang氏:
 はい。今までのNetEaseのゲームは,元々中国で作ったものが日本のユーザーに受け入れられたわけですが,これからは日本のユーザーの好みに合わせて作ったり,日本のメーカーやIPとコラボして質が高いゲームを作ったり,そういうことをしたいですね。

4Gamer:
 でもNetEaseほどの規模の会社で,単に「日本向け」という意味だけの新作を作る……こともないですよね。

Wang氏:
 ええ。日本市場を獲得するためだけではなく,グローバル的な……少なくともアジア圏におけるビジネスの拡張という意味で大きなメリットがあると思います。
 例えばいつもの「中国のMMORPG」の遊び方は,東南アジアのほかの国々のマーケットで受け入れられることがかなり難航していました。そういうことに比べると,日本のゲームはアジア各地との相性がいいです。それに,今のNetEaseはそういうグローバル開発運営の能力も着々と身に着けていますし,まず日本向けのゲームを作ってそれをアジア各国に展開するという戦略を取るわけです。

4Gamer:
 なるほど。では,日本のメーカーとパートナーシップを結んだり提携したりということも考慮されてますか?

Wang氏:
 もちろんです。

4Gamer:
 5月にあったNetEaseカンファレンスには僕も参加させていただきましたが,あそこにあっただけでも凄まじい数のタイトル数ですよね。さらに日本向けの何かを作って,それをまた世界市場に持っていく,と。

関連記事:NetEaseが中国向けのカンファレンスを開催。「ポケモンクエスト」中国語版やMarvelとの業務提携など,膨大なタイトルの新情報が明らかに


1タイトル5〜10分でプレゼンされるのだが,それが数時間にわたってノンストップで続くという(取材する側にとっての)地獄のようなイベント
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Wang氏:
 そうなりますね。でも実は,あのカンファレンスでは発表していない超ビッグタイトルが2本あります。理由があって,今はまだ詳しく教えられませんから聞いても無駄ですよ(笑)。

4Gamer:
 う……。ちなみに公開できない理由は何ですか?

Wang氏:
 世界レベルで有名なIPなので,今の段階ではまだ公開できないんです。今年の年末か,来年までには公開できると思います。

4Gamer:
 うーんでもNetEaseは,すでにMarvelとも協力関係を結んでますよね。さらに世界レベルで有名なIP……。

Wang氏:
 ご想像にお任せします(笑)。

編注:このインタビューが掲載される直前に,ハリー・ポッターの新作ゲーム「哈利波特:魔法觉醒」(Harry Potter:Magic Awakened)がNetEaseから出ることが中国で発表された。→公式サイト 2本のうち1本はこれ……かな?

4Gamer:
 でも確かに日本マーケットのことを,そして日本のタイトルのことを,NetEaseはとても研究している気がします。そもそも日本で最初にNetEaseが有名になった「陰陽師」だってそうですよね。そういう人達が日本に向けて中国で新作を作ってるというのは,とても興味深いし楽しみですね。

NetEaseの名前を日本のプレイヤーに知らしめた最初の作品は,おそらくこの「陰陽師」。いまでももちろん健在だ
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Wang氏:
 でもそのために,ローカルのパートナー協力が欲しいんです。NetEaseという会社は,すでに開発能力は持っていると思っていますが,日本ネイティブなものを作るためには,日本ユーザーのことを今よりもっと深く理解しないといけません。

4Gamer:
 その「ローカルのパートナー協力」というのは,共同開発をしましょうという意味ですか? それともたとえばジョイントベンチャーを作りましょうという意味ですか?

Wang氏:
 あまり形式にはこだわってません。NetEaseに興味を持っているプロデューサーさん個人だったり,会社単位でのデベロッパだったり。共同開発だって十分に考えられますね。

4Gamer:
 日本に対してよりネイティブに,日本にマッチするようなカルチャライズをしてくれる人または会社が欲しい,ということですね。

Wang氏:
 そうです。

4Gamer:
 このお話を記事に書いてもよいですか?

Wang氏:
 もちろんです。そうでなければここでは言いません(笑)。
 NetEaseは,欧米ではそういう共同開発を数多くしていますが,実は日本ではまだまだそういう事例が少ないんです。今後は日本でもそういう形で展開していきたいですね。

4Gamer:
 荒野行動のマルチプラットフォーム展開などは,日本でも割と注目されてますからね。
 実はこのインタビューに合わせて「荒野行動はさらなるマルチプラットフォーム展開をしないんですか?」って聞こうと思っていたんです。ところがつい先日にリリースが出ちゃって全然聞けなくなりました(笑)。

関連記事:バトルロイヤルゲーム「荒野行動」のPS4版が発表。2019年春に配信,基本プレイ無料(※リリース情報を追記)


関連記事:「荒野行動」のSwitch版が10月に配信。ジャイロ操作にも対応


Wang氏:
 タイミング悪かったですね(笑)。

4Gamer:
 去年も今年も,なぜかあなたにインタビューする前後に,大きな発表が行われている気がしています……。
 それはともかく,この路線は今後も続けていくのでしょうか。然るべきタイトルをマルチプラットフォームに展開していくという。

Wang氏:
 そうですね。人気とプラットフォームの適合性の両方を考えてリリースしていくと思います。もちろんスマホが優先になるんですが,ほかのプラットフォームで遊ぶ需要が出てきたと思ったら,もちろんマルチで展開することを考えます。

ゴシックの雰囲気が漂う「Identity V」も,もしかしたら……?
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4Gamer:
 しかしコンソールゲーム機で遊ぶ……という話でしたら「Identity V」なんかすごく楽しそうですよね。あれはちょっと大画面で遊んでみたい。

Wang氏
 それは……「凄く可能性が高い」とだけ申し上げておきます。

4Gamer:
 おお? ちゃんと記事に書いておきますね。

Wang氏:
 どうぞ(笑)。

日本支社も着々と拡充中。NetEaseにとって日本はとても重要な国


4Gamer:
 しかしNetEaseが「完全に日本向け」を作ろうとしているのはちょっと予想外でした。ぜひ情報は逐一出してほしいです。

Wang氏:
 そのつもりではありますが,たださすがに時間がかかります。それに適したプロデューサーなどの人材も欲しいですね。

4Gamer:
 そこまでやる以上,日本に対して何か新しい体制ができたりするんですか? 日本に向けてのチームが複数できるとか。

Wang氏:
 いま日本支社も作ってまして,日本のマーケティングに向けて最終的には数百人規模のチームまで拡大させるつもりです。

4Gamer:
 想像以上に大規模でした。

Wang氏:
 NetEaseの目標は,まずそれぞれの地域のユーザーのリクエストに応じることで,そのうえでそれぞれのメーカーやデベロッパと,可能性を探って協力していきたいです。市場シェアを根こそぎ奪いたいとかそういう話ではなくて,新しいものを創出して,ユーザーのニーズを満たすのが一番の目標なのです。

4Gamer:
 最近は日本に対する新作のローンチペースが上がってますよね。

Wang氏:
 弊社としてはもちろん日本に力を入れていますし,そもそも開発チーム達も日本マーケットを重視していますから,日本のニーズを考慮しつつ開発を進めた結果,全体のペースが上がったんじゃないでしょうか。

NetEase Gamesの人材募集ページには,募集中の職種がズラりと並ぶ。興味がある人はぜひ見にいってみよう
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4Gamer:
 つまり「これは日本で試してみよう」というタイトルが増えてきた?

Wang氏:
 そうなりますね。なにぶんNetEaseは開発チームもプロデューサーの数も多いので,日本マーケットを重視するチームが増えています。

4Gamer:
 最近は中国のゲームのほうが安心な部分もあったりして,日本人としてはなかなか複雑な心境です。

Wang氏:
 その「安心」というのは,スマホゲーム制作の技術力の話ですか? 中国の技術力は世界トップ……とまでは言えませんが,もう一流の仲間入りはしてると思いますし。

4Gamer:
 それもありますが,ここでの「安心」にはもう一つ大事な意味があって「メチャクチャなお金儲けをしない会社が比較的多い」という話です。

Wang氏:
 あぁ……ガチャの問題ですね。

4Gamer:
 本国のルールのせいもあるのか,中国のタイトルのほうが比較的ユーザーフレンドリーなお金の取り方をしている……気がします。もちろん中には「おい,いい加減にしてくれ」と言いたくなるタイトルもありますが,あくまでも一般論として。

Wang氏:
 そこに対して,NetEaseには割とロマン……みたいなものがあります。今,海外で出しているタイトルなどは,必ずしも利益が出ることが見込まれるものばかりではありません。

4Gamer:
 日本でサービスされているタイトルだと,「Identity V」なんかはそうじゃないかと思うんですが,とてもコアな人気がある一方で,恐らく売り上げはそんなにないんだろうな……という気がしています。少なくとも本国の規模感と比較したらお話にならないはず。
 それなのに,そういうものもちゃんとサービスを続行して,継続的にクオリティを上げてきますよね。

Wang氏:
 言いすぎかもしれませんが,ゲームタイトルは“アート作品”なんです。ですからクオリティを譲れるわけがありません。次は,ユーザーニーズを満たして受け入れてもらうことに力を割き,そのあとが課金です。
 前回も言ったかもしれませんが,弊社が求めるのは「安定的な長期の運営」であって,いっときの利益ではないのです。

4Gamer:
 そんなNetEaseが作っている日本向けのタイトルが,早く見られることを楽しみにしています。本日はありがとうございました。

Wang氏:
 ありがとうございました。

―――2019年9月12日収録
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